サカセルコラム

開成中の国語分析(2023年) Column

過去問分析

開成中の国語分析(2023年)

2024.01.02

◆各種データ
国語算数85点満点、理科社会70点満点、4科目合計310点
合格者最低点 237/310
合格者平均 55.6点
受験者平均 49.0点

参考:https://kaiseigakuen.jp/admission/exam/result/

◆出題形式
試験時間50分 85点満点

◆大問2題構成
大問1 論説文 4問(小問数7)
大問1 小説文 4問(小問数4)

◆問題の種類(2023年度)
・記述 約90%
・選択肢 0%
・抜き出し 0%
・知識 0%
・漢字 約10%

という得点の割合になっています。

記述問題を中心としており、記述は例年5問程度の出題となっていますが、2023年は7問と少々多めの出題でした。

また、傾向が1〜2年に一度、ガラリと変わるのが開成中の特徴となっています。

2023年度は、小説文のみ大問1題構成から変わり、論説文と小説文の大問2問構成になりました。

比較的多く見る形式です。

選択肢、言葉の知識などの問題は相変わらず一切なし。

ただ、受験者平均点は約57%となり、昨年よりも易しくなっていると言えるでしょう。

ここからは2023年度の開成中の出題を通して、どのような戦術で取り組めば良いのかについて書いていこうと思います。

今回使用する指標

○…合格には確実に取れてほしい問題
△…合格の勝負所・差がつく問題
×…落としても合否には大きく影響しない問題

解答例はこちら

大問1 論説文風随筆文 隈研吾「ひとの住処」

問1漢字 ◯

目標、息苦(しい)、逆、耕(し) を書き取りさせる問題です。

確実に全問正解しましょう。

問2 内容説明の記述 △

傍線部1「80年代の建築の世界も、戦場を失った武士によく似ていた」とありますが、「戦場を失った武士」のどのような点に「よく似ていた」のかをわかりやすく答える問題です。

つまり、「80年代の建築の世界」と「戦場を失った武士」の似ている点を検討して、

答案には「戦場を失った武士」のことのみ記入する、ということです。

「わかりやすく」とあるので、比喩などについては自分の言葉で置き換えて書く必要があります。

傍線部1の前、3段落を見ると、

そして、すでに自分達が不要であることに気がついた人々は、自分達の倫理、美意識をエスカレートさせることによって、自身のレゾンデートル〔=存在意義〕をアピールする。江戸時代の武士は、まさにそのようにして武士道を尖鋭化し〔=激しくおし進め〕、自分たちの存在を正当化しようとした。戦国時代の武士は、倫理や美意識よりも、明日の戦に勝つことがまず大事な、現実的な人達であった。しかし、江戸時代に転倒が起こる。

傍線部1の後、4段落を見ると、

第二次大戦後の日本は、確かに、建築を必要としていた。西欧に追いつくために、たくさんの建築を建て、速い鉄道を走らせ、長い道路を作る必要があった。それが、1970年の大阪万博の頃にはほぼモクヒョウを達してしまった。戦場はなくなり、江戸時代のような平和な時代がやってきたのである。それでも、江戸幕府が武士政権であったように、1970年が過ぎても、戦後日本の政治も経済も、依然として建築主導であり建築は作られ続けなければならなかった。作る必要のないものも、たくさん作らなければならなかった。無理に無理を重ねて行きついたその先が、80年代のバブル経済であった。

