日能研の「関東系」と「本部系」という言葉をご存知でしょうか。
一口に日能研と言っても、実は「関東系」と「本部系」という大きな違いがあります。
「関東系」は株式会社日能研関東が運営する日能研であり、「本部系」は株式会社日能研が運営する日能研です。
なんとなく「関東系」と「本部系」という言葉を耳にしたことがあっても、実際にはどのような違いがあるのかよくわからない……、どの教室が「関東系」でどの教室が「本部系」なのかよくわからない……という方も多いと思います。
今回は日能研の「関東系」と「本部系」の違いを記事にしますので、ぜひご参考になさってください。
さっそく、「関東系」と「本部系」の教室一覧を記載しておきます。
日能研関東系(株式会社日能研関東)
【東京】
調布校、二子玉川校、旗の台校、八王子校、成増校、多摩センター校、巣鴨校、浅草橋校、新中野校、立川校、蒲田校、田無校、府中校、大井町校、自由が丘校、池袋校、明大前校、荻窪校、三田校、中目黒校、駒沢大学校、品川校
【神奈川】
日吉校、たまプラーザ校、新百合ヶ丘校、青葉台校、川崎校、センター北校、武蔵小杉校、宮前平校、新川崎校
【埼玉】
所沢校、南浦和校、川越校、大宮校、久喜校、草加校、志木校、上尾校、川口校、新越谷校、三郷中央校
日能研本部系(株式会社日能研)
【東京】
赤羽校、ひばりが丘校、練馬校、西日暮里校、竹ノ塚校、千住校、高田馬場校、上石神井校、お茶の水校、青戸校、国分寺校、吉祥寺校、錦糸町校、深川校、豊洲校、勝どき校、目黒校、渋谷校、経堂校、成城学園前校、町田校
【神奈川】
菊名校、センター南校、中山校、相模原校、鶴見校、横浜校、中央林間校、二俣川校、戸塚校、戸塚校東戸塚教室、上大岡校、金沢文庫校、横須賀中央校、港南台校、大船校、藤沢校、藤沢校湘南台教室、茅ケ崎校、本厚木校、小田原校
【千葉・茨城】
三郷中央校、松戸校、柏校、取手校、本八幡校、西船橋校、津田沼校、千葉校、浦安校、新浦安校、海浜幕張校
では、「関東系」と「本部系」の大きな違いを一言で表しますと……
「関東系」→ 予備校
「本部系」→ 学校
もう少し説明を付け加えれば、
「関東系」→ 受験に特化した受験予備校
「本部系」→ 子供の自主性や主体性、成長や学びに特化した受験学校
以上のような基本スタンスの違いがあります。
この事から、どのような違いがあるのか細かく箇条書きにしましたので、参考になさってください。
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「関東系」では必ず宿題が出されます。もちろん提出しなければクラス担当や教科の先生から注意が入ります。しかし「本部系」では出されません。したがって提出もありません。どの問題をやればよいか自主的に考えなさいという考え方です。もちろんクラス担当に聞けばアドバイスをしてくれます。
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「関東系」には独自のサブ教材などがありますが「本部系」にはありません。
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「関東系」では予鈴や本鈴(チャイム)がありますが、「本部系」にはありません。「本部系」でチャイムが無い理由は、開始時間はすでに決まっているものだから自主的に授業前に着席しているべきであるという考え方です。
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教室内に職員室(のようなもの)が「関東系」にはあり「本部系」にはありません。これはどういう状況かと言いますと、生徒が立ち入ってはいけない、教室スタッフや教師のスペースが「関東系」にはあります。ここにはカウンターが設置されていて、そこで子供たちからの質問に答えたり、保護者対応をしたりしています。一方、「本部系」にはこのカウンターが存在しません。そのかわりに「本部系」ではエンカウンタースペースという場所があります。そこには円卓が点在していて、そこで教職員が生徒のテストの点数をチェックしたり、事務作業などの仕事をしている傍らで、子供たちが教職員に質問したり、おしゃべりしたりしています。
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また、各教室のクラス数は「関東系」の方が「本部系」よりも比較的多いです。「本部系」は平均して1教室あたり2~3クラス、「関東系」では3~5クラスといったところでしょうか。
ちなみに、日能研のHPを見ると本部系の「学び」の基本思想が色濃く反映されておりますので、受験、受験といったふうにカツカツした作りになっておらず、さりげなく受験色を出しているに留めています。
また、電車の広告でよく目にする例の「シカクいアタマをマルくする」問題もその設計思想は本部系のものです。
いかがでしょうか。同じ日能研という塾でもこんなにも方向性が異なります。
日能研に通塾を考え中で「関東系」と「本部系」のどちらも選択可能だとしましょう。
お子さんが自分のペースで勉強したいタイプで、ある程度身の回りの事が自分で出来て、小学校や塾の勉強の予定を立てることができ、それをコツコツとこなしていけるタイプならば「本部系」の方が適しているかもしれません。
そうでなければ「関東系」にした方が良いと思います。
近所だから、大手だからという理由で「関東系」と「本部系」の違いを考慮せずに単に「日能研」を選んでしまうと、もしかしたら後々大きな後悔をするかもしれません。
中学受験はやり直しのきかない、浪人ができない受験チャレンジですから。
日能研関東と日能研の違いと関係性
ここから先は(株)日能研関東と(株)日能研の違いや関係性について少しお話します。
巷でごくたまに、「本部系」と「関東系」は仲が悪いとか、一つになればいいのにとかそんな声を耳にすることがありますが、そんなことは全くないですよ。
「本部系」の(株)日能研は1953年に東急東横線菊名駅に「菊名小学学習教室」を開設したのがその始まりで、その後、1973年に「株式会社日本能率進学研究会」を立ち上げ、これが現在の日能研の母体となりました。後、1993年に「株式会社日能研」に社名を変更。
一方、「関東系」の(株)日能研関東は1960年代後半に横浜市日吉に「日吉英数学園」を開設したのがその始まりで、その後、前述の日本能率進学研究会と提携関係を結び「株式会社日吉能率進学研究会」が設立されました。1995年に「株式会社日能研関東予備校」に社名を変更し、さらに2015年に現在の「株式会社日能研関東」に社名を変更。
以上のような流れから、日能研の先生の中でもベテランの方は、「関東系」のことを「日吉系」と呼び、「本部系」のことを「菊名系」と呼ぶ先生もいらっしゃいます。
日能研グループは(株)日能研が兄貴分みたいな感じで、以下弟分に「日能研関東」「日能研関西」「日能研東海」「日能研九州」がいるみたいな感じです。つまり日能研グループの本部にあたるのが(株)日能研です。
また、メイン教材の「本科教室」、「栄冠への道」、カリキュラムは全て「本部系」が作成しています。
なお、上記の各会社の従業員同士につながりは全くなく、上層部の人たちに一部つながりがある程度です。
むしろ、つながりという面では生徒の方があるかもしれません。
なぜなら6年生の後期日特の上位校日特、難関校日特は「関東系」と「本部系」の合同開催だからです。この時期の6年生の子供たちは、ひたすら問題演習と解説の繰り返しなので、「本部系」、「関東系」の考え方の相違を感じる事が少ないかもしれません。それよりは教室の雰囲気がいつもと違って新鮮だなと感じる方が多いでしょう。
以上で終わりにしたいと思います。今回の記事が、日能研に通塾や転塾を検討している親御様の手助けになれば幸いです。
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