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日比谷高校 学校紹介② Column

学校紹介

日比谷高校 学校紹介②

2024.09.06

前回記事→日比谷高校 学校紹介①

部活動

運動部は、一般的なバスケ部やバレー部、サッカー部からラグビー部や野球部などの部活まであります。文化部は天文部や合唱部、茶道部などの定番の部活から棋道部や筝曲部、オーケストラ部、化学探究部、生物研究部、雑草研究部、物理地学研究部などの少し変わった部活があります。
オーケストラ部は入学式や卒業式、記念式典での演奏をはじめ、他校との合奏で大会出場をしています。
筝曲部は、日比谷高校の近くの日枝神社で演奏をしたこともあります。
そして、何より注目されるのが理科系の部活、通称「地下部」です。なぜ、「地下部」という名がついているのかというと、1階の教室なのにほぼ地下という校舎の構造のせいです。この「地下部」の中で気になる部活は人それぞれだと考えられますが、やはり雑草研究部はある程度の興味を集めるのではないかと思います。文字通り校舎内や公園などで生えている雑草にどんなものがあるのかを調査する部活です。

また同好会として、写真同好会やクイズ研究同好会、ESS同好会があります。クイズ研究同好会は、5年前くらいにできた新しい部活です。高校生クイズに出場することに憧れた生徒が作った部活であり、現在のクイズブームに合わせて部員数もかなり増えてきているという噂です。

学校行事

日比谷高校には行事が沢山あります。三大行事(体育大会・合唱祭・星陵祭)はもちろん、臨海教室や夏山キャンプ、遠足、海外派遣、姉妹校交流などがあり、特徴としてこのほとんどが4月~9月の前期に行われます。後期に行われる行事はスキー教室(12月)と修学旅行(3月)、球技大会(3月)のみです。
これだけ行事が前期に集中しているため「動の前期」と言われ、対照的に後期は「静の後期」と言われます。では、ここからはいくつかの行事を紹介していきます。

体育大会

三大行事のうち、最も早く行われる行事が5月に行われる体育大会です。他の学校と何か変わったことがあるかというと特にはありません。1年生は学校に慣れてきた?くらいで体育大会があり、2年生も新しいクラスに慣れた?くらいで体育大会があるため、ほとんどの生徒は競技練習を特にすることなく体育祭当日を迎えます。3年生も1・2年生時に準備をした経験がないため騎馬戦の騎馬の組み方を体育の授業で練習する以外にはほとんど何も準備をしません。
この行事で感じる日比谷らしさと言ったら、議員会館とグラウンドが隣り合わせになっているために国会議員やその家族、秘書の方が議員会館から体育祭を観戦していることです。永田町に学校が無ければなかなか叶わないことですよね。

合唱祭

三大行事のうち、クラスがまとまるきっかけになる行事が6月に行われる合唱祭です。クラス対抗で、合唱のレベルの高さを競います。合唱部がかなり力を入れてクラスをまとめて朝や昼、放課後に練習していきます。
合唱祭2週間前には部活動が停止になるため、クラスメイトがほとんど集まることができる環境が整い、皆で協力してよい合唱を作り上げます。学年ごとにどんどん上手くなり、1年生の合唱と3年生の合唱ではレベルの違いがかなりあり、1年生の時にとても驚いたことを今でも覚えています。

文化祭(通称:星陵祭)

三大行事のうち、学校全体で最も集中する行事が9月に行われる星陵祭です。
部活動や学校生活の発表の場にももちろんなりますが、クラスで一から作る劇がダントツ一番の見所です。劇はミュージカルでも演劇でもよく、劇団四季で上演された劇に挑戦するクラスもあります。それぞれの教室でするため規模は小さくなりますが、舞台装置を作ったり照明の当て方を考えたり、音響を考えたりとしなければならないことはたくさんあり、クラス全員に役割が割り振られて、かなり時間をかけて準備を行います。特に3年生は2年生時の星陵祭が終わった時から脚本を書き、キャストや大道具、照明などの役割を決め次の年の星陵祭で1位を取れるように準備をしていきます。