3段落の内容が江戸時代の武士についての事柄であるところから、

3段落と4段落の共通するところを検討した上で、「3段落の内容に『寄せて』」答案を検討します。

3段落「自分達が不要であることに気がついた人々

4段落「作る必要のないもの」「建築

から、

【自分たちが以前の時代のように必要とされていないと気付き、】

3段落「江戸時代の武士は、まさにそのようにして武士道を尖鋭化し〔=激しくおし進め〕、自分たちの存在を正当化しようとした。

4段落「建築は作られ続けなければならなかった。作る必要のないものも、たくさん作らなければならなかった。

から、

【自分達の存在意義を正当化するために、】

3段落「自分達の倫理、美意識をエスカレートさせることによって、自身のレゾンデートル〔=存在意義〕をアピールする。

4段落「戦後日本の政治も経済も、依然として建築主導であり、

から、

【自分たちの行動の正しさを主張し続けた結果、】

4段落「無理に無理を重ねて行きついたその先が、80年代のバブル経済であった。

から、「良くない方向」に進んでしまったと判断し、

【一線を超えてしまった点。】

としました。

記述の要素のうち、3つ以上で書けているようであれば問題ないでしょう。

4段落の内容を「切り貼り」してしまうと、設問の趣旨から外れてしまうため、点数にならなかったのではないかと感じます。

問3 内容説明の記述 東京◯・檮原△

傍線部2「東京の現場」、傍線部3「檮原という場所」について、それぞれ建築家の筆者にとってどのような所であったかわかりやすく説明する問題です。

こちらも「わかりやすく」とあるので、比喩などについては自分の言葉で置き換えて書く必要があります。

傍線部2「東京の現場」について書いてあるのは、6・7段落となります。

6段落を見ると、

走り始めると、日々の仕事に追われてしまって、こなすだけになる。自分の作っている建築にどんな意味があるか、社会が今どんな建築や都市を必要としているか、未来の人間がどんな建築、都市を必要としているかを考える時間がなくなってしまう。職人とじっくり話すという時間もなくなってしまう。ものを実際に作る彼らと話すことでこそ、建築にはリアリティが与えられ、生命が叩き込まれる。

7段落を見ると、

〜日本に帰ってきた時の僕も、そんな感じで、忙しかった。しかし、まったくありがたいことにバブルがはじけた。〜檮原の仕事をはじめる前のバブルの時代は、東京の仕事に追われていた。職人とじっくり話す機会はまるでなかった。東京の工事現場は、建設会社のエリート職員である現場所長が仕切っていて、原則として所長としか話をしてはいけないというルールがあった。彼を通り越して、僕が直接職人と話して様々なアイデアを交換すると、コスト〔=値段〕やスケジュールの点で面倒なことになるリスクがある。所長はその面倒を一番嫌う。話す相手は所長だけ、話題はコストとスケジュールだけというのが、都会の現場の決まりであった。〜

6段落「走り始めると、日々の仕事に追われてしまって、こなすだけになる。

7段落「忙しかった。

から、

【忙しさから日々の仕事に追われ、】

6段落「ものを実際に作る彼らと話すことで

7段落「東京の工事現場は、建設会社のエリート職員である現場所長が仕切っていて、

から、

【直接建築作業を行わない現場所長のもとで】

6段落「自分の作っている建築にどんな意味があるか、社会が今どんな建築や都市を必要としているか、未来の人間がどんな建築、都市を必要としているかを考える時間がなくなってしまう。

から、

【現在や未来のことを思案する余裕もないまま、】

7段落「原則として所長としか話をしてはいけないというルールがあった。
話す相手は所長だけ、話題はコストとスケジュールだけというのが、都会の現場の決まり

から、

【コストとスケジュールを管理された中で】

【頼まれた仕事のみをこなす所。】としました。

赤と青のポイントを中心にして、余裕があれば橙と緑の要素を加える、という形で書けると良いでしょう。

傍線部3「檮原という場所」について書いてあるのは、8段落、9段落、18段落になります。

8段落を見ると、

しかし、檮原では違う時間が流れていた。この町と、東京の現場とは、違う空気が流れていた。檮原に来て、谷に流れる霧を眺めていると、ゆったりしてしまって、東京に戻ろうなどという気分が消えてしまった。〜

9段落を見ると、

現場でも、「職人とは絶対直接話をしないでください!」などというギスギスした雰囲気はなく、色々な職人と自由に話ができたし、友人にもなった。〜大学では決して教われなかった、建築という行為の秘密の数々に直接触れることができた。〜設計図を描いている時には思いつかなかった、おもしろい仕上げやディテールを実現することができた。

18段落を見ると、

檮原の人達は、そんなものと無関係に生き、生活している。彼らと寄り添い、その場所と併走することによって、建築は再び大地とつながることができるかもしれないという希望を手に入れた。

