2022年11月18日投稿
2023年10月24日更新
電熱線、溶解度、気体発生と重い単元が続き、さらに挟まれている昆虫も覚えることが多く大変…という5年生の秋。そろそろ難しいこともできるようになる小学生の成長と受験に間に合わせるための逆算からカリキュラムが組まれているため、この時期の勉強は大変です。できるだけ効率よく勉強して頂けるよう、ポイントをまとめていきます。
各単元のポイント及び問題の重要度は以下です。
◎:絶対
〇:マンスリー対策としてここまで解いておくとよい
△:できれば取り組んでおきたい
無印:余裕があれば
530-25 電流と発熱
ややこしい、と感じる子が多い単元です。重要なのは原理と考える手順です。かなり強調しましたので確認してみてください。
◎抵抗とは何か?理解する(確認問題[1]~[8])
電気抵抗とは、電流の流れにくさであることをしっかり理解しましょう。
抵抗が大きい=電流が流れにくい
です。まずここを理解するのが重要です。
長さ:長いほど抵抗が大きい→長いほど電流が流れにくい
太さ(断面積):太いほど抵抗が小さい→太いほど電流が流れやすい
◎並列回路での電流の大きさと発熱量を比較できるようにする(確認問題[1]~[5][7][8])
並列回路が基本です!
並列の場合はお互い関係なく電流が流れるため
抵抗の小さい(流れやすい)方>抵抗の大きい方
また、発熱量は電流の大きい方が多くなるため
電流の大きい方(抵抗小さい、流れやすい方)>電流の小さい方(抵抗大きい、流れにくい方)
になります。
◎直列回路での電流の大きさと発熱量を比較できるようにする(確認問題[1]~[5][7][8])
直列回路では電流はどこでも同じです。
電流 抵抗の小さい方=抵抗の大きい方
電流が同じ場合、抵抗の大きい(流れにくい)方が熱が出やすいため、発熱量が多くなります。
発熱量 抵抗の大きい(流れにくい)方>抵抗の小さい(流れやすい)方
になります。
「流れにくい方が熱が出やすい」がイメージしやすいため、こちらを優先して考えたがる子が多いですが、発熱量を考えるときはあくまで電流優先です!
1. まず電流を考える→電流の大きい方が温まる
2. 電流が同じなら、抵抗の大きい方が温まる
直列のときはこっちで…並列なら逆、などと考えると応用が利かなくなります。
「電流を考えてから発熱量を考える」を徹底しましょう。
かなりしつこく書きました。そのくらい重要なのです。
◎金属の電流の流れやすさを覚える(確認問題[2][3](3))
流れやすさは
銅>鉄>ニクロム
です。
〇長さや断面積から電流を求められるようにする(確認問題[6][7])
長さと電流は反比例、断面積と電流は正比例 を利用して電流の値を求められるようにしましょう。
〇少し複雑な回路の電流・発熱量を比較できるようにする(確認問題[7][8])
図のような回路の場合、まず電流を考える→発熱量を考える の順が重要になります。
確認問題[7][8]はマンスリーの過去問です。
◎530-25確認問題[1]~[3][5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-26デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-25確認問題[4][7][8]
△530-25確認問題[6]
530-26 動物の分類②
昆虫の単元です。確認問題[3]が異常に詳しく、大変なテキストです。昆虫の詳しい知識を出題してくる中学校もありますが、マンスリー対策としてはそこまで必要ないので重要なポイントをまとめます。
◎昆虫の体のつくりを覚える(確認問題[1][2](5))
・体が頭・胸・腹の3つに分かれている
・胸から足が3対(6本)生えている
・単眼・複眼の数と役割
・触角の役割
・呼吸のしかた(気門で空気を出し入れ、気管で呼吸)
など、確認問題[1]の基本事項はしっかり覚えましょう。
◎完全変態/不完全変態の昆虫を覚える(確認問題[3])
不完全変態の昆虫を語呂合わせなどで覚えるのが一般的でしょう。
サピ生からよく聞くのは
不完全変態:カットバセスコシゴキブリ(カマキリ、トンボ、セミ、スズムシ、コオロギ、シラミ、ゴキブリ)
です。
確認問題[3](1)をすべて分類できなくてもよいですが、完全変態/不完全変態は分けられるようにしましょう。
◎羽が2枚の昆虫を覚える(確認問題[3])
ハエ・カ・アブ です。
◎昆虫の食べ物や冬越しのしかたを覚える(確認問題[4])
幼虫と成虫の食べるもの
