目次
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学校の特徴
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試験の情報
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科目ごとの特徴
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よくある併願パターン
1. 学校の特徴
武蔵中学校は、東京都練馬区にある男子校です。2022年に創立100周年を迎えた完全中高一貫校です。創立当初に掲げられた「三理想」をもとに「独創的で柔軟な真のリーダーとして、世界をつなげて活躍できる人物の育成」を現在の教育目標としています。自調自考の精神で日々を生きられる下地が準備されているとされています。先生や先輩からのきつい指導等は一切なく、みんながのびのび生活していると言う話です。また、校則については、そもそも校則らしい校則がないとされています。500人程度というやや小さめの規模で、少人数制を生かした丁寧かつ独創的な指導が一人一人の個性を伸ばす教育を行っています。
自主性を大切にする学校であり、面倒見はそこまで良い方ではないということですが、ついていけない分野の補習は時折行われるという話です。また、部活動についても、奇術部 (マジック)やジャグリングなど、面白い部活も多くあります。
そして、東京都内の中学校・高校の中では最大規模のキャンパスを有しており、敷地内に小川が流れていたり、樹齢200年を超える大木があったりと自然が多いのも特徴の一つです。
交通アクセス
都営地下鉄大江戸線新江古田駅徒歩7分
西武池袋線江古田駅徒歩6分
西武池袋線桜台駅徒歩8分
西武有楽町線新桜台駅徒歩5分
2. 試験情報
・入試情報
入試日程 2/1 08:00集合
合否発表 2/3 09:00
※以前は2/2の夕方に掲示板での合格発表がありましたが、現在は取り止めとなっていま
・科目
国語 算数 (各50分 100点満点)
理科 社会 (各40分 60点満点)
2023年度は182/320で合格
・2023年度の得点状況
2023年度 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 | 合計 |
---|
配点 | 100 | 100 | 60 | 60 | 320 |
合格者平均 | 66.8 | 70.5 | 25.7 | 37.2 | 200.3 |
受験者平均 | 62.9 | 557 | 21.5 | 32.1 | 168.4 |
2023 | 235 | 629 | 607 | 290 | 2.1 |
※平均点・合格最低点は非公表
詳しくはこちら:https://www.musashi.ed.jp/admission/data.html
3. 科目の特徴
ここからは簡単に各科目の紹介をしていきます。
・算数
武蔵伝統の「手書き・大問4題・4枚構成」でしたが、2023年度は5枚構成になりました。
出やすい単元として、
①数の性質(場合の数など)
②和と差を利用した文章題
→他の学校では出題が少なめ
③平面図形の発想系問題、比・相似を利用した問題
→立体の切断などの出題はなし、他の難関校と比べると極端に図形の出題が少ない
④速さと比の問題
→ダイヤグラムを書かせる問題は出ない
⑤調べ上げの問題
→完答は難しいかもしれないが、部分点以上は狙いやすい
があります。
「設問を言葉で置き換えて整理する力を問うている」という印象の出題です。
大問4題で問題数が少なく、小問(2)以降の問題が小問(1)と関連する問題ということもあり、得点を安定させにくい面があります。
記述式ではありますが、出やすい単元が偏っていることもあり、過去問のやり込みによって点数の安定が見込める出題と言えます。
過去問解説はこちら
武蔵中の算数分析(2022年)
武蔵中の算数分析(2021年)
武蔵中の算数分析(2020年)
武蔵中の算数分析(2018年)
武蔵中の算数分析(2016年)
・国語
論説文もしくは小説文が1題出題され、文字数指定のない記述が6問程度、漢字が5問〜8問程度出題されるのが基本の形となっています。
近年では言葉の意味を中心とした知識問題の出題も。
小説文1題、漢字と記述しか問わなかった武蔵ですが、2021〜2023年度は3年連続論説文の出題となっています。
解答用紙に解答欄の枠すらないので、書こうと思えば何文字でも書けてしまう形式となっていますが、「簡潔にして要点をおさえた答案」を作るのが基本となっています(2017年度の学校解答より)
その他にも
「しっかり文章を読んで、空欄や傍線部の前後の意味をよく考える」
「設問の条件をよく読み取り、要求する内容、理由だけを答える」
「難しいことばを使うのではなく、誤解のない、わかりやすい解答をつくる」