8段落「檮原では違う時間が流れていた
檮原に来て、谷に流れる霧を眺めていると、ゆったりして

から、

【心にゆとりが生まれ、】

9段落「色々な職人と自由に話ができたし、友人にもなった。
大学では決して教われなかった、建築という行為の秘密の数々に直接触れることができた。

から、

【職人と直接やりとりをして関係を深めながら、座学では知れなかったことを知ることで、】

9段落「設計図を描いている時には思いつかなかった、おもしろい仕上げやディテールを実現することができた。

から、

【創造的な仕事を行えて、】

18段落「建築は再び大地とつながることができるかもしれないという希望を手に入れた。

から、

【地域に根ざし、未来につながる建築物が作れるという希望を持てる所。】

としました。

18段落の比喩をどう書き換えるかがポイントになると思います。

大問2 小説文 柚木麻子「終点のあの子」

問1 内容説明の記述 ○

傍線部1「希代子は完全に朱里に魅せられた」から、希代子は朱里のどのようなところに魅力を感じているのか、これまでのことも合わせて説明する問題です。

朱里の人となりや生活環境などを拾っていきます。

10ページより、

朱里の父は有名なカメラマンです。

まだ、お互いの家を行き来するほどではないが、希代子はそれを最終ゴールに設定している。いつか朱里の家に行き、小説のような家庭をこの目で見るのだ。

とはいっても、朱里は遅刻ばかりする。学校に来ないことすらある。〜お弁当の時間は、朱里が声をかけてきたときだけ、グループから外れるようにしている。今のところ、グループの皆に嫌な顔はされていない。

朱里はまんべんなくいろんなグループに顔を出している。それを目の当たりにして、少し悲しくなった。朱里は希代子だけでは退屈なのだろう。

11ページより、

朱里は皆の注目を集めはじめている。国語と美術の成績が抜群にいい。希代子は、強引に同じ美術部に入部させた。休みがちだが、彼女が少しだけ手を付けた油絵は迫力がある。

平気で学校をさぼるし、遅刻もするのに、教科によっては、教師の間で一目置かれている。〜そのせいか、好き勝手しても、不良っぽさなどどこにもない。

〜手紙に添えられている四コマ漫画があまりに面白いので褒めたら、朱里は〜ノートに連載を始めた。

10ページ「朱里は遅刻ばかりする。学校に来ないことすらある。
朱里はまんべんなくいろんなグループに顔を出している。

11ページ「休みがちだが、
平気で学校をさぼるし、遅刻もするのに、

から、

【学校の出席面や人づきあいで自由奔放であるが、】

10ページ「朱里の父は有名なカメラマンです。

11ページ「国語と美術の成績が抜群にいい。
彼女が少しだけ手を付けた油絵は迫力がある。
不良っぽさなどどこにもない。
朱里は皆の注目を集めはじめている。
教科によっては、教師の間で一目置かれている。

から、

【有名なカメラマンを父に持ち、国語や美術に長け、不良っぽさもなく、皆に一目置かれる、】

上記、赤・青で示した箇所と

10ページ「まだ、お互いの家を行き来するほどではないが、希代子はそれを最終ゴールに設定している。いつか朱里の家に行き、小説のような家庭をこの目で見るのだ。

から、

【自分にない魅力を数多く持つところ。】

としました。

要素は多いですが、△以上を取るのは難しくない問題だと思います。

問2 理由の記述 △

傍線部2「曖昧に笑いながら」から、なぜ希代子は「曖昧に笑」ったのか、希代子の気持ちにふれながら説明する問題です。

11ページより、

希代子は完全に朱里に魅せられた。学校をさぼって海に行くーー。その言葉は美しい音楽とか、宝石の名前のように思われた。

12ページより、

〜朱里は微笑んだまま動こうとしない。学校をさぼろうとしているのだ。彼女にとって学校をさぼることはなんでもない。しかし希代子にとっては重大事だ。朱里の自由な一日には憧れるが、それとこれとは別だ。さぼるのはまずい。冷たい汗が背中を伝う。大声で叫びたくなる。

