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SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編 Column

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SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編

2024.04.16

春期講習が終わり、復習がひと段落し、ホッと一息・・と思ったらすぐに平常が再開。
少し慌ただしい春休みでしたが満喫できましたでしょうか。
学校でもいよいよ新学年がスタートしましたね。

5年生4月度マンスリー確認テストは新学年になって初めてのクラス昇降のあるテストになります。
4年生の時と同じ単元でも新出の内容もあるのでしっかりと準備をして臨みましょう。
2024年4月度マンスリー確認テストは4月26日に実施予定です。

4月度マンスリー確認テスト 算数

[概要]

・制限時間50分で150点満点
・大問1は基礎力トレーニングの内容が8~9問
・大問2~5は各テキストの基本から標準的な内容が出されることが多い
・大問の最後(6か7)は思考発想系になることが多い
・平均点は80点前後になることが多い

[試験範囲]

・510-06 小数・分数
・H51-01 数の性質
・H51-02 和と差に関する問題
・H51-03 平面図形
・510-07 立体図形⑴
・510-08 旅人算⑴
・基礎力トレーニング3月号

【4月度マンスリー確認テスト 平常テキストのポイント】

【平常06番 小数・分数】


★偏差値50以上をめざすならA1~4、B1~4、C1.3

★偏差値55以上をめざすならA~Dすべてに取り組もう

①あまりのある小数の割り算(A1)

⇒4年生で履修していますが苦手な生徒さんが多い印象です。しっかり位をそろえて丁寧にひっ算を書きましょうあまりは元の小数点の位置であることを忘れないよう気を付けましょう。

②小数と分数(A2.3.4、D2)

⇒倍分はよく、一生懸命小数を使って計算しているのを見かけますが、元の分数を約分してから考えるとわかりやすくミスも防げますね。
約分はとりあえず2や5などわかりやすい数字で割れるものは割って、出た数字を手がかりに考えていきましょう。
13、17、23などの素数の倍数を少し覚えておくとみつけやすいでしょう。

また、約数がなかなか見つからない場合は『割れるもの同士の差も割れる』ことを利用して、分母と分子の差を素因数分解して探しましょう。

③間の分数(B3、C1、D1)

⇒間の分数は分子と分母の通分の計算が厄介ですが、内容的には易しめです。

通分をする際に分母や分子に小数や分数を書くことに抵抗があると思いますが、範囲を計算しているので気にせず書きましょう。そして『より大きく、より小さい』という条件を元に〇以上〇以下の整数で表して範囲に該当する分数を答えましょう。

D1⑵は既約分数ですが、2でも3でも5でも割れない数なので書き出して調べましょう。

④規約分数(B4、C2.3、D3)

⇒約分できない数字を探すのでまず分母を素因数分解して構成を調べましょう。

基本的な問題では約数の数は2つなのでベン図を描いて考えてもいいでしょう。

約分できる個数を求めて満足し、そのまま解答するケアレスミスが目立ちます。最後に全体から引くのを忘れないように気を付けましょう。

既約分数の和は等差数列の和の公式を使って求めます。答えが個数の半分になることが多いので式を書かずに解答する生徒さんが多いですが、毎回そうなるわけではない(D3がいい例ですね)ので必ず式を書いて求めましょう

D3のように帯分数の場合は仮分数に直して考えがちですがB4、C3のように分数部分だけの個数を求めて2~3、3~4、4~5にそれぞれ12個ずつあるというように考えましょう。

【平常07番 立体図形⑴】


★偏差値50以上をめざすならA1~4、B1~4、C1、D1

★偏差値55以上をめざすならA~Dすべてに取り組もう

①立体の求積(A1.2、B1.4、C1、D1

⇒今回から錐体が新出です。立体は底面積の形によって名前が変わることを覚えておきましょう。三角形なら三角錐、四角形なら四角錐、円なら円錐になります。

柱体の体積の公式『底面積×高さ』はもちろん覚えていますよね。錐体は『底面積×高さ×1/3』で求めることができます。÷3ではなく×1/3と表記しましょう。三角形の面積もこれを機に÷2ではなく、×1/2にして全て約分して計算するようにしましょう。

⇒表面積はただの計算問題なのに正答率が高くありません。あちこちにひっ算だけ書いていると、どこに何を求めているのかわからず、ケアレスミスが多発します。

見る方向をメモしながら必ず式を書いて求めましょう

ただ、図形によってメモの仕方は変える必要があります。

例えばB4やC1のような角柱の場合は「上下」、「前後」、「左右」など、A2やB1のような錐体の場合は「底面」、「側面」などと表記しましょう。なお、C1は「内側」にも表面積があるので忘れずに計算しましょう。

※ちなみに円柱の側面積は『円周×高さ』で求められるので覚えておきましょう!

