サカセルコラム

日能研の夏期講習5年生の過ごし方(国語編) Column

日能研の活かし方

日能研の夏期講習5年生の過ごし方(国語編)

2023.07.11

今回は日能研の夏期講習、5年生の過ごし方についてお伝えしたいと思います。

私は国語の講師なので、国語の学習が中心になりますが、他の教科の取り組み方についても参考にしてください。

夏期=後期(ステージⅣ)の準備期間

日能研の夏期講習(標準コース)は4科目で全72回(国算各20回、理社各16回)を18日間で学習します。テストが3回あるのでトータル3週間ほど。

お盆の前後は1週間の休みがありますが、5年生にとってややハードな日程です。しかし、ここをしっかりの乗り越えられるかどうかはこの後大きく影響します。

なぜならその後に後期(ステージⅣ)が控えているからです。

ステージⅢとステージⅣの違い

大まかに言って次の2点です。

*部分読解から全体読解に移行する。

前期までは「部分読解」といって傍線部の前後だけ分かればよかったのですが、後期は全体を見渡す力「全体読解」が求められます。

具体的にいうと抜き出し問題の答えが近くにない、あるいは「主題」や「要旨」といった全体を把握した上で答える問題が増えるということです。

このため今までの解き方では通用しなくなり、急につまずく生徒も少なくありません。

*語句知識・文法、文学史など暗記モノが増える。

特に日能研の場合、語句知識のスタートが遅く、4年~5年前期までのんびりしたペースなので知識の「貯金」がありません。

しかし5年後期からことわざ・慣用句・四字熟語の他、文法・敬語・韻文の知識など毎回相当数の知識学習があります。

しかもこの時期は、他教科も暗記事項が多いため消化不良を起こし勝ちです。

これらの準備をするのが夏期講習。有効に活用して後期につなげましょう。

次に、夏期講習中の家庭学習について説明します。

夏期講習中の家庭学習

文章ジャンルごとの読解法+語句知識の学習

国語テキストは説明文・物語・随筆・論説文・詩+漢字・語句で構成されています。

このうち読解は文章ジャンルごとの読み方ができているか、がポイントです。ご家庭では宿題範囲に取り組ませると共に、授業範囲のテキストの書き込みをチェックしてください。

説明的文章(説明文・論説文)、物語、随筆の読み方のチェックポイントを挙げておきます。

ちなみに詩歌は後期の予習的な内容なので、ここでの説明は割愛します。

*説明文的文章(説明文・論説文)

話題に線引き(重要語・問いかけの文など)
段落はじめの接続語はマルで囲む
列挙がわかる表現に線引き(まず~、次に~、最後に~など)
対比部分に印(⇔)(逆接の接続語、「これに対して」などの表現)
結論や筆者の意見部分に線引き(「このように」「つまり」「大事・大切・重要」などの強調表現)
接続語の問題はできているか
指示語の内容が押さえられているか

*物語

登場人物チェック(主役・わき役はだれか)
場面分け(時間と場所が変わるところ)
主役の心情がわかる表現に線引き(心情語・表情・動作・会話・行動など)
主役の心情が大きく変化する部分(ヤマ場)をマーク
基本的な心情語を適切に使えているか(嬉しい・悲しい・悔しい・さびしいなど)

*随筆

体験と感想に分ける
体験部分の読み取りは物語と同様「いつ・どこで・だれ・どうした・心情」に線引き
現在の筆者が過去の体験を思い出すことで、どのような感想をもっているか

*語句の学習

前期テキストの語句は内容が薄いのに対し、夏期テキストはボリュームがあります。

漢字の他、文法・類義語・対義語・ことわざ・慣用句・四字熟語、と続きますので毎回しっかり覚えさせてください。ここで学習しておくと後期が楽になります。

全て覚えきれなくても大丈夫。お盆休みに復習すれば良いのです。

日能研のテキストは語句の意味などの解説が少なく、ちょっと不親切です。

必要に応じて市販のテキストなども活用しましょう。

*休講期間の学習

休講中は主に知識のフォローに充ててください。前半に学習したものを覚えているかを確認し、しっかり定着させましょう。余裕があれば後半の予習をしても大丈夫です。

その他、旅行や帰省される方もいらっしゃるでしょう。この先、受験は長いですからご家族でリフレッシュする時間も大事にしてください。

以上です。後期を笑顔で乗り切れるよう、親子で頑張ってください。


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羽田慶子

この記事を書いたのは...

羽田慶子

日能研、個別塾などでの国語の指導経歴は15年以上。

生徒さんとご家庭の要望にフィットした指導を心がけております。
最終的には国語のおもしろさに気づいてもらうことが一番大事だと考えております。素材文によって様々な知識や考えに触れ、たくさんの本を読めるような生徒さんを育てていきたいです。

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