転塾…
引っ越しなどの特別な事情がなければ、比較的ネガティブなことが原因で行われると思います。
「SAPIXから転塾」となると、
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似た形式のグノーブルに転塾するケース。
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進度が早めな大手塾に転塾するケース。
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地元塾・進度がゆっくり目な大手塾に転塾するケース。
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個別指導塾に転塾するケース。
SAPIXから転塾を検討するときはどんな時か、ここでは考えていこうと思います。
SAPIXから転塾を検討するのはいつから?
・新学年の2月
一番検討するのが多いのは塾での新学年となる2月でしょう。通っている塾で良い成績を取っていれば、転塾を検討するのは稀。
「このまま、この塾に漫然と通うだけで良いのか」という不安に陥るのが多くの原因だと思います。
①成績不振の場合
学習習慣の未定着、教材レベルのミスマッチ、授業のスピードについていけないなどが考えられると思います。
4科目の偏差値40までで食らいついているとしたら、「最低限のライン」ではついていけている状態です。
4科目とも偏差値30台で止まっていると、授業内のテキストを理解するための「基礎」が入っていない状態と言えると思います。
苦しいところだとは思いますが、偏差値40まで留まっている場合、転塾するよりも、継続した方が後々得るものが大きいと思います。個別指導塾などを利用して、優先順位の高い教材の情報を知ったり、生徒の現状からどこまでやり直すか確認したり、本当に転塾するかどうかの相談になど乗ってもらってからでも遅くはありません。
ただ、偏差値30台の場合、テキストやテストのレベルなどが合っていない可能性があります。少々マイルドなレベルにするなら四谷大塚(予習型)、早稲田アカデミーなど(復習型)の塾を。ただし、社会の進度にズレがあるので注意です。
※四谷大塚のカリキュラムは5年生までで歴史を全て終わらせ、6年生の初めから公民単元が始まります。
もっとのびのび、とするなら日能研でしょうか。
似た形式のグノーブルの場合、算数はステップアップ形式の教材でSAPIXよりも学びやすいと思いますが、他の3教科の教材のレベルはぐんと上がります。特に、国語に関してはレベルの違いが顕著なので、読解において不安がある生徒の場合、少々苦労することになるでしょう。
②学習習慣がついていない場合
授業の後に宿題をやろうとしないなどのお話になります。塾で勉強を終わらせる、というところまで、料金に含まれているのが希学園です。
ご両親が忙しいご家庭などで、利用するケースはありました。
それ以外のケースでは、ご自宅で勉強の管理をする必要があります。
これはSAPIXと変わりません。
ただ、多くの塾が、きちんと本の形式になっているテキストを使用して授業をすすめることになるので、「単元のみ」しかわからないSAPIXよりは、「先の回のテキストを見られる分、見通しを立てやすい」と言えると思います。
・6年生の9月
最短で志望校に合格するために、全科目個別指導に切り替えなど、全科目の単元が終わったタイミングで行うことがあります。
日曜日のSS特訓で自分の第一志望校が設置されていないケースや、このまま漫然とSAPIXに通っていても…と考える方が、選択することがあります。
これは入試演習が始まるタイミングで、普段の授業でライバルだった子がいなくなるのと同じ現象が発生します。
ライバルなどがいない中、自分だけで勉強を進めなければならないのです。
同じ目標に迎える相手がいなくても、自分で勉強が進められる子であれば、良い対策であると言えると思います。
・上記以外の時期
①学校の子とトラブルになって転塾するケース
SAPIXは、6年生まで原則食事を伴う休憩はありません。
初めて食事を取るのが6年生の4月の志望校判定サピックスオープン、次が5月のGS特訓。食事を取るのがレギュラー化するのが、9月から始まるSS特訓です。
小6までは「休み時間中、誰かと一緒に食事をとる」という時間はありません。
ですから、塾のクラスメイトとトラブルになるケースはほとんどないです。同じ小学校のクラスメイトで塾も一緒、という子がトラブルになり、転塾するケースはあります。
クラスメイトが誰もいないところを、と選んだ結果、あまり人気のない塾に行ったときが心配な点になります(主に教務力やテキストの面で)。
②競争に疲れたケース
SAPIXは頻繁にクラス替えをします。
月ごとにクラスが変わり、6年生の12月までそれが続きます。特に大規模校だと4科目のテストで、2点刻みでクラス分けを行うことも。
ですからずっと同じクラスの生徒というのは、最上位クラス、最下位クラス以外ほとんど存在しないと言えます。
目まぐるしくクラスメイト・担当の先生は変わるため、環境の変化に敏感なタイプの子であったりすると、こういった競争に疲れてしまうことも。
関連記事:SAPIXに向く生徒、向かない生徒
相談できる相手が家族以外にいないことが、ストレスになっているケースと言えるのではないでしょうか。
これはクラス替えが少なそうな塾を選ぶのが良いでしょう。個別指導の塾ならばクラス替えは基本的に存在しません。地域密着型の塾や市進学院(埼玉だとサイン・ワンです)、栄光ゼミナールあたりが良いでしょう。
ただ、問題点も。
教務力が伴っているところなら良いのですが、そうでない場合は特定の科目に強い不満を抱えたり、そもそも授業が成り立っているレベルなのか疑問に思う授業を提供したりする塾もあります。
大手塾だとその心配が解消される可能性が高くなると思います。(移った先が規模が小さい校舎だとそうでないことも…)早稲田アカデミーの小規模校、四谷大塚、日能研などの塾までで留めておき、ある程度のレベルを担保した方が良いかもしれません。
「転校」について
こちらは転塾ではないですが、同じ塾の別の校舎に移動するケースについてご紹介します。
①同じ学校の生徒とトラブルになった場合
SAPIXの進度や塾のレベルなどが気に入っている場合、「転塾」でカリキュラムから何から変えてしまうよりも、SAPIXの違う校舎に「転校」して、同じカリキュラムを継続するというのは良い選択だと思います。
個人的には、転塾よりもオススメする解決法となります。
②希望の校舎の定員が埋まって空いていなかったが、空きが出た場合
SAPIX渋谷校、大井町校あたりは、「小学1年生」のタイミングで入塾を締め切ります。
これは年々中学入試への関心が増えているから、というのもそうですが、土地柄大きい校舎の確保が難しいケース、職員の数の確保の難しさの関係もあるでしょう。
ですから、小4まで白金高輪校や用賀校に通い、小5のタイミングで転校というのもあり得るということです。
③小規模校から大規模校へ
6年生になったら、受験本番を迎えるのだから、より競争が出来る環境に移りたいというケース。
小規模校から、東京校・自由が丘校に移る、というイメージでしょうか。
関連記事:どう選ぶ? SAPIX大規模校と小規模校 ~大規模校編~
これは競争が好きな生徒さんを見て、保護者の方が決断するケースが多いです。
まとめ
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転塾でなく「転校」で解決できる問題であれば、できるだけ「転校」で解決を狙う方が良い。
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競争の少ない塾に転塾した場合、「教務力がきちんと担保されているか」を確認することが重要。
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講座はほとんど全てが志望校に合わせた予想問題で、過去問は扱ったとしても提出課題のみ。
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自学自習の部分まで見てもらうなら、算数の教材のレベルが高くなるが、「希学園」を選ぶという選択肢もアリ。
SAPIXに関して、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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