2022年10月11日投稿
2023年9月19日更新
2024年10月5日更新
5年生の秋、この季節がやってきました!理科は重い単元が続き、つまずく子が多くなる時期です。今回の範囲では浮力・水溶液②・電流が当てはまるでしょう。ここから冬まで頑張りどころが続きます。今まであまり理科に時間を割いてこなかったご家庭も、理科の時間を増やして乗り切ってください!
各単元のポイント及び問題の重要度を紹介していきます。
◎:絶対
〇:マンスリー対策としてここまで解いておくとよい
△:できれば取り組んでおきたい
無印:余裕があれば
530-20 浮力①
「全然分からない」子が続出する浮力の登場です。頭の中で組み立てて考えるのが難しいため、矢印をかいて見える形にして考えるのがよいでしょう。下の方に図を載せてありますので、参考にしてみてください。
・密度
◎密度について理解する(確認問題[1][2](1)[4](1))
密度とは?…1㎤あたりの重さであることを理解し、表やグラフから計算で求められるようにしましょう。
また、密度は物質の種類によって密度が決まっていることを理解し、
体積と重さのグラフでは、同じ物質(密度が同じ)は一直線上にあることも理解しておきましょう。
◎ものの浮き沈みを判断できるようにする(確認問題[3](3)[4](2))
液体の密度と固体の密度を比べて、固体の密度の方が大きければ沈み、小さければ浮くことを理解しておきましょう。
また、食塩水では濃いほど密度が大きくなることも知っておきましょう。
・浮力の計算
◎アルキメデスの原理を理解し、浮力の計算ができるようにする(確認問題[2](2)(3)[3](1)(2)[5])
以下の3点がポイントです
①水中の体積→浮力が求まる
②浮力→水中の体積が求まる
③物体にはたらく上向きの力と下向きの力がつりあう
このうちのどれかが糸口になるので、使いこなせるようにしておきましょう。
①と③を使うパターン
体積100㎤の物体が4/5水中に入って浮いている
①と③を使うパターン
重さ100g、体積20㎤の物体をばねはかりにつないで水中に入れる
②と③を使うパターン
重さ100gの物体が1/2水中に入って浮いている
〇台はかりにかかる力を求められるようにする(確認問題[5](6)(10))
① 台はかりにかかる力=ビーカー+水+物体の重さ-ばねはかり
と考えるのが一般的ですが、水が水中の物体に対して浮力を出すと物体から同じ大きさで押し返される力(反作用)を受けるので
② 台はかりにかかる力=ビーカー+水+浮力
と考えてもよいでしょう。
ただ、以下のようなときは①の方が考えやすいでしょう。
ビーカー50g、水200㎤、重さ100gで体積20㎤の物体が沈んでいる
①で考えれば台はかりにかかる力は50+200+100=350(g)
②で考えると以下のようになります。
確認問題[6]はマンスリーの過去問、[7]以降は余裕のある生徒向けです。
◎530-20 確認問題[1][2][3][5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-21 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-20 確認問題[4][5](6)(10)[6]
530-21 水溶液の性質②
今後、中学受験の中心分野のひとつである気体発生の計算や中和計算を学習しますが、その基本になるとても重要な回です。反応のしくみをしっかり理解しましょう。
◎色々な水溶液の性質を覚える(確認問題[1])
溶けている物質、溶けている物質の状態(固体/液体/気体)、におい、液性(酸性/中性/アルカリ性)…
水溶液の性質①の復習です。本来は全部覚えておきたいところですが、抜けてしまっている5年生もたくさんいるでしょう。今回のメインは中和と水素の発生ですので、塩酸・水酸化ナトリウム水溶液・食塩水の性質と指示薬(BTB液とリトマス試験紙)だけはしっかりいえるようにしておきましょう。
◎水素について覚える(確認問題[2][5])
水素の発生法…塩酸×金属、水酸化ナトリウム水溶液×金属の組み合わせを、表をかいて覚えましょう。
水素の性質、集め方もしっかり覚えましょう。
△金属が反応して溶けて、何ができるかいえるようにする(確認問題[4](2)[5](7))
塩酸+鉄→水素+塩化鉄(水に溶ける黄色い固体)
塩化鉄や塩化アルミニウム(白)は上位向けです。金属が反応して溶けて、別の物質になっている、と理解していれば十分です。
◎中和反応について理解する(確認問題[3][4](1)(3))
中和反応とは?