②水そうに物体を入れる、抜く(A3.4、B3、C2.3、D2)

⇒水そうの問題は3つのパターンがあります。この問題では物体を入れる前と入れた後の正面から見た図を描いて変化を可視化して考えることが重要です。

●完全に沈む(A3、D2)

⇒入れる物体が水そうに完全に沈む場合は「増えた水の体積=入れた物体の体積」になることに注目して解きましょう。

解答例はこちら

●水面から出る(A4、C3、D2)

⇒入れる物体が沈まずに水面から出る場合は水位が上がった分の水の体積は入れた物体の体積ではありません。物体を入れたことにより底面積が小さくなったことで水が押し出されて水位が上がったと考えます。つまり物体を入れると底面積は変わるが水の体積は変わらないことに注目して解いていきましょう。

解答例はこちら

※D2は⑴と⑵は完全に沈むパターンですが⑶は水面から出るタイプなのでしっかり使い分けができるようにしておきましょう。

●物体を抜く(B3、C2)

⇒B3は入れる場合(A4)と逆回しなだけで考え方は全く同じですね。水の体積が同じことに注目して考えていきましょう。

C2はB3と同じ問題に見えますが、水の深さが出ていないので体積が求められません。
もともと入っていた物体の体積と水位が下がった部分の体積が同じことに注目して深さを求めましょう。

解答例はこちら

③高さを同じにする(B2)

⇒4年生で履修済ですが忘れてしまっている人はここでしっかりと頭に入れておきましょう。よくやってしまいがちなミスとしては水の体積を空の容器Bに全てうつしてしまうことです。高さをそろえなければならないので底面積をくっつけて一つの大きな底面積として高さを考えましょう。

【平常08番 旅人算⑴】


★偏差値50以上をめざすならA1~4、B1~4、C1~4、D1

★偏差値55以上をめざすなら上記プラスD3に取り組もう

①速さの三用法、単位換算(A1)

⇒4年生の時に速さと時間と距離の関係は履修していますが、公式にあてはめず意味を考えてそれぞれを求めることはできていますか?三用法が定着できていないと秒、分、時間の換算(20分⇒1/3時間など)が混じった計算で混乱してしまうので再度しっかり確認しておきましょう。また、秒速(m)と時速(㎞)を換算する際は×3.6、÷3.6(60×60÷1000)が使えると便利なので覚えておくといいでしょう。

②速さの和に注目する(A3、B1.2.4、C2.4、D3)

⇒同じ地点から反対方向に進む場合や向かいあって進む場合は2人が1分間に進む距離の和を考えるので速さの和に注目して解いていきましょう。

B2のように出発する時間が異なる場合は先に進んだ距離を考えてから出会うまでの時間を求めましょう。

C4のように同じ方向に進んでいる問題は追いかけの旅人算のように見えますが、引き返してくるので速さの和に注目する出会いの旅人算です。動く様子を線分図に描いて状況を把握できれば難なく解き進めることができるでしょう。

③速さの差に注目する(A2.4、B3、C1.3、D1.3)

⇒同じ方向に向かって進む問題は2人が1分間に進む距離の差を考えるので速さの差に注目して解いていきましょう。

B3は春子さんが先に出発しているので進んだ分の距離を考えてから追いついた時間を求めましょう。

C1は今後もよく目にする池の周りをまわる問題です。同じ方向に向かって進むので速さの差に注目するんだ!と思いついても同時に出発しているのに追い越される、ということがいまいちピンとこない生徒さんは多いのではないでしょうか。
ここで私はよく学校のマラソン大会を例にあげて説明します。グラウンドを何周もするマラソン大会では足の速い人はグングン進んで遅い人を追い抜いてしまうことがあります。それを「1周遅れ」と呼んだりしますよね。
つまり速い人は遅い人より1周分多く進んでいるので初めて追い抜くまでの2人の進んだ距離の差は1周分になります。あとは1分間の速さの差から追い抜くまでの時間を出しましょう。

C3は向かい合って進むので出会いの旅人算のように見えますが進んだ距離の差に注目する追いかけの旅人算です。C4と同様に少しひっかけになっているのでこちらも必ず線分図を描いて考えましょう。