冬越しのときの姿と場所
を覚えましょう。
〇触角・口・足から昆虫を判断できるようにする(確認問題[2])
口は形と食べるものを連動させて覚えましょう。
例)セミ:刺す(刺して吸う)口⇔木の汁
◎530-26確認問題[1][3][4]※[3](1)は完全変態/不完全変態と羽の数まででOK
デイリーステップ[2][4][6]
530-27デイリーステップ[1
〇530-26確認問題[2][6]
530-27デイリーチェック
△530-26確認問題[5]
530-27 溶解度②
溶解度①に比べてぐんと難しくなっています。この単元は状況が把握できなくなって分からなくなることが多いので、整理できるようになることがポイントです。
◎溶解度の意味を理解し、あと〇g溶かすことができる、〇g溶け残るといった判断ができるようにする(確認問題[1][3](1)[5]~[8])
20℃ 水100g ホウ酸 5gまでとける
20℃ 水20g ホウ酸 1gまでとける
1.2g入れた →1gとけて、0.2gとけ残っている
◎濃度の意味を理解し、濃度の比較ができるようにする(確認問題[2](1)(2))
A 80℃ 水100g ホウ酸40g入れた
24gまでとける →24gとけている
B 20℃ 水100g ホウ酸50g入れた
5gまでとける →5gとけている
よって、Aの方が濃い。
この場合あと〇gとける、などを求める必要はありません。濃さを比較するには、とけている量が重要です。
◎「□倍にうすめる」ときの水の量を求められるようにする。(確認問題[2](3))
例)3倍にうすめる=全体の重さが3倍になるようにする、という意味です。
〇濃度計算をできるようにする(確認問題[2](4)~(10))
基本は算数の濃度計算でOKです。
◎割り切れない濃度計算をできるようにする。(確認問題[3](4)[5](1)(5)[7](3)[8](3))
溶解度の濃度計算は割り切れないことがよくあります。
溶質の重さは(g)÷水溶液全体の重さ(g)であることに注意しましょう。
例)水100gに食塩を20gとかしたときの濃度は何%ですか。割り切れないときは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
20÷120=0.16… ここで割り算を止める子が続出しますが、小数第2位とは、%にしたときの第2位のこと、つまりこの割り算は小数第4位まで求めなくてはいけません。
20÷120=0.1666→16.66%→16.7%です。注意しましょう。
はじめに100を掛けてしまうのも手です。
20÷120×100=16.66…→16.7%
◎グラフを利用して、結晶が出始める温度を求められるようにする(確認問題[3][8])
グラフは水が100gのときの値が示されているので、水の重さが異なるときはひと手間必要です。
水50gに15gとけている
↓
水100gに30gとけているのと同じ
↓
グラフを見る
〇水溶液全体の重さが出ているときに対応できるようにする
(確認問題[3](4)[5](4)[6](3)[7](6)[8](4))
溶解度の問題は水の重さやとけている物質の重さが分からないと解けないものがほとんどです。全体の重さから水やとけている物質の重さを求められるようにしましょう。
例)60℃のホウ酸飽和水溶液が230g
60℃ 水100g ホウ酸15gまでとける 全体115g
水□g ホウ酸△g 全体230g
全体が2倍になっていることが分かるので、水200g、ホウ酸30gと分かります。
△飽和水溶液の濃度を要領よく求められるようにする
温度が同じ飽和水溶液なら、水の量が変わっても濃度は同じです。
たとえば、60℃の水150gにホウ酸をとけるだけとかしたときの濃度を問われたとき
60℃ 水100g ホウ酸15gまでとける
150g ホウ酸15×1.5=22.5g
22.5÷172.5=0.130… と計算することもできますが
60℃の水100gにホウ酸をとけるだけとかした場合と濃度は同じですから、水100gで考えた方がラクです。
15÷115=0.130…
ただこれは、はじめは本人に気づいてもらった方がよい気がします。
確認問題[5](1)②と(5)③は同じになるように作られていて、あれ?さっきと同じ?と気付いてもらうようになっています。
△飽和水溶液の水を蒸発させたときの結晶の重さを要領よく求められるようにする
(確認問題[4](3)[6](2)[7](5))
