サカセルコラム

学習院女子中の算数分析(2021年) Column

過去問分析

学習院女子中の算数分析(2021年)

2023.01.17

受験者平均点 59.8点
想定合格点 70点 

東京の女子校の中では7番目に創立された伝統ある由緒正しき名門校ですね。

桜のマークが印象的でお上品なセーラー服が可愛いとても素敵な学校です。

創立当初から「時代に合わせた品性と知性を身に着けること」「正直さと思いやりを持って接すること」という変わらない教育理念を掲げています。

1877年に華族学校として開設されたので少し前までは「皇室の方々が通う学校」として格式高く近寄りがたいイメージがあったかと思いますが、多様化する現在ではそのイメージは変わりつつあるようです。(ちょっとだけ身近に感じられる様になった気がします…)

幼稚園から大学までの一貫教育で約70%が名門学習院大学へと内部進学するので大学受験がないことは大きなメリットになりますね。実際辛い中学受験を経験されて付属校の進学を希望する親御様は多くいらっしゃいます。

学習院は中高大と長いスパンで学生生活を送れるので部活動やお稽古事などお勉強以外のことにも打ちこめる環境はお子様にとって非常に充実した10年間になるでしょう。

ご学友や保護者の方も同じ考えの方が多いので「大学受験」にとらわれず広い視野を持った6年間を過ごせることは付属校の魅力の1つですね。

共学人気が強い傾向にありますがやはり根強いファンは多いのでしっかり研究をしてのぞみましょう!

ではどのような対策が必要か問題を見ていきましょう。

問題の難易度を以下のようにレベル分けしています。

今回使用する指標

A必ず正解してほしいレベル
B 正答率にバラつきがあるかもしれないが正解してほしいレベル
C 努力次第で得点できるので差がつくレベル
D 難易度が高いいわゆる捨て問レベル

解答例はこちら

1 計算問題

1 A

⇒普通の四則演算です。()のあとは分数でいっぺんに計算しましょう。特に工夫も必要ないので余った時間で見直しをして確実に正解しましょう。

①部分分数分解 A

⇒5年で習う知識問題ですね。覚えておくべき問題です。

② B

⇒①の知識を使ってまず解答例のように全て引き算に置き換えて式を書きましょう。

+-は数字の前についていることに注目して同じ分母のもの同士を計算してから通分しましょう。

2 比と割合 

1 A

⇒基本的な連比の問題ですね。絶対に落としてはダメです。

2 A

⇒⑴を元に比を使った消去算で解きましょう。

3 場合の数 C

⇒ひたすら倍数を書いていく単純な作業の問題ですが数が多いので正答率は良くないでしょう。ABCが同じ数になる場合などの書き漏れに注意しましょう。

4 速さ

1 A

⇒兄は1600mを6分で進みます。確実に正解できるように単位に気をつけて求めましょう。

2 A

⇒グラフから兄は往復6分、弟は8分かかるので時間の比の逆比で速さの比が4:3だとわかります。速さの比=距離の比を使って確実に求めましょう。

3 A

⇒出会うまでに二人が進んだ距離の和が1600mだとわかれば単純な出会い算ですね。数字に惑わされずに正しい考え方を書きましょう。

4 C

⇒出会った時間や二人の間の距離など正確な数字は求められていないので特に計算は必要ないでしょう。3分に元のグラフの1回目の二人の距離と同じになる→間の距離が0mになる→4分に2回目のグラフの二人の距離と同じになる→6分に兄が止まるので弟に重なる。というように描いていきましょう。

5 平面図形

1 A

⇒5年生で習う作図の問題ですね。散々練習してきたと思うのでフリーハンドであっても丁寧に正確に描きましょう。誤った図を描くと⑵を間違えてしまうので確実に正解しましょう。

2 A

⇒扇形の弧の長さを求める普通の問題です。確実に正解しましょう。もちろん3.14はまとめますが、4と8を先に足して×1/3をしてから計算した方がミスを減らせるでしょう。

6 立体図形

1 A

⇒今まで何度も練習してきた辺ABを軸として回転させて立体を作る問題ですね。辺ABの右側に対称な図を描いて、できた3つの円柱の体積を3.14をまとめて求めましょう。

2 C

⇒こちらも「辺BCを回転してできる面が床につくように」という説明が混乱しやすいかもしれませんが、要は⑴でできた立体をそのまま床に置くということですね。

図1にせっかくメモリがあるので使って解答例のように図2の正面から見た図を描いてみましょう。

図より切り口の面積が等しくなるのは半径が8cmと2cmであることがわかります。

三角形の相似を使って底面からの長さを出しましょう。

以上が2021年のA日程の問題の傾向と分析です。

女子名門校としては易しかったですね。単元ごとの基礎的な部分がしっかり定着できていれば正解できるレベルのもがほとんどです。量も多くはないので処理スピードもあまり意識する必要もなく1問1問落ち着いて丁寧に解いていければ高得点が狙えるでしょう。

捨て問がなく取捨選択に時間をとられることもないので取れる問題から確実にとっていきましょう。

2021年も大問4~6に作図問題が出されていましたが、例年割と複雑なグラフや図形の作図問題が多く出題される傾向にあります。

学習院女子は基本的に記述力を問われる学校なので日頃から式や図を描いて解き進められるようにしましょう。また、年度によっては定規やコンパスを使っての作図を求められることもあるので不慣れな場合は練習しておきましょう。

全体的に作業量は多くとも難易度は易しめな問題が多いので全単元の基礎力の定着に重点を置いて学習していければ合格点に届きます。

いかがでしたでしょうか。

女子名門校ですが比較的対策が取りやすい学校ですので基礎から一緒にガンバリましょう!


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村井 絵理

この記事を書いたのは...

村井 絵理

大手集団塾で17年 個別&家庭教師で10年以上の指導経験があります。

集団での指導だけでは成績を伸ばすことに限界を感じ、個別でのマネジメントに尽力しています。
とにかく基礎を大切に根気よく土台を作って算数を楽しむ授業を心がけており、くすぶっている力を開花させることに定評があります。
一緒に算数の魅力にハマりましょう!

趣味はゲームとアニメ、息子と生徒の成長を見守ることです。卒業しても状況報告して頂けることがとても嬉しく、いつまでも楽しみにしています。

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