※旅人算は受験算数での重要度は非常に高く、導入でつまずいてしまうと後で苦労するのでしっかり基礎を身につけられるよう、反復練習頑張りましょう!
サポートや冊子だけでは物足りないという方はサポートの類題がたくさん載っている『ベーシック 速さ』という教材の“1章 速さと単位の三用法”、“2章 旅人算その1”の中のステップ1~3を使って練習してみてもいいでしょう。(こちらの教材はサピックスの窓口で販売されています)

【4月度マンスリー確認テスト 春期テキストのポイント】

【春期01番 数の性質】


★偏差値50以上をめざすならA1.3.4、B1~4、C1.2

★偏差値55以上をめざすなら上記+C3、D3に取り組もう

①およその数(A1.2)

⇒切り捨て、切り上げ、四捨五入は4年生の春期講習で習った内容ですね。ちょうど1年前になりますが、みなさん覚えていますか?
それぞれの特徴はしっかり覚えておいてほしいですが、受験算数として重要度が高めなのは四捨五入です。文章問題でも正しく使えるように小数の場合(未満を使う)、人数の場合(以下を使う)をしっかり区別して練習しましょう。

②大きさ比べ(A3、B2)

⇒通分する、小数に直すなどの単純な作業で大きさを比べる内容ですがケアレスミスが多発するので必ず工夫して求めましょう。

例えば1/8シリーズ

1/8 = 0.125
3/8 = 0.375
5/8 = 0.625
7/8 = 0.875

もちろん覚えていますよね!?

B2の⑵は分母がかなり大きいので分母の通分は厳しいですね。少し特殊ですが分子を1になるように通分して分母の大きさを比べます。
そこで気を付けなければならないのが分母が大きい方が数の大きさは小さくなるということです。1/2と1/4で考えるとわかりやすいでしょう。2つに分けたうちの1つの方が4つに分けたうちの1つより大きいですよね。

③循環小数(A4、C3)

⇒小数に直す時は位の位置に気を付けながら計算していくと規則が見つかるので、あとは周期算と同じように解いていきましょう。

C3の⑶や⑷の場合は例にあがっている規則を使って足りない部分を補いましょう。

④数の範囲(B1.3.4、C1.2)

上から2ケタや百の位などの言葉に注意して指定された範囲の数を考えましょう。

また、①でも言及しましたが人数の場合は以下、小数の場合は未満を使うことにも注意して解いていきましょう。

⑤表すことができない金額(D3)

⇒この問題は①~④とは全く別の内容になっており、解法が思いつかない生徒さんが多いでしょう。大きい方の切手まで1から書き出して表すことのできる数字を消していくとおもしろい規則が見つかります。このテキストの内容がしっかり定着できているようであれば取り組んでみましょう。

【春期02番 和と差に関する問題】


★偏差値50以上をめざすならA1~4、B1~4、C1~4、D1

★偏差値55以上をめざすなら上記+D2.4に取り組もう

4年生の時に履修している単元なのでしっかり勉強していた生徒さんには取り組みやすいかと思います。

①和差算(A1、B1、C1、D4)

⇒A1、B1は基本的な和差算です。線分図を描いて差に注目し、求めるものに合わせて計算しましょう。

C1は以下のように小さい方から2つずつの和の組み合わせを書きだして条件に合う数字を当てはめていきます。

A+B=48
A+C=53
A+D
B+C
B+D=57
C+D=62

種類としては6通りできますが、C1は出ている数字が5通りなのでA+DとB+Cは同じ数で真ん中だとわかります。

式に数字を入れられたら出せるところの差を出し、和差算で求めましょう。

一方D4は6通り書かれているのでA+DとB+C は54と61のどちらか判断しなければなりません。どの和も整数であることに注目するとBとCの差が52-44=8なのでB+C は偶数だとわかります。あとはC1と同じように解いていきましょう。

②過不足算(A2⑵、B4、C4)

⇒4年生では★★★だった長椅子の問題が★になっていますね。問題文の「あまり」、「不足」という言葉に惑わされずに解けるようになっているでしょうか?
「長椅子に座れなくなる=人が余っている」「席が余っている=人が足りていない」ということを認識して解いていきましょう。

③消去算(A3.4、B2.3、C3、D1.2)

⇒実は6年生になって様々な単元で使う消去算。なんとなく作業的に解いていて本質がわかっていない生徒さんをよく見かけます。
いつ出てきても正しく使えるように、式を書いて数字そろえて消すという基本的な概念を必ず覚えておきましょう。

