2022年4月15日投稿
2024年4月16日更新
春期講習が明けてすぐに実施される6年生とは、異なるタイミングで実施される5年生のマンスリーテスト。
年によって「4月マンスリーテスト」「5月マンスリーテスト」と、実施時期と名前が多少異なっています。
ただ、中身はほとんど一緒です。
ここからはマンスリーテストの出題範囲を通して、出題される問題などについてお話しできればと思います。
【国語のテストの形式<毎回内容が同じなので再掲>】
大問1(20点) 漢字の読み書き 10問
大問2(20点) 知識問題 10問
大問3(55点程度)初見の長文問題1 9問程度(選択肢6~7問、抜き出し・記述2~3問)
大問4(55点程度)初見の長文問題2 9問程度(選択肢6~7問、抜き出し・記述2~3問)
ほとんど全てのサピックスのテストに共通していますが、記述以外の「客観系問題」で点数を作り、記述で△を狙っていくのが王道パターンです。
客観系問題は1問4点~6点程度。
平均点が150点中80点近辺になることが多いので、一問正解して偏差値2を獲得するイメージでしょうか。客観系問題の平均点が低くなると、記述の採点が甘く、客観系問題の平均点が高くなると、記述の採点が厳しくなる傾向にあります。
特に最近だと「2行程度の気持ちの記述」などは採点が厳しいです。
●5年生で扱う説明文と論説文との違い
2017年くらいまでの5年生のテストではきちんと「説明文」が出題されていました。
説明文とは、「1つの内容について、順序立てて書いた文章」と増田は教えています。4年生までの文章で出る「理科の実験の延長」のような文章はまさにこういった文章です。
また、特徴として「筆者にとってプラスの立場」と「筆者にとってのマイナスの立場」での対比による説明はない、と増田は伝えています。
ただ、2018年くらいからは説明文という名の付けられた「論説文」が出題されるようになりました。
論説文とは、「筆者にとってのプラス面と、筆者にとってのマイナス面の両方を紹介しながら、進んでいく文章」のこと。つまり、「筆者にとってプラスの立場」と「筆者にとってのマイナスの立場」での対比構造が取り入れられるので、読み解く作業も増えます。
文章の種類による定義をきちんと行っていない塾が多いので、「説明文」と「論説文」についてきちんと分けて理解している生徒さんたちはほとんどいないと思います。
例年の傾向から、恐らく「論説文」での出題のはずなので、筆者にとってどの内容がプラスで、どの内容がマイナスかを意識しながら読まなければならない、ということは知っておいても良いでしょう。
【テストの範囲】
平常授業6〜8回+春期講習の内容
漢字(Aテキスト)…3回分
言葉ナビ(上巻)… p.92~95,p.144~150,p.158~165
国語に関しては、春期講習で新規単元を扱うことはありません。
授業内で扱うものも「平常授業の国語Bテキストの延長」となっていて、国語Aテキストにあたるものはありません。
ただ、範囲としては6年生と違い、決して短くはありません。
特に言葉ナビのページ数については注意が必要だと思います。
【6回Aテキストの大問ごとの分類】
大問2で、6回の大問1~13のどれかに似た問題が5問ほど、「コトノハ」「言葉ナビ」の問題が5問ほど出題されます。
6回のAテキストの知の冒険の範囲は「主語・述語・修飾語」が中心です。
単発の文法単元と捉えるよりも、「国語の読解に大きく関わる単元」と見た方が良いでしょう。主語や述語の定義から怪しいことが原因で、読解で点数が取れない子はかなり多いという印象です。
記述答案において日本語の係り受けが怪しいケースなどは言うまでもありません。
一文の要点がわからないのに、段落単位、文章単位で内容を把握しようとするのは無理があります。
大問1 文節
大問2 文節+単語
「ネ」で区切れるのが文節、これ以上は無理というくらい小さく分けたのが単語です。「増田は太陽のように明るい人間だ」という例文で紹介すると、
増田は/太陽のように/明るい/人間だ
のように切り分けるのが文節。
増田・は・太陽・の・ように・明るい・人間・だ
のように切り分けるのが単語です。
どこで文節が入るか/入らないかについては注意が必要です。
ちなみに「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」というのは「文節」を5つの役割に分けて名前をつけたもので、「名詞・動詞・形容詞・形容動詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞」というのは「単語」を10個の役割に分けて名前をつけたものです。
大問3 主語
大問4 主語+述語
大問5 主語
大問6 主語+述語(×あり)
大問7 主語のない文を探す
たいてい最後に来るのが述語、「は・が・も」がつくのが主語です。「は・が・も・こそ・だけ・だって」は主語、と覚えてしまっても良いかもしれません。
主語と述語が、
増田は = 帰りたい。
のように、イコールの関係になっているかどうかをきちんと確認しましょう。
×というのは「私は」といった主語や述語などが省略されているパターンです。
たとえば、
家に 早く 帰りたい。
などの文は
(私は)などの主語が省略されていますね。
これも、「帰る」が人間の動作だと判断できれば、
家に ≠ 帰りたい
私は = 帰りたい
であることが見えます。
また、「を・に」がつくと目的語(修飾語)になります。
主語とは全く別のものですので、混同しないようにすることが重要です。
大問8 修飾語
大問9 修飾語
大問10 修飾語を全て選ぶ
言葉を「詳しく説明」するのが修飾語です。たとえば
新しい 青い 帽子を かぶった 人が 犯人を 追いかけた。
下線部「青い」がどこに修飾するのか答える問題であれば、
青い 帽子を → ◎ 青いのは帽子なので正解。
青い かぶった→ × 日本語が…
青い 人が → × 青い人ってなんなんでしょう?
青い 犯人を → × 青い犯人がいるなら赤い犯人がいても…
青い 追いかけた→× 日本語が…
のように、文節に一つずつ繋げてみるのが良いでしょう。
地道にチェックするのが基本になりますが、「倒置法」が使われていない問題の場合は、基本的に下線部以降に出てくるものだけチェックすれば問題ありません。
先程の問題であれば、
青い 新しい
と言う並びについてはチェックしなくて良い、と言うことです。
大問11 主語と述語の関係になっているのはどれか
大問12 主語、述語、述語を修飾する語
大問13 主語、述語、修飾語の応用問題
大問3から大問10までのまとめです。
基本的には今までと同じ形式での出題となっていますが、大問13のように変わった形式の出題もあります。
ルール自体はシンプルで、「理解している」もしくは「わかっている」状態であれば永遠に得点源になる単元です。
読解にも大いに影響する単元ですので、丁寧に準備したいところです。
SAPIX新5年4月マンスリーについては以下もご覧ください。
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!算数編
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!国語編
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!理科編
SAPIX新5年4月マンスリーでおさえるべきポイント!社会編
にほんブログ村にも参加しています。ぜひ下のバナーをワンクリックで応援もお願いします!