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SAPIXの夏期講習5年生はどう過ごすべき? Column

SAPIXの活かし方

SAPIXの夏期講習5年生はどう過ごすべき?

2021.06.29

中学受験は3年間の長期戦、塾に通いながら長いスパンで計画的に力をつけていけたら・・・

SAPIX入塾前は中学受験に対してそんなイメージを持っていた受験生親子も多いのではないでしょうか。

いざ入塾してみるとSAPIXでの中学受験は、マンスリー確認テストや組分けテストをマイルストーンとした「短期決戦の連続」というイメージのほうが適切かもしれません。

中学受験本番は連続する短期決戦の先にある最終決戦です。

さて最終決戦の後に「思えば5年生の夏期講習が鍵だったな」と振り返るSAPIXの卒業生親子は非常に多いものです。

というわけで今回のテーマはSAPIX5年生の夏期講習。

僕も長年SAPIX生を指導してきましたが、やはり「5年生の夏期講習」が中学受験における最重要時期の1つであると断言できます。

多くの卒業生を見ていても、ここから秋にかけての学習の定着度や成績は受験結果に直結していました。

ここからの数ヶ月で中学受験における自身の立ち位置が決まる、とでも言えそうです。

そんな大事な5年生の夏期講習、ただ日々の学習に追われているだけでは効果的な学習が重ねられる可能性は低いです。

どのような戦略を持って学習を進めていくことで大きな成果を得ることが出来るのか、ここからは考えていきましょう。

参考:SAPIXの夏期講習、注意点を解説!

【SAPIX5年生の夏期講習に対する心構え】

5年生の夏期講習。

受験まであと1年半ありますが、4年生の中学受験スタートからも1年半。

3年間のちょうど折り返し地点です。

早いですよね。

多くの5年生は「まだまだ中学受験は始まったばかり、先は長い」と感じているのではないでしょうか。

思いのほか時間は残されていないと、まず認識を改めましょう。

ただ学習期間としては折り返し地点ですが、学習内容という点では、まだ2割から3割くらいしか進んでいません。

これから5年生の後半で中学受験頻出分野を学び、6年生前半でより高度な内容に昇華させ、6年生後半からは志望校別の戦略に注力していきます。

言うならばこれから先の中学受験後半戦は、5年生前半までとは「重さ、濃さ、速さ、量など全てにおいて別物」と言えるのです。

5年生の夏期講習は、そのくらい大きなターニングポイントだと、まずは意識しましょう。

【日程に対する心構え】

SAPIXの5年生の夏期講習は全20日間で、小学校の終業式の日程の後は、校舎を問わず授業は9:00~12:00に実施されます。

SAPIXの授業は原則として午前中だけとは言え、復習にかけるべき時間を考えると毎日長時間の学習が強いられることは必至です。

今まで1週間かけて仕上げてきた学習を1日で終わらせるようなイメージですね。

それでもなんとかSAPIXの授業のある当日中に復習を終えるようにスケジュールを組みましょう。

未消化教材が大量に溜まってしまうと、遅れを取り戻すことは非常に困難です。

追いつくチャンスがあるとすれば、講習期間の中休みの日くらいでしょうか。

そのため中休みの日は学習の予備日として、事前にあまり予定を詰め込まないように気を付けたいところです。

学校行事や家族の予定が重なってSAPIXの講習を受けられない日程が決まっている場合も、あらかじめスケジュールに組み込んでおき、対策を練っておきましょう。

このように多忙なSAPIX5年生の夏期講習ですが、わずかながら余裕を持つことが出来る期間も以下のように存在します。

① 7月14日(水)の復習テスト終了から7月19日(月)の夏期講習初日の間の4日間
② 盆休みの5日間
③ 8月23日の夏期講習最終日から8月27日の夏期講習マンスリー確認テストの間の3日間

