サカセルコラム

SAPIX6年5月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX6年5月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編

2024.05.05

○5月マンスリー確認テストの重要度

5月マンスリーテストは小学校の学年が上がって以降の効果測定として良い物差しになるかと思います。範囲も広くないので、しっかり準備して頑張りましょう!

 

○5月マンスリー確認テストの全体的な対策

【試験範囲】
・デイリーサピックス 61-07~10
・算数基礎力トレーニング S-03(4月分)

【平均点】
・2023 55.2点
・2022 82.7点
・2021 78.1点
・2020 79.6点
・2019 75.2点

平均点は毎年おおよそ80点前後です。
2023年の平均点が低いですが、これは大問2に難しい問題が多かったことと、大問6・7が難しかったことが原因かと思います。

【算数のテストの形式と内容】

大問1 計算問題 

大問2  小問集合 (文章題)

大問3 小問集合 (図形問題)

大問4  大問形式 

大問5  大問形式    

大問6  大問形式

大問7  大問形式 

※大問4~7では平面図形と比・水そうとおもり・くるった時計 などが頻出

・計算問題 3問 (合計15点)
・小問(一行問題) 12〜13問 (合計70点程度)
・大問形式の出題 10〜11問 (合計60点程度) 

 

偏差値40が目標の方の点数の取り方

平均点を80点だと仮定した場合、おおよそ52〜56点ほど取れれば偏差値40に到達します。
1分で1.1点を取るイメージです。1問が5~6点ですので、1問5~6分ほど時間をかけて大丈夫です。

【大問1  2~3問(10~15点)を取るイメージ】
計算問題は確実に取りたいところです。しかし、なかなか満点を取り切るのは難しく、苦戦されているお子様も多いかと思います。

松田の経験から言うと、逆算のやり方や計算の工夫、小数の処理、検算など、「受験生だしできるよね?」で片付けられてしまっている基本的な「解き方」の部分が習得できていないことに原因があることが大半です。

ここで苦戦されているお子様の場合、まずはどういう「解き方」をしているのかを確認をしていき、非効率な解き方をしている場合は、お子様に合った最善な方法を伝え、さらに基礎トレなどを通して計算のトレーニングを反復練習していきましょう。

また、ケアレスミスを連発してしまっている方は「焦り」もしくは「雑さ」に原因があるかと思います。

焦ってしまうお子様の場合は目安の時間を伝えてあげてください。上記にあるように、試験時間は50分で、その中で50点を取れば良いわけですから、1分で1点を取っていけば大丈夫です。計算問題1題が5点ですので、1題に5分。大問1に15分かけて良いと考えれば少し気持ちが楽になるでしょう。

雑さが原因でミスをしてしまうお子様の場合は検算をする癖をつけましょう。基礎トレを日々練習していく中で検算をさせ、確実に計算で満点を取る習慣をつけることが重要です。「基礎トレの計算問題の部分を1回目で全て取り切れたら報酬」といった形でやると良いです。報酬の部分はお子様によって異なる思います。例えば「100円」などでも良いかと思います。月3000円でお子様の計算ミスが減るのであれば安い買い物かと思います。

【大問2・3  5~7問(25~42点)を取るイメージ】
小問集合です。基礎トレやデイリーサポートのA〜Cの問題が解ければ上記の点数が確保できます。

詳しい内容は記事後半の解説をご覧ください。

【大問4~7  2問(10~12点)を取るイメージ】
大問形式の出題です。(1)に簡単な問題が紛れています。例えば、今回の範囲ですと「平面図形と比」といった問題や「水そうとおもり」などです。練習しておいて損はないでしょう。

また、大問7は年によって難易度がまちまちです。(1)が簡単なこともありますので、諦めずに読むようにしましょう。

 

偏差値50を目指す方の点数の取り方

平均点を80点だと仮定した場合、もちろんですが、80点を取れれば偏差値50に到達します。
1分で1.6点ほど確保するイメージですね。1問4分弱ほど時間をかけて大丈夫です。

