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浦和明の星女子中学の算数分析 (2018年 第1回) Column

過去問分析

浦和明の星女子中学の算数分析 (2018年 第1回)

2018.03.20

埼玉県の私立女子トップ校の浦和明の星女子中学校。

高い進学実績はもちろん、「正・浄・和」を校訓とする、個々の生徒を尊重した教育の人気が高い女子校です。

また1月半ばに実施される入学試験は、都内トップ女子校を志望する受験生にとっての前哨戦として注目を集めています。

試験内容は、受験生の学力を適切に見極められるよう、各科目において各分野からバランス良く出題され、第1回入試の倍率は、ほぼ2倍で推移しています。

合計点で平均よりも、あと少しだけ上回ることが出来れば充分に合格に手が届く、努力が報われやすい学校と言えるでしょう。

 

算数の出題においても大きな偏りは特にありません。

速さとグラフ、数の性質などにおいて、本質を問う難度の高い出題が散見される点、トップ女子校を目指す生徒にとっては良い教材であるとも言えそうです。

 

さて今回は2018年の第1回入試に注目し、合格のために必要な戦略を考えてみましょう。

2019年第1回の分析はこちら

 

〇:浦和明の星合格のために確実に正解しておきたい問題

△:出来不出来の差がつきやすい問題

×:出来なくても差がつかない難問

 

 

大問1

(1) 〇

基本的な計算問題です。

確実に正解しておきましょう。

 

(2) 〇

勝敗がついた場合、合計で7個のミカンを箱の中からとることがわかります。

合計では(5748)÷7=15回、勝敗がついたことがわかるので、あとはつるかめ算として処理しましょう。

 

(3) 〇

半径8cm、中心角45度のおうぎ形から、直角二等辺三角形と半径4cmの四分円を除きます。

こちらも典型題です。

 

(4) △

20日後ごとの曜日を調べます。

20÷7=2・・・6 土曜

40÷7=5・・・5 金曜

60÷7=8・・・4 木曜

80÷7=11・・・3 水曜

だから、80日後の481日と考えます。

日暦算は計算結果がズレやすいので気を付けましょう。

 

(5) 〇

クラスの合計点が6.5×40=260点になります。

あとはベン図で処理すれば易しい問題でしょう。

 

(6) △

やや難度の高い仕事算です。

クラス全員が1分間、折り紙を折った時の仕事量を1とすると、

0.5×60=30がウサギを折り終えるための仕事量、30×1.5=45がカメを折り終えるための仕事量だとわかります。

残りの1527人で20分と考えましょう。

SAPIXをはじめとする大手塾のテキストの多くで類題が掲載されているので、今までの学習量の多寡が得点差に結びついたということが出来そうです。

 

(7) ア 〇

各段に分ける、いわゆるスライス法で考えます。

上から3個、3個、1個が切られることがわかります。

 

(7) イ △

アの各辺を2倍したということを利用します。

格子点を通るので、結局のところ図1と同じものが上に3つと下に1つ出来ます。

もちろん丁寧に6段を順番に調べてみても良いでしょう。

 

大問2

(1) 〇

深さの比が12:16=3:4になることから、底面積の比が4:3になることを利用します。

この差が300㎠なので、底面積は容易に求められますね。

なお今回の深さ16cmは物体の高さよりも低いので、全て浸かっているわけではないということも確認しておきましょう。

 

(2) 〇

物体の下から10cmと残りに分けて考えます。

確実に正解したい問題です。

 

大問3

(1) ア △  イ △ (2) △

様々な解法を考えられる、ダイヤグラム・速さと比の良問です。

(1)(2)の順に解いていく場合は、ゆっくり走った速さが同じ⇒平行から、ダイヤグラムの相似を利用すると良いでしょう。

1:(1+5)=1:6=450:□より、□=2700m

これが全体の1/3にあたることから、あとは順番に考えていきましょう。

 

大問4

(1) 〇

基本的な食塩水の混合の問題です。

そこまで処理量も多いわけではないので、確実に正解しましょう。

 

(2) △

最終的に濃度10%の食塩水を300g作ります。

間違ってできたAの食塩水の濃度の6.25%、食塩の濃度100%、合計で300gに注目し、天秤もしくは面積図で処理しましょう。

やや注意点が多い問題です。

 

大問5

(1) 〇

普通の計算問題です。

999×(1000-1)と変形したほうがスムーズでしょう。

 

(2) △

9×9だと999×99だと18999×999だと279999×9999だと36・・・という規則に気づきましょう。

途中まで地道に計算することは必須です。

 

(3) ア × イ ×

999999÷3=333333だから、b=a/3と言い換えられます。

するとb×b=a/3×a/3=a×a×1/9なので、(2)の計算結果を9で割った数の、各位の和を求めたら良いということがわかります。

桁数の小さな数で調べておくと

3×3だと933×33だと18333×333だと273333×3333だと36…となり、(2)と同じ結果が得られます。

イも同様に、

3×3×2だと933×33×2だと18333×333×2だと273333×3333×2だと36…と、同じような規則が見つかります。

 

このように内容を見ていっても、例年通りの出題と言えそうです。

受験者平均点は60.8点、合格者平均点は75.4と言う結果になりました。

合計点の受験者平均点が196.1点、合格者最低点が198点なので、算数は65点くらい取って、残りの科目で失敗しなければ合格を勝ち取ることが出来そうです。

 

今回の問題数は19問、〇が9問、△が7問、×が3問という内訳です。

合格のためには〇で8/9、△で4/7、×で0/3の合計12/19=63.1点というのが目安になりそうです。

大問3の速さを完答できれば、かなり有利だったのではないでしょうか。

 

来年以降に浦和明の星を目指す皆さんは、早期の志望校対策よりも、まずは塾での学習を大切にしましょう。

典型題を確実に解けるようにすることが得点力の向上に直結しますよ。

また答えしか問われない解答形式なので、難度を適切に見抜く判断力も合否を左右します。

その上で、難問も出やすい速さや数の学習に力を入れることが王道と言えそうですね。

 

2018年の第1回なら大問3の速さのグラフ、大問5の数の性質は、基本的な解法知識+αを問う良問で、女子生徒のみならず、男子難関校を目指す生徒の指導にも取り入れていこうと思います。

 

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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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