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SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―算数編 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―算数編

2022.07.05

2022年7月3日に夏期講習のコースを決定する組分けテストを受験したSAPIXの6年生。

多くの受験生が並々ならぬ思いを解答用紙にぶつけてきたのではないでしょうか。

それから約2週間。

7月16日には復習テストが実施されます。

このテストによるコース昇降は無いものの、SAPIX生活最後の「範囲のある」テストなので、是非ともここで好成績を残して、夏休みの学習に弾みをつけておきたいところですね。

ここからは7月度復習テストの算数の位置づけや出題傾向、対策などを整理してみましょう。

【7月度復習テストにおける算数の重要度】

今回の試験範囲は15番から19番までの全5冊。

4年生前期から6年生前期までの、長い長いSAPIX生活の集大成ともいえる内容です

特に「16和と差に関する問題」・「17割合」・「19平面図形総合」の3冊は、今までは何冊ものテキストに分けて学習してきた内容の実質的な総まとめテキストになっています。

1冊に様々な分野が盛り込まれているぶん、今回の試験範囲の実質的な学習内容は多いと言えるでしょう。

またこれらのテキストは復習内容が中心とは言え、これまでに扱った内容を理解していることが前提に編集されているので、個々の出題内容の難度は高めです。

ただ復習テストは直近1ヶ月のテキストで扱った内容を中心に課されるという特徴から、今回のように扱う知識事項が多い場合は特に、テキストを繰り返し解いて身につけた知識量が点数に結びつきやすいとも言えます。

難度は高いが努力が報われやすいので最後の「範囲のある」テストにはふさわしい回だと言えるでしょう。

なお5年生後半のように毎週のように中学受験頻出の新しい内容を扱っていた時期と比べると、算数の相対的な重要度は決して高くはありません

算数だけに力を入れすぎず、個々の学習状況や課題に応じて各科目の学習バランスを判断していけると良いでしょう。

【7月度復習テストの算数の試験範囲と各テキストのポイント】

2022年の7月度復習テストの試験範囲は、平常授業の15~19番になります。

15 点の移動
16 和と差に関する問題
17 割合
18 速さ
19 平面図形総合

ここからは各テキストのポイントを整理していきましょう。

平常15 点の移動

実際の受験において「点の移動」は速さと図形の複合分野として大問単位で出題されることの多い分野で、今回のテキストの難度も高めです。

テキスト内容の最重要事項は「シャドー」ですが、要するに「手を動かして相似に気づく」ことがポイントです。

いったんペンを置いて、両手の指先を点Pと点Qに見立てて、速さの比に気を付けながら実際に動かして、視覚的に状況を把握しましょう。

また把握した状況が実際の状況と合致するのか、数値を記入して検証することも必須です。

その他、C3・D3・E1なども状況の把握と検証が問われる学習効果の高い問題です。

問題に応じた解答の仕方を確認しておきましょう。学習の目安としては、どのレベルの生徒であってもA全、B全、C1.2までは必要です。

偏差値55くらいを目指す生徒なら、特殊な状況を考えるD2やE2以外を正しく理解する必要があるでしょう。

ただD2やE2も設定が珍しいだけで、決して難しいわけではありません。点の移動に関する基本的な学習姿勢が身に着いたならば、チャレンジする価値は充分にあるでしょう。

なおE2は慶應湘南藤沢中の過去問です。

平常16 和と差に関する問題

和と差をテーマとした様々な文章題を扱うテキストです。

今まで扱った知識の確認が中心で、そこそこの難度の問題がズラッと並んでいると言えるでしょう。

今回のテキストで完全に初見の内容としては「くるった巻き尺」が挙げられます。

「長さを測っているのに、それが実際の長さじゃないなんて…なんやねん!?」と、なんとも混乱してしまいそうな内容ですが、「m」の表記をくるった巻き尺の場合は「めもり」、正しい長さを示す場合は「メートル」と読み替えることで理解度は高まります。

なお実際の中学受験ではめったに課されない内容なので、もし理解が浅くてもあまり気にしなくても良いでしょう。

その他、3段つるかめの特殊なパターンや、C1の解法の使い分け(消去算かてんびんか?)、C2の平均の面積図、D2の速さと比の整理、D3の集合、E4の計算処理など、解法知識として吸収しておきたい問題が数多く並びます。

