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母校紹介:麻布学園から留学できる? Column

学校紹介

母校紹介:麻布学園から留学できる?

2020.11.26

こんにちは!サカセルで講師をしている大学4年生です。

近頃、大学にもグローバルや国際と名の付く学部が増え、中学校、高校も国際性を売りにしている学校が少なくなくなりました。実際に海外の学生と交流したり海外に住んだりすることで、語学能力を伸ばすだけでなく、自分の考え方や生き方を相対化しやすいという利点があるでしょう。

そこで今回は、自分の母校麻布学園を、国際交流や留学という観点からご紹介しようと思います。まず学校内の制度や仕組みについて、そして実際に留学をした自分の体験や生徒の実情について話していきます。

国際交流について

まずは麻布学園における国際交流の仕組みについてご紹介します。大まかに分けると以下の2つの枠組みで国際交流を行うことができます。

①学校が企画する国際交流

以前の記事でも紹介されていたようにカナダやガーナの学生との国際交流が企画されています。また、その他にも中国や韓国からの生徒の受け入れも行っています。その他、学生が自らプランを作る学年旅行の際には、海外へ行く計画を立て、国際交流を行うこともできます。このほかにも、麻布の学生が海外の提携校を訪れる機会もあります。

例えば、自分がカナダからの生徒のホストファミリーになった後、その6か月ほどのちにカナダを一週間ほど訪問しました。際には彼らの寮に滞在して授業を体験したほか、ヴィクトリアやバンクーバーの観光も行いました。詳しい体験に関してはこの後ご紹介します。

②自らイベントに参加するもの

学校が国際交流として企画していなくても自分で参加したり、学校内の募集を通じて参加できたりする国際交流の機会が存在します。例えば、APYLS(アジア太平洋青少年リーダーズサミット)や国際化学オリンピックに参加していた学生がいました。

もちろんこれらは海外の生徒と交流するというところ以外に本質があり、誰でもができるという訳ではありませんが、参加する生徒に対しては教員からのサポートもあるようでした。

留学について

さて、話を国際交流から留学に移しましょう。特に半年以上の長期にわたるものについて説明します。

まず、麻布学園が学校として生徒に提供している留学制度は存在しません。そのため、留学を志すなら、留学を斡旋している会社などを通じて行うか、自らで留学先やホームステイ先を探すしかありません。そのため、長期休み以外に休学をする形で留学をする生徒は多くありませんでした。

また、学校の授業として、留学や海外での勉強を念頭に置いたものは(少なくとも僕が通っていた当時は)ありませんでした。もちろん、海外の現地の学校に入ったらすべての授業を英語で取らなければなりません。そのため、それまで学校の授業で勉強してきた英語だけではあまりなじみがないであろう、数学のために使う単語などは自ら勉強する必要があります。

ただ、もし留学をするなら1年間まで単位の互換性があります。そのため、2年以上の留学をせず、1年で日本に戻ってくるならば、学年を落とさずに卒業することができます。大学受験との兼ね合いもあり、様々な選択をする生徒がいましたが、それは次回ご紹介しましょう。そして、留学中は休学という扱いになるため、学費の支払いは留学に関するもののみになります。特に学校から留学に対する奨学金制度などもないため、費用は麻布からの留学の障害になるかもしれません。

ホストファミリーとして、そして短期訪問留学生としての国際交流

ここでは自分自身と同級生の国際交流や留学の体験談をまとめてみたいと思います。

カナダの提携校との国際交流

私は前回紹介したうちカナダの提携校との国際交流に参加していました。麻布で企画されている国際交流の門戸は大きく開かれています。例えば、自分は当時英語がお世辞にも得意だと言えないレベルでした。そんな私が友達と話しているときにカナダの生徒との交流がたまたま話題に出たので参加を希望したところ、問題なく参加することができました。

まず初め行ったのはカナダから訪問する生徒のホストファミリーです。カナダから到着した生徒を横浜まで迎えに行き、そこから4日間ほど一緒に学校に通ったり、放課後に観光したりしました。その間、英語で言いたいこともろくに言えず、電子辞書を片手に悔しい思いをしたのを覚えています。

そして、その半年後にはカナダへの訪問を行いました。こちらは10人程度と人数の制限があり、ある程度の選考があったと思います。現地に到着して直接提携校を訪れるわけではなく、その前に少し観光を行いました。教員の先導があったわけではなく、数人のグループになって自由に歩き回ってよかったため各々自分の好きなものを見に行きました。