B2、C3は消去算の中で少し種類が違う代入算とよばれる問題です。
比べる数が個数だけではなく重さも出てきてしまうので置き換えが難しいと感じるのでしょう。
そろえる時に個数を〇倍したら重さも〇倍するのを忘れない様にしましょう。

たとえばC3だと
かぼ3コ+玉5=3400g
かぼ1コ=玉1+760g→この式をかぼ3コに合わせると、
かぼ3コ=玉3コ+2280g(760×3)となります。

これを1番目の式のかぼ3コに代入して式を書き直すと玉3コ+2280g+玉5コ=3400gとなり、玉8コ分を求めることができますね。

ていねいに問題を読み、式を書いていければ難しくないので繰り返し練習しましょう。

④つるかめ算(A⑴、C2)

⇒受験算数の代表と言えばつるかめ算!ですね。

A⑴のような典型題は面積図を描いて解いていきましょう。

C2はつるかめ算の中で少し種類の違う弁償算とよばれる問題です。全て正解した場合の金額を求めて1問、間違えるごとにいくら損するかを考えます。正解から間違えてしまった場合なので+15円→-30円の45円の損になります。
この時、損する金額を罰金の30円だけにしてしまうミスが多いので気を付けましょう。

【春期03番 平面図形】


★偏差値50以上をめざすならA1~4、B1~4、C1~4、D1

★偏差値55以上をめざすなら全ての問題に取り組もう

①角度(A1.2、B1)

⇒角度を求める時は同じ長さには必ず印をつけましょう。つけることで見えてくる二等辺三角形や正三角形などの図形をヒントに求めていきましょう。

□角形の内角の和の公式は(□―2)×180°

ですが、もちろん覚えていますよね!?
記憶があいまいな人は確実に覚えておきましょう。

②共通部分を考える(A3、B2、C2、D2)

⇒等しい面積それぞれに共通している部分を見つけ、公式で求められる図形にして考えていきましょう。

例えばB2の場合は白い部分を共通部分として

白+斜線=おうぎ形(6×6×1/4×3.14)
白+網掛け=直角三角形(底辺×6×1/2)

斜線と網掛けの面積が等しいのでおうぎ形の面積=直角三角形の面積とわかります。

あとは逆算をして直角三角形の底辺の長さを求めればよいですが、その際計算の工夫ができるとより解きやすくなります。おうぎ形の面積は9×3.14なので式のまま逆算すると9×2×3.14÷6=3×3.14となり、暗算で求めることができますね。
1つ1つ計算していると時間もかかりミスも増えるのでしっかりと式を書いて、できる限り簡単にできるよう工夫して求めましょう。

③回転移動(A4、B4、C3)

⇒作図がポイントの問題ですね。転がった後の図に頂点を書き込んでから線で結びます

その際、半径がどこなのかを正しく捉えるためにも以下の点に注意して作図をしましょう。

C3のように角を転がるときは作図と同様に角度にも注意しましょう。

④補助線の引き方を考える(B3、C1、D1.3)

⇒円系の補助線は『円の中心から弧に向かって引く』がセオリーです。今後も使う重要な知識なので覚えておきましょう。
円の中心から弧に引いた線は全て半径になるので同じ長さのものは印をつけて角度を考えながら求めましょう。

以上が5年生4月度マンスリー確認テストの範囲テキストの学習のポイントになります。

今回の内容も4年生で習ったことが中心になっているので比較的対策はしやすいと思いますが、旅人算や錐体など新出の内容もいくつかあるのでしっかり復習しておきましょう。思うようにはかどらない、書き方がわからない、などお悩みがあればいつでもお気軽にご相談くださいね。

SAPIX生のみなさん、がんばって!!応援しています!

SAPIX新5年4月マンスリーについては以下もご覧ください。

SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!国語編
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!理科編
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!社会編


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村井 絵理

この記事を書いたのは...

村井 絵理

大手集団塾で17年 個別&家庭教師で10年以上の指導経験があります。

集団での指導だけでは成績を伸ばすことに限界を感じ、個別でのマネジメントに尽力しています。
とにかく基礎を大切に根気よく土台を作って算数を楽しむ授業を心がけており、くすぶっている力を開花させることに定評があります。
一緒に算数の魅力にハマりましょう!

趣味はゲームとアニメ、息子と生徒の成長を見守ることです。卒業しても状況報告して頂けることがとても嬉しく、いつまでも楽しみにしています。

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