家に連絡がいく。〜皆に迷惑をかけるのではないか。

朱里からそっと離れようとする。

「無理なご乗車はお止めください」

あのアナウンス。もう走らないと。ほんの一メートルの距離なんだ。走らないと。朱里はのんびりと笑っている。やっと自分が動けないことに気がついた。

13ページより、

強制されているわけではないのに、朱里の提案には退けられない何かがあった。学校をさぼりたいわけではない。しかし今、学校に行くことで何かを失う気がした。

曖昧に笑いながら、本当の自分が乗るべき電車が学校めがけて細く消えていくのを、希代子は眺めている。

11ページ「学校をさぼって海に行くーー。その言葉は美しい音楽とか、宝石の名前のように思われた。

12ページ「朱里の自由な一日には憧れるが、

から、

【朱里と学校をさぼることに魅力はあるが、】

12ページ「学校をさぼろうとしているのだ。彼女にとって学校をさぼることはなんでもない。しかし希代子にとっては重大事だ。
朱里の自由な一日には憧れるが、それとこれとは別だ。さぼるのはまずい。冷たい汗が背中を伝う。大声で叫びたくなる。〜家に連絡がいく。〜皆に迷惑をかけるのではないか。

13ページ「学校をさぼりたいわけではない。

から、

【本心ではそれに対して強い抵抗感がある。】

12ページ「朱里からそっと離れようとする。「無理なご乗車はお止めください」あのアナウンス。もう走らないと。ほんの一メートルの距離なんだ。走らないと。朱里はのんびりと笑っている。やっと自分が動けないことに気がついた。

13ページ「強制されているわけではないのに、朱里の提案には退けられない何かがあった。学校をさぼりたいわけではない。しかし今、学校に行くことで何かを失う気がした。

から、

【しかし、朱里の提案の意志の強さや、今後の関係を考えると断りきれず、】

上の赤・青・緑の内容と、

13ページ「曖昧に笑いながら、本当の自分が乗るべき電車が学校めがけて細く消えていくのを、希代子は眺めている。

から、

→曖昧に笑っているのは、

①「素直に喜ぶ気になれない」ほど、学校をさぼることに強い抵抗感があること
②断りきれずに笑っているのは、「朱里に同意・同調したふりをして、平静・体裁を保っている」こと

と判断して、

【素直に喜ぶ気にはなれないが、同調したふりをして体裁を保っているから。】

としました。

内容をうまくまとめながらスペースに収めるのが難しい問題、と言えるのではないでしょうか。

問3 言い換えの記述 ○

傍線部3「しゃべりかけてくる朱里の柔らかそうな頬や、屋上で投げ出される白い脚のすべてが疑わしくなる」とはどういうことかについて説明する問題です。

この問題のみ、解答欄が2行ではなく、1.5行となっています。

15ページより、

まだ、朱里の家に誘われたことがない。学校を一緒にさぼらなかったことが影響しているのかも知れない。そう思うと、しゃべりかけてくる朱里の柔らかそうな頬や、屋上で投げ出される白い脚のすべてが疑わしくなる。

それでも、他の子と差をつけている部分もある。こうして放課後、寄り道に誘ってくれるようになったのだ。

しゃべりかけてくる朱里の柔らかそうな頬や、屋上で投げ出される白い脚のすべてが
それでも、他の子と差をつけている部分もある。こうして放課後、寄り道に誘ってくれるようになったのだ。」

→「朱里の柔らかそうな頬や、屋上で投げ出される白い脚」というのはそういった姿を自分に見せてくれるほど「自然体」で「心を開く様子」と置き換えています。

「他の子と差をつけている」と見られる姿、と考えるとわかりやすいかもしれませんね。

【自然体で、心を開いて接してくるように見える朱里の行動が、】

まだ、朱里の家に誘われたことがない。学校を一緒にさぼらなかったことが影響しているのかも知れない。そう思うと、

→「そう思うと」は傍線部に含まれていません。正確に設問に答えるという面で言うと必要ないのかもしれませんが、これがあった方が傍線部の言い換えの説明がスムーズに繋がると判断しました。

【先日一緒に学校をさぼらなかった後ろめたさから、】

まだ、朱里の家に誘われたことがない。学校を一緒にさぼらなかったことが影響しているのかも知れない。そう思うと、しゃべりかけてくる朱里の柔らかそうな頬や、屋上で投げ出される白い脚のすべてが疑わしくなる。