星陵祭は9月にあるため、当然、夏休みは準備で潰れてしまいます。3年生は受験勉強と並行しながら準備をするためかなりハードスケジュールになりますが、クラス全員で協力してどれだけ情熱を持って作業をスムーズに終えるかがとても大切になります。1・2年生は夏休みをクラスメイトとずっと一緒に過ごすため仲が深められます。
合唱祭と同様に、3年生の劇は1年生や2年生とは比べ物にならないほど、完成度が高いです。そのため、学校内外からの3年生の劇の注目度は高く、配られる整理券は毎年、朝イチで完売となります。全力で準備をして、当日を迎えるためにどんな結果になっても笑いあり涙ありの充実した時間になることは間違いないです。

そして、星陵祭が終わると行事が全て終わり「動の前期」から「静の後期」に移行します。3年生は受験勉強に邁進し、1・2年生も部活や勉強、校外活動などに力を入れるようになります。

校外行事

1年生の希望者が参加する臨海教室や夏山キャンプ、2年生の希望者が参加するスキー教室、2年生全員が参加する修学旅行などがあります。臨海合宿や夏山キャンプ、スキー教室はすべて日比谷高校の卒業生が運営しており、指導も卒業生が行ってくれます。そのため、高校のちょっとした裏話やあるあるを話すことができとても盛り上がります。

校外行事のうち、臨海教室はかなり伝統がありすでに開催は100回を大きく上回っています。この臨海教室では、古式泳法を海で泳ぎながら習得することを目標にしています。泳げない人でも浅瀬で練習することができ、誰でも参加できることが魅力の一つです。5日間も海で泳ぐ経験はなかなかできず、女子も参加できる古式泳法の臨海合宿を行っている高校は数少ないため、いい体験になることは間違いないです。
この合宿のいい点は多くありますが、大きく2つに分けられます。
1つ目は忍耐力と持久力を身につけられる点です。到着した日の午後から泳ぎ、帰宅する日の午前中には約3キロの遠泳をします。とにかく毎日、泳ぎ続けます。この合宿を通して、何事にも諦めずに限界まで努力をし続ける力が身につくのではないかと思います。また、遠泳の時には、隊列を崩さず泳ぎ切る必要があり終わった後の達成感はとても大きいと思います。
2つ目は現代と少し距離をおくことができる点です。毎日泳ぎ続けるため、スマホを使用する時間があるならその時間寝て体力を回復させたいと考え、スマホを使う時間はとてつもなく短くなります。そのため、情報があふれている社会から一歩遠ざかることができ、体力は削られても心が豊かになる期間になります。友達とわいわいがやがやしながら楽しく過ごす合宿とは少し異なりますが、なかなか経験できないことを体験できます。

大学受験

講習

土曜講習と夏期講習という2つの講習が設置されています。全員参加ではなく、任意で参加したい人が参加する形です。土曜講習は飛び入りで参加することも可能です。

土曜講習は、日々の授業で扱っている分野の入試問題の演習を行い解説までしてくれる講習です。1年生は英語・数学・国語の講習、2年生・3年生は英数国に加えて理科や社会の講習が行われます。違うクラスの人も一緒に講習を受けるためいつもの授業とは雰囲気が少し異なります。毎週しているわけではなく、行事前を除いて月に2回ほど開催されています。

夏期講習は、今まで学習した分野の演習をしたり先取りで少し勉強したり、実際に共通テストや入試問題の演習をしたりと色々なことができます。自分で自分に合った講習に申し込んで受けることができます。学校の進度に合わせて講習は開かれているため、習っていないことが分かっている前提で進むことも演習をすることも無いため、安心して受けられることが利点の1つではないかと思います。
また、お金を払わずに受けることができるためお財布に優しいです。夏休みの間、ほとんどの日程で夏期講習が行われているため、受けられるだけ受ける人もいれば、塾と合わせて少し受ける人もいれば、全く受けない人もいて、取り方は人それぞれです。このことに関して学校側からは全く何も言われないため気楽に考えられると思います。

