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浦和明の星女子中の算数分析(2019年 第1回) Column

過去問分析

浦和明の星女子中の算数分析(2019年 第1回)

2019.01.19

受験者平均点 71.2点

合格者平均点 83.1 点

想定合格点  75点

浦和明の星女子中学の学校の特徴や傾向分析、2018年第1回の分析はこちら

 

2019年1月14日、浦和明の星女子中学校の入学試験が実施されました。

今年度の2007名もの受験者数は、この9年間で最多です。

トップ校を目指す首都圏女子受験生にとって受験は当然という雰囲気も漂い始めました。

 

さて2/1以降に本命の入試を控えている皆さん、復習はお済みでしょうか?

普段の模試と同じようにシッカリ復習することで、是非とも学力の仕上げに役立てましょう。

 

ここからは、

〇:浦和明の星女子合格のために確実に正解しておきたい問題

△:出来不出来の差がつきやすい問題

×:出来なくても差がつかない難問

として今年度の出題を見ていきます。

 

大問1

(1) 〇

基本的な計算問題です。

分数で処理し、確実に正解に結び付けておきましょう。

(2) △

A:B=1:3 A:C=1:2 から、1辺の長さを⑫と置いて考えましょう。

①=0.5と小数になってしまいますが、慌てずに正解したい問題です。

(3) 〇

「中心から補助線」という鉄則通りに取り組みましょう。

半径4cmで中心角135度のおうぎ形から、半径2cmで中心角270度のおうぎ形と直角を挟む2辺が2cmの直角二等辺三角形を除くと考えます。

(4) 〇

昨年の桃を⑤、梨を⑧として、⑤+160+⑧-30=(⑤+⑧)×1.1のように立式しましょう。

こちらも典型題なので落とせません。

(5) △

植木算と過不足算の複合問題です。

本数と間の数を一致させるために「右端まで植えたら」と読み替えても良いかもしれません。

発想は決して難しくはないものの、答えのズレやすい厄介な問題です。

(6) △

(A,E)が(1,9)か(9,1)のいずれかになることに注目しましょう。

差の条件とAからEの和が21になる両方に気を付けて進めます。

どこに注目するのか見えなかった場合は、まだ大問1なので深追いしないことも戦略として有効でした。

(7)

① △

折る前のテープの左端の等脚台形が、折った後のどこにあたるのかを考えましょう。

パッと見て気づきにくいのかもしれません。

② △

5つの等脚台形がどの部分に重なっていくのか、正の字を書いて調べてみましょう。

対称性を利用することも大切です。

 

大問2

(1)  〇

グラフの最初に注目するとアの15×40×10㎤に30秒かかることが分かります。

落せません。

(2) 〇

全体の体積を求めて400で割ってもかまいませんし、90秒で全体の2/3にあたる20cmが入ったことを利用してもかまいません。

(3) △

アとイを底面とする30×40×24㎤と、ウを底面とする15×40×20㎤に水を入れると考えましょう。

Aを開いた30秒後からBも開く条件の見落としに注意しましょう。

 

大問3

(1)  〇

三角数、平方数の常識の確認です。

失点の要素はありませんね。

(2) 〇 △

奇数の和は平方数になるという発想から考えても良いですが、普通に計算したほうが早いのかもしれませんね。

時間をかけずに正解したい問題です。

(3) 〇

(2)までと同様、普通に計算してしまいましょう。

そこまで面倒な計算も出てきません。

 

大問4

(1) 〇

1周を8と24の最小公倍数の24と設定すると良いでしょう。

明男くんの速さは1、明男くんと星子さんの速さの和は3となりますね。

確実に正解したい問題です。

(2) △

比を利用して解いても良いですが、明男が10分で10進むと残りが14であることを利用しても良いでしょう。

星子は2か0.5の速さで、合わせて10分で14進むという、つるかめ算に整理できます。

 

大問5

ア 〇

直方体の表面積を求めるだけです。

落せません。

イ 〇

計算しなおしても良いですが、アと比べてどれだけ増えるor減るかを考えましょう。

今回は前後、左右から見た場合に3㎠ずつ、合わせて12㎠減ることに注目します。

ウ △

イと同様、アと比べてどれだけ増えるor減るかを考えましょう。

前後、左右から見ると12㎠減りますが、上下からだと見えない箇所が(6×6-3×3)×2増えることに気づきましょう。

エ・オ △

ウの状態を出来る限り多く作ることを考えると、上からABABABABAAというように、出来るだけ交互になるように組み替えればよいことが分かります。

最終問題ですが決して難しくはありません。

 

このように、浦和明の星女子中の2019年第1回はやや易しめの出題となりました。

特に大問2から大問5は近年で最も易しかったと言えるでしょう。

強いて言うなら大問1の小問集合に解きにくいものが散見されたので、ここで時間を使いすぎなかった受験生が高得点につなげられたのかもしれません。

来年以降に浦和明の星を受験する皆さんは、この出題なら確実に80点以上を取れるよう頑張ってみましょう。

また例年は「数の性質」や「速さと比、グラフ」の難問も頻出なので練習しておくと良いでしょう。

 

これからまさに本命の入試を控えた皆さんは、悔いのないよう最後まで頑張ってくださいね。

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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール、筋トレ…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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