サカセルコラム

洗足学園中の算数分析(2022年 第1回) Column

過去問分析

洗足学園中の算数分析(2022年 第1回)

2022.05.17

受験者平均点 49.5点
想定合格点 60点

広くて暖かみのある校舎、現代的で設備の整った環境と確かな教育が人気の学校ですね。(緑を基調とした制服も可愛いです!)

東大への進学率も上がり、女子最難関校としての地位を確立している印象です。

受験生は放課後に補講があったり学校でも夏期、冬期に講習があったりと塾に通わずとも充分な程の手厚い指導を行ってくれます。

自習室もあり、非常勤の先生に質問をする子が多く受験に意欲的な生徒さんが多い環境であることが進学実績にもつながっているのでしょう。

そして今年からなんだかとてもカッコイイ第二の図書館がオープンしたそうですね!「Skylight Reading Room」こんな名前のエリアが学校にあるなんて素敵です。床は洗足カラーの緑のカーペットが美しく天井も壁もガラス張りでハンパない開放感。ぜひ一度拝見してみたいと思いました。

音楽活動も充実していて中学時代は1人1つ楽器を選んで音大の先生にレッスンしてもらうことができるのは洗足ならではの経験ですね。

こんな魅力的な所で知識を深め、お友達との絆を深め、芸術的センスまで磨けたら最高の学生生活になること間違いなし!これは人気が出るはずです。

では洗足に入るためにはどんな対策が必要なのか、問題を見ていきましょう。

問題の難易度を以下のようにレベル分けしています。

今回利用する指標
A :
必ず正解してほしいレベル
B :正答率にバラつきがあるかもしれないが正解してほしいレベル
C :努力次第で得点できるので差がつくレベル
D :難易度が高いいわゆる捨て問レベル

解答例はこちら

⑴ A

→四則演算の順番さえ間違えなければただの簡単な計算問題です。

⑵ A

0.8750.025を瞬時に分数にできるかを問われています。

⑴ A →縮尺

簡単なのに実は正答率がそんなによくありません。単位をしっかり覚えることとうまく分数を使って計算できるようにして確実に正解しましょう。

⑵ A →やりとり算

表を描き問題をよく読みながら正しいやりとりを書いて逆算しましょう。これは特に+と―だけなので簡単です。

⑶ B →平面図形

この問題は2019年の3回と2018年の3回に類題が出ていたので過去問を練習した子には馴染みがあり閃きやすかったと思います。

縦と横の枚数とのりしろの合計をだし、図を描いて等積変形させて求めましょう。

⑷ C→通過算

一見簡単そうに見えて問題の読み取り、状況把握が難しい。AとBがどう動くかを想像してBが速い時、遅い時それぞれの図を書いて考えましょう。

⑴ B →推理算

2022年度の入試問題体験会で出ていましたね。

A~Dと1~4で表を描いて発言と照らし合わせていき確実に正解できるようにしましょう。

⑵ D →平面図形

この発想は出ないですよね…難しい。捨て問です。さくっと見切りをつけ次に進みましょう。

⑶ C →仕事算

全体の個数が出ていますが56と46と42の最小公倍数をとろうとする子は多いかもしれません。〇日「目」という所に注目してこの作業が必要ないことに気づいてほしいですね。55日と56日という二つの日数から一日あたりの範囲を出して二人ずつの作業量を出していきましょう。

⑷ A →年齢算

祖母、母、娘の30年前、今、3年後の表を描きましょう。ここで重要なのは元になる比ですが(割合では比の記号は極力統一する!が原則ですね)個人的には『-』を使うのは好きではないので30年前の母を①とおいています。そして3年後の母から娘を×1/3できれば後は簡単ですね。

4→場合の数

⑴ A

問題文をしっかり読めればただ4の倍数の特徴(下2ケタが4の倍数)を考えるだけの基本的な場合の数です。確実にとっていきましょう。

⑵ A

こちらも⑴と同様に3の倍数の特徴(各位の和が3の倍数)を考える基本問題です。条件に注意して正確に書き出して考えましょう。

⑶ C

恐らく捨て問判定をして取り組まない生徒が多いかと思われますが難しくありません。12の倍数の特徴(下2ケタが4の倍数かつ各位の和が3の倍数)を考えるだけのシンプルな問題です。⑴も使ってうまく時間短縮しながら得点できるといいですね。

5→流水算

⑴ C

時間と距離の変化を表す時はダイヤグラムを使うとわかりやすいです。

特に流水算では止まっていても川に流され距離が変化しているので注意しましょう。ここでは修理した25分と元の位置に戻った10分の時間の比から速さの比を考えましょう。

⑵ C

⑴で出した比を使って仮にAから故障した地点までの距離を150とおきます。メインとサブで進んだ時とサブのみで進んだ時の150進んだ時にかかる時間を比べましょう。15分の差があることに気が付けば150をサブで45分進んだことがわかります。

⑶ C

⑵から故障した地点からB地点までの距離を250とおき、A~Bの距離を400にしてあげればわかりやすいですね。あとはメインとサブの静水の合計から流速を引くことに注意しましょう!

以上が問題の傾向と分析です。

レベルAとBだけでも58点になりますが2科目受験を考えるとCをあと数問(大問3の⑶大問4の⑶あたりでしょうか)頑張りたいところですね。AB満点も厳しいかと思いますし…。

模試ではよく問題の後半になるに従って難しくなることが多いですが、どこに捨て問が出てくるかわからない洗足の問題では取捨選択が非常に重要です。

例年では大問3に出てくるヒラメキ系の平面図形(2022もそうでしたね)や

大問4や5の⑴からしんどい作業だったり、⑵は捨て問だけど⑶は簡単だったりと問題の質を見極められるかどうかで合否を分けることになる場合もあります。

ただ処理スピードはそこまで要求されないので一問一問じっくりと考えて解法を見つけていきましょう。そして余裕があれば見直しにも時間をあて、より確実に得点できるようにしたいですね。

洗足学園は各単元の「基礎知識の組み合わせ方」「活用の仕方」をしっかり定着させ、問題を深く読み解くことができれば必ず解法にたどり着ける良問ばかりです。(毎回解くのが楽しみという声をよく聞きます)

出題の形式や難易度も過去問との類似性が高いので演習を重ねることで高得点を狙うことができるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

洗足学園を目指しているなら基礎から攻略法までガッツリつめこみます!

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村井 絵理

この記事を書いたのは...

村井 絵理

大手集団塾で17年 個別&家庭教師で10年以上の指導経験があります。

集団での指導だけでは成績を伸ばすことに限界を感じ、個別でのマネジメントに尽力しています。
とにかく基礎を大切に根気よく土台を作って算数を楽しむ授業を心がけており、くすぶっている力を開花させることに定評があります。
一緒に算数の魅力にハマりましょう!

趣味はゲームとアニメ、息子と生徒の成長を見守ることです。卒業しても状況報告して頂けることがとても嬉しく、いつまでも楽しみにしています。

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