飽和水溶液の水を温度を保って蒸発させる場合、蒸発させた水がとかしていた物質が出てくる、という考え方です。
例えば60℃の水100gにホウ酸をとけるだけとかし、温度を60℃に保って水を20g蒸発させると、担当してとかしてくれていた水がなくなった分のホウ酸が結晶として出てきます。
よって60℃ 水100g ホウ酸15gまでとける
20g 15×1/5=3g出てくる
となります。
ただこれは、飽和水溶液で、かつ温度が変わらないという条件がそろったときに使える解法です。その他のときは使えませんので、理解の深い、上位向けの解法です。
5年生のうちは以下のような解法の方が安全です。
60℃ 水100g ホウ酸15gとかした 20gの水を蒸発させたので
60℃ 水80g ホウ酸15×0.8=12gまでとける
15-12=3g出てくる
〇上皿てんびんの使い方を覚える(確認問題[4](1))
〇ガスバーナーの使い方を覚える(確認問題[5][7])
順番は
(ねじが閉まっているか確認→)元栓→マッチ→ガス→空気
です。
ガス調節ねじを開く前にマッチを擦って待機するのがポイントです。
溶解度は得意/不得意が出やすい単元です。苦手な場合はポイントチェックも利用してしっかり演習しましょう。
◎530-27確認[1][2](1)~(3)[3][4]
デイリーステップ[2][4][6]
530-28デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-27確認問題[2](4)~(10)[5][6]
△530-27確認問題[7][8]
530-27 気体の発生
気体発生の計算法をマスターするのが一番の目標です。この考え方・解法は今後の化学計算でとても重要になります。酸素だけ反応のしくみも解法も異なるので注意しましょう。
◎酸素の発生法を理解し、発生量を求められるようにする(確認問題[1][8])
過酸化水素水と二酸化マンガンを混ぜると発生します。このとき起こっている反応は以下です。
過酸化水素→酸素+水
↑二酸化マンガン
二酸化マンガンは触媒です。
・自分は反応しない→減らない
・発生量に関係しない
・多くなると反応がはやくなる
よって、酸素の発生量は過酸化水素水だけで決まります。この後の二酸化炭素や水素とは異なるので注意しましょう。
◎二酸化炭素の発生法を理解し、発生量を求められるようにする。(確認問題[2][5])
二酸化炭素は以下の反応で発生します。
塩酸(塩化水素)+炭酸カルシウム→二酸化炭素+塩化カルシウム+水
今回は塩酸と炭酸カルシウムの両方が反応するので、どちらか足りなくなった方に合わせて発生量が決まることを理解しましょう。
計算は過不足なく反応する値(グラフの折れ目/ぴったり)を見つけて書き出し、その下に問いの条件(今)を書き、少ない方に合わせて発生量を求めればOKです。この解き方は今後中和の計算で使いますので、今回のうちにマスターしておきましょう。
炭酸カルシウムを含むもの…石灰石、大理石、チョーク、卵のから、貝がら も覚え直しておきましょう。
◎水素の発生法を理解し、発生量を求められるようにする。(確認問題[3][4][6][7])
少し前に登場した水素の発生法を確認しましょう。
アルミニウム 亜鉛 鉄/マグネシウム 銅
塩酸 〇 〇 〇 ×
水ナト水 〇 △ × ×
この場合も 塩酸+亜鉛→水素+塩化亜鉛 の反応が起こっていて、水溶液と金属が両方反応しています。よって、発生量の計算法は二酸化炭素と同じです。
◎各気体の性質を覚える(確認問題[1][2][3][5][7])
酸素、二酸化炭素、水素の性質…重さ、水へのとけやすさ、可燃/不燃/助燃性などをしっかり覚えましょう。
〇反応後に残る物質を覚える(確認問題[4](5)[5](3))
・酸素…反応後に水しか残らない
・二酸化炭素…塩化カルシウム
・水素
塩酸+アルミニウム→水素+塩化アルミニウム
塩酸+亜鉛→水素+塩化亜鉛
塩酸+鉄→水素+塩化鉄
塩酸+マグネシウム→水素+塩化マグネシウム
水酸化ナトリウム水溶液+アルミニウム→水素+アルミン酸ナトリウム
塩化鉄(黄色)以外はすべて白です。アルミン酸ナトリウムの名前は言えなくてよいです。
〇濃さの異なる水溶液にも対応できるようにする(確認問題[6](8)(9))
濃さの異なる水溶液が登場したらもとの水溶液□㎤分、と置き換えられるようにしましょう。
例) 2倍の濃さの塩酸10㎤=もとの塩酸20㎤分
1/2の濃さの塩酸10㎤=もとの塩酸5㎤分
確認問題[7]はマンスリーの過去問です。