→「自然体」「心を開く様子」が疑わしい、と考えて言葉を選んでみました。

【本心からのものに見えなくなっていること。】

赤と緑の内容が中心にして答案を書いてみましょう。比較的取り組みやすいと思います。

問4 内容説明の記述 ◯

傍線部4「その後、希代子はベッドの中で、その青い絵の具をなんども握り、凹ませた」のときの希代子の気持ちを説明する問題です。

16ページより、

奥沢エイジの名を出した瞬間、瑠璃子さんの知的で冷静な目に、ぱっと高揚の色が浮かんだ。それは、なぜか切なかった。〜

朱里は、まるで緊張するそぶりを見せず、人懐こく首を傾げ甘えるように瑠璃子さんを見ている。抜け目ない子猫みたいに。


〜一本がお昼代くらいするその絵の具を、なぜ自分が買わねばならないのだろう、という疑問が胸をよぎる。一階で二人に追いついたとき、朱里がもう絵の具などどうでもよくなっていることを知った。

その夜、希代子はベッドの上で、その青い絵の具をなんども握り、凹ませた。蓋をあけてにおいを嗅いだ。その日は、間違いなく大好きな二人と素敵な放課後を過ごしたはずなのに、なぜか心がざわついていた。瑠璃子さんの連れて行ってくれたカフェで、朱里も瑠璃子さんもひどく楽しそうに絵や映画の話をしていた。二人があまりに親しげだったので、少しやきもちを焼いているのかもしれない、と自己分析し、納得しようとする。勿忘草というのは随分寂しい色をしているのだなと思った。

問3の内容から、傍線部4に至るまでの背景として

【自分は朱里にとって特別な存在だと考えていたが、】としています。

本がお昼代くらいするその絵の具を、なぜ自分が買わねばならないのだろう、という疑問が胸をよぎる。一階で二人に追いついたとき、朱里がもう絵の具などどうでもよくなっていることを知った。

から、

【朱里がほしがっていた絵の具のことを忘れて】

奥沢エイジの名を出した瞬間、瑠璃子さんの知的で冷静な目に、ぱっと高揚の色が浮かんだ。それは、なぜか切なかった。〜朱里は、まるで緊張するそぶりを見せず、人懐こく首を傾げ甘えるように瑠璃子さんを見ている。抜け目ない子猫みたいに。
瑠璃子さんの連れて行ってくれたカフェで、朱里も瑠璃子さんもひどく楽しそうに絵や映画の話をしていた。二人があまりに親しげだったので
その青い絵の具をなんども握り、凹ませた。

から、

瑠璃子と仲良くしていたことを思い出し、

その青い絵の具をなんども握り、凹ませた。
少しやきもちを焼いているのかもしれない、と自己分析し、納得しようとする。勿忘草というのは随分寂しい色をしているのだなと思った。

から、

【自分が忘れ去られたようでやるせなく、やり場がなくなっている。】

としました。

背景
→きっかけ
→気持ち

の形で書ける記述問題なので、全く何も書けないというのは考えにくいです。

「やるせない」「やり場のない」「いたたまれない」などの語彙レベルの答案が書けるようであれば満点近く出るでしょうが、大崩れもしにくい問題かと思います。

◆まとめ

本文のどの部分が、どの記述の要素にあたるのかを「見やすさ」重視で、色分けを中心にして記事を書き進めましたが、

「どうしてその段落・箇所が根拠となるのか」「どうしたら記述答案のレベルが上がるのか」などについては記載しておりません。

(大問2の問2・3については「→」を使って簡単に考え方を示しています)

「どんな手法を使って、その答案に至るのか」という「具体的なアプローチ」について、もっと詳しく知りたい方は、自律学習サカセルの増田まで。


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増田 雄介

この記事を書いたのは...

増田 雄介

圧倒的な指導力、学校別の専門性の高さ、そして面倒見の良さを持つ自律学習サカセルの国語・社会の看板講師。

その驚異的な指導力を武器に、大手集団塾の開成中コースの国語担当や有名個別指導塾のリピート率1位の凄腕講師として活躍。
成績が本当に伸びる実戦的な指導に目を付けた自律学習サカセルからのスカウトを受け、満を持して文系科目の講師として指導開始。

個別指導の業界では指導力No. 1の呼び声も高く、逆転、順当のどちらの合格にも強く、生徒のレベルに関係なく指導できる幅広さを持っている。

生徒だけでなく、自分の子供の成長を見守るのが楽しみな一児の父でもある。
趣味はぽっちゃりの自分でも着られるファッションの構築。

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