酸性とアルカリ性の水溶液が混ざるとお互いの性質を打ち消しあうこと
新しい物質(塩(エン))と水ができることを理解しましょう。
身近な中和の例も知っておきましょう。
◎塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和について理解する(確認問題[3][6])
とても重要です!塩酸が多いとき、完全中和のとき、水酸化ナトリウム水溶液が多いときの液性と、水を蒸発させたときに残るものを、しっかりいえるようにしましょう。
〇中和後の水溶液に金属を入れたときの反応を答えられるようにする(確認問題[6])
塩酸が多いとき、完全中和、水酸化ナトリウム水溶液が多いときでアルミニウムや鉄(スチールウール)がどうなるか判断できるようにしておきましょう。
◎530-21 確認問題[2][3][6]
デイリーステップ[2][4][6]
530-22 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-21 確認問題[1][4][5]
530-22 溶解度①
サピックスは溶解度をじっくり進めてくれます。重要単元のため、しっかり理解してもらうのが目的でしょう。今回は「溶解とは?」「溶解度とは?」を理解する単元です。計算問題は溶解度②で本格的になりますので、今回は基本をしっかり理解しましょう。
また、実験操作も登場しています。軽く見られがちですが入試にとてもよく出るので、しっかり覚えておきましょう。
◎水溶液に共通の性質を覚える(確認問題[1])
①透明(無色とは限らない)
②濃さが均一
③時間が経っても溶けているものが出てこない
◎はやく溶かすための方法を覚える(確認問題[1])
①かきまぜる
②つぶをこまかくする(表面積を大きくする)
③水温を上げる
◎溶ける量を多くする方法を覚える(確認問題[1])
①水の量を多くする
②水温を上げる
※②はホウ酸など水温が高いほど溶解度が大きくなる物質に限ります。今回のマンスリーの段階では登場しませんが、水酸化カルシウム(消石灰)のように水温が低い方が溶解度が大きい物質もあります。
「はやく溶かす」と「たくさん溶かす」を混同しないようにしっかり理解して覚えましょう。
◎「溶解度」の意味を理解し、計算できるようにする(確認問題[2][5][6])
溶解度…水100gに溶ける限界の重さ。水温によって決まる。
表やグラフから溶解度を読み取れるようにしましょう。
溶ける量は水の量に比例しますが、水温には比例しません。
〇 20℃ 水100g ホウ酸5g溶ける
20℃ 水200g ホウ酸5×2=10g溶ける
× 20℃ 水100g ホウ酸5g溶ける
40℃ 水100g ホウ酸5×2=10g溶ける
水温が変わったら必ずグラフや表を確認しましょう。
〇 40℃ 水100g ホウ酸9g溶ける
◎水溶液の重さを求められるようにする(確認問題[2][5][6])
水溶液の重さ=水の重さ+溶けている物質の重さ
※溶け残っている物質は水溶液の重さには入らないことを理解しましょう。
〇溶解度のグラフをかけるようにする(確認問題[2][5][6])
グラフをかくときは
①点を打つ…点がはっきり分かるようにぐりぐりと大きく打ちましょう。
②なめらかにつなぐ…定規を使わず、すべての点を通るように、グイーっとつなぎましょう。ひとつひとつを折れ線グラフのようにつないではいけません。
◎食塩とホウ酸の結晶の形をかけるようにする(確認問題[5](11)[6](12))
何回か練習して素早くかけるようにしておきましょう。
〇3つの「とける」を理解する(確認問題[4])
①融解 固体→液体の状態変化 例:氷がとける、ろうがとける
②溶解 物質が液体に均一に混ざること 例:食塩が水にとける
③化学変化 反応しながら溶けること 例:石灰石が塩酸にとける
例とともにしっかり区別できるようにしましょう。
◎ろ過のしかたを覚える(確認問題[3][7])
ろ過は実験操作の中でも最頻出です。ろ紙の大きさや結晶のつき方など、しっかり覚えましょう。
〇その他の実験操作を覚える(確認問題[3](4)[7])
蒸留や加熱して水を蒸発させるときの方法も覚えておきましょう。
◎530-22 確認問題[1][2][3][5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-23 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-22 確認問題[4][6]
△530-22 確認問題[7]
530-23 動物の分類①
動物好きな子にとっては息抜きのような単元ですが、あまり興味がない子にとっては覚えることが多く、大変な単元です。単に覚えるのではなく、関連付けて考えながら覚えましょう。科学的思考の訓練にもなる単元です。
◎セキツイ動物の特徴を覚える(確認問題[1][4][6][7][8])
魚類・両生類・は虫類・鳥類・ほ乳類の
生活場所・呼吸のしかた・受精方法・産まれ方・体温・心臓のつくり・肺のつくりを覚えましょう。
それぞれを単独で無理矢理覚えるのではなく
は虫類は
一生陸で生活→肺呼吸
一生陸で生活→陸に卵を産む→からのある卵
陸にからのある卵を産む→体内受精
といった感じで関連付けて覚えるのがポイントです。
◎具体的な動物を分類できるようにする(確認問題[1][6][7][8])
紛らわしい動物をしっかり覚えましょう。両生類とは虫類で迷う場合、両生類はカエル・イモリ・サンショウウオだけです!
