2018年5月18日投稿
2023年10月11日更新
首都圏に45校舎と関西圏に5校舎の全50校舎を展開するSAPIX小学部。
15年ほど前までは積極的に校舎を展開していましたが、首都圏の中学受験生の通塾範囲をカバーしたためか、最近は新校舎を開校することも少なくなってきました。
中学受験生の通塾範囲は一般に、自宅から電車で数駅の片道30分が圏内と言われています。
たしかに同じ沿線でも、適切な距離で校舎が設置されているように感じます。
例えば自律学習サカセルが位置する東急田園都市線に注目すると、渋谷・用賀・宮前平・たまプラーザ・青葉台。
鉄道網やバス路線が縦横に走る首都圏なら、他の路線の駅も自宅近くにあるケースも多いでしょう。
自律学習サカセルからも最寄りの東急田園都市線池尻大橋駅のほか、東急東横線の中目黒駅や京王井の頭線の駒場東大前駅が徒歩圏内です。
東急バスの池尻バス停も通っている路線が非常に多く、利便性が高いです。
複数路線を利用できる環境は便利ですよね。
このように生徒にとって、通塾可能な校舎が複数あることは珍しくありません。
通える校舎が1つなら迷うことはありませんが、様々な校舎から選べるとなると、その選択が意外に悩みの種になりますよね。
ここでは大規模校と小規模校のメリット・デメリットを考えることにしましょう。
今回は大規模校編です。
⇒小規模校編はこちら
【SAPIXの大規模校はどこ?】
2023年春の卒業生数の多い校舎を順に挙げると、
① 自由が丘校(460名)
② 東京校 (411名)
③ 吉祥寺校 (328名)
④ 成城校 (267名)
⑤ 横浜校 (255名)
⑥ お茶の水校 (249名)
⑦ 巣鴨校 (228名)
⑧ 練馬校 (220名)
⑨ 西船校 (220名)
⑩ 豊洲校 (219名)
となりました。
特に①自由が丘校と②東京校は、SAPIXを代表する大規模校として有名で、1学年で30コースをに迫る生徒数を誇ります。
当然、合格実績も抜群で、1日トップ校である開成・麻布・桜蔭・女子学院の4校に、自由が丘校は83名もの合格者(もちろん重複はありません)を輩出しています。
③~⑩のうち吉祥寺校、成城校、横浜校、練馬校、西船校、SAPIXの中でも歴史の長い、各地域の拠点校です。
お茶の水校、巣鴨校、豊洲校はSAPIXの中では比較的新しい校舎ですが、教育意識が高い地域で、近年は生徒数と合格実績を大きく伸ばしています。
【大規模校のメリットは?】
①周囲との競争
大規模校の最大のメリットは「周囲との競争」でしょう。
トップクラスの生徒にとって「メダルをもらってもα2」 「開成安全圏の偏差値66なのにコース落ち」というような、ある意味で異常ともいえる環境は、SAPIXの大規模校でしか得られません。
SAPIX時代の仲間たちが、中学、高校、大学でも机を並べることもよくあるケースです。
例えば僕がかつてSAPIX自由が丘校で指導していたある学年では、その当時のα1から少なくとも5人が東大理3に進学しています。
もちろんトップ層でなくても「漢字1文字でコースが変わる、計算1問でブロックが変わる」という環境は、1点の重みを知る機会が多く、テストにおける勝負強さを養うことが出来るとも言えるでしょう。
競争を通して学力を伸ばすという点において、SAPIXの大規模校に勝る環境はありません。
②学力に応じたコース編成
「自分のレベルに合ったコース編成」もメリットとして挙げられます。
3コースほどしかないような小規模校では偏差値53の生徒と75の生徒が同じ授業を受けることも少なくありません。
一方、大規模校なら僅か数点の範囲に生徒がひしめいているため、より自分のレベルに合った授業を受けられます。
6年生後半のSS特訓でも、その恩恵は大きいです。
同じ志望校を目指す仲間と、志望校に特化した教材で勉強出来るので合格の可能性とモチベーションを高めるには最高の環境と言えるでしょう。
またコース内の順位が受験結果にも直結するので、自身の学力を客観的に把握する機会も非常に多いということが出来ます。
SAPIXの講師陣も生徒達の合否を予想する際、SS特訓内での出来具合を重要な指標としています。
【大規模校のデメリットは?】
もちろん大規模ゆえのデメリットもあります。
1つは「コースの上下によって頻繁に講師が変わる」ということでしょう。
SAPIXは原則として全コースで同じ教材を用いるものの、扱い方は講師によってかなり異なります。
授業の進め方や宿題の指示など、コースの昇降ごとにルールが変わり、落ち着いてテキスト内容に集中できない可能性も否めません。
またブロック昇降のたびに科目の学習曜日も変わるので、「何曜日にどの科目を勉強する」といった学習リズムを安定させにくいこともデメリットです。
講師にとっても、受け持つ生徒数が非常に多くなるため、個々の生徒の性格や併願校までを完璧に把握することは難しくなります。
そのため家庭が学習の相談をしても、期待ほどの返事を得られない可能性もあります。
また「コース昇降のプレッシャー」も非常に大きいと言えるでしょう。
SAPIXでは廊下に座席表を貼りだすので、友達の誰がどのコースにいるのか把握することは難しくありません。
通っている小学校でSAPIXでのコースを話題にし、トラブルになることも珍しいことではありません。
その余計な事態を避けるために、最寄りではない校舎に通う生徒も見られます。
【SAPIXの大規模校に向く生徒は?】
大規模校は「競争を楽しめる生徒」に最適だと言えるのではないでしょうか。
この向き不向きの傾向は、そもそもSAPIXに向くかどうかを判断する材料にもなります。
これについては以下の記事を参考にご覧ください。
関連記事:SAPIXに向く生徒 向かない生徒
【SAPIXの大規模校で効率よく学習するには?】
コース昇降で担当講師学習指示が変わったとしても、同じ教材を用いている限り同じ学習を継続することは可能です。
ブレない勉強のためには個別指導の手を借りることも非常に効果的です。
自律学習サカセルのプロ講師はSAPIX生の学習をサポートすることも多く、SAPIXの活かし方についても熟知しています。
困ったときには是非ともご相談ください。
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