サカセルコラム

SAPIXに行きながら個別指導の併用って必要? Column

SAPIXの活かし方

SAPIXに行きながら個別指導の併用って必要?

2021.07.27

中学受験における圧倒的な実績を持つSAPIX。

さぞ通塾日数が多いのかと思いきや、小6の前期で週3日、後期で週4日となっており、他の大手塾と比較して、自由に学習に充てられる日が多いです。

以下の記事も参考に。

関連記事:SAPIXに向く生徒、向かない生徒

以前勤めていた個別指導塾でも、またサカセルで教えている現在も、中学受験の個別指導で最も多いのはSAPIXとの併用生です。

ここでは、SAPIXと個別指導の併用をするべきとき、する必要がないときについてお話していこうと思います。

目次
  •  SAPIXの授業
  •  個別指導の授業
  •  SAPIXに通塾しているが、個別指導がいらないとき
  •  SAPIXと個別指導を併用するべきとき【プロ講師にお願いする場合】
  •  SAPIXと個別指導を併用するべきとき【学生講師にお願いする場合】
  •  SAPIXとの併用から個別指導のみにするとき

SAPIXの授業

SAPIXは1つの校舎の中で最低でも3クラス、多いと32クラスと、同じ学年のクラス数にかなりの幅があります。

増田がいた早稲田アカデミーの校舎は「大規模校」と言われる校舎でしたが、人数が少ない学年で3クラス、多い学年でも5クラス体制でした。

一般的に、クラスの中で上位20%くらいの生徒が満足するような授業をせよ、と講師側は伝えられますが、SAPIXの通常授業は最上位クラスから基本クラスまで、全クラスで同じテキストが使用されます。

テキストの主な対象は最上位クラス。

この流れに乗ってか、四谷大塚は自社のテキストである予習シリーズを難関校向けに改訂し、難関校の実績を出すことに成功したとも言われています。

最上位クラス向けのテキストを、それ以外のクラスで実施することでどういうことが起こるのかというと

メリット

テキストが最上位クラスと一緒だからこそ、難易度の高い授業が受けられる

 →書かれている内容は修正できない上、そのテキストを使用するという「縛り」が生まれるため、最低でもテキストは「ハイレベル」なままで固定されます。

「一部のクラスにしか使用しないテキスト」というのがほとんどなく、不公平感は少ない

 →講師にテキストの裁量権があると発生することがあります。テキストだけもらいに来る生徒もいますが、文字通り「もらうだけ」になることが多いですね。

講師の授業レベルが安定しやすい

 →固定されたテキストで授業を進めるからこそ、カリキュラムの構築の部分で悩みません。講師側からの意見ですが、授業の前の「何やろうかな…」がもう少しイメージしやすいものになり、「意味がない授業」になりにくいと言えます。

指示された宿題をこなすだけである程度の質が担保できる

 →宿題以外の自分の勉強時間を用意しなくても、宿題をこなすことで必要な演習量を確保することができます。

デメリット

テキストのレベルについていけない

 →「らせん式カリキュラム」を取っていると言っても、同じカリキュラムが登場したときに、ゼロから導入をし直すことは残念ながらないでしょう。

むしろ、「その学年から初めて登場する内容」もあるわけで、前の内容も、今の内容もわからないということも。

授業のスピードについていけない

 →1コマの授業が、4年生60分、5年生90分、6年生80分。

この時間内でテキストを一回分進めなければならず、テキストが終わらないこともしばしば。

授業で概要のみしか解説されないため、演習・丸つけ・直しがご家庭に委ねられることも多いようです。

膨大な家庭学習量

 →例えば、この時期のとある小6生の宿題で例を挙げてみます。

国語A

  • ①コトノハ ステップ3から家庭学習用問題まで全て
  • ②読解メソッドの復習
  • ③次回のデイリーチェック出題範囲の準備(Aテキスト)
  • ④次回のデイリーチェックの漢字の準備(「漢字の要」の該当ページ)
  • ⑤次回のデイリーチェックの知識単元の準備(「言葉ナビ」の該当ページ)
  • ⑥前回のデイリーチェックの復習
  • ⑦読解演習(時間が余れば)