その他
コウモリ、イルカ、シャチ、クジラ、カモノハシ…ほ乳類
ペンギン…鳥類
サメ、エイ、タツノオトシゴ…魚類
また
ヘビって水中に卵?陸に卵?など動物名から直接特徴を考えるのではなく
ヘビ→は虫類→陸に卵
のように、分類してから考えるのがポイントです。
◎ヒトの発生について覚える(確認問題[3][5][7])
精子と卵の大きさやつくられる場所
子宮、たいばん、へそのお、羊水などの用語を覚えましょう。
母親→胎児 酸素、栄養分
母親←胎児 二酸化炭素、不要物
のように物質の交換が行われますが、交換が行われるのはたいばんです。へそのおではないので注意しましょう。
〇卵のつくりや成長の順を覚える(確認問題[2][7])
メダカ、ニワトリの卵のつくりを覚えましょう。
胚(将来体になる部分)は小さく、栄養分がたくさんあることを理解しましょう。
カエル成長の順は入試にたまに出ます。
後ろ足が出る
→前足が出る
→尾が短くなる
→カエル
確認問題[7]はマンスリーの過去問です。
◎530-23 確認問題[1][3][4][5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-24 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-23 確認問題[2][6][7]
530-24 電流の性質
前回の電流からあまり新しいことは登場していません。今回は完全に数値化して考える練習です。いったんできるようになっても、ついつい間違えるのが電流です。反復して身につけていくよりほかありません。ひたすら練習しましょう!
◎電流の数値化を出来るようにする(確認問題[1][2][3][4])
①乾電池を直列に増やす→電流が強くなる
②豆電球を直列に増やす→電流が弱くなる
③乾電池を並列に増やす→電流を流す力は変わらない
④豆電球を並列につなぐ→お互い関係なく流れる
以上を把握して、電流の数値化ができるように練習しましょう。
豆電球から電流をかき込んでいくのがポイントです。
電流は電池から出てくるのではなく、回路全体に電気の粒が散らばっていて、豆電球(抵抗)と電池(流そうとする力=電圧)によって大きさが決まって流れることをイメージできるとよいでしょう。
◎豆電球の明るさ、乾電池の持ちを判断できるようにする(確認問題[1][2][3][4])
豆電球に流れる電流が大きいほど明るい
乾電池に流れる電流が小さいほど乾電池は長持ちする
◎ショート回路や電流が流れない回路を見つけられるようにする(確認問題[3])
電流は導線だけの道と豆電球のある道があったら、導線だけの道(抵抗のない道)を選ぶことを覚えておきましょう。
これによって、回路にとても強い電流が流れ、電池が一瞬で使えなくなるのがショート回路です。
一方、流れない回路は電流の向きが決まらないので流れないだけで、正しくつなぎ直せば電池は使えます。
◎電流の数値化を実際の値に対応させて考えられるようにする(確認問題[5][6][7][8])
今まで「1」や「1/2」だった値を「1=120㎃」「1/2=60㎃」など、実際の測定値に置き換えて考えるだけです。測定値は問題文に書いてあります。
〇豆電球の性質を理解する(確認問題[5][6])
豆電球を直列にたくさんつなぐと、電流が小さくなるため、電流が流れていても豆電球は光らなくなります。
また、乾電池を直列にたくさんつなぐと豆電球に流れる電流が強くなり、フィラメントか切れてしまいます。
以上のことを覚えておきましょう。
確認問題[8]はマンスリーの過去問です。
◎530-24 確認問題[1][2][3][4][7]
デイリーステップ[2][4][6]
530-25 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-24 確認問題[5][6][8]
SAPIX5年10月マンスリーテストについては以下もご覧ください。
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!算数編
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!国語編
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!理科編
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!社会編
SAPIXに関して、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!