サカセルコラム

速読技術を文章作成に活かす Column

国語の学習法

速読技術を文章作成に活かす

2020.12.20

こんにちは、慶應義塾大学4年のH・Yです。

前回は「速読」をテーマに自分も実際に使っている以下のテクニックを紹介しました。

1. 目次をまず読む

2. キーワードに丸を付ける

3. 筆者の主張を示す部分だけに注目する。

4. パラグラフの最初と最後に注目する。

前回はこちら(過去記事)大学でも役に立った速読とは?

前回の記事の最後でも述べたように、これらの技術は裏返せば相手に早く理解させる文章作りに応用できると思います。そこで、今回は具体的な応用方法について考えてゆきたいと思います。

相手に速読させる必要性とは?

自分が速読する状況を考えたように、まずは読み手に速読をしてもらいたい状況を考えてみましょう。相手が時間をとれるのに文章を早く読ませる必要はありません。逆に言えば、相手がその文章を読むのに時間を取れないような状況とはどのようなものでしょうか?

まず考えられるのは試験の解答です。採点者は同じ試験を受けている人の解答用紙を時には何百枚と採点しなければいけません。つまり、問題に解答するときは、相手が文章を早く読んで理解できるものを書かなければいけないのです。

また、プレゼンテーションのスライドもこれにあたると思います。プレゼンテーションには通常制限時間が設定されていて、スライドに表示されている視覚情報を視聴者は次のスライドに移る前に読まなければいけません。また、自分もオンライン授業の際によく体験することですが、スライド上の文章がノートに写しきれないくらい長いと、そもそも読むこと自体が面倒になるものです。

速読の応用

ではここから前回紹介した速読の技術から文章作成への応用を考えてゆきましょう。

言いたいことをキーワード化し、簡潔に並べる。

まずは、自分の議論したいことや書きたいことを単語で表現する方法です。相手は自分の文章の中でキーワードを探しているため、こちらはそれを用意しなければなりません。実際、論文などでは、その論文が扱っている内容をキーワード化し、論文の頭にそのリストを記載しているものを多く見つけることができます。

試験問題に解答する際も、いきなり文章を書きだすのではなく、書きたい内容を一旦抽象化し、リストにするのです。このリストは文章の中では小見出しになりますし、その言葉を外さずに文章を書くことで、採点者に自分が意図することを伝えやすくなるでしょう。また、プレゼンテーションのスライドでは、もはや言わずもがなです。スティーブジョブズのプレゼンテーションには1文字、キーワードだけが表示されているスライドもあるほどです。

自分の主張を最初と最後に明示する

これはありとあらゆる文章の書き方ハウツー本に書かれていることかもしれません。しかし、速読の技術も含めて考えると、最初と最後に自分の書きたいことを明記する重要性が改めてわかると思います。試験の解答では文字数の関係で最初も最後も関係なく、この主張のみで終わってしまうかもしれません。しかし、プレゼンテーションの場合はスライドごとに言いたいことをはっきりさせるとともに、プレゼンの初めと終わりにそのプレゼンを通じて伝えたかったことを確認することで、聞いた人はすぐにその内容を理解できるようになるはずです。

この時、さらに気を付けなくてはならないのは、最初と最後の主張がずれないようにするということです。自分も文章を書いていくうちに内容が横滑りしていって、最初の主張と最後の主張が違うテーマになっていることが往々にしてあります。しかし、これは読むほうからすると、結局何が言いたかったのかすぐに分からない文章になってします。自戒も込めて言いますが、文章を書き終わったらもう一度初めと終わりを確認するようにしましょう。

速読ハウツー本の新しい使い方?

結局、速読のコツが読む文章を減らすことであったことと対応して、早く理解してもらうコツは読んでもらう文章を減らすことなのかもしれません。ただ、前回紹介した速読の方法にしろ、今回紹介した速読の応用にしろ、たくさん存在する中のごく一部にしかすぎません。速読のあらゆる技術は文章作成に生かせると思います。この点を踏まえると、本屋にたくさん置いてある「速読の方法」といった本の新しい読み方ができるのではないでしょうか?

今回は速読してもらう文章として、試験の解答とプレゼンのスライドを例として挙げましたが、このインターネット上のコラムや記事はもはや読者に速読してもらい、次々に消費されるための媒体なのかもしれません。そうだとしたら、こんなに長々と文を書いている私は、自分で書いていることを自分で実践できていないということになりますね。とほほ。

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H.Y

この記事を書いたのは...

H.Y

慶應義塾大学4年
ハンドボール、スカッシュ、尺八と
マイナーなものをせめがち。

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