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SAPIX5年7月度組分けテストの対策【国語編】 Column

SAPIXの活かし方

SAPIX5年7月度組分けテストの対策【国語編】

2024.06.17

夏期講習前の最後のテストであり、大きな昇降がかかる機会です。
しっかり準備していきたいですね。

チャンスだと張り切るお子様や、自信がないと不安なお子様、何も思っていないお子様など様々いると思いますが、少しでもお力添えになればと思います。

●出題形式

大問1 漢字の書き取り 10問   20点
大問2 知識問題    10問   20点
大問3 論説文     10問程度 55点程度
大問4 小説文     10問程度 55点程度

マンスリーテストとは違い、知識に範囲がありません。
そのため、大問1・2では長期間の日々の学習の積み重ねがものを言います。
正答率は6〜7割程度と低くなく、差が開きやすいですが、点数の比重は大きくないので大勢に影響は出ないです。

大問3・4は平均点が半分程度です。
正答率が7割程度の選択肢が多くあるので、これらの問題をしっかり拾いきることが肝心です。

記述は正答率がそれほど高くないので、5〜6割程度の部分点を狙いましょう。もちろん、より高得点を取れるお子様は高めの点数を狙っていっても良いでしょう。

以上から、組分けテストは「読解力勝負」であることと、ちょっと難しい選択肢を正確に選びきることが重要になります。

●知識問題

全10問の知識問題ですが、ここ最近で出題されたものを紹介します。

〜2022〜
慣用表現の正誤問題「気のない」「水をあける」「目が回る」「手に余る」「息をのむ」
敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)を選ぶ

〜2021〜
共通する慣用表現を空欄に当てはめる(体の一部縛り)
漢字の意味が違うものを選ぶ(反の字の意味が違うものを選べ 反復 反発 反感)
敬語の正誤問題

〜2020〜
ことわざの穴埋め「子はかすがい」「住めば都」「類は友を呼ぶ」「雨だれ石を穿つ」「青菜に塩」
四字熟語の穴埋め「朝三暮四」「終始一貫」「二束三文」「千客万来」「八方美人」

知識問題は範囲が多岐に渡るため、対策するのは難しいです。

強いていうのであれば、「慣用表現」「体の一部が入ったことわざ・四字熟語」「動物が入ったことわざ・四字熟語」「数字が入ったことわざ・四字熟語」など特徴のあるものを中心に見直しておきましょう。「慣用表現」は近年の中学受験のトレンドですので、やっておく価値はあります。

●読解問題

大問あたり、およそ10問程度出題されます。
設問の種類に注目して、最近で出題されたものを紹介します。

〜2022〜
・論説文(説明文) 
 接続語  3問
 選択肢  5問 内、3問が文章の内容理解を問う長めの選択肢
 抜き出し 3問
 記述   1問 対比フレーム
 脱文挿入 0問
 空欄補充 0問

・物語文(小説文)
 接続語  0問
 選択肢  7問 内、5問が文章の内容理解を問う長めの選択肢
 抜き出し 0問
 記述   1問 はき気フレーム(心情の記述)
 脱文挿入 1問 
 空欄補充 1問 自分で考えるパターン

〜2021〜
・論説文(説明文) 

 接続語  4問
 選択肢  4問 内、4問が文章の内容理解を問う長めの選択肢
 抜き出し 1問
 記述   1問 箇条書きフレーム
 脱文挿入 1問
 空欄補充 0問

・物語文(小説文)
 接続語  0問
 選択肢  6問 内、6問が文章の内容理解を問う長めの選択肢
 抜き出し 1問
 記述   1問 はき気フレーム(心情の記述)
 脱文挿入 0問 
 空欄補充 1問 選択肢のパターン

〜2020〜
・論説文(説明文)

 接続語  3問
 選択肢  6問 内、4問が文章の内容理解を問う長めの選択肢
 抜き出し 1問
 記述   1問 箇条書きフレーム
 脱文挿入 0問
 空欄補充 0問

