受験者平均点 70.9点
合格者平均点 84.0点
想定合格点 80点
世田谷区らしい穏やかな住宅地に位置する鷗友学園女子中。
在校生たちは挨拶も爽やかで礼儀正しく、非常に雰囲気の良い女子進学校です。
難関大学へ進学実績も抜群で、特に英語教育の充実と理系への進学率も高さで知られています。
もちろん勉強だけではなく、様々な体験学習を通した豊かな人間形成の機会が多いことも大きな魅力です。
自律学習サカセルでも鷗友学園女子を卒業した講師が活躍しています。
卒業生による母校紹介は是非とも以下をご覧ください。
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このように学力面でも情緒面でも優れた環境を誇る鷗友学園女子は、多くの受験生親子から注目を浴びています。
ただ、そのぶん中学受験における入学難度は高く、近年では「女子新御三家」の一角とも称されます。
その上2016年からは従来は3回だった受験機会を2回に減らし、また第1回入試の定員の割合を増やしたことで、鷗友学園女子を第一志望とする受験生たちの競争は激化の一途をたどっています。
出題においては首都圏の進学校においては珍しい4科目100点ずつという均等配点と、全科目で記述力が問われる形式が特徴で、特別な対策は必須です。
ここからは2022年の鷗友学園女子中の第1回の算数の入試問題を通して、どのように取り組めば合格を勝ち取ることが出来たのかを見ていきましょう。
今回使用する指標
〇:合格のためには必ず正解したい
△:出来る生徒と出来ない生徒の差がつく
×:完答できる生徒は少数、部分点を拾えたら充分
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
大問1
(1) 〇
計算量がやや多い逆算です。
分数での計算処理を意識して、確実に正解したい問題です。
見直しの際には□に数値を代入して正解できていることを確認しておきましょう。
(2) △
正しい題意の把握と丁寧な場合分けが求められる、大問1の(2)としては難しめの問題です。
3☆7=4の後は、イ☆12=1とイ☆12=9で場合分けし、丁寧に調べましょう。
大問2 〇
「イラストを描いてはプレゼントする」という珍しい設定ですが、内容自体は基本的なニュートン算です。
ビーカー、線分図、式などから自分の使いこなせる解法で確実に正解しておきましょう。
大問3 〇
三角形の回転移動の典型題です。
「全体-白=斜線」の基本通りに考えると、2つの扇形の面積の差を求めれば良いことが分かります。
大きな扇形の半径□cmは求まりませんが、□×□なら求まるという発想も定番です。
鷗友学園女子中への合格を目指すなら、確実に正解しておきたい問題です。
大問4 ○
1×2×3×…と1から順にかけて行った数の末尾に0が何個ならぶか、という中学受験では頻出のテーマが、基本そのままの形で課されました。
「末尾に0が何個」=「×10を何回」=「×(2×5)を何組」=「素因数分解して5が何回?」と正しく理解しておきましょう。
こちらも合格のためには絶対に落とせない問題です。
大問5
(1) ○
鷗友学園女子では頻出の「具体的な長さの与えられていない平面図形と比・相似」です。
BH:HI:IDを解答例のように2種類の相似比で求め、比を揃えましょう。
平行四辺形の左上に延長して相似を作る、いわゆる「角出し」も必須手法です。
(2) △
(1)で求めた比を用いて、丁寧に計算しましょう。
様々な解答方針が考えられますが、解答例では△BCI-△BHFとして求めました。
計算処理も結果も、やや煩雑にはなりますが、方針を明確に示して少なくとも部分点は確実に拾えるようにしておきましょう。
大問6
(1) ○
中学受験で頻出の、水槽に棒を入れた時の水深の変化を追う問題です。
「正面から見た図で整理」「棒は端に寄せる」「同じものに斜線」などのセオリー通りに取り組みましょう。
今回は水の量が変わらないので「底面積と深さは逆比」という発想で考えられると、計算量を減らすことが出来ます。
内容自体は4年生で扱う導入レベルで非常に易しい問題なので、確実に正解しておく必要があります。
(2) ○
水の量が変わらないので、逆比を利用して深さが25cmになる時の底面積を求めれば良いことが分かります。
こちらも導入レベルの易しい問題です。
鷗友学園女子への合格を目指す生徒なら、大問6まで満点を取れるだけの学力を養っておきたいところです。
大問7
(1) ○
鷗友学園女子で頻出の速さとグラフです。
今年度の第1回では「間のグラフ」として出題されました。
グラフの変わり目が何を意味するのか、逐一追っていく必要のある難度の高いテーマですが、(1)ではグラフの最初の部分に注目するだけなので落とせません。
(2) △
間のグラフは「変わり目に注目して普通のダイヤグラムに描きなおす」ことが典型手法ですが、今回の出題難度なら特に描きなおす必要はないでしょう。
まずは弟の速さを「16分から20分までの4分で800m差が縮まった」ことから求め、その後「20分から26分までの6分間でバスは弟に2340m-180mの2160mの差をつけた」と順に考えましょう。
決して難しくはありませんが、グラフの変わり目が何を示しているのか正しく捉えられない受験生も多かったことでしょう。
(3) △
(2)まで正しく状況が捉えられていれば、充分に正解できる問題です。
26分後にバスを降り、そこからあと何分で弟が友子さんに追いつくのか考えましょう。
鷗友学園女子の最後の出題としては易しめです。
2022年第1回の鷗友学園女子中の出題は受験者平均点が70.9点、合格者平均点が84.0点と、やや高めの基準になりました。
合格のためには「〇の箇所を全て正解して69点」+「△から1問」+「部分点」で80点というのが目安になるでしょう。
試験時間45分で両面印刷という新しい出題形式で2年目を迎えましたが、出題内容や重視している力は変わりません。
鷗友学園女子の算数で問われている力は「比を使いこなす力」と「論理的に説明する力」です。
過去問との類似性も高い学校なので、充分な年数をさかのぼることで、特に差がつく「図形と比」や「速さと比」などの分野で鷗友学園女子らしい頭の使い方を身につけることが出来るでしょう。
学校からも公式に部分点の基準が明示され、対策が活きる学校です。
自力で一生懸命頑張ることは、もちろん大切です。
ただ鷗友学園女子の各科目の出題には明確な特徴があり、適切な対策を講じることで合格可能性を高めることが可能です。
あと一歩で合格できるのに…という状況なら、是非とも自律学習サカセルにご相談ください。
個々の状況に応じた最適な戦略を一緒に考え、伴走します。
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