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ミクロ経済学的中学校の選び方:リスクを取りたい人、取りたくない人 Column

知っトク 中学受験

ミクロ経済学的中学校の選び方:リスクを取りたい人、取りたくない人

2021.01.05

こんにちは、慶應義塾大学4年のH・Yです。

少し前の話になってしまいますが、去年、初めて年末ジャンボ宝くじを買ってみました。バラで買ったため1等、前後賞を合わせて10億円が当たることはありません。しかし、夢は広がります。まあ、当たることはないと思っていましたが…

中学校=くじ?

この「くじ」というものの厄介な点でもあり、ほぼ経済学での定義そのものでもあるのは、「くじ」を買ったり、選んだりしたこの結果が必ず1つに決まっているのではなく、確率的に決まっていているということです。宝くじは文字通り「くじ」なので、0.0001%の確率で当たって10億円もらえるかもしれませんし、残りの確率で外れて、ただの紙切れを買った事になってしまうかもしれません。しかし、この点から考えると中学校受験の「塾」や「中学校」そのものも「くじ」と言えるかもしれません。ある「塾」に入っても必ず志望校に合格できるわけではありませんし、ある「中学校」に入学しても、必ず決まった人生を送れるわけではありません。もしかしたら、運命は決まっているという人もいるかもしれませんが、少なくとも主観的にはその運命が決定される原理をすべて理解し、予測することが不可能であるという点で、私たちはある「塾」や「中学校」に対して不確実な結果に直面することになります。

くじを「期待値とリスク」で選ぶ?

このように「くじ」である中学校が複数あったときに我々にとって問題になるのは、どうやってその「くじ」同士をどのように比べ、どちらを好むかということです。最初に考えられるのは期待値の考え方です。これは、宝くじであれば想像しやすいでしょう。80%で70万円もらえて、20%で1円ももらえないくじの期待値は56万円です。これは、何回も、何回もそのくじを引き続けたらくじ1回あたりの平均賞金額が56万円になると考えることもできます。

ここで、我々は期待値が高い方を選ぶかというと、必ずしもそのようなわけではありません。試しに、必ず56万円もらえる紙と、先ほどの「くじ」を比べてみましょう。どちらも期待値は56万円です。しかし、人によっては必ず56万円もらえるほうを好むでしょうし、ギャンブルが好きな人は70万円もらえるチャンスにかけて後者を選ぶかもしれません。つまり、これはその人がどのくらいリスクを取ることを好むかということに関係しているのです。もし、とてもリスクを嫌う人であれば、先ほどのくじよりも、期待値が低いとしても、確実に50万円もらえる方を選択するかもしれません。

中学校も「期待値とリスク」で選ぶ?

では、中学校を選ぶ人はどうでしょうか。本当はあまり良い事ではないと思いますが、中学校の良さをそこの生徒が卒業するときの偏差値で評価するとしましょう。そうすると、必ず56くらいの偏差値を保証してくれる中学校と、入ったあとの生徒の偏差値が80%で70になって、20%で0になるような中学校の比較は先ほどのくじの比較とパラレルになっています。もしかしたら前者はより先生たちによる管理が厳しく、みんな均質的な成績になって、後者は自由放任または、落ちこぼれは放っておく学校なのかもしれません。。

(画像1:入学後、必ず偏差値56になる中学校1と、確率的に偏差値70か0になる中学校2)

みなさんはこんな学校があったらどちらを選ばれるのでしょうか?僕は自分が後者のタイプの学校に行っていたこともあって、後者を選ぶかもしれません。すると僕はリスクを好むタイプの人、ということになりますね。回答は人によって様々だと思いますが、個人のリスクに対する態度に依るでしょう。

これは経済学でいう「期待効用理論」と「プロスペクト理論」の考え方を中学校の選択に当てはめたものです。ただ、今回見たようなものだけではなく、ミクロ経済学はもっと幅広い人間の選択パターンについて分析可能で、「期待効用」というものが想定するもの以外にも、幅広い人間の好みのタイプを扱うことができます。ですが、それを説明していると長くなりすぎるため、今回はここまでとして、次回にとっておくことにします。

それでは!

(追記:年末ジャンボ宝くじですが、6等が当たりました、やったー!)

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H.Y

この記事を書いたのは...

H.Y

慶應義塾大学4年
ハンドボール、スカッシュ、尺八と
マイナーなものをせめがち。

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