連日35度を超える猛暑。
ただ外にいるだけで奪われていく体力。
止まらない汗。
家庭教師の先生が汗だくのデブだと、家に上げたくはないですよね。
少しでも涼しげに見せるためにも、痩せなきゃ…
さて、コラムの更新が少し滞ってしまいました。
教室は冷房でキンキンに冷えているので、暑さは言い訳にはなりませんね。
遅れてしまった理由は「夏期の日程の最終調整」
これに尽きます。
ありがたいことに夏休みも多数、授業の依頼を頂戴しました。
スケジュール、過ごし方を決めなければいけないのは生徒たちも同じ、ということで、今回は「中学受験生の夏休みの過ごし方」についてお話したいと思います。
ただ、漠然と夏休みと言っても抽象的なので、
– 夏期講習
– お盆休み
– 学校の宿題
について、何ができて、どう過ごすべきなのかを話していきたいと思います。
講師目線の夏期講習
集団塾の夏期講習について
さて、多くの皆さんは夏期講習に期待していることでしょう。
「算数と理科の弱点分野を克服して、国語は漢字と知識の補強をして、社会はまとめノートを完成させて、それから前期のテストの総復習も終わらせたいし、志望校の過去問にも取り組みたい、夏は時間があるから出来るはず!」
大手塾の夏期講習は基本となる講座だけでも20~25日。
特別講座や選択講座、合宿を含めると30日を超える塾も多いものです。
その上、拘束時間も長いので、塾に行って⇒復習して⇒塾に行って・・・の繰り返しになってしまうことでしょう。
夏休み当初に目標としていたテーマが全然進められないことは、よくある話です。
ただそれでも夏期講習に通う価値はあります。
学期中には考えられないくらいの多くの問題に接することで問題に対する感覚が磨かれ、また小テストに向けて必死に勉強することが強制されることで、学習内容の定着度も格段に高まります。
是非とも講座を変に間引いたりせずに、しっかり受講しましょう。
夏期講習を完走するだけで中学受験の「基礎体力」は確実に大幅に高まります。
ただ、克服したいテーマが明確な場合は、信頼できる講師に是非とも相談してみましょう。
基本講座を取らずに志望校対策に特化したカリキュラムを組んだり、オプション講座を敢えて受講せず、個別に弱点テーマの克服を目指したりすることも効果的です。
夏期講習の関連講座をすべて受講する場合も、少しは自分の勉強の時間が設けられるはず。
おそらく7月20日前後、お盆休み、8月25日以降などで夏期講習のお休みが設定されている塾が多いものです。
その数日の使い方が夏休みの勉強の満足度を大きく左右しますよ。
サカセルの夏期講習について
次に、個別指導塾である自律学習サカセルでの夏期講習について。
スケジュール作りの点で集団塾と大きく違ってきます。
普段は毎週〇曜日の〇時~〇時と決まっている生徒のスケジュールの合間に、スポット的に通う生徒の授業を案内しているんですが、夏休みは完全にゼロから一人ひとりの時間割を作っていきます。
個々の生徒から「通えない時間帯に×を記入してください」とアンケートを取って、出そろった段階で機械的に放り込んでいくなら楽な話ですが、生徒の皆さんに価値のある夏期講習を提案したいので、やはりそういう訳にはいきません。
そこで家庭とも相談しながらスケジュールを作り上げていくわけです。
「A君の通っている集団塾では7月30日に4番テキストが終わるから、そこまでの復習を7/31の授業で行って…」というように、1か月以上先までそれぞれの生徒の学習予定内容を考えながら組み立てていくと、なかなか時間もかかってしまいます。
また教室が賑わってくれるのは嬉しいことですが「席が埋まってるから授業を受けられない」や「せっかく自習に来たのに席が無い!」のような事態が発生することは絶対に避けたいもの。
他の先生方とも授業予定も共有しながら、ポチポチとスケジュールを完成させていっています。
こうして夏休みのまさに直前、ようやくだいたいのスケジュールが固まってきます。
しかし、1ヶ所に固まりすぎることもなく、だいたいの時間帯であと1~2人は案内出来るので、少々のイレギュラーや追加授業にも対応が出来そうです。
このように自律学習サカセルでは、生徒さんは夏期講習の日程をフレキシブルな形で設定できます。
そして、スケジュールと同じく、個別指導では通常授業から生徒に合わせた教材の使用や、指導内容の取捨選択を行います。
個別指導塾の夏期講習では、集団塾と同じように、基礎体力の上昇を図ることも忘れず、同時に志望校や本人の目的に特化したカリキュラム、スケジュールを組みやすいことという点を最大限生かしましょう。
お盆休みの過ごし方
体力的には、お盆休み前が一番キツイ時期でしょう。
最も優先すべきことは、その日の授業内容を翌日の授業までに確実に吸収すること。
それさえ毎日こなしていたら、無理せず欲張らず、しっかり休むことも夏期講習中は大切です。
