2022年7月5日投稿
2024年7月3日更新
【国語のテストの形式<毎回内容が同じなので再掲>】
大問1(20点) 漢字の読み書き 10問
大問2(20点) 知識問題 10問
大問3(55点程度)初見の長文問題1 9問程度(選択肢6~7問、抜き出し・記述2~3問)
大問4(55点程度)初見の長文問題2 9問程度(選択肢6~7問、抜き出し・記述2~3問)
平均点 2023 99.7点
2022 96.2点
2021 95.3点
ほとんど全てのサピックスのテストに共通していますが、記述以外の「客観系問題」で点数を作り、記述で△を狙っていくのが王道パターンです。
客観系問題は1問4点~6点程度。
平均点が150点中100点近辺になることが多いです。
客観系問題の平均点が低くなると、記述の採点が甘く、客観系問題の平均点が高くなると、記述の採点が厳しくなる傾向にあります。
特に最近だと「2行程度の気持ちの記述」などは採点が厳しいです。
【テストの範囲】
平常授業15〜19回の内容
漢字の要…20ページ強
言葉ナビ(下巻)…15ページ程度
【Aテキストの知の冒険の範囲】
15回のAテキストの知の冒険の範囲は「これまでに学んだ詩・短歌・俳句を総復習しよう」です。
中学受験をする子どもたちの中で、「苦手」の筆頭に上がるのがこの詩・短歌・俳句かと思います。
原因は色々あると思います。
・詩・短歌・俳句の読解問題に触れた経験が少ないこと
これはテキストを見れば一目瞭然だと思います。
論説文などの説明的文章、小説文などの文学的文章と比べて、明らかに問題演習する機会は少ないです。
また、市販の問題集も詩・短歌・俳句は割かれているページ自体が少ないです。
これは中学受験の国語の出題の傾向に合わせている、というのもあるでしょう。
詩・短歌・俳句が出題されない学校の方が圧倒的に多いです。
・指導機会が少ないことによる「講師」の苦手
指導経験が長くても、「詩・短歌・俳句の読解」の指導を苦手とする講師の方はとてつもなく多いと思います。
大手塾の授業の研修でも、「詩・短歌・俳句の読解」がテーマで授業を研究する機会ってほとんどない…どころか、その機会は皆無であるところがほとんどだと思います。
それは研修に対する「コスパ」の面でしょう。
年間の授業の中で1〜2回くらいしか扱われない「詩・短歌・俳句の読解」に時間を割くよりも、説明的文章などの研修をした方が、年間の授業回数の多くに対して有効ですからね。
(研修を受けているから指導力があるのか?という疑問についてはここでは触れません)
また、出題に関しても筑駒・灘・青山学院・芝浦工大・明治学院・大妻・共立女子など、「決まった学校」のみとなっています。
年度によっては開成、雙葉、慶應中等部でも出題がありました。
正直、指導する必要に駆られなければ研鑽することもないため、「雰囲気」で教えている人が大半だと思います。
今回のトピックスでは、詩・短歌・俳句で気をつけるべきことについて書いていきます。
【15回Aテキストのトピックス】
●詩・短歌・俳句の読解の注意点
3つともに共通しますが、どれも短く、読む人間に想像の余地を与えるものがほとんどです。
読解問題を作成するのも人間…ということは、「作問者がどう読んだのか」をおさえることが大切です。
作問者がどう読み取ったかをアピールする場は「設問」、主に選択肢問題にあります。
・設問の各種で答えとして選んだものが「1つの主題を下敷きにしたもの」になっているか
・傍線部の前後をきちんと読み取り、その周辺にきちんと書かれているものかどうか
など、通常の読解問題と同じように解けるはず。
「いつも通りの読解」をきちんと行い、選んだ答えは「作問者がどう読んだのか」をおさえるヒントになります。
●詩の読解について
詩の読解では、「映像化が大事」などと言われます。
これは全くもって正解なのですが、もう一手必要です。
本当に表したい正体を、共通する別の何かに置き換える「比喩」
目に見えないイイタイコトを、共通点から目に見える別の何かで表す「象徴」
と同じ考え方が求められます。
つまり、詩で書かれている内容を「映像化」するだけでは足りません。
「映像化した内容」を「目に見えないイイタイコト」に変換し、作問者がその詩をどう読み取ったのかを探る作業が詩の読解です。
ここで例を挙げてみます。
問1 次の3つの共通点は何か?
