この記事を書いたのは...
松田 浩志
自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。
個別指導・家庭教師の自律学習サカセル
サカセルコラム
SAPIX新6年4月マンスリーで押さえるべきポイント!算数編【前編】 Column
春期講習の内容が中心の範囲になり、春期講習の習熟度を試す上で非常に重要となります。春期講習での目標設定としても4月マンスリーはお役に立つでしょう。
また、3月の組分けテストでクラスが下がってしまったお子様は、ここで少しでもクラスを上に持っていきたいですね。
4月には志望校判定サピックスオープン、通称SOの試験もあります。こちらのSOは試験範囲が無いテストであり、対策が難しいテストになります。授業で学習した内容の定着度をしっかり確認するという意味では4月のマンスリーテストの方が効果測定がしやすいテストと言えるでしょう。
・デイリーサピックス 61-06 H61-01~06
・算数基礎力トレーニング S-02(3月分)
・2023 78.7点
・2022 68.8点
・2021 67.4点
・2019 70.9点
平均点は毎年おおよそ70点前後です。
2023年の平均点が少し高いですが、これは大問6のパスカルの三角形の類題の規則性が見つけやすく、また力技で書き切れる量だったことが理由かと思います。
それに対し2022年の平均点は2023年に比べ、10点ほど低いです。これは大問2・3の問題が2023年に比べ少し難しく、また大問5の数表の規則性の問題が分かりにくいうえ、完答であったことや、大問6の問題が2023年の難易度と比べ難しかったことが理由として考えられます。
大問1 計算問題
大問2 小問集合 (文章題)
大問3 小問集合 (図形問題)
大問4 大問形式
大問5 大問形式
大問6 大問形式
(大問4~6 ダイヤグラム・仕事算・数表の規則性の問題 などが頻出)
大問7 大問形式 (思考を必要とする問題)
・計算問題 3問 (合計15点)
・小問(一行問題) 11〜14問 (合計70点程度)
・大問形式の出題 10〜11問 (合計60点程度)
平均点を70点だと仮定した場合、おおよそ45〜50点ほど取れれば偏差値40に到達します。
1分で1点を取るイメージです。1問が5~6点ですので、1問5~6分ほど時間をかけて大丈夫です。
計算問題は確実に取りたいところです。しかし、なかなか満点を取り切るのは難しく、苦戦されているお子様も多いかと思います。
松田の経験から言うと、逆算のやり方や計算の工夫、小数の処理、検算など、「受験生だしできるよね?」で片付けられてしまっている基本的な「解き方」の部分が習得できていないことに原因があることが大半です。
ここで苦戦されているお子様の場合、まずはお子様がどういう「解き方」をしているのかを確認をしていき、非効率な解き方をしている場合は、お子様に合ったより最善な方法を伝え、さらに基礎トレなどを通して計算のトレーニングを反復練習していきましょう。
また、ケアレスミスを連発してしまっている方は「精神的な焦り」もしくは「雑さ」に原因があるかと思います。
焦ってしまうお子様の場合はしっかりと「焦るな」とお伝えください。上記にあるように、試験時間は50分で、その中で50点を取れば良いわけですから、1分で1点を取っていけば良いです。計算問題1題が5点ですので、1題に5分。大問1に15分かけて良いと考えれば少し気持ちが楽になるでしょう。
雑さが原因でミスをしてしまうお子様の場合は検算をする癖をつけましょう。これは基礎トレを日々練習していく中で検算をさせ、確実に計算で満点を取る習慣をつけることが重要です。「基礎トレの計算問題の部分を1回目で全て取り切れたら報酬」といった形でやると良いです。報酬の部分はお子様によって異なる思います。例えば「100円」などでも良いかと思います。月3000円でお子様の計算ミスが減るのであれば安い買い物かと思います。
小問集合になります。基礎トレやデイリーサピックスのA〜Cの問題が解ければ上記の点数が確保できます。
詳しい内容は記事後半をご覧ください。
大問形式の出題です。(1)に簡単な問題が紛れています。例えば、今回の範囲ですと「AとBの仕事量(速さ)の比を求めなさい。」といった問題や「パスカルの三角形」の類題などです。この2つは毎年のように出題されているので狙い目です。練習しておいて損はないでしょう。
また、問7は年によって難易度がまちまちです。(1)が簡単なこともありますので、諦めずに読むようにしましょう。
平均点を70点だと仮定した場合、もちろんですが、70点を取れれば偏差値50に到達します。
1分で1.4点ほど確保するイメージですね。1問4分ほど時間をかけて大丈夫です。
しっかり取り切りましょう。
偏差値50を狙うお子様は大抵が上記に書いた計算の基礎基本はできているかと思います。ですが、毎回1問ほど落としてしまっている方もいるかと思います。そういった場合はしっかりと原因を突き止めましょう。
計算の基本の「解き方」でミスをしている場合はその修正を。ケアレスミスで毎回落としている場合はその原因が「焦り」から来るものなのか「雑さ」から来るものなのかを見極めましょう。
対策に関しては上記にもありますので、そちらをご確認ください。
小問集合になります。基礎トレやデイリーサピックスのA〜Dの問題が解ければ上記の点数が確保できます。
詳しい内容は記事後半をご覧ください。
大問形式の出題です。上記と同じ内容になりますが、(1)に簡単な問題が紛れています。そこは外したくないですね。
また、得意な単元や問題が出題されている場合もあるかと思います。その場合は(1)と(2)をまとめて取れるようにしたいです。
デイリーサピックスのDやEからの出題も多いので、そこまで練習をしておきたいですね。特に今回ですと、「3人登場するパターンの仕事算」や「ダイヤグラム」「パスカルの三角形」などです。このあたりは練習しておきましょう。
平均点を70点だと仮定した場合、おおよそ95~100点ほど取れれば偏差値60に到達します。
