サカセルコラム

【中学受験5・6年生向け】計算ミスを激減させる!得点力を上げる高速検算法 Column

勉強一言アドバイス

【中学受験5・6年生向け】計算ミスを激減させる!得点力を上げる高速検算法

2025.09.12

「またケアレスミスで失点してしまった…」「複雑な計算に手間取り、時間が足りない」。学年が上がり、問題が複雑化するにつれて、こうした悩みはより深刻になります。特定の単元が苦手なら対策は明確ですが、「計算ミス」という漠然とした課題に有効な対策が打てず、歯がゆい思いをしている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、合否を分ける1点を確実に取りにいくための、高学年向け「計算ミスの確認法」を解説します。

【計算の精度と速度を両立させるために】

入試本番で求められるのは「正確」かつ「迅速」な計算力です。しかし、焦ってスピードを上げるあまり、乱雑な筆算で数字を読み間違えたり、見直しの時間がなくなったりしては元も子もありません。逆に、丁寧さを意識しすぎて時間が足りなくなるのも問題です。

他の教科にも通じますが、特に算数では「スピード」と「丁寧さ」の最適なバランスを見つけることが重要です。「走り書きでも、自分や他人が明確に判読できる字」を意識し、個人的には「速さ7:丁寧さ3」くらいのバランスをおすすめします。

そして、計算力を得点力に変える上で最も重要なのが「見直しの質」です。ただもう一度計算をし直す「検算」は、時間もかかり、同じ間違いを繰り返す可能性もあります。ここでは、より速く、効率的にミスを発見するための具体的なテクニックを紹介します。単なる「注意喚起」ではなく、実践的な「技術」として身につけていきましょう。

【実践!高速・高精度な計算ミス確認法】

これは計算見直しの基本中の基本です。どんなに大きな数の掛け算でも、計算結果の一の位は、掛ける数同士の一の位の積の一の位と必ず一致します。

例えば、34 × 48 = 1634 というミスを考えます。
ここで、一の位だけに着目すると 4 × 8 = 32 となります。
この計算から、答えの一の位は「2」になるはずです。しかし、1634 の一の位は「4」なので、この時点で計算が誤っていると瞬時に判断できます。正しくは 1632 です。

次に有効なのが、おおよその数で見当をつける「概算」です。計算結果が、常識的な範囲から大きく外れていないかを確認します。

例1:答えが小さすぎるケース
23 × 64 = 1272 というミス。
64を少し小さいキリの良い数、例えば「60」に置き換えてみましょう。
23 × 60 = 1380 です。
23 × 64 の答えは、当然 1380 よりも大きくなるはずです。それにもかかわらず 1272 という小さい答えが出ているため、間違いだと気づけます。(正解は 1472)

例2:答えが大きすぎるケース
43 × 78 = 3554 というミス。
今度は78を少し大きいキリの良い数、「80」に置き換えます。
43 × 80 = 3440 です。
43 × 78 の答えは、3440 よりも小さくならなければなりません。しかし 3554 は 3440 よりも大きいため、これも計算ミスだと判断できます。(正解は 3354)

5年生以降で「数の性質」を学習すると、検算の武器が一気に増えます。特に強力なのが、瞬時に倍数かどうかを見分ける**「倍数判定法」**です。掛け算の答えが、元の数の倍数になっているかをチェックすることで、間違いを素早く発見できます。

まずは、入試で頻出の倍数判定法をおさらいしておきましょう。ルールが似ているもの同士で覚えるのが効率的です。

【一の位で判断するタイプ】

  • 2の倍数:一の位が偶数(0, 2, 4, 6, 8)。
    • 例:31150、23128 → どちらも一の位が偶数なので2の倍数です。
  • 5の倍数:一の位が「0」か「5」。
    • 例:5115、3240 → 一の位が5と0なので5の倍数です。

【下の桁で判断するタイプ】

  • 4の倍数:下2桁が4の倍数(または00)。
    • 例:53124 → 下2桁の「24」が4の倍数なのでOK。 18700や57304も同様です。特に57304のように下2桁が「04」となる場合は、そのまま「4」と考えて判定します。
  • 8の倍数:下3桁が8の倍数(または000)。
    • 例:43248 → 下3桁の「248」は248÷8=31で割り切れるので8の倍数です。361000や18008も同様に判断できます。18008のように下3桁が「008」となる場合も、そのまま「8」として判定すれば問題ありません。

【各位の和で判断するタイプ】

  • 3の倍数:各位の数の和が3の倍数。
    • 例:57111 → 5 + 7 + 1 + 1 + 1 = 15。15が3の倍数なので、57111も3の倍数です。
  • 9の倍数:各位の数の和が9の倍数。
    • 例:43164 → 4 + 3 + 1 + 6 + 4 = 18。18が9の倍数なので、43164も9の倍数です。

これらのルールを使えば、計算ミスの確認が劇的に速くなります。では、実際の使い方を見ていきましょう。

(1) 9の倍数判定法を活用するケース
掛け算の中に「9の倍数」があれば、その答えも必ず「9の倍数」になります。

例えば、63 × 17 = 1171 というミス。
63 は 6+3=9 なので9の倍数です。したがって、その計算結果も9の倍数になるはずです。
しかし、1171 の各位の和は 1+1+7+1=10。10は9の倍数ではないため、この計算は間違いだと断定できます。(正解は 1071。1+0+7+1=9 となり、9の倍数の条件を満たします)

(2) 4の倍数判定法を活用するケース
同様に、掛け算の中に「4の倍数」があれば、答えも必ず「4の倍数」になります。

例えば、52 × 23 = 1186 というミス。
52 は4の倍数です。よって、答えも4の倍数になるはずです。
しかし、1186 の下2ケタ「86」は4で割り切れないため、4の倍数ではありません。この瞬間に計算ミスを確信できます。(正解は 1196。下2ケタの「96」は4の倍数です)

この方法は、3の倍数や8の倍数など、他の倍数判定法でも応用できます。

【まとめ】

ここで紹介したテクニックは、単なる裏技ではありません。一の位の規則性、概算、倍数の性質といった、数の本質的なルールを理解しているからこそ使える、論理的なアプローチです。

これらの確認法を日々の学習から習慣づけることで、テスト本番という極度の緊張状態でも、冷静にミスを発見できる強力な武器になります。計算力を確実な「得点力」に変えるために、ぜひ今日から実践してみてください。中学受験はもちろん、その先の学習においても必ず役立つスキルとなるはずです。

関連記事

T. S.

この記事を書いたのは...

T. S.

今まで別の個別指導塾で主任講師として、中学受験では4教科+適性検査型を担当してきた。自身で指揮を執り、全科目の指導、カリキュラムの作成、面談など、中学受験全般に関わることを行ってきた。授業が無い日もずっと校舎にいたため、周りからは地縛霊だとささやかれていた。

大会で何度か結果を残すくらいにはゲームが得意で、プロを本気で目指していた時期もあったが、コロナ禍と重なってしまい断念。ただ、今でも時々大会に出ているので、もしかしたらYouTubeのおすすめで私の顔が流れてくることがあるかも?

教え子の成長を見守るのが生きがいです。大人になった教え子たちと共に塾を開業するのが将来の夢です。

同じ筆者の記事を見る

人気の記事