・物語文(小説文)
 接続語  0問
 選択肢  6問 内、6問が文章の内容理解を問う長めの選択肢
 抜き出し 1問
 記述   1問 はき気フレーム(心情の記述)
 脱文挿入 0問 
 空欄補充 0問 
 語彙   3問

選択肢の比重が大きく、抜き出しや脱文挿入といった問題の数が少ないことが分かります。

以上から、選択肢の精度が偏差値に直結すると言えます。
抜き出しや脱文挿入は得点効率の低さから考えても後回しで良いでしょう。

記述に関しては、80字レベルの記述が出ており、配点は1題あたり12点程です。採点の要素も3つ以上は入っているので、そのうちの2つは最低でも書くようにすると予め決めておきましょう。

●対策

即効性の高い対策と本筋の対策をお話しします。

〜即効性のある簡易的な対策〜

・時間配分を決める
 大問1・2  5〜7分程度
 大問3・4 45〜43分程度

 以上がおすすめです。

・優先順位を決めておく
 1 選択肢
 2 記述
 3 抜き出し 脱文挿入

 などが良いでしょう。

〜本筋の対策〜

・文章を読む

論説文、物語文、随筆文、それぞれの読み方は分かっていますでしょうか。
読み方というのは、ただ文章を読むことではなく、「どこに注目して、どこにチェックをするのか分かっており、かつ実践できる」ことです。

例えば、論説文において必要な能力は「抽象に線が引ける」「意味段落分けができ、要点が拾える」「対比の構造を捉えられる」「文章の主題が捉えられる」などがあります。
こういったことを理解した上で、実践できるようにしていくことが読解です。まずは、お子様が文章の読み方を知っているのか、そしてそれを実践できているのか確認していきましょう。

・問題を解く

まず大前提として、設問を正しく認識できているかが重要です。
「何を聞かれているのか?」「何を答えれば良いのか?」「何を本文から探すのか?」しっかりと押さええられているか確認しましょう。

次に解き方です。
選択肢、抜き出し、記述、それぞれ解き方が正しい方法で定まっているかが重要です。
例えば、野球ではホームランを狙うバッターは、ホームランの確率が高いスイングを再現しようとします。1回1回のスイングがバラバラでは駄目なわけです。
これと同様に正答確率が高くなる解き方を常に同じようにできるかが重要です。100回やっても100回とも同じ正解にたどり着ける解き方を、再現できるようにしましょう。

そして、これには解き方の手順を知ること、反復練習すること、感覚に頼らないことが必要です。
国語が苦手なお子様の多くはそもそも解き方を知らず、その場その場でなんとなくで解いている場合が多いです。
例えば、記述の問題では「箇条書きフレーム」「対比フレーム」「はき気フレーム」「心情変化フレーム」という4つの書き方があります。(勝手にそう読んでいます)
問題を読んだときにこれらを識別でき、そしてそれぞれの解き方の手順で要素を探し、まとめられるかが記述のポイントです。

こういった解き方をまずは知り、それを自分で再現できるように練習していきましょう。

また、解き方をすでに知っているお子様は、最初から方針がはっきりしており、何をすれば良いのか明確なのに対し、なんとなく解いているお子様はその場その場で考え対応していく必要があります。これが差になります。

もちろん感覚が鋭いお子様の場合はそれを伸ばしていく指導もしています。しかし、感覚に頼っているほとんどのお子様は「ただのなんとなく」です。その部分を論理に変えていきましょう。

今回の解説は以上になります。

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次のマンスリーも頑張っていきましょう!

SAPIX5年7月度組分けテストについては以下もご覧ください。

SAPIX5年7月度組分けテストの対策【算数編】
SAPIX5年7月度組分けテストの対策【国語編】
SAPIX5年7月度組分けテストの対策【理科編】
SAPIX5年7月度組分けテストの対策【社会編】

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松田 浩志

この記事を書いたのは...

松田 浩志

自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。

大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。

現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。

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