「マンスリー実力テスト」となり、「範囲なし」ということになっている夏期マンスリーテストですが、例年夏期講習で扱った単元から多く出題されています。
数年前までは半分程度夏期講習から、残り半分はそれ以外の単元から出題されていたのですが、ここ2~3年はすべて夏期講習+7月復習テストの範囲に入らなかった630-20(物体の運動)から出題されています。つまり、630-20~N63-09が範囲と考えてよいでしょう。
6年生の夏期講習は重要単元の復習に応用的な知識や解法が追加される回と、初めての内容の回で構成されています。
・重要単元の復習+応用の回
02気体の発生
03星総合
04月総合
05力学①
06電気回路
07中和と水溶液
09力学②
・初めての内容の回
01森林と食物連鎖
08光総合(凸レンズ)
志望校や学力によってテキストの取り組み方が変わってきますので、まとめます。
【夏期テキストの取り組み方について】
①重要単元の復習+応用の回
偏差値~55前後
復習のテキストとして使いましょう。
応用的な知識や解法はスルーでOKです。どこが応用かは後述します。
偏差値55~
復習テキストとして利用するとともに、応用的な知識や解法を身につけましょう。
②初めての内容の回
今までと同じようにテキストに取り組みましょう。
【各回のポイントと初めて登場する内容】
◎:最重要
○:重要
△:応用・追加知識
N63-01森林と食物連鎖
食物連鎖については5年生で学習していますが、以下の内容は初めて登場しています。
・光合成曲線
・陽生植物と陰生植物
・森林の移り変わり
・落葉樹と常緑樹
・バイオーム
・生物濃縮
これらは中学入試で最頻出ではないものの、それなりに見かける内容です。近年の環境問題と絡めた出題もしやすいため、増えてきているテーマです。各内容についておさえるべきポイントを挙げていきます。
・光合成曲線
◎光の強さが0のときは呼吸のみ行われているので、ここから呼吸量が分かることを理解する
◎見かけの光合成量と真の光合成量を理解する
◎光の強さを指定されたとき、真の光合成量を求められるようにする
○光合成曲線を使った計算問題をマスターする
・陽生植物と陰生植物
◎陽生植物と陰生植物を理解する
陽生植物:強い光でないと成長できない植物
陰生植物:弱い光でも成長できる植物
◎光合成曲線から陽生植物と陰生植物を判断できるようにする
○代表的な陽生植物と陰生植物を覚える
◎陽樹と陰樹を覚える
陽樹:陽生の高木。マツ・クヌギ・コナラなど
陰樹:陰生の高木。シイ・カシ・ブナなど
・森林の移り変わり
◎裸地から陰樹林までの森林の移り変わりを理解する
○陰樹林に近づくにつれて、土の中の水や肥料が増えていくことを理解する
・落葉樹と常緑樹
○落葉樹林と常緑樹林の明るさの変化を理解する
落葉樹林:夏暗く、冬明るい
常緑樹林:一年中暗い
○代表的な落葉樹と常緑樹を覚える
・バイオーム
○日本の森林の分布を理解する
寒い地方から 針葉樹林→夏緑樹林→照葉樹林→亜熱帯多雨林
夏緑樹=落葉広葉樹
照葉樹=常緑広葉樹
葉がテカテカしているので照葉樹です。
◎確認問題[7][8]
○確認問題[3][4][12]
N63-01気体の発生
確認問題[2]は気体発生の知識ですが、詳しめです。
二酸化炭素と水素は発生量の計算法が同じですが、酸素は異なるので注意しましょう。
二酸化マンガンが触媒であること、そのことによって気体の発生にどのように影響するのか、しっかり理解したいところです。
◎確認問題[3][4][5]
○確認問題[1][6][10][12]
△確認問題[2]
N63-03 星総合
新しく登場したのは黄道12星座です。
・黄道12星座(確認問題[13][14])
○地球から見て太陽と重なっている星座を考えることに注意する
○南中高度は地軸の傾きに注目する
地軸がその星座の方に傾いている(おじぎしている)と高く見えます。
全体的に内容が難しいので、既習内容の復習に重点を置いた方がよいでしょう。
◎確認問題[2][6]
○確認問題[3][4][5]
△確認問題[7][13][14]
N63-04 月総合
新しく登場するのは月の南中高度の考え方です。
・月の南中高度(確認問題[9][10][11])
○地軸が月の方に傾いている(おじぎしている)とき、高く見えることを理解する
黄道12星座の南中高度と同じ考え方です。まとめて考えると理解しやすいと思います。
