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私立中学への通学時間、現実的なのは? Column

知っトク 中学受験

私立中学への通学時間、現実的なのは?

2018.04.07

家庭教師をしていると、自然と移動が多くなります。

ある日には、池尻の教室⇒埼玉⇒千葉⇒神奈川と首都圏の一都三県を1日で巡る機会もありました。

路線図を眺めるだけではなく、実際に電車に乗って乗り換えたり風景を見たりすることで、きっと学校選びのアドバイスもより立体的になるのかな、と。

ちなみに先日の移動は、奇しくも筑駒の通学範囲の外側を辿るルートでした。

さいたま市や千葉市、船橋市、鎌倉市や藤沢市は圏外なんですね。

充分に通えそうな気がするんだけど、意図はあるんやろうなぁ…と思ったところで。

 

さて、「通学時間」について一緒に考えてみましょう。

 通学時間は私立中学校選びに大事な問題

これは僕も大変でした。

住んでいた寝屋川市から、通っていた奈良までの直通の電車がなく、京都を経由するか大阪の真ん中を経由するかしかなかったわけです。

単純に電車に乗っている時間は急行でも60分を軽く超え、自宅から最寄り駅までの自転車や電車の乗り換え、高の原駅から学校までの徒歩(20分!)などを含めると1時間50

毎朝、弁当を持たせなければならない母には大きな負担をかけました。

中学受験をしたら、その後6年間の生活を左右する通学時間の問題。それが生徒に与える影響が気になるのは当然ですよね。

 

 通学時間と成績は反比例しない

ただ、僕はマシだったように思います。

大阪から京都、奈良へ向かう際は基本的には下り電車。

常に座れるわけではないんですが、少なくとも混雑で押しつぶされるようなことはありません。

読書をしたり、友人と話したり、ゲームボーイをしていたり、定期試験前は試験勉強。

大学受験時にはリスニングを録音したMDを聞いていたり…(ところどころ出てくる単語に時代を感じますね)

時間が限られている分「京阪ではこれをやる!」「近鉄ではこれをやる!」と上手く切り替えられた気がします。

 

実際に自分の周りを見渡しても「遠方だから学力面で不利!」ということは、一切ありませんでした。

琵琶湖の東側から通っていた友達や伊勢湾エリアから通っていた友達が遅刻することは一切ありませんでした。

遠い分、乗る電車が決まっているんでしょうね。

大学受験では東大にトップクラスの成績で合格しています。

 

思えば、むしろ学校に近い自転車通学の生徒のほうが遅刻も多く、また大学受験でも結果を出せていなかった気もします。

 

 遠距離通学を乗り越える生徒たち

他校でも同じような話は良く聞きます。

灘に通うため岡山から新幹線、開成に通うため群馬から新幹線、つくばから特急。

遠方からの通学をハンデともせず、当たり前のように難関大への合格を勝ち取っていきます。

1時間以上かけて御三家に通っていたサカセル学生講師の例

運動部の彼は高校生になってから部活が忙しくなり、帰宅時間が遅くなることが負担になっていたみたいですが、一方いい面もあったみたいです。

というのも家が近い友達と長い間一緒に電車で帰ることになるので、仲良くなりやすかったこと。そして、やはり通学時間を勉強時間にあてて有効活用できたという面。

混雑する路線を利用していたため、いつも集中できる環境が整っていたわけではないみたいですが、英単語や歴史の暗記物を行ったり、小説を読んだりすることで勉強に繋げ、見事大学受験では合格をつかみ取ったようです。

 

よく聞く指標はドアtoドアで60分くらいですが…

 実際のところ中学受験の学校選びではドアtoドアで60分くらいが現実的な指標として提示されます。

たしかに部活の朝練や塾通いが重なると移動だけでも大きな負担になってしまいますよね。

 

ただ僕は、大切なのは「何分かかるか?」ということよりも「いかに有効に使えるのか?」だと思うんです。

60分間、路線の端から端まで電車に乗る場合」と「10分乗って乗り換え、また10分乗って乗り換え、あと5分乗る」だと、倍以上電車に乗っている時間はあるものの、前者のほうが効率的ではないでしょうか。

僕も家庭教師移動の際は、同じくらいの所要時間なら出来る限り長く、同じ電車に乗れるルートを選び、充実した移動時間に出来るよう心がけています。

 

効率を考えると、混み具合も非常に大切です。

ラッシュ時の東急田園都市線や東急東横線、埼京線、近鉄奈良線などは、勉強どころではないですもんね。

結局のところ、学校選びの際は「片道何分!」と決めてしまわないほうが良いのではないでしょうか?

是非とも一度、通ってみたい学校の普通の通学時間に電車に乗ってみて、6年間通う場合のイメージを膨らませてみましょう。

意外な学校が通学圏だと思えてきますよ。


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三宅 貴之

この記事を書いたのは...

三宅 貴之

自律学習サカセル代表。
東大寺学園から東京大学に進み、以降は大手集団塾や個別指導塾で講師としてキャリアを積む。
講師としてだけではなく新規事業の立ち上げ→運営→収益化のプロセスも経験し、満を持して自律学習サカセルを創設。

「新しいことを知る」ことを楽しめる好奇心で、その昔、高校生クイズで全国大会の準決勝に進出したことも。

プロ野球、読書、靴、腕時計、ビール、筋トレ…
色々と興味は尽きない中、一番の趣味は、やっぱり仕事。

卒業生との語らいや、娘の成長を日々の楽しみに、
さぁ今日も1日がんばります!

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