体調を崩して1日でも休んでしまうと、残念ながら連日の夏期講習期間に取り戻すことは、ほぼ不可能です。
ただ。
ということで、続いて中学受験生のお盆休みの過ごし方について考えてみましょう。
最も優先したいことは「夏休み前半の取りこぼし」
生徒によっては学校行事と夏期講習の日程が重なってしまい、授業を受けられなかったこともあるでしょう。
そうでなかったとしても、どうしても理解の浅い分野や深い分野の差は出てしまうもの。
このお盆休みに各テキストで身につけるべき内容を確実にマスターできるよう、頑張ってみましょう。
次に優先すべきことは、意外に「休息」
夏期講習スタートから約20日。
ほぼ休みなく勉強を続けてくると、心身の疲労は思いのほか大きいもの。
「お盆特訓で1日14時間、毎日勉強や!」と息巻いていると、パンクしてしまう可能性も否めません。
もちろん頑張れるならば、お盆特訓は素晴らしいものですが、ここで体調を崩してしまうと今までの頑張りが非常にもったいないことになってしまいます。
お盆休みは、受験生として常識的な勉強量にとどめて、ひと息つくくらいでも良いですよ。
そのぶん夏期講習後半と9月からに全力を尽くせるようにしていきましょう。
ここまでは全ての受験生に共通するもの。
その次に優先すべき内容は「弱点補強」か「テスト演習」か「過去問チャレンジ」
弱点分野が明確で、その分野を夏期講習では充分に扱っていない場合は、弱点分野に絞った学習も効果的です。
また連日の知識偏重の学習でテストへの感覚が鈍る場合も多いので、模試の過去問等のテスト演習でスピードと正確さの確認を進めてみても良いでしょう。
モチベーションをブーストさせるには志望校の過去問に取り組んでみることも効果的です。
夏休みの時点で合格ラインに届く受験生は少ないので、結果はそこまで意識しなくても良いでしょう。
最終的な到達点を実感することで、より頑張るきっかけとして欲しいなと思います。
受験生のお盆休みとしては、こんなところでしょう。
学校の宿題は、息抜きとして時々取り組んでみるか、夏期のテストの後にまとめて進めてみることが現実的なのかもしれませんね。
ということで、次にこの学校の宿題について考えてみます。
学校の宿題
連日のように塾の夏期講習があり、また塾の授業の無い日は塾の復習に追われる受験生。
受験勉強にはあまりつながらない小学校の宿題に割ける時間や心の余裕はほとんどないことでしょう。
・・・さぁ、どうする?
模範解答①は、夏休みスタート直後の夏期講習前の数日で一気に終わらせる、でしょうか。
ただ塾によっては終業式翌日から夏期講習が始まることも。
また体力に余裕がある時に、作業としての側面が強い学校の宿題を進めるのは多少もったいない気がします。
模範解答②は、お盆休みに終わらせる、でしょう。
体力回復や夏期講習の復習とバランスを取って、受験勉強の気分転換も兼ねて片付けてしまいましょう。
模範解答③は、塾の夏期講習が終わってから9月の始業式までの数日で終わらせるパターンでしょう。
幸い今年は9月1日が土曜日、例年より少しだけ夏休みが長い学校も多いようですね。
ただ8月最終週に新学期が始まる学校だと、むしろ夏期講習と日程が重複してしまって大変なようです。
以上の模範解答は「宿題は当然、自分でやる」という当たり前の姿勢。
ただ受験生に例外は付き物です。
受験勉強に注力するため、家族総出で学校の夏休みに取り組むというケースは少なくありません。
敢えて少し汚い字で、一生懸命漢字ドリルに取り組むお母さん。
不自然にならないよう、適度に間違えながら計算ドリルに取り組むお父さん。
夏休みのポスター制作はお兄ちゃん。
読書感想文の担当はおばあちゃん、え!?
・・・もはや総力戦、誰の宿題なのか分かりません。
そのうえ最近では、小学生に夏休みの宿題代行業者が複数存在するそう。
自律学習サカセルでも、そんなコースを作ろうかな・・・
やっぱりやめとこう、講師は夏期講習で忙しいし・・・
とにかく、なんとも不思議な時代になったものですよね。
夏休みの宿題の一番の難敵は「自由研究」
受験生で最も多い自由研究としては、お盆休みに博物館や科学館に半日出かけてレポートが挙げられます。
これなら気分転換を兼ね、また勉強にもなりそうです。
最近は電子工作キットで何かを作る生徒も多いようです。
僕の中学受験期は、ちょうど夏のオリンピックが開催される時期だったので、新聞のスクラップ帳を作り、メダリストの出身国と日本との交流をノートにまとめました(そんなたいそうなものじゃないですよ)
自由研究に関しては、さすがに受験生自身もある程度は主体的に関わらないとマズいでしょう。
夏休み明けの発表の際に、ちょっとした問題が起きてしまいそうです、お気をつけて。
このように色んな手段を用いて中学受験の勉強と小学校の宿題を両立していくわけですが、あくまでも「中学受験の学習効率の最大化のため」ということを忘れてはいけません。
価値ある夏休みに出来るよう、頑張っていきましょう!