【大問1  3問(15点)を取るイメージ】
しっかり取り切りましょう。

偏差値50を狙うお子様は大抵が上記の計算に関しての基礎基本はできているかと思います。ですが、毎回1問ほど落としてしまっている方もいるでしょう。そういった場合はしっかりと原因を突き止めましょう。

計算の基本の「解き方」でミスをしている場合はその修正を。ケアレスミスで毎回落としている場合はその原因が「焦り」から来るものなのか「雑さ」から来るものなのかを見極めましょう。

対策に関しては上記の「偏差値40を目指す方」に書きましたので、そちらをご確認ください。

【大問2~3  6~8問(30~48点)を取るイメージ】
小問集合です。基礎トレやデイリーサポートのA〜Dの問題が解ければ上記の点数が確保できます。

詳しい内容は記事後半の解説をご覧ください。

【大問4~7  2~4問(10~24点)を取るイメージ】
大問形式の出題です。上記と同じ内容になりますが、(1)に簡単な問題が紛れています。そこは外したくないですね。

また、得意な単元や問題が出題されている場合もあるかと思います。その場合は(1)と(2)をまとめて取れるようにしたいです。

デイリーサピックスのDやEからの出題も多いので、そこまで練習をしておきたいですね。特に今回ですと、「3水そうとおもり」や「くるった時計」「分数に関する問題」などです。このあたりは練習しておきましょう。

 

偏差値60を目指す方の点数の取り方

平均点を80点だと仮定した場合、おおよそ100~110点ほど取れれば偏差値60に到達します。

1分で2,1点ほど確保するイメージですね。平均で1問2分40秒ほど時間をかけて大丈夫です。

【大問1  3問(15点)を取るイメージ】
しっかり取り切りましょう。

【大問2~3  9~11問(45~66点)を取るイメージ】
小問集合です。基礎トレやデイリーサポートのA〜Dの問題が解ければ上記の点数が確保できます。よりミスをしないことが求められますので、日頃から見直しの徹底やミスの起こりやすい解き方をしないことを意識していきましょう。

詳しい内容は記事後半の解説をご覧ください。

【大問4~7  6~8問(30~48点)を取るイメージ】
デイリーサピックスのDやEの問題の考え方や解き方を変えたり、発展させたりした問題が多く、単元ごとの原理の理解が求められています。解法丸暗記だと対応できない問題が多く出題されますので、お子様がしっかりと各テキストの原理が理解できているか確認しておきましょう。

大問のどれかひとつが丸々解き切れると非常に楽になりますが、それが難しい場合は(3)まである大問に関して(2)まで取れるようにしたいですね。

 

○各単元のポイント

ここからはデイリーサピックスの各単元に的を絞って解説していきます。

〈基礎〉 基礎的な問題。確実に解けるようにしたい。
〈標準〉 偏差値50程度を取るならできて欲しい問題。
〈発展〉 発展的な内容。上位を目指すならできて欲しい問題。

図は赤色→青色→オレンジ色の順番で見ていただくと分かりやすいと思います。

61-07 2量の関係

【歯車】
A4 B4 〈基礎〉

歯数×回転数=合計という関係が分かっているか確認しましょう。

松田は下記の図で生徒に指導しています。

仕事算と同じ思考で解けますね。

図では逆比を利用していますが、逆比の考え方が怪しい場合は比を使わずに「60×200=12000」という形で合計を実数で出していっても解けます。「12000÷48=250」と解いていけば同じ答えが出ますね。

また、B4(2)のような元の歯が再び噛み合う問題では最小公倍数を利用します。

「ズレていたものが再びそろう」→「最小公倍数の利用」ということも頭に入っているか確認しましょう。

【くるった時計】
C4 〈基礎〉
情報を整理していけば容易でしょう。
「時間が遅れる」の定義も確認しましょう。
「実際の時刻の前の時刻を示す」や「針の進む速さが遅い」などが分かっているかが大切です。
図を参考にしてみてください。

D2 〈標準〉
C4と違う点は狂った時計が2つあることです。
こちらも情報を整理していけば容易です。
図を参考にしてみてください。

D4 〈標準〉
「正しい時刻を指していたのは」という問題です。
少し難しいように感じるかもしれませんが、相似の図形を利用すると簡単に解けます。SAPIXの解説の通りに解くと良いです。

