目次
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学校の特徴
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試験の情報
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科目ごとの特徴
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よくある併願パターン
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まとめ
1. 学校の特徴
駒場東邦中学校は、東京都世田谷区にある完全中高一貫校で、1957年に設立されました。校風は、自分の頭で考える力や感受性を磨き、生徒の成長と自律を促すことを重視しており、手取り足取りを続けることを良いこととは考えていません。また、理科や英語などの教育に力を入れており、理科実験や英語演劇などの授業も設定されています。卒業生は、東大や早慶などの難関大学に多数合格しており、ネットワークも広く活発です。
部活動は、運動部と文化部に分かれています。運動部では、サッカー、軟式野球、体操、アーチェリー、陸上、バスケットボール、硬式テニスなどがあります。文化部では、写真、吹奏楽、美術、演劇などがあります。全国大会や関東大会などに出場して優秀な成績を残している部もあるようです。
交通アクセス
京王井の頭線 駒場東大前駅徒歩10分
東急田園都市線 池尻大橋駅徒歩10分
東急バス 駒場バス停より徒歩5分
東急バス・小田急バス 大橋バス停より徒歩7分
2. 試験情報
・入試情報
入試日程 2/1 08:00集合
合否発表 2/2 09:00
・科目
国語 算数 (各60分 120点満点)
理科 社会 (各40分 80点満点)
2023年度は262/400で合格
2023年度 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 | 合計 |
配点 | 120 | 120 | 80 | 80 | 400 |
合格者平均 | 77.0 | 90.2 | 58.1 | 55.5 | 280.8 |
受験者平均 | 72.5 | 80.7 | 55.5 | 52.5 | 261.2 |
引用元:駒場東邦中入試統計資料
3. 科目の特徴
ここからは簡単に各科目の紹介をしていきます。
・算数
大問4題構成です。
数・図形(特に場合の数の出題比率が高め)で9割を占め、文章題の出題は1割以下という珍しい学校です。小問集合は大問1に出題されます。
典型題は少なめ、思考力・発想力中心の男子難関校という印象です。
合格者平均点から、「考え方」に関しての部分点を多めに用意しているのではないかという印象です。2022年度のみ非常に難しい問題が出ましたが、比較的難易度に関しては安定しているのではないでしょうか。
出題傾向については5〜10年スパンで変化があり、近年では数の出題が増えています。
平成20年代前半は図形、平成10年代は数学のような出題が多くありました。
「将来数学ができそうな子」に有利な出題であるという印象です。
また、過去問との類似性は高めです。
他校の問題も参考にして入試問題を作成していると感じる出題となっており、他の男子難関校の数・図形の問題を解いておくと対策につながるでしょう。
過去問解説はこちら
駒場東邦中の算数分析(2022年)
駒場東邦中の算数分析(2021年)
駒場東邦中の算数分析(2020年)
駒場東邦中の算数分析(2019年)
駒場東邦中の算数分析(2018年)
・国語
大問1題構成です。
超長文の小説文1題
15問の漢字
2〜3問の接続表現・語彙の問題
4〜6問の記述問題
5〜6問の選択肢
0〜1問の抜き出し
と、大きく傾向を変えずに出題を続ける学校です。
比較的とっつきやすいテーマであることが多いですが、2023年度についてはクルド人の主人公をとりまく話で、難しく感じた子もいたようです。
記述については「心情の読み取りに関わる設問」が中心です。
「〜はなぜですか」と「理由の形式」で聞いたり、「〜はどのようなものですか」と「言い換えの形式」で聞いたりします。
また、「心情変化の記述」が毎年最後の記述問題で出てきます。選択肢に関しても、記述と同様、「心情の読み取りに関する設問」が中心です。毎年最後の選択肢問題で「本文の表現について誤っているものはどれか」という出題があります。
2023年度は、「本文を読み終えた設定」の学校の生徒が、3つの資料を読み取った上で述べた意見のうち、誤っているものはどれか答える、新しい傾向の問題が出題されました。
社会の内容にも関係する問題ですが、次年度以降も出題があるかもしれません。
過去問解説はこちら
駒場東邦中の国語分析(2022年)
駒場東邦中の国語分析(2021年)
・社会
大問1題構成です。
総設問数20問前後で、歴史・地理・公民・時事問題が総合的に出題されます。
2023年度は、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、「争い」をテーマにして、様々な内容について問われました。
こういった1つのテーマから設問が作られるため、歴史の比重は必然的に大きくなり、特に近現代史が扱われやすくなる傾向にあります。
形式として、「表・グラフ・図・関連する文章などの資料を読み取って、正誤を判定する問題・設問の指示に従って記述する問題」が多いです。