[7][8]は月から見た地球、[13][14]は月の満ち欠けの周期を計算する問題で、既出ではありますが、応用的な問題です。
◎確認問題[1][4]
○確認問題[5][6]
△確認問題[7][9][10][11][13]
N63-05 力学①
てこの回です。力学の中で重要なのはなんといってもてこ!いくつかの応用パターンが登場しています。
・合成おもり
おもりを合体させる考え方です。今までは回転だけで考えてきた、てこの別解に当たります。
この考え方の方がラクに感じる受験生も多いでしょう。ただ、問題によっては数値が複雑になることもあります。
・一直線上にないてこ(確認問題[10])
図のようなてこです。
水平な直線をかき、そこにおもりが下がっていると考えればいつも通りです。
・平面てこ(確認問題[11])
碁盤の目のような正方形の板におもりを下げるタイプのてこです。
解法は2つ。合成おもりで攻める方法と、正面と側面の2方向に分けて考える方法です。
後者を紹介しておきます。
・傾くてこ(確認問題[12])
棒が直方体の上に乗せられていたり、2つの支点で支えられたりしているタイプのてこで、傾く瞬間を考えます。この問題は、模試や入試でよく見かけます。
傾く瞬間は一方が支点から離れているので、必然的に支点が決まります。
◎確認問題[2][3][4][5]
〇確認問題[7][9]
△確認[10][11][12]
N63-06 電気回路
スイッチ回路と直並列回路がメインになります。
・スイッチ回路(確認問題[3][6][7])
テストで登場してはいましたが、テキストでじっくり扱うのは初めてです。ここは学力や志望校にかかわらず、全員取り組んでほしい内容です。
◎スイッチをつないだとき、電流の流れない道を見つけられるようにする
注目すべきは分岐点と合流点です。
分かれてから合流までに何もない道があったらそっちだけを通ります。
・直並列回路(確認問題[4][5])
6年の春頃登場していますが、あやしい場合はしっかり出来るようにしましょう。
◎確認問題[3][5]
〇確認問題[4][7]
△確認問題[9][11]
N63-07 中和と水溶液
新しく登場する内容は「表に出ている数値に完全中和点がなく、数値と数値の間にある完全中和点を見つける」です。
・表の間にある完全中和(確認問題[8][9][10][11][12])
テキストではつるかめ算で解説されていますが、ほとんどの問題は中間点で当てはめれば解けてしまいます。
〇一定量の水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を加えていくパターンで完全中和点を見つけられるようにする(確認問題[8][9]
〇一定量の塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えていくパターンや、合計量が一定になっているパターンから、当てはめでできるものは完全中和点を見つけられるようにする(確認問題[10][12])
△つるかめ算で完全中和点を求められるようにする(確認問題[11])
完全中和点が分かった後の計算が出来ることが前提です。
◎確認問題[1][3][4][6][7]
△確認問題[8][10][11]
N63-08 光総合(凸レンズ)
夏期講習最大の山場です。初登場の上、かなり難しい内容になっています。
夏期マンスリーに出る可能性は高く、入試にもよく出るので、しっかりおさえたいところです。
◎凸レンズに当たる光、基本の4本を覚える
○①~③を使って、凸レンズによる像5パターンをかけるようにする
○焦点距離の2倍の位置に実物をおく→焦点距離の2倍の位置に実物と同じ大きさの像ができる
ここから焦点距離が分かるパターンもあります。
○作図+相似を用いて、像の大きさや距離の計算を出来るようにする
◎確認問題[2][3][5]
〇確認問題[1][5][8][9][10]
N63-09 力学②
てこ・ばね・滑車・輪軸・浮力の総合回です。ここは完全な復習回になっているので、演習しましょう。力学①で登場した合成おもりももう一度登場します。(確認問題[7][8])
◎確認問題[2][3][4][5]
△確認問題[6][7][8][9][12][13][14]
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