①や②に関しては、この期間に帰省や旅行などを計画するのも良いでしょう。

SAPIXの5年生は、どうしても勉強中心の夏休みにはなってしまいますが、適度な息抜きは良い気分転換になり、集中力の向上にもつながることでしょう。

③はマンスリーの直前なので、夏期講習内容の総復習に充てざるを得ないでしょう。

小学校によってはもう新学期が始まっているかもしれません。

おそらく全く余裕は無いでしょう。

なお、このような忙しさを見越して、SAPIXの学習時間の捻出のために習い事を整理する家庭も多い時期です。

【講習期間の毎日の過ごし方】

朝は学期中と同様に、日々の学習の時間を確実に設けましょう。

時間としては30分から1時間くらいが標準的です。

学習内容としては算数の基礎力トレーニングや、国語の漢字や知識の確認など、短時間に集中して取り組むべき学習を進められると良いですね。

朝は涼しく、また冬と違って窓の外も明るいので、清々しい気持ちで勉強に取り組むことが出来るでしょう。

その後はSAPIXの校舎に移動し、9:00から12:00までが2科目の授業になります。

教室の仲間と共に集中して参加できると、あっと言う間に2科目の授業は終わるのではないでしょうか。

帰宅後、まずは昼食と休憩です。

その後、遅くとも14:00頃からは当日の復習を開始したいものです。

当日の学習内容の復習に要する時間は、SAPIXの授業時間と同じ3時間が目安になります。

夕食までに復習を終え、夕食後は弱点補強をしたり、家族で穏やかに過ごしたりできれば良いですね。

もし復習が終わっていないならば、当日の授業内容の定着を優先しましょう。

とにかく当日中に復習を終えることが大切です。

【各科目のアドバイス】

(算数) 全14回

第4回のN51-04の「2量の関係」以降、比の学習が続きます。

特にN51-05 の「比と割合(1)」とN51-06の「比と割合(2)」で比の概念を獲得し、連比はもちろん、逆比まで使いこなせるように練習することが夏期講習の最重要テーマです。

この夏期講習05と06の2冊は入念に復習しましょう。

副教材のBASIC【比】の1章と2章も基礎の反復演習として活用できるとなお良いでしょう。

これ以降の夏期講習の算数では、タイトルに「比」を含むテキストはもちろん、N51-08 の「平均算」、N51-12の「点の移動」、N51-13の「立体図形(2)」でも、比の発想に習熟していることが求められます。

特にN51-08 の「平均算」、N51-12の「点の移動」、N51-13の「立体図形(2)」は、以前に学習した同じような内容を、比を活用した新たな視点で再び学習しなおします。

もし以前と同じような方法で解き、正解できたとしても今後の成長にはつながらないので注意しましょう。

このように、ここからの算数学習は1問1答的な学習から、1問を多角的に捉えて最適な解法を選択していくというように質が変化していくことも大きな特徴となります。

(国語) 全10回

平常授業のBテキストを踏襲し、読解・記述を中心とした練習が続きます。

宿題は当日のテキスト内容の音読と復習程度なので、家庭学習時間を圧迫する心配は、あまりありません。

なお漢字や知識の確認テストが実施されないので、今までの学習の遅れを取り戻すチャンスとも言えるでしょう。

演習量を増やしたい場合は「国語の要 その2」を併用すると良いでしょう。

(理科) 全8回

全8回のうち地学分野が5回と多めです。

最初のN53-01の「星①~天体の動き⑤~」と、N53-02の「星②~天体の動き⑥~」は重要度が高く、また試験においても差がつく内容です。

N53-03「花のつくりと受粉~植物のつくりとはたらき④~」、N53-05「地層と化石~大地の変化②~」、N53-06「岩石と火山~大地の変化➂~」は初見内容が中心です。

こちらも入念な復習が必須です。

その他、N53-07「音の性質~音と光②~」はSAPIXにおいて、あまり扱うことのない分野です。

今回を機に定着を図りましょう。

このように夏休みは地学分野が多めで、決して軽い内容ではありません。

ただ多くの受験生が苦手とする物理、化学分野の難問は、秋以降に集中的に扱います。

これから先にますます難度が上がることを考えると、夏期講習内容はなんとか克服してほしいところです。

(社会) 全8回

N54-01「日本の国土」からN54-06「日本の工業(2)」までは、今までの地理の学習の総復習になっています。

9月からSAPIXでは歴史の学習が始まるので、地理の知識事項の定着を図るにはこのタイミングしかありません。

N54-07「環境問題」とN54-08「人口問題・都市問題」は「国連の国際会議」「世界遺産」「人口ピラミッド」など難関校での頻出テーマを改めて扱う重要テキストです。

入念な学習が必須です。

日々の学習においては、毎回の授業の際のデイリーチェックやコアプラス確認テストで高得点があげられるような復習が必要です。

ただテキストを読み込むだけではなく「授業の確認問題~基礎問題~」や「デイリーステップ」まで取り組んでおきましょう。


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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は講師としてキャリアを積む。

また講師としてだけではなく、東大生のみを紹介する家庭教師センターを設立し、誰よりも多くの東大生と勉強法を論じてきた経験も持つ。
そして満を持して、2017年に自律学習サカセルを創設。

その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。
現在は卒業生との語らいと娘の成長が楽しみ。

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