合格者平均点 84.0点
受験者平均点 73.6点
想定合格点 75点
首都圏のみならず日本を代表する中高一貫男子校として知られる駒場東邦高校。
東大合格者数ランキングトップ10の常連である進学実績のみならず、充実した施設や活気に満ち溢れる学校行事も魅力で、多くの中学受験生が「駒東合格が夢!」と目標として掲げています。
自律学習サカセルの池尻246教室からは歩いて10分。
数多くの卒業生が進学し、学校生活を謳歌しています。
ただ中学受験においては最難関校の一角、近くて遠い学校です。
各科目においても「少しくらい幼い部分があっても、科学的思考が出来る生徒に入学してほしい!」という意図が見え隠れする出題がなされ、基礎学力に加えて入念な駒場東邦中対策は必須です。
さてここからは2025年の駒場東邦中の算数の問題を通して、どのような戦略で取り組めば合格を勝ち取ることが出来たのかを考えていきます。
な戦略で取り組めば合格を勝ち取ることが出来たのかを考えていきましょう。
〇:合格のためには必ず正解したい
△:出来る生徒と出来ない生徒の差がつく
×:完答できる生徒は少数、後回しにしてしまって問題ない
として1問ずつ見ていきます。
解答例はこちら
大問1
(1) 〇
小数・分数の逆算です。
小数か分数のいずれで計算したほうが早いのか、適切に判断しましょう。
答えが出た後には□に代入して確認することも忘れずに。
年号の20.25はこの問題では特に工夫すべきポイントはありません。
(2) 〇
駒場東邦中の算数の最頻出テーマの「平面図形と比・相似」です。
この問題は複数の相似に注目して辺BDを2通りの比で表すだけなので易しいです。
(3) ア 〇 イ 〇
アは3枚のカード並べの基本問題です。
駒場東邦中合格を目指す受験生にとっては拍子抜けする易しさでしょう。
イも少々手間は増えますが、何度も経験してきた典型題です。
駒場東邦中受験生の多くが、ここまでは満点で進められたのではないでしょうか。
(4) △
「数」と「図形」に振り切った出題で知られる駒場東邦中の算数ですが「時計算の応用」は例外的に散見されるテーマです。
まずは図2に注目し時計Aと時計Bの針の進む速さの比を求めましょう。
次に普通の時計算で1時を過ぎて初めて短針と長針が重なる時刻を求め、針の進む速さの比と併せて考えましょう。
「どっちの何を求めているんだっけ…」と迷いを生じやすく、大問1の中では唯一、骨のある問題でした。
大問2
(1) 〇
駒場東邦中の最頻出テーマの1つでもある「図形の移動」です。
「作図問題だ…!」と身構える受験生も多いかもしれませんが、今回は中心角が60°なので正六角形を基準にして考えるだけでした。
長さの計算も易しいです。
(2) 〇
(あ)と(い)のそれぞれの面積は求まりませんが、問われているものは「和」なので、等積変形をイメージ出来た受験生も多かったことでしょう。
大問単位で非常に易しく、合格者の大部分が完答できたと考えられます。
大問3
(1) 〇
駒場東邦中の最頻出テーマの「数の性質」に関する出題です。
今年度のテーマは立方数。
(1)はとりあえず表を埋めるだけの問題です。
当然(2)(3)を解くための誘導になっているので、手際良く正確に処理しましょう。
(2) △
多くの受験生が苦手とする「説明しなさい」の問題です。
今回は「(1)の結果を用いて」と指示があったことから「余りを利用するんだろうな…」と勘づいた受験生も多かったことでしょう。
中学入学以降の厳密な証明の問題ではないので「どう組み合わせても余り4にはならない」という内容を伝えられれば充分でしょう。
(3) ×
(2)の発想を利用し、余りで分類すると探しやすいでしょう。
ただ場合分けの後になかなか該当するもの見つけられないので、後回しにしても問題ありません。
「2025は1×1×1+2×2×2+3×3×3+…+9×9×9という立法数の和になっている」という知識を持っていた受験生も多かったと思いますが、この問題では特には使えませんでしたね。
大問4
(1)① 〇 ② 〇
駒場東邦中の算数の出題においては立体図形も最重要テーマの1つです。
今年度は見取り図と投影図の関係性を問う出題になりましたが、(1)は易しいでしょう。
切り口が等脚台形になる立方体の切断は、何度も経験してきましたね。
②の計算も負担は小さいので短時間で正解できた受験生が大半でしょう。
(2)① △ ② △ ③ △
まずは真上・正面・真横から見た図を投影図にそのまま記入し、そこから条件に合うように削り落としてみると良いでしょう。
複雑な図にはなりますが、計算量は少なく見た目より難度も抑えめです。
高度な立体感覚が問われる出題ですが、特殊な解法知識は一切必要ではありません。
まさに駒場東邦が求める生徒像を色濃く反映している問題と言えるのではないでしょうか。
総評
「数」と「図形」に振り切った出題で知られる駒場東邦中の算数ですが、2025年も「これぞ駒東の算数!」と言えるほど、例年の傾向が色濃く反映されました。
大問1(4)の時計算以外は全て数と図形からの出題で、出題者からの強いメッセージ性を見て取ることが出来ます。
難度に目を移しましょう。
ここ数年は難度の上下動が大きく受験生泣かせの出題が続いていましたが、2025年の受験者平均点は約6割の73.6点で、合格者平均点は約7割の84.0点と、標準的な難度になりました。
実質競争率は2.01倍なので、平均点を僅かに上回る75点くらいあれば、標準的な駒場東邦中受験生なら充分に合格ラインに乗せられたと言えるでしょう。
このような出題となった2025年の駒場東邦中の算数で合格ラインに乗せるためには『〇の箇所を1問ミス以内に抑えて60点強を確保し、△から2問ほど正解する』が目安と言えるでしょう。
特に得点差のつきやすい出題だった大問4を完答出来れば、かなり高い確率で合格を手繰り寄せることが出来たのではないでしょうか。
2026年以降に駒場東邦中合格を目指す受験生にとっても「これが駒東の算数だ!」と非常に参考になる年度と言えます。
過去問演習を通して駒場東邦が求める「数学につながる算数的思考力」の養成に努めましょう!
でも具体的にはどうしたら…と不安があるならば、お気軽に自律学習サカセルにご相談ください。
数多くの受験生を駒場東邦中合格に導いてきた講師陣が、具体的な対策を一緒に考えゴールまで伴走します。
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