2科合格最低点 114点
算数想定合格点 65点
4科合格最低点 182点
香蘭女学校は1888年に創立された歴史ある学校ですね。
キリスト教信仰に基づき平和を重んじ、深い思いやりを持って他者と共に生きることを教育理念として「有為な女性」を育むことに力を入れているミッションスクールです。
校内の素敵な講堂で毎朝授業前に必ず礼拝も行われており、15分というわずかな時間でも神聖な場所で心静かに周りの人の温もりや息遣いを感じる機会は大人になった今では素晴らしい時間だと感じます。多感なこの時期に通算1000回を超えるお祈りの時間は貴重な体験になるでしょう。
教育、環境の良さ、通学の便利さももとより、立教大学への推薦枠の多さも香蘭女学校の魅力の1つですね。高大連携プログラムにより、97名が立教大学に進学できます。6年間学校の勉強を頑張って上位約6割の成績を取れれば推薦がもらえるのでコツコツ系の女子にはかなり魅力的なシステムなようです。そのため志望者数が増え、かなり偏差値があがってきているのでしっかり対策をして臨みたいですね。
それでは傾向を見ていきましょう。
問題の難易度を以下のようにレベル分けしています。
A 必ず正解してほしいレベル
B 正答率にバラつきがあるかもしれないが正解してほしいレベル
C 努力次第で得点できるので差がつくレベル
D 難易度が高いいわゆる捨て問レベル
解答例はこちら
大問1
① A
単純な四則演算です。確実に正解しましょう。
② A
普通の分数の計算ですね。60に通分して一気に計算してしまいましょう。約分を忘れないように注意!
③ A
小数は分数に直してから計算しましょう。また、香蘭女学校では帯分数にするよう指示があるので絶対に忘れないように過去問演習の時から注意しましょう。
④ A
()や{}が出てくる穴埋めは計算の順序に注意し、一つ一つ丁寧に解きましょう。模試などで複雑な穴埋めは正答率が悪い場合がありますが計算問題は基本的には全問正解してほしい所です。見直しの時間も取りましょう。
⑤ A→倍数算
和一定の基本的な倍数算ですね。式を書いて消去算で求めましょう。その際何を聞かれているのか注意して答えを書きましょう。
⑥ A→数の性質
まずは分数に直し分母が13になるように通分し、当てはまる範囲を求めましょう。
分子が4~9になりますが個数を5個にしないように気を付けましょう。
⑦ A→濃度
重さの具体的な数字が出ていませんがてんびんや面積図などを描いて濃度の比から重さの比を求めましょう。
⑧ C→場合の数
ひたすら和が20になるものを書き出していく4ケタの和分解ですね。単純な作業とはいえ抜けや重複がないように順序立てて全て書き出すのはなかなか難しいでしょう。場合の数などの書き出す問題は演習の段階で大きい順か小さい順か自分の中でルールを決めておきましょう。
⑨ B→角度
この問題はまず多角形の内角の和の公式を覚えていないとどうにもなりません。浮かばなかった場合は他にも必要な知識がしっかり覚えられているか再度確認しておきましょう。
図の左上の台形が等脚台形であることに注目すると正九角形の1つの角が140度なので“あ”の上の角が40度であることがわかります。“あ”の下の直線で五角形になるので五角形の内角の和から140度を3つ引くと解答例の・と“あ”+40度が120度であることがわかりますね。それぞれも等しい角度なので60度から40度を引いて求めましょう。
特に補助線を引く必要もないのでわかる角度を書き込めば導き出せるシンプルな問題なので正解できるよう頑張りましょう。
⑩ A→速さ
基本的な旅人算です。が、妹が分速20mはだいぶ遅いですね…(幼児?)そして兄はそんな妹を横目に追い越して公園につくと直ちに引き返し、よちよち歩いてくる妹と出会うという物語。なかなかシュールな設定であることはさておき、二人の進んだ距離の合計から時間を出すことに気づければ簡単ですね。ただ、兄が妹より4分遅れて出ているので80m分を引くことを忘れないように注意しましょう。
⑪ B→平面図形
シンプルに面積を出して考える問題ですね。
全体の面積の二等分を出し、解答例のように右上に補助線を引いて長方形(2㎠)
を付け足してあげると大きな台形として下底を出すことができます。
比や相似をたくさん練習してきていると逆に難しく考えてしまい、面積でごり押しの発想が思いつかないお子さんは少なくないかもしれません。
⑫ A→日歴算
どこの教材にも載っている定番の問題ですね。(四科のまとめならP.77にあります!)
