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どう選ぶ? SAPIX大規模校と小規模校 ~小規模校編~ Column

SAPIXの活かし方

どう選ぶ? SAPIX大規模校と小規模校 ~小規模校編~

2023.10.11

2018年5月22日投稿
2023年10月11日更新

抜群の合格実績で中学受験界を牽引するSAPIX小学部。
首都圏の全45校舎で教材は共通していても、校舎の雰囲気や合格実績の違いは立地や校舎規模によって異なります。

今回は「どう選ぶ? SAPIX大規模校と小規模校 大規模校編~」に続いて、小規模校におけるメリット・デメリットを考えてみましょう。

【SAPIXの小規模校はどこ?】

まずは2023年春のSAPIXの卒業生数の少ない校舎を確認してみましょう。
赤羽橋校および晴海校は2023年に開校されているので、首都圏43校舎での卒業生数となります。
人数の少ないほうからの10校舎は、
㉞ 若葉台校 (73名)
㉟ 青葉台校 (70名)
㊱ 上大岡校 (66名)
㊲ 海浜幕張校 (65名)
㊲ 町田校 (65名)
㊴ センター南校 (64名)
㊵ 東戸塚校 (52名)
㊶ 新越谷校 (49名)
㊷ 所沢校 (47名)
㊸ 白金台校 (42名)
となりました。

都心から距離があり中学受験生の人数も少ない校舎、近隣に地域の拠点校が存在する校舎、開校から年数が浅い校舎など、人数が少ない校舎には明確な理由があり、決して特定の校舎が不人気ということはありません。

合格実績に注目しても、小規模校には地域性を活かした強みがあることも多々あります。
例えば渋谷幕張中にはお膝元の海浜幕張校から17名、栄光学院には東戸塚校から8名、上大岡校から10名などは、大規模校に勝るとも劣らない実績です。

【小規模校のメリットは?】

ここからは小規模校のメリットです。

①同じ講師で一貫した指導を受けやすい

小規模校での一番のメリットは「一貫した指導を受けられる」ということでしょう。
αが1つで、全6コース程度の小規模校では、自身の成績が上下によほどブレない限り、ブロックをまたいでのコース昇降はありません。
そのため同じ講師に一貫して教わることができ、授業の構成や家庭学習の進め方などペースを保って学習することが可能です。

また保護者が生徒の学習状況を講師に相談した際も、適切な返答が得られることが多いです。
このように1人1人を手厚く見てもらえる学習環境は、小規模校の大きな魅力と言えるでしょう。

②自分のペースで勉強しやすい

「自分のペースで勉強しやすい」ということもメリットです。
大規模校だと、テスト結果によるコース昇降ごとに各科目の受講曜日が変更となり、そのたびにスケジュールの見直しが必要です。
その点、小規模校では年間を通して学習計画が立てやすく、落ち着いて勉強が進められます。
コースの上下をめぐる過度な競争にさらされにくいのも安心できる要素ですね。

【小規模校のデメリットは?】

①競争が少ない

やはり「競争が少ない」というデメリットが大きいです。

SAPIXはシビアに試験の点数だけでコースを決め、生徒間の競争を煽ることで実力を高めていく塾。

その点、小規模校は少々のミスでもコースが変わらないことが多く、気持ちの面で緩んでしまう生徒も出てきます。

②志望校別特訓の編成が難しい

また「志望校別特訓が、本当の意味で志望校別になりにくい」というデメリットもあります。

小規模校は生徒数が少ないため、傾向の異なる中学校を志望する生徒を同じコースにまとめざるをえない場面がどうしても生じてしまいます。

「今週は開成プリント、来週は麻布プリント、もちろん志望校に応じたプリントは全て渡すけれども自宅で学習して」という事態も散見されます。

また、そもそも志望校別特訓が開催されず、SS特訓のみ近隣の大規模校舎に通塾することも考えられます。

この点は、やはり小規模校ゆえの弱みでしょう志望校対策が手薄になることが心配な場合には個別指導塾を併用するという選択肢も考えておきましょう。

関連記事:中学受験塾、集団か個別かどう選ぶ?

【SAPIXの小規模校に向く生徒は?】

このように見ていくと「周りに左右されず、自身のペースでハイレベルな学習をしたい!」という生徒が小規模校に向いていると言えそうです。

もちろんSAPIXの強みは大規模校でこそ発揮されるものですが、小学生にとって片道30分を超える通塾負担は小さいものではありません。

もし最寄りの校舎が小規模校だったとしてもカリキュラムは同じです、迷わず通えば良いでしょう。

問題の6年生後半の志望校別特訓ですが、いつもの教室でいつもの先生の授業を受けることで安心して授業を受けられるならば小規模校で問題ありません。

もちろんSS特訓のみ刺激と競争を求めて大規模校に通うことも有効です。

その他に5年生までは小規模校で学び、6年生からは競争を意識できる大規模校へ移籍、という生徒も見られます。

SAPIXの小規模校に通う生徒の皆さんには小規模ゆえの悩みがあることでしょう。

「ウチ」のような場合はどうしたら…」とお困りのことがあれば、お気軽に自律学習サカセルまでご相談ください。

数多くのSAPIX生とそのご家族をサポートしてきた講師陣が、個々の状況に応じた具体的な戦略を提案します。

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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール、筋トレ…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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