1分で2点ほど確保するイメージですね。平均した時に1問2分45秒ほど時間をかけて大丈夫です。
しっかり取り切りましょう。
小問集合になります。基礎トレやデイリーサピックスのA〜Dの問題が解ければ上記の点数が確保できます。
詳しい内容は記事後半をご覧ください。
デイリーサピックスのDやEの問題の考え方や解き方を変えたり、発展させたりした問題が多く、単元ごとの理屈の理解が求められています。解法丸暗記だと対応できない問題が多く出題されますので、お子様がしっかりと各テキストの理屈が理解できているか確認しておきましょう。
大問のどれかひとつが丸々解き切れると非常に楽になりますが、それが難しい場合は(3)まである大問に関して(2)まで取れるようにしたいですね。
ここからはデイリーサピックスの各単元に的を絞って解説していきます。
〈基礎〉 基礎的な問題。確実に解けるようにしたい。
〈標準〉 偏差値50程度を取るなら出来て欲しい問題。
〈発展〉 発展的な内容。上位を目指すなら出来て欲しい問題。
図は赤色→青色→オレンジ色の順番で見ていただくと分かりやすいと思います。
【通過算】
・電車の長さ+トンネル(橋、電車)が距離 → 理解が怪しい場合は図にかいて確認
・人や自転車、自動車が動いている場合、その長さを0と考える(点として考える)
・すれ違い、追い抜きの場合、片方の動きを停止させて考えると分かりやすい
通過算の基本になります。スムーズに解けるようにしたいです。
解く上でのポイントとしては、情報を整理していくことです。
整理の方法は教わり方によって人それぞれでしょう。速さの問題なので、松田は線分図(状況図)にまとめて指導をしています。
もちろん頭の中で出来てしまうお子様もいます。それはそれで大丈夫ですが、一度本当に分かっているのかどうかお子様自身に説明させてみて、確認をした方が良いでしょう。
通過算の基本です。情報を整理して上で、距離や時間の差を取るという動きが出来ているか確認しましょう。
どのお子様でも可能であればここまで取り切れるようにしたいです。
情報を整理した上で、倍数算で解き切るという動きが必要です。テキスト04で扱った倍数算を利用しましょう。
列車に乗っている「人」を中心に考える問題になりますので、点として捉える視点が重要です。自転車や車に乗っているパターンと同じ考え方をします。
(1)は旅人算の基本ですので、しっかり出来るようにしましょう。
(2)は「出会った地点」と「離れた地点」の意味とその状況を理解する必要があります。分かってしまえば簡単です。状況図にまとめて一度確認してみましょう。
C3の問題を少し発展させた内容です。
(1)(2)はそれほど難しくありません。取り組んでみましょう。
(3)は状況図にまとめ、まずはどの距離を聞かれているか確認しましょう。仕組み自体はただの出会いの旅人算ですので難しくありません。難しい部分は、どの電車がどこにいるのかを時間ごとにおさえられているかどうかです。
和と差を利用した問題です。和差算を利用しましょう。テキストナンバー05速さ①のB4の問題の考え方と同じです。
お子様が、和と差というヒントが出てきた瞬間に和差算を利用すれば解けそうだという方針が立てられているかどうかを確認しておきましょう。
逆比の考え方を使えば難しくないですね。
【流水算】
・上りの速さ、下りの速さ、静水時の速さ、川の流れの速さの4点の仕組みの理解
流水算の基本です。お子様が4つの速さの関係が説明できるかどうか確認しておきましょう。
川の流れの速さが変化する問題です。表にまとめていくと分かりやすいと思います。
「3倍になった」という表現を①:③と変換して表に書き入れましょう。
図がかければ倍数算で解くということに気がつけますね。
サピックスだとよく見かける問題です。出会いの旅人算の考え方を利用します。
A船の上りの速さ+B船の下りの速さ=A船の静水時の速さ+B船の静水時の速さ
という仕組みが理解できているか確認しましょう。
比を利用する問題です。これはスムーズに解けるようにしておきたいです。
逆比をしっかり利用していきましょう。
旅人算の考え方を利用します。「4/7(7分の4)の地点で出会った」を距離の比が④:③と考えると速さの比が出ますね。この動きをお子様が出来ているか確認しておきましょう。
また、「70m手前」を「70mの差がついた」と考えると(2)も解けるかと思います。
この辺りの日本語を算数的に言い換えるという作業は非常に重要ですので、しっかりと出来ているか確認しましょう。
A4と似た考え方です。表にまとめて、倍数算を利用しましょう。行きも帰りも川の流れは同じ(①:①)であることは忘れないようにしましょう。
ちなみに2020年のマンスリーテストの大問7でこの問題と同じ考え方を利用した問題が出題されています。
旅人算を利用して解きます。状況図をかいて整理しましょう。
「出会った地点がいつもより180m離れた地点になった」という言葉から、旅人算で練習をした「距離の比」の利用を思い出せれば難しくないですね。当然「距離の比」は「速さの比」から計算します。
こちらも比の利用です。比べるものが3つあるので連比(比合わせ)を利用しましょう。
また、距離も比を使って出してしまいます。
比を繋げるという発想と距離も比に置いて解くという発想が持てているか確認しましょう。
こちらも比の利用です。ポイントは水の速さが同じであることを利用して等式を立てることです。
図のようにまとめていくと分かりやすいかと思います。
54分というヒントと距離の差が3.6㎞というヒントから速さの差を利用する問題であると考えます。
これも図に整理してしまうと分かりやすいですね。
「H61-01 割合」からは後編で解説しています。
関連記事:SAPIX新6年4月マンスリーで押さえるべきポイント!算数編【後編】
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現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。