春期講習中にも単元が容赦なく進んでいくSAPIX。
5年生の4月マンスリーテストはなかなか「重い」と言える回であると言えます。
こちらの記事では、マンスリーテストの試験範囲から、各回のトピックスを中心に紹介していきたいと思います。
【試験の範囲】
540-06 世界の国々
540-07 世界の地理
540-08 関東地方のまとめ①
H54-01 環境問題①〜日本の公害と環境問題〜
H54-02 環境問題②〜世界の環境問題〜
【試験範囲から考える注意点】
今回の試験範囲の難しさは「世界地理を取り扱っているところ」にあると言って良いでしょう。
540-06 世界の国々
540-07 世界の地理
H54-02 環境問題②〜世界の環境問題〜
の3回分がそれにあたります。
中学受験のメイン単元とも言える「日本の地理」は
540-08 関東地方のまとめ①
H54-01 環境問題①〜日本の公害と環境問題〜
の2回分のみです。
SAPIXの特徴として、「一問一答系の知識問題はほとんど問われない」というのがあります。
「デイリーチェック」や「授業の復習問題 基礎」で基礎固めをしても、マンスリーテストで劇的な点数UPに繋げるのは難しいです。
ただ、「深掘りしやすい」単元というのは存在しています。
学んでいる期間が長い「日本地理」の方が、「深掘り」や「引っかけ問題」の作成がしやすいです。
「世界地理」に関しては今回の単元3回分程度。
基礎的な内容が中心に問われるのは「世界地理」
発展的な内容が中心に問われるのは「日本地理」
と見て良いと思います。
ちなみに、世界地理で発展的な内容を作ると…
「時事問題」と絡めるケースが大半です。
仮に「時事問題」までおさえるなら「オリンピック」と「ロシアのウクライナ侵攻」の関連に関しては聞かれる可能性があります。
とはいえ、事前準備としては、世界地図を見て「国の名前・位置」と「首都の名前」がわかるようにしておくくらいでしょうか。
【各回のトピックス】
540-06 世界の国々
白地図と国の位置から「国名」「首都名」を押さえられることが最も重要です。
国旗からどの国かを答えさせる問題が出題されることもあります。
デイリーステップ、授業の確認問題以外で対策をするなら、白地図トレーニング帳の「世界のおもな国々①〜④」と「世界の国旗」は扱っておくべきでしょう。
三大宗教は「キリスト教、イスラム教、仏教」ですが、三大宗教の人口比率は多い順に「キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教」となりますので注意が必要です。
540-07 世界の地理
中学入試ではほとんど出題されることのない単元です。
高校入試での出題の方が一般的だと思います。
白地図と国の位置から「山脈名」「海の名前」などを押さえられることが重要です。
これも白地図トレーニング帳の「世界の重要地名①〜②」を取り組むことをおすすめします。
時差に関しては、計算で出す方法がテキストでほとんど紹介されません。
・経度の差÷15=時間の差(時差)
・経度の差は「東経と東経、西経と西経なら差」「東経と西経なら和」を出す
・太陽は東から登って西に沈むと考えて、基準の位置から東の方に移動する時には時差をプラス、西の方に移動する時には時差をマイナスする
の3点は最低でも押さえた方が良いでしょう。
考え方がわからないと、完全に暗記で終わりになります。
世界地図の図法は「正距方位図法」がよく出ます。
東京を中心に東に向かった場合、ぶつかるのは「南アメリカ大陸」と言うのは知っておいても良いでしょう。
540-08 関東地方のまとめ①
今回の範囲で最も深掘りされて出題される可能性が高い単元です。
東京からの距離が、
約500km:大阪
約1000km:札幌(福岡よりも若干近い)<福岡
約1500km:那覇
や、
ヒートアイランド現象などは「名前」だけでなく「内容」も押さえること
などは差がつくポイントだと言えると思います。
問題演習を通して、各種事項を押さえるだけでなく、
山地山脈名
→川の名前
→台地や平野の名前
→気候や降水量の特徴
→どんな農業・工業・産業を行っているか
など、できるだけ関連付けて押さえられるかが重要です。
白地図一枚に、習った内容や出てきたものを書き込んでいく勉強法は、これが狙いです。
「一目見て内容や特徴が掴める」ものを作るようにすると、効率が良さそうですね。
また、農業生産額のデータや都道府県の面積・人口のデータから「目立つものを押さえて解く」問題は頻出です。
自分なりに見分けがつけられるようにしておくのが良いでしょう。
H54-01 環境問題①〜日本の公害と環境問題〜
公害・環境問題とその対策が中心となっている回です。
公害は高度経済成長期などの、経済発展優先で環境破壊のことなど考えていなかったことを背景としておさえる必要があるでしょう。
四大公害病は名前、発生地域、原因物質を押さえる必要があります。
また、四日市ぜんそくのみ大気汚染で、残りの公害病は水質汚濁です。
対策のうち、循環型社会、環境アセスメント、家電リサイクル法はよく出題されます。
環境アセスメントと合わせて、オンブズマン制度(オンブズパーソン制度)についても知っておいても良いでしょう。
ちなみに、神奈川県川崎市が「オンブズマン制度」を日本で初めて取り入れた自治体です。
1990年のお話です。
白地図トレーニング帳の「日本の公害と環境問題」で、四大公害病以外の環境破壊が問題になった地域についてもおさえられるので、是非取り組んでみてください。
H54-02 環境問題②〜世界の環境問題〜
世界単位で発生する環境問題の回です。
「環境問題についての素養を作るテーマ1・2」
「重要単元をたくさん放り込んだテーマ3」
で構成されています。
テーマ1・2は温暖化、オゾン層、酸性雨、熱帯雨林減少、砂漠化など、「環境問題についてあなたの意見を書きなさい」という入試の素養を作るコーナーです。
名前と内容、発生場所をきちんと結び付けておさえましょう。
テーマ3は小6の6月あたりに扱う国際連合とセットでよく出てくる単元です。
政治(公民)分野と地理分野のどちらにもまたがるためか、苦手にしている子が多いです。
特に、引っかかりやすい頻出問題は
知床 世界自然遺産○ ラムサール条約×
釧路湿原 世界自然遺産× ラムサール条約○
です。
「世界遺産に指定されている釧路湿原…」や「知床はラムサール条約に登録されて…」など、条件をしれっと逆にして説問で扱われるケースが多いです。
白地図トレーニング帳の「世界の環境問題」「日本の主な湿地・干潟」「日本の世界遺産」は是非取り組んでみてください。
SAPIX新5年4月マンスリーについては以下もご覧ください。
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編
SAPIX新5年4月マンスリーで押さえるべきポイント!国語編
SAPIX新5年4月マンスリーで押さえるべきポイント!理科編
SAPIX新5年4月マンスリーで押さえるべきポイント!社会編
SAPIXに関して、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!