◎530-28確認問題[1][2][3][5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-29デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-28確認問題[4][6]
△530-28確認問題[7]
530-29 食物連鎖
メダカ・プランクトン・食物連鎖・顕微鏡の使い方 を覚える単元です。今回のマンスリー範囲ではいちばん軽い内容になっていますが、顕微鏡が意外とやっかいですので注意して覚えるようにしてください。
◎メダカについて覚える(確認問題[1][4][5][8])
・メダカのひれの名前を覚え、オスメスを判断できるようにしましょう
むなびれとはらびれは各2枚、他は1枚ずつで合計7枚ということも覚えておきましょう。
・卵の大きさや各部の名称と役割を覚えましょう。
・産卵の時間帯や産卵の数を覚えましょう。
・発生の順に並べられるようにしましょう。
・ふ化後しばらくはエサを食べない理由を答えられるようにしましょう。
・生育に適した温度(25℃)そのときのふ化にかかる日数(11日)を覚えましょう。
◎メダカの飼育法を覚える(確認問題[4][5])
以下のことを答えられるようにしておきましょう。
・水そうを置く場所
・水草を入れる理由
・くみ置きの水を使う理由
・水のかえ方
・えさのやり方
・卵を産んだらすぐに別にする理由
◎プランクトンを覚える(確認問題[2][6][7])
図からプランクトンの名前を言えるようにし、植物プランクトンか動物プランクトンか判断できるようにしましょう。
植物プランクトン…ミカヅキモ、アオミドロ、クンショウモ、イカダモ、ケイソウなど
動物プランクトン…ミジンコ、ケンミジンコ、ゾウリムシ、ワムシなど
光合成するが、動けるプランクトン…ミドリムシ、ボルボックス
◎食物連鎖を理解する(確認問題[3][7][8])
・生物の食べる/食べられるの関係を理解し、生産者(植物)・消費者(動物)・分解者(カビ、バクテリアなど)に当てはめて考えられるようにしましょう。
・矢印の意味を理解しましょう。
A→B の場合、AがBに食べられることを意味しています。AがBの口に入る矢印と考えるとよいと思います。
・数の大小を理解しましょう。食べられる生物の方が多くなっています。
・数の変化を考えられるようにしましょう。
A(植物)→B(草食動物)→C(肉食動物) でそれぞれが増えたり減ったりした場合の変化を考えられるようにしましょう。
◎顕微鏡の使い方を覚える(確認問題[2][6])
・手順をしっかり覚えましょう。間違えやすいのは「反射鏡で視野を明るくする」がプレパラートをおく」よりも先にくることです。
接眼レンズ→対物レンズ→反射鏡→プレパラート→横から見て近づける→遠ざけながらピントを合わせる です。
・視野の端にある見たいものを中央に移動させる場合、上下左右反対に見えているので、例えば右上にあるならプレパラートを右上に動かします。このとき、動かすのはプレパラートであることを確認してください。レンズ(視野)の方を動かすと勘違いしている子が一定数います。上下左右反対は強調されるので覚えているため、この勘違いをしていると答えが逆になってしまいます。
・倍率は接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率
・接眼レンズは短い方が高倍率、対物レンズは長い方が高倍率です。
確認問題[8]はマンスリーの過去問です。
◎530-29確認問題[1]~[4]
デイリーステップ[2][4][6]
530-30デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-29確認問題[5][6][8]
△530-29確認問題[7]
SAPIX5年11月マンスリーについては以下もご覧ください。
SAPIX5年11月マンスリーで押さえるべきポイント!算数編
SAPIX5年11月マンスリーで押さえるべきポイント!国語編
SAPIX5年11月マンスリーで押さえるべきポイント!理科編
SAPIX5年11月マンスリーで押さえるべきポイント!社会編
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塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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