「難関校を目指すならSAPIX」と息子の入塾を考えています。ただ、SAPIXには合う生徒、合わない生徒がいると聞き不安です。
それでは今日はSAPIXに向く生徒の特徴と向かない生徒の特徴を解説いたしましょう!
首都圏の中学受験界の難関校の合格実績において、他の追随を許さないSAPIX。
SAPIXが圧倒的な実績を上げられる要因は、
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難関校合格に向けて無駄なく作り込まれたテキスト
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同じ単元を忘れる前に再び学習できるスパイラル式のカリキュラム
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そして何よりも、共に高みを目指す優れたライバルたちが数多くいること
が挙げられます。
このようなメリットに目がくらむと、まるでSAPIXに通えば誰でも難関校に合格できるような幻想を抱きがちですよね。
ただ現実問題として、決して「SAPIXに通ったら難関校合格間違いなし」という訳ではありません。
もちろん学力が大切です、当然です。
ただSAPIXの向き不向きには、
学力以外にも条件があると思うんです。
ということでここでは3つ、条件を挙げてみます。
条件1. 競争を楽しめるかどうか
SAPIXには熾烈なコース争いがある
多くの中学受験塾では直近数回の成績の平均や授業中の様子を総合的に判断して、数か月に一度コース替えが実施されます。
ただ1校舎あたりのコース数が3つくらいであることが多く、コースが大きく上下する生徒は決して多くはありません。
一方SAPIXでは新4年生以降は毎月、マンスリーテストか組分けテストが実施され、毎回の成績だけでコースが変わります。
特に東京校や自由が丘校など30コースに迫るほどコース数が多い大規模校舎では、1コースの得点の幅が僅か2点しかないような状況も頻繁に起こり、熾烈なコース争いが繰り広げられます。
関連記事「どう選ぶ? SAPIX大規模校と小規模校 ~大規模校編~」
このような環境で学ぶSAPIX生は1点の重みを知る機会も多く、また明確な基準を持った一発勝負を数多く経験しているので、受験本番に強いことも頷けます。
生徒は試験に加えて塾でのプレッシャーにさらされる
ただ、多大なプレッシャーにさらされることは否めません。
「コースが落ちたらどうしよう」 「叱られたくないなぁ」 という不安で学習状況に支障が出てしまうケースも散見され、また「〇〇君は僕より上のコースだから賢い、〇〇さんは僕より下のコースだから馬鹿」などの発言から、友達関係にも悪影響が出るケースまで存在します。
そのため「SAPIXの話題は禁止!」という小学校も少なくありません
結局のところ
「競争を楽しむことが出来る生徒はSAPIXに向く」
と言えるのではないでしょうか。
テストの結果を過度に気にする事はなく、成績やコースの上がり下がりをゲーム感覚で楽しめるような資質を持っていると、SAPIXの昇降を楽しめて、結果としてSAPIXに向くと言えそうです。
条件2. 家庭が全面的にサポートできるかどうか
SAPIXは通塾日と授業時間が短い
世間一般では「中学受験生は塾に缶詰めにされて、長時間勉強を詰め込まれている」というイメージがあるようです。
たしかに塾によっては週5日がレギュラー授業で、オプション講座を受講すると週6日になることもあります。
また授業延長や居残りの補習が当たり前で、22時過ぎまで塾にいるようなケースも珍しくはありません。
一方のSAPIXです。
圧倒的な合格実績を上げていることから、塾での拘束時間が非常に長いイメージを持たれがちですが、実際のところはそうでもないんです。
通塾日は4年生で週2日、5年生で週3日、6年生でも前期は週3日、後期でも週4日です。
授業時間も5年生までは1日3時間、6年生でも平日は4時間、土曜は5時間、日曜でようやく8時間超です。
参考:SAPIX小学部/カリキュラム
例えば、これを早稲田アカデミーのカリキュラムと比較してみましょう。オプションを追加した場合は以下のようなスケジュールになることも考えられます。
参考:早稲田アカデミー/小学生/コース・講座
このようにSAPIXは他塾と比較しても授業時間や拘束時間が決して長いほうではありません。
だから復習が大事になる
そのぶん家庭での復習に力を入れることがSAPIXの特徴です。
授業中の理解を前提とした復習型の塾なので、特に理解が浅い分野では家庭での学習負担はかなり大きくなってしまいます。
保護者が学習内容を把握することはもちろん、場合によっては一緒に学習する必要も多々あります。
また毎回、新しいテキストが何種類も渡されるので、教材の管理の徹底も保護者の仕事です。
このように
家族がSAPIXの学習を全面的にサポートできるかどうか
も、向き不向きに大きく関わってくると言えるでしょう。
SAPIXに任せたら大丈夫、と考えていると良い結果は望みにくいと言わざるをえません。
条件3. 積極的に、挙手、発言できるかどうか
SAPIXの授業は、大きな教室で多くの生徒を相手に講師が一方的に解説をするというような、大学受験の予備校で見られる講義形式ではありません。
SAPIXでは最大でも20名ほどの教室で対話形式の授業が展開されています。
講師の投げかけに対して我先にと挙手をする生徒達の表情も活き活きしていて、講師と生徒で作り上げていく授業は「生き物」のようです。
ただこの魅力的な授業形式にも向き不向きの要因があるんです。
積極的に挙手、発言をして授業に参加することが出来ると、主役として授業が進むので理解も深めやすく、国語の授業などは添削の機会も多いと言えるでしょう。
一方で目立つことを好まず、挙手したり自分の意見を発表したりすることを恥ずかしがってしまう生徒は「お客さん」や「観客」のようになってしまう場面も見られます。
ある程度の積極性を持っていれば、SAPIXに向いている
と言えるのではないでしょうか。
もちろんただの出しゃばり、目立ちたがりは注意されるのでご安心ください。
まとめ
このように向き不向きのポイントを、ここでは3つ挙げてみました。
この3つのポイントから2つ以上を満たしていたら、それは確実にSAPIXに向いていると言えるでしょう。
ただ満たしてないからと言って「SAPIXは向いていない」と早々に選択肢から外す必要はありません。
「おっとりしていると思ったら、SAPIXでは負けず嫌い」というようにSAPIXの時だけ性格が変わる、という生徒さんも意外に多いですよ。
まずはSAPIXの入室試験を受けて無事に入室基準に届いてもらい、それからの体験講座や季節講習から判断してみると良いでしょう。
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塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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