E4 〈発展〉
こちらも上記の問題同様に情報をしっかり整理していきましょう。

【タクシー料金・電報料金】
D3 〈基礎〉
基礎料金(固定料金)+追加料金(加算料金)=合計料金という仕組みが分かっているか確認しましょう。
また、追加料金では「1セットが何メートルで何円か?」というメモをすることが重要です。

5回加算されるところを間違えて4回加算としてしまうミスが多いので注意しましょう。(2)も同様に解けます。


「○より大きく、○まで」でミスをする場合が見受けられます。しっかり確認しましょう。

E2 〈標準〉
こちらもタクシー料金と同じ考え方です。
ただし、料金が加算されていく点に注意しましょう。
また、1回の値上げでいくら加算されているかを自分で計算する必要があります。
表を見て数えても良いですが、植木算の「間の数」の考え方を用いて、しっかりと計算で求められるかをここで確認しておきたいです。

61-08 小数・分数

【間の数・既約分数】
マンスリーでは頻出です。
しっかり解けるようにしましょう。

A1 A3 〈基礎〉 
分子や分母を揃える問題です。
指定されているのが、分母なのか分子なのかしっかりと確認し、それぞれの解き方をしっかり確認しましょう。

B2 C3 〈標準〉
A1やA3の問題に既約分数の考え方を組み込んだ問題です。
「約分できないものだけ」という文言を読み落とさないようにしましょう。

D3 〈標準〉
C3をさらに発展させた問題です。
帯分数で分けて考えていくと分かりやすいかと思います。

【繁分数】
A/B=A÷Bを理解していれば難しくないかと思います。
しっかりと確認しましょう。

A4 〈基礎〉
A/B=A÷Bを利用して確認しましょう。

B3 〈標準〉
難しく感じるお子様は一つずつバラして考えていきましょう。

【積や商が整数になる問題】
B4 C4  〈基礎〉
「分子が最小公倍数で分母が最大公約数!」のような丸暗記をしているお子様をよく見かけますが、応用が効かずとても良くないので、なぜそうなるのかの原理の理解を目指しましょう。

D4 〈標準〉
上記の応用です。
原理を理解していれば大丈夫です。よく考えましょう。
「どれで割っても」と「どれを割っても」の違いが分からないお子様をよく見かけます。しっかりと確認しておきましょう。
具体例に当てはめてみると分かりやすくなります。

「ピザを5人で割る」→ピザ÷5
「30人を5チームで割る」→30÷5

【部分分数分解】
C1 D1 〈基礎〉
最初−最後のような暗記はやめましょう。最初−最後で解けるような問題はほとんど出題されません。
しっかりと原理を説明できるかどうかが重要です。

また、見た目を偽装したタイプの問題も出題されるので注意が必要です。
例えばD4のように「1/3×5…1/9×11」と出題すると一目瞭然なので、「1/15…1/99のように少し変えて出題をしたりします。注意しましょう。

【循環小数】
D2 E2 〈標準〉
置き換えが重要です。どういう組み合わせがあるのか考えましょう。


約分忘れには注意です。
また、E2(2)は周期を利用した問題です。簡単な問題なので是非とも取り組みたいですね。マンスリーテストでも大問2などで出題されています。

【単位分数】
E1 〈標準〉
余裕があるお子様は触れておきましょう。
今回の問題は「出来る限り大きな単位分数で引く」ということがテーマです。そこを意識して解いてみましょう。
直近のマンスリーテストでも2022の大問7で出題されたことがあります。

61-09 立体図形(1)

【円すい系の問題】
まずは円すいの基本的な知識を確認しましょう。
・半径、母線、高さなどの用語の確認
・体積と側面積が出せるかの確認
・展開した時どのような形になるのか理解しているかの確認

A1 A3 〈基礎〉
基礎になります。しっかりできるようにしましょう。
体積と表面積をよく確認しないで計算し、間違えるお子様は多いです。注意しましょう。
円すいの三大公式(松田が勝手にそう呼んでいます)を覚えておくと便利です。