記述問題は5〜6問出題されます。
また、「知識問題」も5〜6問出題されます。
難しすぎる出題はないので、確実に全問正解を狙いたいところです。
・理科
大問5題構成です。
大問1は小問集合。
知識、定番の計算問題、トレンド問題などが出題されます。解き慣れていないと時間を消費してしまう大問です。
ここで時間を使いすぎないことが重要です。
大問2~5で化学、生物、地学、物理が出題されます。
化学…理解の深さを確認する問題が多いです。
生物…動植物の読解問題で記述が多いです。生存戦略に関するものなど。動物の雑学があるとやや有利に進みます。
地学…一般的な出題です。
物理…グラフや表のデータ量が多いです。
全体を通して、計算問題は少ない傾向にあります。
「解き方」よりも「科学的思考力と原理の理解」を求めている印象です。
問題数が多いので取捨選択の判断が必要で、難問や処理に時間のかかる問題もたまに出ます。
合格ラインは7割程度です。
4. よくある併願パターン
ここからはよくある併願先の一覧と実際の併願パターンをご紹介していきます。
1月 | 2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 |
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1/10・11栄東A 1/20市川 1/21東邦大東邦 | 駒場東邦 | 聖光学院 栄光学園 渋渋 本郷 攻玉社 巣鴨 城北 世田谷学園 暁星 | 筑駒 海城 早稲田 浅野 成城 | 聖光学院 芝 城北 東京農大第一 | 渋渋 本郷 成城 |
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PM巣鴨(算数) PM世田谷学園(算数) PM東京農大第一 PM都市大附属 PM都市大等々力 | PM東京農大第一 PM広尾小石川 |
下段は午後入試
「駒場東邦中をどうとらえるか」によってプランは色々変わってくると思います。
2/2の午前9:00に合格発表が行われるため、2/3以降で「勝負」するのか、「抑え」に行くのかが大きく変わります。
・駒場東邦を第一志望にする場合
1月 | 2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 |
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1/10・11栄東A 1/20市川 1/21東邦大東邦 | 駒場東邦 | 本郷 攻玉社 世田谷学園 | 浅野 成城 | 芝 城北 | 世田谷学園 成城 |
PM世田谷学園(算数) PM東京農大第一 | PM東京農業大一 |
※ 下段は午後入試
駒場東邦がある東京都世田谷区池尻のあたりを中心としたプランです。
2/2に合格がわかると、2/3以降の受験をせずに終了する子も多いため、2/3以降は強気のプランにしていません。
・駒場東邦を第二志望以下に置く場合
1月 | 2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 |
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1/10・11栄東A 1/20市川 1/23渋幕 | 駒場東邦 | 聖光学院 | 筑駒 海城 早稲田 | 聖光学院 | 渋渋 |
PM巣鴨(算数) PM世田谷学園(算数) |
※ 下段は午後入試
筑駒・聖光学院のどちらかを第一志望に置くパターンです。
神奈川県の難関校志望の子は、アクセスしやすい駒場東邦を1日の「抑え」として受験することがあります。
・学力的に余裕のない生徒の想定される併願先一覧
1月 | 2/1 | 2/2 | 2/3 | 2/4 | 2/5 |
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1/9・10佐久長聖 1/10・11栄東A | 駒場東邦 | 本郷 攻玉社 世田谷学園 城北 暁星 高輪 獨協 | 浅野 成城 | 芝 城北 高輪 | 本郷 成城 獨協 |
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PM都市大附属 PM都市大等々力 PM獨協 | PM高輪(算数) PM東京農大第一 | PM暁星 |
下段は午後入試
※2023年度の入試日程から組んでいます。
1月は慎重に進めるなら佐久長聖からスタートして、その後栄東を受験するかどうかの検討。
完全なる「場慣れ」のみが狙いなら、佐久長聖のみで2月をむかえても良いと思います。
勝負どころは2/1の午後。
どこかで合格が取れれば、志望順位に応じて、2/2の学校を設定するのが良いでしょう。
2/1午後 都市大付属2類○→2/2本郷・攻玉社・世田谷学園・城北
都市大付属1類○→ 攻玉社・世田谷学園・城北
都市大等々力○→ 世田谷学園・城北・暁星
獨協○ → 暁星・高輪
×であれば → 暁星・高輪・獨協
2/2の午後までに合格が取れているようであれば、2/3浅野、2/4芝などをチャレンジ校と設定しても良いでしょう。
5. まとめ
記述式の問題に関しては、過去問を解いた際に誰かしらの添削を受けて、改善点を見つけることが大切です。
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