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東邦大東邦中学の算数分析 (2018年 前期) Column

過去問分析

東邦大東邦中学の算数分析 (2018年 前期)

2018.03.25

千葉私立御三家の一角の東邦大東邦中学。

共学校でありながら理系へ7割が進学するという、理数系の教育に定評のある進学校です。

もちろん付属校としての側面もあり、東邦大学医学部に推薦で進学する生徒も数多く見られます。

 

学校生活も充実しています。

人工芝の広大なグラウンドや各種の実験・観察教室を備え、生徒の個性を伸ばす環境が整っていることも魅力でしょう。

 

中学受験においても非常に注目度の高い学校です。

他校に先駆けて第一志望入試を導入したり、高校募集を停止したり、常に時代の先端を走っていると言えるでしょう。

都内私立中を第一志望とする生徒の併願先という側面もあり、前期試験には例年2500人近い多くの受験生が集まります。

前期試験の配点は各科目100点の合計400点。

中学受験における典型題が中心なので、コツコツ努力を重ねてきた受験生が報われやすい試験形式とも言えるでしょう。

 

ここからは2018年前期試験の算数の問題において、どうすれば合格を勝ち取ることが出来たかを考えてみようと思います。

 

〇:東邦大東邦合格のために確実に正解したい問題

△:合否を分ける問題

×:正解できなくても差はつかない問題

 

大問1

(1) 〇

基本的な計算問題です。

小数を分数に変換し、確実に正解しましょう。

 

(2) 〇

0.234=2.34×0.1のように、2.34で統一することがポイントです。

正面から計算するようでは、合格はおぼつきません。

 

 

大問2

(1) 〇

一の位は3,9,7,1,3,9,7,1…と続きます。

受験勉強を進めていたら、何度も見る問題ですね。

 

(2) 〇

7.535×13と、7.545×13の間の整数を調べます。

計算が煩雑ですが確実に正解したい問題です。

 

(3) △

5本から3本を選ぶところまでは場合の数の基本的な組み合わせです。

ここから「三角形が出来ない場合」を除きましょう。

所属していた塾のコースによっては、扱っていない場合もありそうです。

 

(4) 〇

列車T全体がトンネルに隠れている状況を正しくとらえることがポイントです。

890+□ ⇒ 43秒

1660-□ ⇒ 59秒

と表すと、結局□同士が打ち消しあうという典型題に持ち込めます。

 

(5) 〇

4つの式を足すと、結局ABCDが3回ずつ出てくることが分かります。

典型題なので落とせません。

 

 

大問3

(1) △

近年では開成中、駒場東邦中などの難関校で散見される特殊な設定の時計算です。

長針短針が1分間に動く角度は、普通の時計算と変わらないものの、解きにくさを感じる受験生も多いでしょう。

この問題は合わせて330°進む状況を考えます。

 

(2) △

(1)と同じような設定です。

この問題では合わせて300-60=240°進む状況を考えます。

 

(3) ×

「長針と短針が線対称」というテーマは苦手にする受験生が多いでしょう。

この問題では長針が8時と9時の間に来る状況を考え、90÷(6-0.5)と考えます。

 

 

大問4

(1) △

(2)を先に解いて、それぞれの濃さを求めてからでも良いですが、2番目の試行と3番目の試行の和と考えるとスムーズでしょう。

 

(2) △

1.5×A+1×B=250×0.1

1×A+2×C=300×0.1

1.5×B+0.5×C=200×0.075

と式を立てて、和差算として処理しましょう。

面倒ではあるものの、典型題なので正解したいところです。

 

大問5

(1) △

面倒ではあるものの典型題です。

十字の図形と円の境界の、通過しない部分に気を付けましょう。

 

(2) ×

くぼみの部分の扱いがポイントです。

半径の3cmと正方形の1辺の3cmに注目すると、正三角形に気づきます。

あとは30°のおうぎ形を利用して解きましょう。

 

 

大問6

(1) 〇

17と31の最小公倍数を考えると良いでしょう。

互いに素なので31本先と17本先と考えるとスムーズです。

 

(2) ×

6+17×□が31の倍数になる時を考えます。

(1)の範囲までで探せばよいものの、時間がかかるので後回しにしても良いでしょう。

 

 

大問7

(1) ×

正三角形を2回切った立体になります。

切り口が交わる部分を、捉えにくいのではないでしょうか。

オイラーの多面体定理を知っているならば利用しても良いでしょう。

 

(2) ×

もとの立方体から三角錐を2つ除き、重複した部分を加えます。

重複する三角錐の求め方がポイントです。

 

 

2018年前期は全体的に難度が高い典型題が並びました。

平均点も47.3点と、かなり低目の水準です。

倍率は例年通り2倍強なので、算数においては50点が合格の目安となりそうです。

 

小問総数は18題で例年通り。

内訳は〇が7題、△が6題、×が5題となりました。

合格のためには〇で6/7、△で3/6、×で0/5が現実的な目標となるでしょう。

大問3の特殊な時計算、大問4の食塩水と消去算で得点を伸ばすことが出来れば、かなりチャンスは拡大したと言えそうです。

 

2019年以降、東邦大東邦中に合格を目指す皆さんにとって、2018年前期は多少負担の大きな内容かもしれません。

ただ今までの努力量が問われる典型題である難問が並んでいるので、1問1問を大切に学習しましょう。

応援しています。

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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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