受験者平均点 65.8点
合格者平均点 82.2点
想定合格点 75点
今年で創立430年の歴史ある名門校ですね。
トップ校の併願としてだけではなく、面倒見の良い男子進学校として地位を確立しつつあります。
仏教信仰(曹洞宗)の学校なので座禅などがあって厳しいイメージがありますが、生徒の自主性を尊重し「Think&Share」の教育理念のもと、自身で考える力を養うことのできる多様性に富んだ教育を行っています。
ICT教育の導入や国際交流も盛んでグローバル教育にも力を入れており、受験生の人気を集めていますね。
当塾(自律学習サカセル)から近いのでよく登校中の生徒さんをお見かけしますが、みなさん清潔感があって楽しそうな様子がとても微笑ましいです。きっと充実した6年間を過ごせることでしょう。
では世田谷学園に合格するためにはどんな対策が必要なのか、問題を見ていきましょう。
問題の難易度を以下のようにレベル分けしています。
A必ず正解してほしいレベル
B 正答率にバラつきがあるかもしれないが正解してほしいレベル
C 努力次第で得点できるので差がつくレベル
D 難易度が高いいわゆる捨て問レベル
解答例はこちら
1
⑴ A
→単純な計算問題です。必ず正解しましょう。
⑵ A
→基本的な循環小数ですね。ケタも多くないので計算ミスに注意して解きましょう。
⑶ A
→倍数算
解答例のように比を〇や□などの記号で表して式を書き、消去算で解きましょう。差一定であることに注目するとより楽に解けます。
⑷ A
→仕事算
全体の仕事量を160とおきましょう。残りの仕事量を16人で割ることに注意して解きましょう。
⑸ A
→旅人算(ニュートン算)
分速200mの時と分速155mの時で進む様子をそれぞれ線分図で描き、進んだ距離と時間の差に注目して解きましょう。
⑹ A
→平面図形
解答例のように補助線を引き、斜線を移動させて半径4cmで90度のおうぎ形と対角線が4cmの正方形の面積の合計を求めましょう。
2→旅人算
⑴ A
一見単純な旅人の追いかけ算ですが条件が細かいので注意が必要です。XがAまであと20mのところまでくると速さが100mになることを見落とさなければ簡単ですね。
⑵ B
⑴ができれば正解できるでしょう。ただBについては範囲が20m以内、15m以内と2段階にわたり速さが変化するので注意して解きましょう。
3→平面図形
⑴ B
4年生で習ったことがある人も多いかもしれませんね。
解答例のように窪んでいる赤い直線を外側に出すことで縦12cm、横9cmの長方形の周りの長さとして求めることができます。残った太線部分は合計すると7cmが2つ分になることに気づくことができれば簡単ですね。
⑵ C
3.14をまとめたところで一つ一つの半円を考えていくと大変ですし、何個か直径がわからないところがあります。
そこで⑴からの誘導になっていることに気づければとても簡単に解くことができますよね。⑴を間違えていると正解できませんが直径の合計がわかっているので1/2と3.14をかけて求めましょう。
4→規則性
⑴ B
数表のスタンダードな問題ですね。授業では先生から『しっかり規則を見つけ、書き出さない解き方を考えましょう』と言われた人も少なくないのではないでしょうか。一番左の段は偶数の平方数、一番上の段は奇数の平方数になっていることに注目しましょう。上の段の100番目なので一つ前の99の平方数である9801に1を足して求めましょう。
⑵ B
2022に近い平方数を考えると45×45=2025です。
45は奇数なので一番上の段の左から45番目が2025であることがわかります。そこから1ずつ減っていくので3つ下げた4段目ということになります。平方数を求めたあとどのような進み方をすればいいのかわからなくなってしまう生徒さんをよく見かけますが、問題によって異なるので表に書いてある並び方を参考にするようにしましょう。
5→濃度
⑴ A
単純な食塩水を混ぜる問題ですね。面積図かてんびんを使って求めましょう。個人的にはてんびんの方が楽で解きやすく、平均算もてんびんを使っています。
⑵ B
⑴で求めたA12%150gとC6%200gを混ぜた濃度をてんびんなどを使って求めましょう。その際60/7%と分数になってしまうのでやりにくさはあると思いますがそのまま続けます。Cの残り6%150gとBの10%を混ぜて60/7%になるようにてんびんなどを使って求めましょう。最終的に綺麗な数字になるものの途中に分数が出てくることで手がとまってしまうケースもあると思いますが難易度としては易しめなので正解できるように頑張りましょう。
6→水量
⑴ C
水量の問題は正面から見た図を描き、状態の変化を可視化して増えた分、減った分がどこと同じになるのかを明確にして解いていきましょう。解答例の図3の上の部分(40㎠)と図2の青い斜線部分(高さ2cm)が同じ体積であることに注目すると水槽の底面積を求めることができますね。図2の水に浸かった部分の体積を求めて底面積で割ると増えた分の高さが求まるので8cmから引くのを忘れないように気を付けましょう。
⑵ C
まず⑴を正解することが前提になりますが、⑴と同様にしっかりと図を描き、はじめの水の体積とおもりを入れた後の水の体積が同じであることに注目していけば決して難しくはありません。解答例の図4の4cmまでの水の体積をはじめの水の体積から引き、上の体積を底面積で割って高さを求めましょう。最後に4cmを足し忘れないように注意しましょう。
以上が問題の傾向と分析です。
捨て問がなく、レベルAだけでも50点弱が取れるであろう易しめな年でしたね。どの単元も割とスタンダードな出題になっていてしっかり基礎を積み重ねてきた子には解きやすかったと思います。
とはいえ合格者平均点も82.2点と高く2/1としてはレベルの高い、厳しい受験になったことでしょう。
この年度の特徴としては大問の⑴と⑵に繋がりがある出題が多く、⑴が正解できなかったことが合否を分けた印象を受けました。
特に大問5,6は⑴の答えを使うので⑴でのミスが命取りになります。また、大問3は⑴で求めた長さを⑵で使うことに気づけると入試中でもテンションが上がり自信を持って進められた子も多かったのではないでしょうか。
世田谷学園は例年スタンダードな内容の出題が多く、きちんと基礎を積み重ね、しっかり練習してきたお子さんなら得点しやすい学校です。出題形式も例年通り大問6つで大問5と大問6が求め方を記入するという構成でした。
日頃から筆算や式のみではなく図や明瞭な解法を書きながら解き進めるように練習しておけるといいですね。パッと見で何を求めたのかわかるようにしておくことで見直しもスムーズに行えるので意識的に取り組みましょう。
いかがでしたでしょうか。
世田谷学園合格を目指しているなら基礎力の定着と解法スキルをしっかり磨いて臨みましょう!
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