C2 E2 〈標準〉
最短距離=直線・直角とまずは理解しているか確認しましょう。
また、30.60.90の三角形(サブロッキュウと松田は呼んでいます。)では、正三角形の半分になるので、一番長い辺と短い辺が2:1の関係になっているということを覚えているかもここで確認しましょう。

C3 〈標準〉
展開図の弧の長さが同じであることを利用して以下の式が成り立つことが分かっているか確認しましょう。
直径×中心角/360°=直径×中心角/360°
あとはこの式に数値を入れていけばアの数値が出ますね。

【水そうに棒やおもりを沈める問題】
マンスリーテストでも頻出です。しっかりとできるようにしたいですね。
体積を求める方法より、逆比を利用した計算方法ができているか確認しましょう。

B2 B4 D3 〈標準〉
沈んだ体積=水の上昇する体積 という原理が分かっているか確認しましょう。
次に、体積が同じなのでタテとヨコが逆比の関係として成り立つということを理解しているか確認しましょう。
上記の2つが分かっていればあとは正面図をかきましょう。下記の図はB2を例にかいています。

また、水がこぼれる問題では、こぼれた分の水をそのまま上にかくと分かりやすいです。

B4のような円柱でもかき方は同じです。正面から見た図は結局長方形に見えますので。

C4 〈基礎〉
引き抜くタイプの問題です。
同じように正面図をかけば大丈夫です。
棒は端に寄せてかくと分かりやすいです。

61-10  立体図形(2)

ここで多く見かけるミスは工夫せずに数えていき、数え間違えるというミスです。
段ごとに分けて数えるという基本をしっかりマスターしましょう。
丁寧さが重要です。

【色ぬりの問題】
A1 B3 〈基礎〉
慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、パターンが決まっているので、慣れればさほど難しくありません。
・立方体の角は3面が空気に触れている。
・縁の部分は2面が空気に触れている。
・上記以外の面の部分は1面が空気に触れている。
まずはここを確認しましょう。

【投影図】
A3 A4 〈基礎〉
真上から見た図にかき込んでいきましょう。

【段ごとに分ける問題】
A2 C3 〈基礎〉
段ごとに分けて考えましょう。特にケアレスミスが多いお子様ほど丁寧にかき出すことを意識しましょう。
練習していけば作業スピードも上がっていきます。
時間がかかってしまうお子様は反復して慣れていきましょう。

D2 E2 〈標準〉
上記のパターンとは少し違うパターンの問題ですが、こちらも同様に丁寧に一段ごとに分けて考えましょう。貫通の考え方がしっかりできているか確認しましょう。
E2では「入っていない場所」に注目して考えると分かりやすいかと思います。
慣れていないと少し手間取りますが、しっかり練習していけばすぐに慣れます。

【はりあわせる系の問題】
B1 B2 〈基礎〉
・表面積が一番大きくなる→「重なっている面積が一番少ないとき」→細長い形
・表面積が一番小さくなる→「重なっている面積が一番多いとき」→立方体に近い形
上記の点が分かっているか確認しましょう。

C1 C2 〈標準〉
上記の問題を発展させた問題です。
C2では「7つの平面」という文言に注目しましょう。「6つの平面」であれば直方体になりますが、今回は7つの平面に囲まれているので、ひとつ平面を増やす必要があります。そこに注目して考えましょう。

【正多面体】
D1 E1 〈標準〜発展〉
オイラーの多面体定理(辺=頂点+面−2)というものがありますが、覚える必要はないです。原理をおさえてしまえば簡単です。
例えば、E1を例に考えます。

図のように組み立て前の部品である正三角形を軸に考えると分かりやすいです。

切り落とすタイプの問題ではこう考えましょう。

1つの頂点から何個新しい頂点や辺が生まれたかと考えると分かりやすいかと思います。



解説は以上となります。日々の学習に少しでもお力添えできればと思います。マンスリーテストに向けて準備をしっかりと準備をして参りましょう!

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松田 浩志

この記事を書いたのは...

松田 浩志

自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。

大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。

現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。

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