①ポスト・トマト・消防車
これは簡単ですね。
実際にあるものを想像して、共通しているものを探れば良いです。
答えは【赤】です。
②壁・重荷・坂
少々難しくなります。
それぞれの内容に「人生の」とつけて
人生の壁・人生の重荷・人生の坂などとすると
考えやすくなるでしょうか。
答えは【困難】です。
問2 次の2つの色はどんな印象がある?
①赤色
②青色
どちらかの色から一つでも印象が思いつけば、
残りも変換がしやすくなるのではないかと思います。
①赤色 → 積極的・怒り・攻撃・血など
②青色 → 消極的・悲しみ・防御・涙・冷静など
こういったちょっとした問題をとっかかりにして、風景→イイタイコトという変換に慣れ、その後読解に取り組むと、詩の読解の抵抗感が少なくなるかもしれませんね。
●詩の形式によるジャンル分け〜定型詩・自由詩・散文詩
私は遠目から見たシルエットで判断するとわかりやすいです。
ちなみに、通っている学校が「昔ながらの学校」だった場合、校歌の歌詞が七音や五音を意識したものであることが多いです。
増田の出身小学校、志木第三小学校 校歌(作詞 宮沢章二 作曲 土肥 泰)より引用します。
1番
古い柏の土に立つ 志木三小の まなびやよ
七音 七音 七音 五音
森の緑も小鳥の声も 歌う望みはあたらしく
七音 七音 七音 五音
春のいのちが いま育つ
七音 五音
●句切れと切れ字の違い
句切れとは、「短歌や俳句を上・下の二つに区切る」こと。
句切れの発生する箇所の直前が、その歌の「感動の中心」となります。
切れ字とは、「〜や・〜かな・〜けり」などの、「句切れが良く発生する字」です。
句切れがない場合、「結句」に感動の中心が来ます。
●句切れの見つけ方
①よく句切れが発生する文字として、「〜や・〜かな・〜けり」以外に、
「〜し・〜ぬ・〜かも・〜なり」あたりがあります。
これは、古文の形容詞の言い切りの形であったり、昔使用された「切れ字」であったりします。
「や・かな・けり し・ぬ・かも・なり」など音で覚えてしまうのがおすすめです。
②句点「。」を補える箇所の直前
①でも紹介した「よく句切れが発生する文字」は、要はその文字は活用形でいうところの終止形。
句点「。」が補える箇所、とも言えます。
塾のテキストなどだと、こちらを紹介していることが多いですね。
③二句・三句・四句あたりの内容を、前・後両方の句にくっつけてみて検討する
例)街をゆき 子供の傍を 通る時 蜜柑の香せり 冬がまた来る(木下利玄)
●まとめ
間違えやすいものとして、トピックスをいくつか挙げましたが、表現技法や字余り・字足らずなどのルールについてもきちんとおさえておきましょう。
「受験に関係ない」から「学ぶ必要がない」と考えるよりも、「受験に関係ない」内容だからこそ、「出題されたタイミングできちんと内容をおさえるべき」と増田は考えます。
不思議なもので、「これはテストに出ないからやらない・やりたくない」という発言をする生徒さんって、すぐに結果が出ないケースがほとんどです。
「何かの問題にぶつかったとき、解決のヒントはそれとは一見全く関係ない内容から得られる」ことって、大人になった今だと本当に多いと感じます。
「名探偵コナン」などで、よく見るパターンだと思います。
経営者の方(うちの三宅先生もそうですが…)がジムにトレーニングに行き、
ふと何かをしている時に良いアイデアが降りてくる…という経験をしたことがある人は少なくないと増田は考えています。
手広く学び、「自分なりに読み解く力」を身につけていきましょう!
SAPIX6年7月復習テストについては以下もご覧ください。(順次追加されます。)
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―算数編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―国語編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―理科編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―社会編
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