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日能研の入室(入塾)テストとは?合格基準は高い? Column

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日能研の入室(入塾)テストとは?合格基準は高い?

2023.04.14

日能研に入室をお考えのみなさん、今回は入室テストについてお話しいたします。

まず初めに、日能研の入室テストの概略を見ていきましょう。

日能研の入室テスト

全国規模の入室テストはだいたい年5,6回くらい行われます。季節講習を受講してから入室するタイミングは、春期、夏期、冬期の年3回、それ以外では随時入室テストが行われています。テストは全て無料です。

生徒募集は新学年の2月スタートの前年の秋頃から行われます。

このテストは「日能研全国テスト」と呼ばれるもので、科目は国語、算数の2科目で試験時間は各40分。難易度は小学校の学習内容が半分以上で、だいたい6割の得点率で合格。

合格か不合格のみでなく、補欠合格のようなものもあります。日能研としては、落とすための試験というよりも、なるべく入ってもらいたいという教室運営的側面もありますので、一度受けてダメだからと言ってあきらめず、何回かチャレンジするのもいいでしょう。

教室にもよりますが、合格基準点はだいたい偏差値40あたりを目安にしています。

基本的に無試験での入室は無く、必ず何らかのテストを受けなければなりません。

ところで、日能研のHPを見ると、タイル形式のメニューの目立つところに「日能研全国テスト」、「日能研入会資格テスト」といったものがあります。これが無料入室テストです。

ちなみに、よく誤解しやすいものに、黄色と黒の2色のメニューで「日能研全国公開模試」とありますが、これは原則、無料入室テストではありません。この「日能研全国公開模試」は日能研を代表する公開模試です。サピックスにおける「サピックスオープン」、四谷大塚における「合不合判定テスト」の日能研版です。

「原則」と表現しましたが、実は例外もあります。なんと、こちらの全国公開模試が入室テストになる場合もあります。これについては後述します。

比較的多くの生徒は、4年新学期の2月や4年春期講習後の4月に入室してきます。タイミング的に新学年開始が受験勉強を開始しやすいのでしょう。また、同時期の5年生も、4年生ほどではありませんが、ある程度の生徒が入室してきます。

日能研への入室を考える際のポイント

入室を考えるということは、日能研に限らず、次の3点がポイントになってくると思います。

・ご家庭やお子さんの状況
・入室テストを受けるタイミング
・どのような入室テストが受けられるのか

こんな例を考えてみました。

現在、子供が小学4年生の9月で中学受験の勉強経験は全く無し。翌年の2月から新小5として日能研に入室を考えている。

この状況での入室テストは、以下のパターンが考えられます。

【パターン1】

毎年10月に開催される全国規模の無料の「日能研全国テスト」を受験する。

科目は国語、算数の2科目で試験時間は各40分。難易度は小学校の学習内容が半分以上で、だいたい6割の得点率で合格。タイミングによっては12月頃行われる「日能研学ぶチカラテスト」を受験可能です。こちらは国語、算数、総合の3科目で試験時間は各40分。

【パターン2】

随時行われている入会資格テストを翌年の2月までに受験する。

【パターン3】

12月下旬から始まる冬期講習に外部生として参加。中学受験の勉強は未経験なので、そのままテスト無く標準クラスで受講可能。冬期講習最後に行われる1月の冬期講習特別テストを内部生と一緒に受験し、基準に達すれば合格。

このパターンの場合少し注意が必要です。

冬期講習特別テストは、冬期講習で学習した内容の復習テストです。

内部生も同じ問題なので、中学受験未経験のお子さんにとっては、かなり厳しいテストかもしれません。

なぜかと言いますと、中学受験の学習カリキュラムにおいて、どの学年でも、冬期講習のカリキュラムは、その学年で1年弱学んできたことが前提となるため、質・量・速度ともにもっともきつくて負担が大きくなるからです。

いくら標準クラスとはいえ、初めて触れる中学受験の勉強内容が、その学年の総復習的な内容では、よほど優秀なお子さんでない限り、おそらく講習第1回目から面食らう可能性が高いです。もしかしたら板書すらしっかりノートに書くことができないかもしれません。

したがいまして、この例では、【パターン1】または【パターン2】で入室を目指す方がベストと言えます。

一方、ある意味一番ゆるい講習は春期になります。新学期が開始してからそんなに時間が経っていないので、冬期講習ほど講習の内容も、質・量ともにそこまできつくはありません。ですので、講習の時期に合わせて入室をお考えでしたら、春期講習のタイミングが比較的良いと思います。

しかし、どうしてもタイミング的に冬期から入室したい場合は、冬期講習開始前に、随時行われている入室テストを受けて入会してから、冬期講習に臨むと良いと思います。

次は、このようなお子さんの例です。

現在、子供が小学5年生の1月でサピックスに通塾中。クラスは大教室の中~下位をいったりきたり。中学受験の勉強は4年の新学期2月から開始。すぐ迫った翌月2月の6年新学期から日能研への転塾を考えている。

まず、教室としてはこのようなお子さんが入室希望で来た場合、中学受験の学習が未経験のお子さんとは一線を画した対応をします。

経験者であることからその力を的確に把握するために、随時行われる入会資格テストの枠内で、未経験者向きの難易度が低い「日能研全国テスト」ではなく、直近で行われた「全国公開模試」を入室テストとして受験する可能性が高いです。(ただし、こちらは教室判断ですので絶対とは言えません)そこで偏差値を出して6年からのクラス決定の手掛かりにします。

また、受験学年からお子さんを預かるわけですから、残された時間はそれほど多くありません。

入室テストの偏差値を鑑み、より現実を直視した面談をすることになるでしょう。

これが、前述した例外の「全国公開模試」を無料入室テストとして使用する場合です。

体験授業について

最後に、体験授業についてです。

実際に授業を受けるのはお子さんです。入室したら週3~4回通うことになるのですから、教室や先生の雰囲気、授業の進め方など、あらかじめお子さん自身が実感することで、モチベーションアップにつながる大きなきっかけになる場合もありますので、可能でしたら積極的に体験授業は受けてみてください。

今回は入室テストについてお話ししました。

日能研へ入室をお考えでしたら、ぜひこの記事を参考になさってください。


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三島孝太郎

この記事を書いたのは...

三島孝太郎

個別指導、家庭教師、小規模塾、中規模塾、大手集団塾で子供たちに勉強を教え続けて約30年。

どのように説明すれば分かりやすいだろう、どんな喩えを使えば理解してもえるだろう、どんな訓練をすれば力を伸ばしてあげられるだろうと、これまでの経験を上書きしながら日々試行錯誤の連続です。
算数はおもしろい科目です。しかしただおもしろいだけではなく、その深さと広さには際限がありません。
この算数の大海にぽつんと投げ出されても、子供たちがたった一人で無事に渡っていけるように、乗り越えていけるように、知識と技術と武器を授けるのが私の仕事です。


趣味は読書で、マンガや小説問わず読んでいます。好きになった作品や作家は何度も読み返すくらいハマってしまいます。

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