通塾している生徒

塾に行っている生徒は1年生ではほとんどおらず、2年生で半分くらい、3年生で7割くらいになります。3年生の中で7割の生徒が塾に行っていることは多いのか少ないのかは分かりませんが、理系と文系の割合で考えると理系はほとんどの生徒が通塾しており文系は半分くらい通塾していた印象です。
塾は駿台が最も多く、河合塾や鉄緑会などにも通っている生徒もいました。受験で必要な科目を全て塾で勉強している生徒はあまり多くなく、文系であれば社会のみ、理系であれば数学と理科のみ勉強している人が多かった印象です。これは、学校の勉強だけでも受験に通用する力をつけることができるためです。土曜講習や夏期講習などの講習をはじめとして、記述対策や小論文対策などは学校の先生が全て担当してくださっており、いい問題集を学校で扱っていたり質問にもかなり対応してもらえたりするために無駄なく効率よく勉強する環境が揃っていました。

志望校

志望校は、2年生の頃まではとりあえず文理関係なく東大を選ぶ生徒が多かったです。絶対に東大に行きたいと考えている人よりは、なんとなく選んでいる人が大多数です。そのため、だんだん進路を真剣に考え始める3年生では、東大を目指す人はかなり減っていき、その分文系であれば一橋大学、理系であれば東工大や医学部などの他の国公立大学の志望者が増えます。
私立大学を第一志望にする生徒は3年生の最後の進路調査でも数人しかいないほど、ほぼ全員が国公立大を受験します。地方でも国公立大に行きたいと考えている人もいて、早慶やGMARCHなどの首都圏の私立大学に受かっても地方の国公立大学に行く人もいます。最近では、東大以外に医学部を目指す生徒も増えてきています。もちろん、指定校推薦を使って進学する生徒もいます。

自分の高校受験時の様子

都立高校入試では、中学校での内申点が総成績の3割を占め、かなり大切になります。そのため、中学校での成績をきちんととることと、入試に必要な学力を身につけることの2つをこなす必要がありました。
まず、中学校での成績をきちんととるために、提出物と定期試験に気を付けていました。提出物は期限通りに提出し、任意提出のものも積極的に提出していました。どの行動が内申点に結び付くのかは分かりませんが、できることはとりあえずしておくことは大切なのかなと思います。そして、定期試験は2週間前から勉強をし始め、1週間前からは塾の勉強を最低限にして定期試験勉強に集中して勉強していました。
入試に必要な学力を身につけるために、不必要に塾を休まないようにしていました。特に、文化祭や運動会などの大きな学校行事の前は忙しくなりますが、遅れても通塾するようにしていました。定期試験時も、2週間前から休めば試験期間も合わせて3週間分の教材が溜まってしまうことになり、後々自分を苦しめることにもなるため通塾していました。

その他(学校から提供されているプログラムや留学など)

留学のシステムは高校主導で行われます。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)やG10(東京グローバル10)に認定されており、この2つのグループの海外派遣に参加することができます。
SSHではシリコンバレーやハワイに、G10ではボストンやニューヨークに行きます。特にG10ではボストンのハーバード大学やMITマサチューセッツ工科大学を訪問したり、国連本部を見学したりすることができます。また、韓国とニュージーランドには姉妹校があるため、その姉妹校から日比谷高校に生徒が来て一緒に授業を受けることもあり、一部の人だけでなく生徒全員がこのような経験をすることができます。もちろん、その姉妹校に日比谷高校の生徒が行くこともできます。これらの海外派遣は誰でも行くことができるチャンスがあり、選考が行われることもありますが成績よりも行きたいという情熱がある人の方が受かるような気がします。
SSHの他の活動は、理科系で有名な先生の講演会の開催や化学・物理をはじめとした理科や数学のオリンピックへの参加などがあります。講演会にいらして下さる先生方は、世間的にもよく知られている先生であることが多く、ノーベル賞を受賞した先生のお話を聞く機会もありました。G10の他の活動は、ディベートコンテストや講演会などです。


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自律学習サポーター

自律学習サポートコースで、学習管理や科目の質問、採点などを担当する講師陣。
頼れるお兄さん、お姉さんたちが今日もみんなをサポートします。

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