サカセルコラム

四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストはどう対策する?国語編 Column

四谷・早稲アカの活かし方

四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストはどう対策する?国語編

2024.04.10

大問1 漢字の読み書き 10問 10点分
大問2 知識問題  30点分程度
大問3 初見の長文問題1 50〜60点程度
大問4 初見の長文問題2 50〜60点程度

※長文問題は論説文・小説文の出題となります。
※範囲は6〜9回です。
※昨年の平均点は約93点です。

漢字に関しては、四谷大塚では「口」の採点が厳しいです。少しでも離れていたり、崩れているとバツになりますので、しっかり真四角で書くのがおすすめです。

知識に関しては6〜8回の内容がバランスよく均等配点で出題されます。しっかりと学習しておきましょう。

・和語 慣用句

近年の中学入試のトレンドです。ぜひこの機会に学習しておきたいですね。語彙力の上昇にも繋がりますので、サボらず取り組みましょう。

・ことわざ

近年の中学入試のトレンドを反映させてか、意味を答えさせる出題ではなく、「こういう文脈の時にこの言葉は使う」ということを答えさせる出題がされます。ですので、穴埋め形式などの問題が出やすいでしょう。ご家庭での学習の際は、辞書的に意味を覚えさせるのではなく、こういうシーンでこの言葉を使うということをお子様に伝え、例文をお子様に作らせてみると良いです。

文章題に関してですが、組分けテストの特徴として「抜き出しが非常に多い」ということが挙げられます。SAPIXのテストでは2〜3問程度なのに対して四谷大塚の場合は8〜9問ほど出題されます。(1問4点程度)さらに記述問題の配点が非常に低く、90字の記述を書いても8〜10点程度しか入りません。ですので、四谷大塚のテストで高い偏差値を取ると考えた場合、選択肢や抜き出し問題などの客観問題で稼ぐということが必須となります。

一般的な入試問題では得点効率を考えると 記述>選択肢>抜き出し ですが、四谷大塚の組分けテストでは 選択肢>抜き出し>記述 となっております。この特徴に注意をして組分けテストの時間配分を考えていくと良いでしょう。

・抜き出し問題

抜き出し問題の攻略としておさえておきたいのは「いかに効率よく探すか」です。時間をかけずに点数を稼いでいきましょう。

意識したいこととしては「探す上でのヒントを拾うこと」「捜索範囲を決めること」です。ヒントは空欄の前後や設問の中、傍線部の前後などに書いてあります。このヒントをしっかり拾いましょう。そしてその上で捜索範囲を決めましょう。

気をつけたいこととしては、「いきなり細かく探すのはNGであること」「捜索範囲が決まらない場合はとりあえず前後を探して、そこにもない時は後回しにすること」です。

時間との戦いになりますので、捜索範囲が決まらず、前後にも書いてない場合はサクっと捨ててしまって構いません。他の設問でしっかり稼いでいきましょう。

全体を通して、四谷大塚の組分けテストはとにかく時間との戦いになりやすいです。毎年、国語の苦手なお子様が口を揃えていうのが「時間が足りなかった」です。そういったお子様は、平均点もあまり高くないことを考慮して、100%の力で問題に取り組んで時間が足りなくなるよりは、80%程度の力で良いので全ての問題を解き切る、ということを意識して取り組んでみてください。

ここからは各単元の重要な読解ポイントをお伝えしていきます。

・6回 随筆文(1) / イコールの関係① 

随筆文とは「事実や筆者の体験などを通して、筆者の意見や感想を述べたもの」です。随筆文は範囲が非常に広く、極端な話、運動会の感想文なども随筆文と言えます。例えば、「体験」が長々と書かれている場合、ほとんど「物語文」と同じになります。「ノンフィクションの物語文」であると言えますね。一方で、「意見」が長々と書かれている場合は「説明的文章」と同じになります。実際、読んでいて随筆文と説明的文章の見分けがつかないことがあります。この場合、松田は生徒を指導する際、「見分けをする必要はないよ。好きに読みな」と伝えています。途中で気がついたら読み方を切り替えれば良いので、特段気にする必要はないかと思います。

読む上でのポイントは「体験・事実」と「意見・感想」を読み分けられているかどうかです。まずはここをご家庭で確認しましょう。「意見・感想」に線やチェックをつけるようにすると良いかと思います。

【読解テーマ】 日本と世界

日本と世界は随筆文というよりも説明的文章で登場するテンプレートの二元論(対比)のテーマの1つです。東洋西洋のパターンでワンセットとして覚えておきましょう。

イコールの関係では「具体」と「抽象」について触れられています。これは「説明的文章」を読む上で「知っていなければならない基本的な事柄」ですので、しっかり扱っていきましょう。

テキストでは図が色々とかかれておりますが、おさえておくべきポイントは「具体をまとめたものが抽象」「抽象が重要」「具体が書かれていたら必ずそれをまとめた抽象が書かれている」の3点です。

ご家庭での練習方法としては、「1段落につき1つ、抽象の文に線を引く」という練習をするのが良いと思います。慣れてきたら1つの段落に2つ引いたり、逆に引かなかったり出来るようになり、そのうち意識をあまりしなくても線を引けるようになります。松田の指導経験では「早いお子様だと1週間」「長くても3ヶ月」程度で具体と抽象の見極めができるようになっています。まだ入試まで時間はありますので、線を引く練習をはじめた方が良いかと思います。

