テレビや雑誌などでは連日「東大生」を売りにした企画でにぎわっています。
この各種メディアの東大ブームもあり、世間の東大生へのイメージは、かなり実像に近づいてきたように思います。
それでも東大生は東大生。
普通の学生とは異なる「何か」を明らかにしたいなと思って、前回は「東大生の習い事事情 ~3大習い事 その1~」で、「水泳」が何故、東大生を輩出したのかを考えてきました。
さて今回のテーマは「公文式」です。
僕が今まで話してきた多くの東大生に共通する習い事として「公文式」が挙がりました。
もちろんそれ以外にも、英会話教室、理科実験教室、絵画教室、幼児教育の教室、そろばん教室など、色々な勉強系の習い事に幼少期から取り組んでいたという声が多数聞かれています。
このような勉強系の習い事を通して、自宅以外の場所で勉強することを当たり前にしておくことは、本格的な受験勉強を始めるための下地として、どうやら効果がありそうです。
実際に小学校高学年から、中学受験を志して塾に通いはじめる生徒も多いものですが、はじめのうちは塾での学習内容よりも「塾に通うこと」そのものに疲弊してしまうケースも多いもの。
あらかじめ学習系の習い事に親しんでいたら、塾にもすぐ慣れて早い段階から学習内容に注力できるようになりますね。
ここからは色々な勉強系の習い事が多い中、特に公文式が優れている点を考えてみようと思います。
まず1つめは「席に座って、紙と向き合い、ペンを走らせる」という古き良き勉強が実施されるという点でしょう。
ほぼ全ての受験勉強は紙とペンでの勝負です。
その勉強の原型に幼少期から触れることで、当たり前のように机に向かうようになっていたら「勉強しなさい!」を巡る親子戦争はかなり減ることでしょう。
たしかに最近は体験型の教室も多く、机に向かってペンを走らせることだけが勉強ではないという考え方も増えてきています。
五感を通して得られる知識や経験は印象にも残りやすく、非常に価値のあるものです。
ただ実際の試験は、紙の問題にペンで自身の経験や思考を展開していくもの。
体験型の教室での経験は受験勉強とは全くの別物、あくまでも教養として割り切ることが大切ではないかと思います。
2つ目としては「学年を問わずドンドン進めて行ける点」が挙げられます。
ほとんどの習い事は学年で分けられて、該当するコースでの受講を義務付けられます。
一方の公文式は学年を問わずにどんどん進めて行くことが可能です。
もし中学受験が本格化する新4年生までに、計算は小6内容まで(分数・小数の計算問題のうち、□を用いた式を逆算で求めるパターンの問題です)まで進めておけたら、中学受験の勉強は非常にスムーズに進みますよ。
この学年を問わずにどんどん進めて行けるという点は、東大生にとってもゲーム感覚で楽しめる要素だったようですね。
このように公文式は「紙とペンで」「学年を問わずにドンドン進める」と言う点で、非常に効果的な習い事だと言えそうです。
ただあくまでも公文式で養われるのは「作業力」に過ぎません。
公文式で学習したら賢くなる!という訳ではなく、公文式で身につけた学習習慣や作業力が、実践的な学習の下地になると意識しておきましょう。