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洗足学園中の算数分析(2025年 第1回) Column

過去問分析

洗足学園中の算数分析(2025年 第1回)

2025.05.27

受験者平均点 61.4点
想定合格点 70点

広くて暖かみのある校舎、現代的で設備の整った環境と確かな教育が人気の学
校です。緑を基調とした制服(通称マリモ)も可愛いですよね!

また、最近では女子進学校としての地位を確立している印象です。
2025 年の東大現役合格者数は女子校でなんとNo.2!
学校側もかなり気合が入っているように感じます。
入学試験の日程も2026 年から一部変更するようですね。
2025 年までは
①2/1 80 名募集
②2/2 100 名募集
③2/5 40 名募集

2026 年からは3 回目の試験がなくなり、募集人数も以下のように変更されま
す。
①2/1 120 名募集
②2/2 100 名募集
洗足学園を熱望している生徒さんにとっては3 回目の日程がなくなってしまう
のはなかなか苦しいですが、なんとか募集人数の多い1 日で合格を勝ち取れる
ように、しっかり対策していきましょう!

では洗足学園に入るためにはどんな対策が必要なのか、問題を見ていきましょ
う。
問題の難易度を以下のようにレベル分けしています。

A 必ず正解してほしいレベル
B 正答率にバラつきがあるかもしれないが正解してほしいレベル
C 努力次第で得点できるので差がつくレベル
D 難易度が高いいわゆる捨て問レベル

解答例はこちら

A

分数の基本的な計算問題です。
これは絶対に間違えちゃダメなやつですね。

A

1.875を分数に変換して計算しましょう。
もちろん1/8シリーズは全て頭に入ってますよね?

B 数の性質

回文数で15の倍数は一の位が5しかないので千の位と一の位は5とわかります。あとは99、88、77と調べていきましょう。

B 割合

ボールペンの本数を①とおいて解答例のように花子さんがもっている金額を求める式を立てましょう。カッコの外し方に戸惑う生徒さんをよく見かけますが、平面図形の問題では以下のように3.14は必ずまとめて計算してきていますよね。
3.14×2×2+3.14×4×4⇒3.14× (2×2+4×4)
この問題ではその逆の解き方をすればいいだけなので、
120×(①-7)⇒120×①-120×7
となります。カッコでまとめる、カッコを外す、どちらも解けるようにしっかり練習しておきましょう。

B 流水算

解答例のように上りと静水時と下りの速さを表で整理するとわかりやすいです。静水時の速さを変えても流速は変わらないことに注意して式をたてましょう。

C 平面図形

洗足学園定番の小問集合にポツンと出てくる図形問題。これが結構厄介で難問の時もあれば意外と易しい時もあるので取捨選択が難しいですね。
今回はうまく色のついた部分を移動させられれば決して難しくないので捨てずに取り組めるといいでしょう。30°の利用もするので求めるべき辺に必ず数値を振って、図形式を描いて考えましょう。

3[Ⅰ]速さ

速さの問題で複数人が進んだり戻ったりする内容はダイヤグラムを描いた方が解きやすい場合がありますが、描くことが苦手な生徒さんは多いでしょう。
今回は時間や速さの設定が細かく、距離を捉えやすいので線分図で整理してみました。解答例を参考に以下を求めていき解答まで導き出しましょう。
2人が出会うまでの距離→4000m
2人が引き返した6分→540m
AがBに追いつくまでに進んだ時間→9分
出会ってからBが進んだ15分→600m

C

2人が出会うまでの時間→80分
⑴で求めたAの帰りの距離を進む時間→92分
話した10分、引き返した6分、追いついた9分の→25分

トータル197分なので時間に直して解答しましょう。

※ていねいに整理していけば決して難しくないので慌てずに取り組んで確実に得点しておきたい問題ですね。

3[Ⅱ] 数の性質

A

「連続数の和」というテーマで類題を経験したことのある生徒さんも多いのではないでしょうか。
・奇数個ならば真ん中が整数
・偶数個ならば真ん中が~.5

この問題は奇数個なので9で割れば真ん中の数が出ますね。
答えを出す時は慎重に!9個くらいなら下手に式で求めるより書き出してしまった方がより正確でしょう。

D

今回は(い)が最も小さくなることから個数が多くなる場合を考えます。
解答例のように2025の約数を書き出して丁寧に調べましょう。
上記の特徴を知らなければ取り組みにくいと感じるので、飛ばしてしまっても構いませんが、差をつけられる問題なので頑張ってほしいところ! ただ、偶数個なのか奇数個なのか、見つけた数字が本当に個数が最も多い状況なのか、など注意点が多く完答は難しいので、個人的には部分点を狙うのもありだと思います。

4 割合

A

長めの設問ですが、ていねいに読み込んで条件を整理できれば難なく解くことができるでしょう。1つのブロックの容積が1000㎤で①には2分で10cmまで到達することから毎分500㎤の水が流れ込みます。
①からは②と④の二手に分かれるので半分の250㎤ずつ流れることがわかります。