「一文が長すぎて、文意のはっきりしない答案を避ける」
「主語や修飾語が流れて、文としてまとまりがない答案を避ける」
などが学校解答の「講評」欄に書かれていることが多いです。
過去問解説はこちら
武蔵中の国語分析(2022年)
武蔵中の国語分析(2021年)
・社会
大問1題構成、地理・歴史・政治と複数分野にまたがって、「とあるテーマについて長い問題文を読み、様々な角度から考察させ、それを文字数指定なしの記述で答えさせる」という形式を取っています。
2023年は「大都市と上下水」でした。
問われることが多いのは歴史分野ですが、知識量よりも思考力を重視しています。
知識問題については平易ですが、「御前崎から江戸までの海岸線を地図に書き込ませる問題」「はえなわ漁を絵で描かせる問題」など変わった問題が出ることも。
統計・グラフ・地図・図や写真などの資料も数多く使われ、問題文とともに頭の中で内容を整理することが必要です。
・理科
小学生男子向けで、背伸びして超難解なものを考えさせるという出題はありません。
出やすい単元は生物(動物・植物どちらも)、星。
最も特徴的なのは、袋に入った何かが当日に配布され、それを観察して記述する「持ち帰り問題」です。
「二つの何かについて、図を自分で描き、違いを記述する」のが基本でしたが、現在は「図を描かせずに仕組みを記述する問題」の出題もあります。
また、文章読解に近い内容・グラフの読み取りを記述で答える問題も出題されます。
ただ、記述問題については設問の意図が読み取りやすいものが多く(15字〜50字程度)、
知識問題については平易で、一般的な内容、理科の常識と言える内容を押さえられていれば解けるものが多いです。
真面目な子だと、解答欄のスペースから、文字数を稼ごうとする意識が強くなってしまうかもしれませんが、もっと端的な答えで◎はもらえるようです。
4. よくある併願パターン
ここからはよくある併願先の一覧と実際の併願パターンをご紹介していきます。
・学力的に余裕のある(合格判定が常に80%で過去問も得点出来ている)場合
1月 | 2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 |
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1/10・11栄東A 1/25立教新座 | 武蔵 | 桐朋 城北 暁星 学習院 獨協 | 早稲田 海城 筑波大附属 学習院 成城 | 芝 城北 東京農業大一 | 本郷 成城 獨協 國學院久我山(ST) |
PM東京農業大一 PM広尾小石川 PM國學院久我山(ST) PM獨協 | PM東京農業大一 PM広尾小石川 | PM暁星 PM國學院久我山(ST) |
※ 下段は午後入試
武蔵中は東京都練馬区にあり、城西エリアに位置しています。
通っている生徒の割合も、
東京23区…63%、東京都下…16%、埼玉県…14%、神奈川県…6%、千葉県…1%(声の教育社 2023年度首都圏版中学受験案内より)
となっており、東京都・埼玉県の子だけで90%を超えています。
武蔵中は併設の武蔵大学に推薦入学も可能ですが、ほとんどの子が大学受験をします。
選ぶ基準となりやすいのは「城西・城北エリアにある」「男子進学校」「伝統校」「身近に自然がある」「記述中心」などでしょうか。
1/25の立教新座の志望順位が高ければ、2/1以降はそれよりも志望順位の高い「強気なプラン」を組むことになるでしょう。
・学力的に余裕がない(チャレンジ受験の)場合
1月 | 2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 |
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1/10栄東 1/11佐久長聖 1/16 栄東 | 武蔵 | 暁星 学習院 獨協 | 学習院 成城 | 芝 城北 | 成城 獨協 |
獨協 | 暁星 |
※ 下段は午後入試
このプランにおいて、2月の学校にしか行かせる気がない、という話になると、なんとしても2/2の午後までに合格を一つは取っておきたいところ。
その場合、2/1午後に獨協を受験し、その合格次第で2/2午前の学校を変化させるなどの対応が必要になってくると思います。
2/1午後獨協が○であれば2/2に暁星・学習院を受験、×であれば2/2獨協を受験。
そこで○が取れれば、その後2/3、2/4にステップアップする選択肢もとることができます。
5. まとめ
武蔵中は「武蔵中でしか問われない形式」の多い学校です。
記述式の問題に関しては、過去問を解いた際に誰かしらの添削を受けて、改善点を見つけることが大切です。
また、併願校を組む際には、「何を基準に学校選びをするのか」がカギとなりそうです。
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