解答例のように1週目の木曜日を①とおいて2週目以降を式で表して求めましょう。問題によっては5週目まであるものもあるので注意しましょう。
⑬ A→速さと比
速さが変わる10分後から考えます。
分速60mで歩いた時と100mで走った時との時間の差が8分なので速さと時間の逆比を使って解いていきましょう。
⑭ B→立体図形
一般的な回転体の求積ですね。直線に対して線対称な図形を描き回転体としてのイメージを掴みましょう。表面積を求める時、私は常々『上下』、『前後』『左右』(または『側面積』)の方向から見た式をそれぞれ書くよう指示します。(面倒くさがってなかなか書いてくれないけど…)
ただ式だけを羅列すると計算の途中でどこを求めているのかわからなくなったり、3.14をまとめられなかったり、見直しづらかったりとケアレスミスのリスクが増えます。表面積の問題は処理力と計算力の正確さを問われているだけで難易度は高くないので確実に正解できるようにすると差が付きます。
大問2→平面図形
① A
図形の平行移動の基本ですね。解答例のように図形式を書いて求めましょう。
② A
円周とおうぎ形の弧の長さを求めるだけのとても易しい問題です。絶対に落とさないようにしましょう。
大問3→水量
① A
特に比を使わず実際の体積を出していく普通の水量の問題です。
水の体積は「たて×よこ×高さ」だけではなく「一定量×時間」でも求められることを認識できていれば難なく解き進められますね。
Aの蛇口までの体積から時間を求めましょう。分数も使って計算するとミスが減りますね。ここで求めた時間は②でも使うので確実に正解しましょう。
② B
Aの満水から3.6分間Bに入ります。「一定量×時間」で水の体積を求めて高さを出しましょう。
③ C
短いですが問題文の意味を理解するまでに少し時間がかかるかもしれません。
ここでは常に(ア)で水を入れながら(イ)で水を出していることに注目しましょう。
Bが満水になる9分間にもAには水が入り続けていることに気づければもう正解したようなものですね。また分数を使って慎重に計算をして求めましょう。
大問4→平面図形
① A
底辺を12cm、高さの合計を12cmとして面積を出しましょう。
② B
同じように底辺を7cm、高さを12cmとして面積を出しましょう。
①がわかれば難なく正解できるでしょう。
③ C
一見すると難しく感じられますが①と②でいい感じに誘導されていてなかなか面白い問題になっていますね。
解答例のようにPBに補助線を引き、〇×△□の記号を付けて考えていきましょう。
①の考え方から×+□が48㎠であり、②の考え方から〇+△が42㎠であることがわかります。問題文からAEPHが18㎠なので全体から48㎠と42㎠と18㎠を引いて求めましょう。
以上が2022年1回目の問題の傾向と分析になります。
大問1の小問集合のボリュームが多く、問題の取捨選択と処理スピードは少し意識して取り組めると良いでしょう。
例年はもう少し複雑な問題が含まれていますが2022年度は入試問題によくあるひねった問題は少なくテキストに載っているようなスタンダードな出題が多い印象でした。
ここ数年で劇的に偏差値が上がってきている学校ですが全体的な難易度は決して高くありません。どの単元も正しく理解し、基礎的な部分をしっかり定着させられていれば高得点を狙えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
年々倍率が上がっている今注目の学校ですが比較的対策はとりやすいので基礎から一緒にガンバリましょう!
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