訪問先の学校では彼らの寮で宿泊しました。実際に参加したのは彼らの英語、フランス語、化学、体育の授業などです。ただ、これは良くも悪くも短い期間の交流だったのですぐに終わってしまいました。

また、同級生は違う国際交流に参加していました。

ガーナよさこいの体験談

ガーナにある麻布の交流校から数十人の生徒が夏の間来日し、麻布生と毎日よさこいの練習をして原宿のよさこい大会に出場するというものです。外国人(当然全く日本語を話せない)と1か月近くほぼ毎日接することになったので、新しい気づきや当たり前だと思っていたことの覆しが多く発生しました。

都内観光ツアーを開催したり、水問題についてディスカッションしたのも良い思い出です。

「ガーナでは日本車に乗ることがステータス。」

「Aさん(ガーナの生徒)は王族の直系子孫!」

「Bさん(ガーナの生徒)は〇〇海岸の△割を所有している富豪!」など面白い話も記憶に残っています。

台湾でのホームステイ

高校2年生の時の学年行事選択コースで台湾に行きました。

台湾にある提携校は地元の教育大学の付属校で、日中交流するだけでなく、希望するとホームステイをすることもできました。

私はホームステイを希望しました。台湾の郊外に母、妹と3人で暮らす男の子の家に泊まりました。(父は駐在中で家にいませんでした。)

台湾料理をふるまっていただいたり、夜市に案内してもらったりと充実した時間でした。それから5年、日本に留学で訪れた彼と再会し、私の友人二人と合計4人で高円寺に飲みに行きました。

彼は日本で外資系投資銀行に就職する予定だと話していました。

どうして、どうやって麻布から留学?

ここからは実際に長期に留学した時のことについて話していこうと思います。

留学を志したきっかけも国際交流への参加と似て偶然に近いものでした。麻布の教員の中に留学経験がある方がいて、その人と私の友人がある留学斡旋会社について話しているのを盗み聞きしたのが始まりです。以前の悔しい思いもあり、英語をちゃんと話せるようになりたいと思っていたこと、そして、もう一度カナダに行きたいことが理由で留学しようと決めました。

しかし、前回紹介したように麻布には長期の留学を行う制度はないため、結局その会社を利用して留学をしました。

麻布の教員が自分の留学や留学先に関して関与したことはほとんどなく、休学の申請など手続き上のことで担任教師と話したくらいです。ただ、教員は生徒が勉強したいと思っていることに関してはいつも手を貸してくれるため、授業の直後や放課後に英語教師のもとを訪れて英語の指導は受けられました。

留学経験者の大学受験計画

麻布から留学する生徒の多くにとって問題になるのは留学と大学受験との兼ね合いです。中学生のうちから留学ができるほど英語が堪能な生徒は少なく、留学をするのは基本的に高校生に限られます。しかし、高校2年生から留学すると帰ってくるのは高校3年生の7月で半年後に受験が迫っています。そして、高校3年生で留学して日本の大学へ進学しようとすると、必然的に学年を落とすことになります。このように学年を落とさない形での留学と大学受験のための勉強の両立がとても難しいのです。ただ高校1年から留学すれば、帰ってきてから大学受験するまで1年半の時間があるため、その両立が現実的になります。

私自身は高校3年生の夏に日本に帰ってきたため、国立大学の受験対策のために多くの教科を勉強するのは得策ではないと判断し、私立大学の受験に絞って勉強を行いました。自分の興味と合致していた学部の受験には3教科のみが必要だったため、対応することができました。

同じく麻布から留学した友人の中にはもちろん、学年を落としたり、浪人したりして、大学受験のための時間を確保した人もいましたが、その他には指定校推薦を使用した生徒もいました。簡単ではありませんが、麻布でも成績が一定水準に達していればその制度を使えます。

おわりに

今回は実際に麻布学園の留学制度や体験談をご紹介しました。麻布中学校に入学してすぐに留学はハードルが高いかもしれませんが、国際交流なら気軽に行うことができます。高校生になって初めは留学に興味が無くても、後から留学もできます。ただ大学受験との兼ね合いで人それぞれ時期や方法を柔軟に対応させる必要があるでしょう。

よく「自由」であるとよく言われる麻布学園、やれグローバルだ、やれ国際だと宣伝はしていませんが国際交流や留学もやりたければ「自由」にできます。


麻布に関する紹介記事が他にもございます。ぜひご覧ください。

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自律学習サポーター

自律学習サポートコースで、学習管理や科目の質問、採点などを担当する講師陣。
頼れるお兄さん、お姉さんたちが今日もみんなをサポートします。

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