このテキストならば、A全て、B1.2.4、E1は、全てのSAPIX生が正しく理解しておく必要があるでしょう。

偏差値60を目指す生徒ならばD3.4とE3以外を正しく身につけられると良いでしょう。

D3、E3のくるった巻尺も理解さえしてしまえば、得点にはつなげやすい分野です。

余裕があれば積極的にチャレンジしましょう。

平常17 割合

食塩水、損益をはじめとする比と割合の文章題の復習テキストです。

平常16の和と差のテキストと同様に復習内容が大多数で、比較的取り組みやすいテキストです。

「①や四角1と実際の数値の区別」や「式や線分図、面積図、表での整理」など、算数における様々な基本的手法を扱うので、丁寧に取り組み正しい解法を身につけましょう。

個々の問題は2枚目のBプリントくらいから難度が上がります。

D4やE4のような数学っぽい式処理(いわゆる分配法則・結合法則です)も、難関校を目指すならば修得しておきましょう。

このテキストを効果的に学習するには、まずはA全、B4あたりを適切な方法で処理できるようになることが先決です。

その上でD4、E2.3.4以外に手を広げていきましょう。

算数の偏差値が60前後取れている状況ならば、D4、E2.3.4に手を広げてみても良いでしょう。

D4とE4は数学っぽい計算処理、E2とE3は適切な条件整理がポイントになります。

E2は面積図で状況を視覚化できると捉えやすいでしょう。

平常18 速さ

速さと比の様々なタイプを扱うテキストで、流水算・通過算・時計算などの速さの特殊算は扱いません。

こちらは速さの基本的な概念が身に着いていることを前提とした構成で、難度はかなり高めです。

新たに身につけたい解法は2つです。

1つめはA4、B2、C2のような往復する状況を比に注目して線分図で整理するタイプの問題です。

矢印の描き方を「⇒」と「→」で区別するなど、視覚的に整理できるよう心掛けましょう。

2つめはB4、D2、E1.2などのタクシーやバイクが行ったり来たりする状況を線分図で整理する問題です。

「どの部分の時間が同じか」「どう距離が対応するのか」など、必要な情報を適切に記入しましょう。

このテキストで扱うべき内容を整理しましょう。

A1から思いのほか難度は高めです。

どの生徒にも共通して必要な箇所は、A2.3、B1くらいしかありません。

あとは個々の生徒のレベルに応じた取捨選択が重要になりそうです。

先述の新出単元も重要ですし、B3、D4、E3のような「歩いたり休んだり」を丁寧に検証する問題も重要です。

もちろんその他の速さと時間の逆比を利用する問題も重要です。

講師と相談しながら、扱う問題を選択できると良いでしょう。

難度も高いが重要度も高い、なかなか負担の大きなテキストですね。

なおE4は状況を捉えにくいわりに、学習効果はあまり高くない問題です。

こちらは後まわしにしてしまって構わないでしょう。

平常19 平面図形総合

「図形と比・相似」を中心とした平面図形の総復習テキストです。

「辺の比と面積比」や「相似比と面積比」などは常識として身についている状況でしょうか。

なお同じ内容は、土特で扱うことが多い「分野別補充プリント」でも並行して学習しているので、定着を期待したいところです。

完全な新出単元はC1の特殊なおうぎ形くらいでしょう。

こちら最初の段階では中心角を□として丁寧に立式し、逆算して取り組みたいところですが、かなり捉えにくい式処理になります。

「なんだか三角形っぽい!」という感覚も大切です。

中学受験では、あまり見かけない問題なので深追いしなくても良いでしょう。

E4の図形の重なりもあまり見かけない問題ですが、重なっている部分も丁寧に図に描きこみ数値を記入すれば、理解はそこまで難しくはありません。

B4やD3の面積比の問題は、1辺の長さを適切に設定することで処理しましょう。

C4やD3の縦・横の相似は分野別でもおなじみですね。

今まで扱ってきた内容は確実におさえておきたいものですね。

このテキストの学習内容ですが、平常18と同様に全体的に難度は高いです。

誰しもに共通して必要な問題はA全てとB1.3くらいでしょう。

その他の問題は個々の生徒のレベルに応じて取捨選択を判断したいものです。

なお相似を使い分けるD4(平成初期の開成の過去問です)や対称性を利用するE2、先述の図形の重なりのE4は後回しにしてしまっても構いません。

【7月度復習テストにおける算数の対策】

SAPIX生活最後の「範囲のある」試験です。

いつもの通り、まずは試験範囲のテキストの復習の徹底が最優先です。

問題の優先度は上記の【7月度復習テストの算数の試験範囲と各テキストのポイント】を参考にしてもらえればと思います。

今回の対象テキスト数は普段と同じくらいでも、今回は学習内容が多岐にわたるため、量の多さを感じる生徒も多いことでしょう。

ただ扱った内容が多いとそのぶん知識事項中心の試験になるので、復習テストは頑張りがいがありますよ。

テキスト内容の総復習を終えると、だいたいの得手不得手が見えてくることでしょう。

得点を伸ばせそうなテキストから、扱っていないアプローチの問題やデイリーサピックスの冊子にも手を広げて、得点力の更なる向上を目指しましょう。

その後は、もし手に入れられるならば過去問を用いて時間配分の確認や問われ方の確認をして、対策の完成を目指しましょう。

復習テストが終わると、いよいよ中学受験の天王山の夏期講習が始まります。算数においては再び受験算数を1周するカリキュラムが組まれています。

難度は更に高まりますが、学習内容についていくことができれば知識のレベルも一段と深まることでしょう。この夏期講習テキストを吸収できれば、中学受験において知識不足と言うことは、もはや起こりえません。

ただ先述の通り非常に難度は高いので、夏期講習のテキストは個々の学力や志望校に応じて適切な取捨選択をすることが必須です。

この際にプロの講師が役に立てる場面も多いことでしょう。

もしサポートが必要な場合は遠慮なくおっしゃって下さい。

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さぁ、夏が来ます。

SAPIX6年7月復習テストについては以下もご覧ください。(順次追加されます。)

SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―算数編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―国語編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―理科編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―社会編

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塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説


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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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