国語B

  • ①授業内で扱った記述問題を中心とした復習(Bテキスト)
  • ②文章の展開を穴埋め形式で答える読解教室
  • ③授業内で扱ったもの以外に用意される「補充問題」である読解力チェック
  • ④「てんさく教室」で返ってきた課題の復習

土曜特訓

  • ①授業内で扱った入試問題を中心とした復習
  • ②ウィークリーステップ~知識の総完成 の復習(授業内に実施がなければ、演習も自宅で行ってから)
  • ③授業内で扱わなかった読解教材の復習(時間が余れば)

時間が余ればと書いていない教材は、全てやる前提で話が進んでいきます。

自分で入力していて、あまりの種類の多さに「ウッ」となりました…。

国語1科目でこの量で、残りは3科目。

小6になると、宿題の凄まじさが際立ちますね。

個別指導の授業

SAPIXと併用した場合だと、大きく3つに分けられます。

①SAPIXの授業についていけるように、学習内容を最適化する

 →教材の取捨選択がメインになります。

仮にSAPIXから宿題として課されていなくても、その後に大きく影響する内容であれば、きちんとそれをチョイスできるのが個別指導の強みだと思います。

②SAPIXの授業についていくのに必要な「基礎知識」が欠けているため、そこまで戻って振り返る

 →社会で「政治史」というまとめ回に入っているにも関わらず、特定の時代だけ抜けてしまっている、などのときです。

増田はこの場合、自作のプリントを使用してゼロから導入することもあります。

③SAPIXの授業以外の、違ったアプローチの演習

→早いタイミングから、志望校に向けての過去問演習、特定科目の記述問題の特訓、算数オリンピックに向けた指導、市販の教材の演習など、SAPIXの教材だけに捉われず、「学び」を進める場合。

正直なところ、個別指導の門を叩くケースというのはネガティブなことが原因であることが多いです。

特定の科目や単元が苦手・嫌いなどですね。

ですから、一番多いケースなのは①。次が②ですね。正直なところ、③はほとんどいません。

SAPIXに通塾しているが、個別指導がいらないとき

SAPIXの授業のみで、目標とする志望校の偏差値に、4科目で到達しているときなどでしょうか。

4科目で「穴のある科目」がないようであれば、「塾の内容についていく」ということを徹底すれば良さそうです。

また、6年生の9月から志望校の入試演習が始まったときに、きちんと点数が作れているようであれば、大きな問題を抱えることなく受験ができそうです。

「記述中心の学校」だと、得点にズレがあることもありますが、「客観問題中心の学校」だと、ズレは少ないことが多いでしょう。

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SAPIXと個別指導を併用するべきとき【プロ講師にお願いする場合】

これは先ほどの

SAPIXの授業についていけるように、学習内容を最適化する

SAPIXの授業についていくのに必要な「基礎知識」が欠けているため、そこまで戻って振り返る

が中心となると思います。つまり、「SAPIXの授業についていけないとき」になります。

その中でも、生徒さん本人の力と単元の定着度から、志望校に必要な出来までを見て、どの単元を重点的に扱い、どの単元を捨てるか、また足りない内容を、市販の教材まで広げて紹介できるのが、プロの個別指導の講師の強みになると思います。

こうして見てみると、最適な保険の商品を提案するFP(ファイナンシャルプランナー)のようですね。

生徒のコンディションと、志望校を踏まえた上で、そこまでの明確な道筋を引ける担当に出会えたのであれば、その先生についていくのが良さそうです。

SAPIXと個別指導を併用するべきとき【学生講師にお願いする場合】

自学自習がある程度進められて、その週の疑問を生徒自身やご家庭でピックアップできる場合。

それが解消できれば勉強が上手く回る、というときに学生講師にお願いするのがオススメです。

ごく少数、学生講師で導入が上手な先生もいますが、確率としては非常に低いと思いますので、ある程度割り切った形の利用でも良いと思います。

学習習慣がついていないため、ある程度の強制力を持って、「暗記モノ」などの自分で手を出すのが苦しい単元のサポートをお願いする場合。

覚えるべき課題が、自分が小学生や中学生の時に覚えた内容であることが多いので、講師側から生徒側に発問したり、覚えるときのコツなどを学んだりできることが多いでしょう。

