サカセルコラム

SAPIX5年生 3月度復習テストはどう対策する?社会編 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX5年生 3月度復習テストはどう対策する?社会編

2024.03.12

【試験の範囲】

540-01 三大工業地帯
540-02 新しい工業地域
540-03 日本の工業の特色と問題点
540-04 日本の貿易①
540-05 日本の貿易②

【平常授業のテキストで扱うべき問題と順番】

SAPIXの各種テストは、リード文や設問から「関連する知識を引っ張り出す→設問の条件に当てはめて答える」形式がほとんどです。

つまり、テキスト範囲の知識事項については盤石にしておく必要があります。

平常テキストは

授業の確認問題 基礎
→授業の確認問題 発展
→授業の確認問題 実戦

と進めて、

→デイリーステップ パート1・2

で全体を改めて復習、とするのがおすすめです。

【各回のポイント】

540-01 三大工業地帯

●四大工業地帯

それぞれの名前、位置関係は言わずもがな、しっかりと覚えましょう。

位置関係を覚える際、第5回で登場する港とセットで覚えると効率が良いかもしれません。

また、企業名なども合わせて覚えておいても良いでしょう。

出荷額の割合を確認し、どういう特徴があるのかおさえておきましょう。

グラフを見た時に見分けがつくかどうかが重要です。

・中京工業地帯

→現在出荷額日本一。トヨタグループなどを中心に自動車産業が発展。近年は航空宇宙産業も発展。出荷額において「機械」がそれぞれ70%近い割合。

・京浜工業地帯

→2000年頃まで出荷額は日本一。現在は5位。出荷額の割合では「機械」が50%ほどで、「化学」が20%を超えない程度。

・阪神工業地帯

→現在出荷額2位。出荷額割合は「金属」と「化学」が20%ほど。繊維が1%。大量消費地である大阪兵庫が近いため、食料品が10%を超える。

・北九州工業地帯

食品の割合が15%〜20%ほど。明太子のイメージ。また、化学が10%を切りますので、そこで見分けると良い。

540-02 新しい工業地域

●工業地域

こちらも工業地帯と同様に地域名、場所を覚え、出荷額の割合のグラフの見極めができるようにしましょう。

ちなみに歴史が古いものには「地帯」という名称が。新しくできたものには「地域」という名称がついています。

・関東内陸工業地域

→3位の出荷額。群馬県にSUBARUがある。「機械」が45%ほど。海に面していないため、石油を使った「化学」が発展しにくく、10%弱。また、人口が多いことから「その他」と「食料品」の合計が30%ほど。

・京葉工業地域

「化学」の割合が40%を超える。

・東海工業地域

→中京に近くYAMAHAなどの企業もあるため、「機械」が発展し、50%を超える。また、「食料品」と「その他」の合計が25%ほどと高め。

・瀬戸内工業地域

→阪神工業地帯に近いため、グラフの割合は似ており、「金属」と「化学」が20%ほど。阪神工業地帯との違いとして瀬戸内は人口が阪神工業地帯と比べると少ないため「食料品」が10%を下回ることを覚えておくと見分けがつきやすい。また、繊維が2%ほど。

●四大公害病

公害の場所と名前、原因はおさえておきましょう。

・富山県 イタイイタイ病

→神通川流域で発生。原因は工場から川に流れ込んだカドミウムという物質。
水質汚濁

・熊本県 水俣病

→初めは熊本県水俣市で発生。原因は工場から川に流れ込んだ有機水銀という物質。
水質汚濁

・新潟県 第二水俣病

→熊本県と同じ原因で発生。
こちらも水質汚濁

・三重県 四日市ぜんそく

→四日市市で発生。原因は工場から発生した二酸化硫黄という物質。
大気汚染

540-03 04 日本の工業の特色と問題点・日本の貿易①

日本にはエネルギー資源や食料を大規模生産するための平野が少ない。

→工業中心の経済へ

大工場と中小工場の工場数の比は1:99、働く人の数は3:7、出荷額は1:1をおさえておきましょう。

●日本の経済の流れ

日本の経済の発展の仕方をおさえておきましょう。繋がりを意識してストーリーで覚えていくと覚えやすいかと思います。

明治初期

お金のかからない繊維産業(軽工業)を中心に発展。綿花や羊毛などの原料を輸入し、綿織物などを輸出した。また、高級品である絹織物の原料である生糸の輸出も盛んであった。

・明治中期〜昭和初期

→徐々に重化学工業が発展。

・1950年中頃〜1973年 高度経済成長期

→石油化学工業、金属(製鉄)業を中心に大きく経済が成長。1974年のオイルショック(石油危機)を機に終了。

・1975〜1991 安定成長期

→オイルショックを反省に、石油を大量に消費しない機械工業(自動車工業や電子工業)を中心に順調に経済が成長。1992年のバブル崩壊に伴い終了。

・1993〜現在

→バブルを契機に円高が進んだため、工場が国内から人件費の安い海外(中国や韓国などのアジアの国々)へ移動。海外で作り、国内へ輸入するという形になっている。(産業の空洞化)

●円高と円安

お子様にとってはややこしい部分なので、この機会にぜひ理解してしまいましょう。

まず前提として、お金は世界でいくつも種類が存在しており、交換が可能で、そのせいで価値は常に変動しているということを確認しましょう。

ドルやユーロ、ウォンなど国の数だけ通貨が存在しています。そして、アメリカ人が日本で買い物しようとするとドルのままでは買い物はできません。そこでドルと円を事前に交換しておきます。そう、通貨は交換ができるんですね。これが意外とお子様はピンときていなかったりしますので、まずは確認しておくとよいかと思います。

A国のA通貨・・・A国は戦争状態で経済が破綻寸前。
B国のB通貨・・・B国は経済が発展しており、今後30年は経済発展するという予測。

さて、あなたの持っている円という通貨をA通貨とB通貨どちらかに交換しなくてはいけません。どちらの通貨を選びますか?