・7回 随筆文(2) / イコールの関係② 

【読解テーマ】 言葉と生活

入試では言葉と生活という二元論(対比)のテーマはあまり見かけませんが、「言葉」というテーマは度々登場します。

例えば、

・人間の物事の認識において言葉が必要であるor必要でない
→フランスには肩こりという言葉がないからフランス人は肩がこらない
→雨が多く降る日本では、雨を識別する言葉が多く存在する

・言語は正しく使うべきor言語は変化するものなので正しく使う必要はない
→ら抜き言葉について
→省略語(KYなど)や最近の若者言葉(エモい、ヤバい、など)について

・日本語は特殊である
→主語が適当(象は鼻が長い)
→漢字とひらがなとカタカナが存在する

などがあります。これらの内容を事前に知っておくと読みやすくなると同時に、似たような内容が出たときに考えが整理しやすくなるでしょう。余裕がある場合はぜひ紹介してあげてください。

イコールの関係では「換言」について触れられていますが、根本的には6回の内容と同じく「具体」と「抽象」の考え方と同じです。「ここが抽象の文で、これを具体的に説明した文がここで、さらにこの具体的な説明をまとめた文がここだな」と具体と抽象を意識して読めると良いでしょう。

・8回 物語・小説(3) / イコールの関係① 

物語文では「主題が捉えられているか」「人物像を捉えられているか」「場面分け」など読む上で必要なことがいくつかあります。ひとつひとつ説明していくと非常に長くなってしまい書ききれないので、今回はご家庭で物語文を指導する際のコツについてお話をしていきます。

まず意識して欲しい点として、「お子様が本文のあらすじを端的に言えるかどうか」です。ここで言うあらすじとは主題のことであり、主題とは「筆者が主人公を通じて読者に伝えたいこと」です。

おそらく、国語が苦手なお子様のほとんどは物語文のあらすじが上手に説明できないと思います。あらすじが上手く言えないお子様は以下の内容を意識して説明させてみてください。

これが言えるようになったら、次にこれを意識して文章を読むように伝えてください。これがすらすらと説明できるようになればだいぶ問題が解きやすくなっていると思います。実際、2023年の合不合判定テストなどでも主題が分かれば解けるという問題が中盤で3題ほど出題されています。

【読解テーマ】 挫折と再生

中学受験のよく出るテーマとして「成長・愛・恋・弱者・金・二元論」があり、挫折と再生は「成長」にあたるパターンです。

先ほどの図に当てはめてみましょう。

以上のようなパターンが想定されますね。「きっかけとなる出来事に挫折がくるパターン」と「もともと挫折したところから始まるパターン」です。もちろん他にもあると思います。

入試ではパターン2が多いように感じます。

イコールの関係では新しく「比喩」が登場します。ここでは比喩の表現技法の名称を覚えることよりも言い換えの練習をしていくことが重要です。入試でも比喩の言い換えは非常に多く出題されます。

例えば、

・物語文の比喩の言い換え

→「彼女の顔には大輪の花が咲いていた」=「笑顔になっている」

・説明文の比喩の言い換え

→「リニア新幹線には光と影がある」=「時間の短縮という便利さと時間が短くなることによって、より過密スケジュールを強いられる」

などです。

比喩は言い換えの問題であるという認識ができること、そして正しく言い換えができることが重要です。

また、「象徴」と「寓意」が登場しています。

象徴は重要なので触れておきましょう。
テキストでの説明がよく分からない方も多いと思うので、簡単に言い換えますと「象徴とは、見たり触ったりできないものを、見たり触れたりできるものに置き換えたもの」です。

例えば、

「日本の象徴」=「天皇」「日の丸」

などです。天皇陛下と挨拶をするということは日本と挨拶を交わしていると同義になります。これが物語文に登場します。

例えば月を例にしてみましょう。

「主人公が元気な時」=「満月 月が綺麗に見える」
「主人公が迷っている時」=「月に雲がかかっている」
「主人公が意気消沈している時」=「新月 月が見えない」

などです。象徴は上記のように繰り返し出てくるので繰り返し出てくる物があったら象徴かもしれないと疑うと良いでしょう。

次にテキストには載っていませんが、暗示というものがあります。

暗示は「主人公の今後を物や周りの景色などで示す」という技法です。

例えば、

「A君のコップが割れる」→「A君に何か悪いことが起きそう」
「会議当日の天候が嵐」→「会議が荒れそう」

などです。ドラマや映画といった映像作品では非常に多く出てくる手法です。

寓意に関しては結局のところ「具体を通じて言いたい抽象」という考え方ができるので特段触れる必要はありません。

国語の解説は以上となります。少しでもお役に立てたらと思います。もう少し詳しく聞きたいという方はお気軽にご連絡くださいませ。

四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストについては以下もご覧ください。

四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストはどう対策する?算数編
四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストはどう対策する?国語編
四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストはどう対策する?理科編
四谷大塚・早稲アカ6年生 4月度組み分けテストはどう対策する?社会編


にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!

関連記事

松田 浩志

この記事を書いたのは...

松田 浩志

自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。

大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。

現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。

同じ筆者の記事を見る

人気の記事