SAPIXの小6生を一例として挙げ、宿題の膨大さについて紹介しましたが、どの単元を優先するかは以下をご覧ください。

関連記事:【国語】どのテキストをやればいいの?SAPIX 6年生編

SAPIXとの併用から個別指導のみにするとき

これは大きく2つですね。

①「授業の内容を受けても、残念ながら何も身についていない」と判断できるとき

集団授業を受ける際、ただ「授業を聞いているだけ」ではなかなか厳しいと思います。

目の前で説明されている内容を理解しようとしても、そこを理解するための基礎知識が入っていないため、受け取った説明をもとに、自分の頭で考えることができないという状態のとき。

この状態に陥ってしまうと、「勉強自体が嫌になった」「授業を受けたくない」とメンタル面で大きく傷ついた状態になってしまい、自己肯定感を一切持てず、本来の能力から言えば「できる」内容も、「できなくなっている」ということも発生します。

以前増田が聞いた話では、個別指導の体験授業の段階で、何の前触れもなく、突然生徒がボロボロと泣き出してしまうというケースもありました。

「出来る問題」を増やして、自己肯定感を整えることが必要になると思います。

また、メンタル面が大きくネックにならなかったとしても、「志望校合格のラインを把握していて、そこから逆算した道筋をしっかり作れる担当に習うこと」が大切だと増田は考えます。

現在選択した道を進んでも、良い結果が出るイメージを持てない担当に習っても、好転する兆しすら見えないことがありますしね。

②「集団授業をこのまま受け続けても、パッとしない結果になりそうなので、逆転の一手を打ちたい」とき

「このまま漫然と集団で授業を受けていても、受かるイメージが全く湧かない」ケース。

これは担当の「相性」が良くなさそうというだけでなく、

受けている授業から、「技量」を感じられない授業であるということも考えられます。

要は「このままここで授業を受けていて、大丈夫なのか」と思ってしまうケースですね。

集団で受けていた4科目を全て個別指導の授業にチェンジ、その生徒専用のカリキュラムや宿題のプランを組んで、志望校合格への最短ルートを向かわせることになります。

カリキュラム、授業の質においては一定以上が担保できると思います。

ただ、

  • 同じ目標を持ったライバルを作りにくい環境であること
  • 信頼の置ける個別指導の担当を4科目揃えることが難しいという環境面
  • 莫大な費用が掛かってしまう費用面

などが懸念事項です。

自学自習で勉強の成果がある程度作れるようであれば、お勧めです。

「二十歳くらいまでの人間は、元来の力よりも環境面に左右されやすい」とも言われます。

授業の質を最重要とするのであれば、この選択はお勧めになります。


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増田 雄介

この記事を書いたのは...

増田 雄介

圧倒的な指導力、学校別の専門性の高さ、そして面倒見の良さを持つ自律学習サカセルの国語・社会の看板講師。

その驚異的な指導力を武器に、大手集団塾の開成中コースの国語担当や有名個別指導塾のリピート率1位の凄腕講師として活躍。
成績が本当に伸びる実戦的な指導に目を付けた自律学習サカセルからのスカウトを受け、満を持して文系科目の講師として指導開始。

個別指導の業界では指導力No. 1の呼び声も高く、逆転、順当のどちらの合格にも強く、生徒のレベルに関係なく指導できる幅広さを持っている。

生徒だけでなく、自分の子供の成長を見守るのが楽しみな一児の父でもある。
趣味はぽっちゃりの自分でも着られるファッションの構築。

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