この問いに対して多くの人はB通貨を選ぶと思います。こういった経済の状況などから、通貨にも人気不人気が出ており、その結果、円に人気が集中すると円高に。円の人気がなくなると円安になる。そのようなしくみになっています。

円高=円の価値が高い状態(日本で作られる物の価値や円の価値が上がっている状態)
円安=円の価値が低い状態(日本で作られる物の価値や円の価値が下がっている状態)

次に円安と円高がどういう影響があるかですが、「購入者の気持ち」に立ってみると分かりやすいです。

日本で働いているあなたは今、10ドルの海外の製品を買おうとしています。

1ドル=150円 円安(1ドルを手に入れるのに150円かかる)
1ドル=75円  円高(1ドルを手に入れるのに75円かかる)

どちらの時に買い物をすると得をするでしょうか?

答えは円高の時ですね。

円安の時に買うと、10ドル=1500円
円高の時に買うと、10ドル=750円

円が人気な円高の時に買う方が、お得に買い物ができます。

つまり、円高の場合は日本から見ると海外のものを買うのが有利になるわけです。
円安はこの逆で、海外のものを買うのが不利になります。

今度は逆の視点で考えましょう。

今あなたはアメリカで働いています。通販で1500円する日本の製品を買おうとしています。どちらの時に買うでしょうか?

1ドル=150円 円安(1ドルで150円手に入る)
1ドル=75円  円高(1ドルで75円手に入る)

答えは円安の時ですね。

円安の時に買うと、10ドル=1500円
円高の時に買うと、20ドル=1500円

円が高い時は円が人気ということです。海外の人からすれば円の人気が低い円安の時に日本の製品を買った方が得をしますね。

つまり、円高の場合は海外の人が日本も製品を買わなくなり、円安の場合は海外の人が日本の製品をたくさん買ってくれるわけです。

以上をまとめると

円安 輸出が有利 輸入は不利
円高 輸出が不利 輸入は有利

となります。

540-05 日本の貿易②

この回では主に欧米との貿易に関しての内容です。04との違いを意識しながら確認していきましょう。

●アメリカとの貿易

輸入と輸出の品目はおさえておきましょう。

日本は太平洋戦争に負けたため、航空機産業を禁止されてしまいました。そのため、航空機産業はアメリカ頼みとなっており、輸入品目にも航空機が入っています。

逆に、航空機産業を禁止された日本は経済的資本と人的資本を自動車産業に投入しました。その結果、トヨタをはじめとした自動車産業の成功に繋がっており、輸出品目にも自動車が入っています。

1980年ごろから自動車産業を中心として日本の製品がアメリカに対して売れすぎた(輸出超過した)ため、貿易摩擦が発生します。アメリカ人が日本の製品ばかりを買うとアメリカの持つ資本が日本に流れることになるとともに、アメリカの企業の製品が売れなくなることにも繋がります。その結果、失業者が増え、経済が低迷する可能性があります。日本としてはありがたいですが、アメリカとしては困ります。これが貿易摩擦です。

●輸入品

品目ごとの上位の国をおさえておきましょう。

石油はサウジアラビアとアラブ首長国連邦。地面から掘り起こすものはオーストラリア。食料品はアメリカ。野菜と衣類と魚介は中国。

●貿易港

前提として、重いものは船。軽いものは飛行機。とおさえておきましょう。

・東京港

輸出品は精密機器が多くなっています。東京湾は大型タンカーが入れないため、自動車の輸出は東京港ではされません。輸入品は大量消費地である東京が近いため、食料品や衣類が多くなっています。

・横浜港

日産やいすゞなどがあり、また、東京港では自動車の輸出が難しいため、横浜港では自動車の輸出が多くなっています。輸入品に関しては工場で使用する製品が多くなっていますね。

・川崎港

川崎重工やその他の自動車メーカーの工場もあり、自動車の輸出が多くなっています。

・千葉港

京葉工業地域では化学の出荷額が高かったですね。そこから化学系の製品の輸出が多くなっています。

・名古屋港

トヨタがありますので、自動車関連の輸出品が多くなっています。輸入品に関しても同様に工場で使用する製品が多くなっています。

・大阪港

阪神工業地帯の影響を受け、集積回路などが上位の輸出品目になっています。また、輸入品としては大量消費地である大阪が近いため、食料品や衣類が多くなっています。

・神戸港

輸出では織物が多くなっています。阪神工業地帯で「繊維」が多かったことを考えると納得ですね。また、輸入品でたばこが多くなっています。これは神戸にたばこの大きな物流拠点があることが影響しているようです。

・成田国際空港

貿易額1位となります。輸出品としては軽くて高価な集積回路(IC)、科学光学機器(レンズや液晶パネルなど)、金などがあります。輸入品としては、医薬品や通信機器、集積回路が挙げられます。近年ではコロナショックもあり、医薬品が1位になっています。

・関西国際空港

成田国際空港とほぼ同じ品目となっていますが、金はありません。

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松田 浩志

この記事を書いたのは...

松田 浩志

自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。

大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。

現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。

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