サカセルコラム

大学生の生活:イギリス滞在記 Column

学生講師の小話

大学生の生活:イギリス滞在記

2020.12.08

こんにちは。サカセルで自習室管理をしている大学三年生です。

春から学校にも行けず、友達にも会えず、日中はオンライン授業で外に出ることがないという無味乾燥な毎日が続いていますが、そんな中にも楽しい瞬間はあるもので、スマートフォンのカメラのライブラリを漫然と眺めては遠い昔か未来に思いを馳せるのです。

大学生は大きい休みになると決まって海外旅行に行きます。

かくいう自分もその様な旅行好きの大学生の一人で一昨年の夏休みにはイギリスに、昨年の春休みにはモロッコに行きました。

イギリスでの滞在記

イギリスには6週間程居まして、ケンブリッジに3週間とロンドンに3週間と、半分ずつ滞在していました。イギリスにいる間は現地の語学学校に通っていました。学校にいる間は様々な国から来た生徒と一緒に英語の授業を受け、放課後は学校で出来た友達と公園でサッカーをしたり、パブでお酒を飲んだりして楽しく過ごしていました。ケンブリッジに滞在していた時はホストファミリーの家に自分を含めて6人の学生がいたので友達作りには苦労しませんでした。中にはしつこく絡んでくるスペイン人の学生もいて最初こそは鬱陶しいなと思っていましたが、思えば彼のおかげで家族とのアイスブレイクが容易だったのかなと思います。皆さんももし、留学する機会があってホストファミリーの家に住むという事になったら、是非沢山の生徒が住んでいるホストファミリーをお勧めします。学校に行く前に生活のレベルで接することが出来る人がいるというのは心強いですよ!

ケンブリッジ→ロンドン

ケンブリッジはいい意味で小ぢんまりした町でした。ケンブリッジ大学という有名な大学があり、町の中心を囲うように川が流れており、のんびりとした場所だという印象がありました。私は元々このケンブリッジに6週間まるまる滞在する予定だったのですが、もっといろいろな場所を見てみたいと思い、ロンドンの学校に転校することを決意します。やはり鉄道でどこかに移動するとなった時に、キングス・クロス駅やパディントン駅といった大きなハブ駅がある都市の方が移動が楽だというのが転校を決めた理由です。結果的にその選択は自分としては正しかったと思っていて、ロンドンに転校してからはスコットランドやウェールズまで一人で旅に行きました。

エディンバラ

ロンドンのキングスクロス駅から電車で数時間かけて進んだ先にスコットランドのエディンバラはありました。折角イギリスに来たのだから多少遠くても頑張って足を運んでみよう、という出来心から始まった電車旅でしたが、早速、行きの電車で誤って自由席を購入してしまい、結局座れずに5時間近く立ったままで電車に揺られるという苦難から始まったのが今では懐かしいです。

季節は夏だったので日本よりも比較的涼しいロンドンでも半袖が心地良い気温だったのですが、ロンドンよりも緯度が高いエディンバラは着いた瞬間、半袖で来たことを後悔するほど肌寒く、慌てて上着を現地調達しました。

エディンバラに着いてまず目に入ったのは谷を挟んで向こう側に見える旧市街地の景色でした。エディンバラはこの谷を挟んで新市街地と旧市街地に分かれており、旧市街地にはエディンバラ城をはじめとして歴史ある建造物が街ごと保存されています。旧市街地の雰囲気はまさに中世そのものといったところで、坂の多い旧市街地は歩き回るにはなかなか体力を使いますが、ぶらぶらと散策しているだけで「海外旅行に来た」感を感じられてとても良かったです。僕が訪れたときは本当に偶然「フリンジ」と呼ばれる町ぐるみの芸術祭が行われている時で、あたりには沢山のパフォーマンスを行う大道芸人と学園祭の呼び込みをするエディンバラ大学の学生であふれていました。その時はフリンジ・フェスティバルの存在を知りませんでしたが、日本に帰ってきてからフリンジ・フェスティバルが由緒正しい伝統的な祭りであったことを知って偶然に感謝することになりました。

ホテルのチェックインまで時間があったのでエディンバラ大学の学生演劇を観劇しに行ったのですが、英語のなまりが強いのとさすがに喋るスピードが速かったこともあってなかなか内容を理解することが難しく、大人しくチケットを売ってくれたお姉さんの言う通り子ども向けの演劇を観ればよかったと後悔しました(笑)

その後、ホテルに荷物を置いて晩後を食べた後に人生初のスコッチ・ウィスキーを試しました。勧められるがままにラガヴーリンをストレートで飲んだのですが、あんなに強いお酒はもう二度と御免だと思いました(笑)

コーンウォール

その後、エジンバラからは遥か遠く、イギリスの南西部にあるコーンウォールに行きました。

コーンウォールに行ったキッカケは、エジンバラのからの帰りの列車の中で次に行く場所をどこにしようか考えながらGoogle Mapを眺めていた時に、地図の左下の端に「ランズエンド」という文字からして悍ましそうなワクワクする地名を発見したことにありました。

その名前と冒険欲に駆られてすぐさま列車のチケットを購入しました。(イギリスの列車は専用のアプリをインストールすることで簡単に予約することが出来ます。半券としてEチケットが発行されるので、電車に乗るときは表示されるQRコードを乗務員に見せればOK)です!大変便利で助かりました。)

ランズエンドの最寄り駅(?)のペンザンスはロンドンから列車で5時間ほど揺られた先にあり、ランズエンド以外にミナック・シアターとセント・マイケルズ・マウンテン(名前から察した方もいるかもしれませんが、モン・サン・ミッシェルの親戚のような場所で、同じように干潮の時にしか渡れない道の先にあります。)にも訪れようとしていたのですが、到着した時にはペンザンスは人生で体験したこともないほどの深い霧に覆われており、とても観光できるような天候ではありませんでした。その日はもう既に日が暮れかけていたということもあり、翌日の天候に望みを託してホテルで早めの夕食をとって翌日のプランを立てて就寝しました。

次の日、頑張って早起きをして宿泊客の誰よりも早く一番乗りで朝ご飯を食べていると、段々と曇っていた空は明るくなり、最初のバスが出るころには観光日和の快晴になりました。

早速ミナック・シアター行きのバスに乗り込み(ランズエンドは途中の停車駅にありました)、二階建てのバスは出発すると広い牧草地を爆走しはじめ、急こう配の折り返しでも異常なスピードで進むので、ロンドンで契約していたSIMカードの電波が途切れた時は覚悟をしましたが無事に目的地に到着しました。

ランズエンドには正直特別何かあったわけではなく、ただ岬に「ランズエンド」だという標識があっただけだったので拍子抜けだった部分はありましたが、あまり下調べをせずに向かったミナック・シアターは断崖絶壁の崖の上に海を背に向けた石造りの劇場がそこにはあり、草木を掻き分け進んだ先の絶景に言葉を失いました。なんでもこの劇場は一人の女性が年月をかけて作った劇場とのことで、いつかまた訪れてここで演劇を観てみたいと思わされました。

ペンザンスに帰った後はセント・マイケルズ・マウンテンまで散歩し、あいにくの満潮だったので、城を見ながら名産のクリームティーを楽しみました。

訪れるにはハードルが高いペンザンス。

イギリスに長期滞在する機会があれば足を延ばしては如何でしょうか。

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石田貴嗣

この記事を書いたのは...

石田貴嗣

受験勉強に関する事だけでなく、読んで楽しい学習にまつわる様々な事をお伝え出来ればと思います。

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