B

①に2分入ったあとに②と④には同時に①の半分の量の水が流れ込むので時間は倍の4分かかります。その後⑤には②と④からさらに半分の125㎤ずつ流れ込むことから、②、④と同様に4分かかるので全部で10分かかることがわかります。解答例のように図を描いていくと、どこからどのくらいの量の水が流れ込んでくるかが整理しやすいでしょう。

D

⑵から10分で①、②、④、⑤に水が10cm、⑦に5cm、③に5cm入っていることがわかります。その後は4分で③と⑦が10cmに到達し、⑥と⑧には5cmまで水が入っていることがわかるのであと2cm分を考えれば求まりますね。超
難問というわけではありませんが、ややこしく時間がかかるので飛ばしてしまって構わないでしょう。(もし時間に余裕があればぜひ取り組みましょう!)

5 立体図形

C

一見すると難しそうな印象ですが作図さえ正しくできれば比較的、解き進めていきやすい問題ですね。豊島岡女子学園によく出題される図形の問題に少し似ているでしょうか。
まずは図1、2共に影の作図をしていきますが、以下の点に気を付けながら描いていきましょう。
①点Pからの延長線が板の頂点A.B.C.Dを通ること
②図のように頂点Eは頂点Fの真上、頂点Hは頂点Gの真上にあること

図2から⑴の解答例の赤い砂時計の相似を見つけられるでしょうか?
PB:BF=1:1になるのでこの比を図1の直角三角形の相似で使います。
直角三角形の高さにあたる辺ABと辺EFの比は1:2になるので辺EFは16mとわかります。
同じように図2から⑴の解答例の紫の砂時計の相似を図2で探しましょう。
PC:CG=2:5になるのでこの比を図1の直角三角形の相似で使います。
直角三角形の高さにあたる辺DCと辺HGの比は2:7になるので辺HGは28mとわかります。

C

四角形EFGHは台形なので高さである辺FGがわかれば面積を求めることができますね。⑴と同様に解答例の緑の砂時計の相似を図2で探しましょう。
RC:CQ=30:12=5:2になるのでRG:PQも5:2になります。
このことから辺FGは27mとわかります。⑴よりも考え方としては簡単ですが⑴が正解できているかがカギになるので正答率は高くはないでしょう。

C

最後の問題なのできっと捨て問だ!と思うかもしれませんが、こちらも決して難しくはないので時間的に余裕があればぜひ取り組んでもらいたい問題です。
図がななめになっているのでわかりにくいですが、要は四角錐から四角錐を引けば求められます。解答例のようにそれぞれの四角錐の高さに注意して体積を求めましょう。ただこちらも⑵ができていないと正解できないので正答率は低めと予想されます。

以上が問題の傾向と分析です。
2021年以前の試験問題は、基礎知識の組み合わせ方やその活用方法がしっかりと身についていれば、問題を深く読み解くことで必ず解答にたどり着けるような良質な問題が多く出題されていました。
しかし、2022年からは思考力を問う問題や、解答に手間のかかる作業系の問題が増え、平均点が低い年が続いていました。
2025年は、2021年以前の傾向に戻ったような印象を受けたのでこのまま変わらないといいな・・・と密かに願っています。

さて、今回の試験問題ですが、レベルAとBだけだと48点しか取れないのでCをあと数問(大問2の⑷、大問3の⑴.⑵、大問5の⑴あたりでしょうか)頑張りたいところですね。
模試では問題の後半になるに従って難しくなることが多いですが、どこに捨て問が出てくるかわからない洗足学園の問題では取捨選択が非常に重要です。
2024年までは大問3に出てきていたヒラメキ系の平面図形今年は大問2の⑷になりましたね)や⑵は捨て問だけど⑶は易しいなど、問題の質を見極められるかどうかで合否を分ける場合もあります。
ただ処理スピードはそこまで要求されないので一問一問じっくりと考えて解法を見つけていきましょう。そして余裕があれば見直しにも時間を充て、より確実に得点できるようにしたいですね。

いかがでしたでしょうか。
洗足学園目指して頑張る皆さんに自律学習サカセル講師陣が基礎から攻略法までガッツリつめこみます!
一緒にガンバリましょう!!

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村井 絵理

この記事を書いたのは...

村井 絵理

SAPIX小学部で17年 個別&家庭教師で10年以上の指導経験があります。

集団での指導だけでは成績を伸ばすことに限界を感じ、個別でのマネジメントに尽力しています。
とにかく基礎を大切に根気よく土台を作って算数を楽しむ授業を心がけており、くすぶっている力を開花させることに定評があります。
一緒に算数の魅力にハマりましょう!

趣味はゲームとアニメ、息子と生徒の成長を見守ることです。卒業しても状況報告して頂けることがとても嬉しく、いつまでも楽しみにしています。

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