合格想定点 75点
慶應義塾湘南藤沢中等部(慶應SFC)の学校の特徴や傾向分析、2018年の算数分析はこちら
慶應義塾の中でも場所、環境、大学の学部等少し毛色が違う学校ですね。大学の広大な敷地に隣接しているので大学の専門的な施設や大学生のキャンパスライフを間近に見られる所もSFCならではですね。
また、中学から高校への進学は中等部や普通部と違ってほぼ全員そのまま湘南藤沢高等部に進学することも特徴の1つです。
学校の授業内容もフィールドワークが盛んでグループごとにディスカッションして発表する機会が多く、生徒同士の結束力はより強そうなイメージがありますね。
2013年に横浜初等部が開校し、卒業生がそのまま湘南藤沢中等部に進学するようになったことで2019年からは中等部の募集枠が縮小されました。元々高かった入学難度が更に上がってしまい、志望校に考えていた皆さんにとっては大変残念な情報であったことと思います。
ではそんな激戦のSFCに入学するためにはどんな対策が必要なのか問題を見ていきましょう。
問題の難易度を以下のようにレベル分けしています。
今回使用する指標
A必ず正解してほしいレベル
B 正答率にバラつきがあるかもしれないが正解してほしいレベル
C 努力次第で得点できるので差がつくレベル
D 難易度が高いいわゆる捨て問レベル
解答例はこちら
1
⑴ A
→全て分数で表し、×と÷までまとめて計算しましょう。
答えが「0」になるのは『合ってるかも!?』と期待がもてる気がしますが、数字としてはなんだか気持ち悪い微妙な答え…と感じるのは私だけでしょうか。
⑵ A
→簡単な逆算の問題ですが最後に2を足し忘れないように注意しましょう。
⑶ A
→普通の単位換算ですね。正確に覚えておきましょう。計算自体はとても簡単です。
2
⑴ B
→平均算
中央値を知らなければできない問題ですね。
偶数個は「真ん中の前と後ろの平均」
奇数個は「真ん中」になります。これは最近小学校でも習う知識なので覚えておきましょう。
⑵ A
→植木算
できるだけ少ない本数にしなければならないので24と33の最大公約数である3mを間隔にして考えます。その時円と同じように間の数と木の本数が同じであることに注目して解いていきましょう。
⑶ A
→場合の数
基本的なカードの問題ですね。1の位が0の時と2・4の時で分けて考えましょう。
3→平面図形
⑴ A
半円の弧の長さと長方形の縦と横の合計を求めるだけの非常に易しい問題です。
唯一ミスするとすれば直線部分の足し忘れだと思いますがここを受けるなら絶対にしてほしくないですね。
⑵ A
こちらもただ半円から三角形を引くだけの簡単な問題です。確実に正解しましょう。
⑶ B
⑴と⑵に比べるとやや難しめですが正解してほしい問題です。解答例のようにFから辺BDに向かって垂直な線を引いて高さを作りましょう。三角形FBGとBDAは相似なのでFG:GB:FBは3:4:5です。BGが20cmなのでFGは15cmになり底辺40cm、高さ15cmの三角形として面積を求めましょう。
4→規則性
⑴ A
標準的な三角数の問題ですね。9段目までの和に4を足すか10段目までの和から6を引いて求めましょう。
⑵ C
15段目に並んでいる数字は白の106~白の120までなので、白いカードは全部で8個あることがわかります。あとは等差数列の和の公式を使って求めましょう。
⑶ C
偶数段と奇数段とわけて調べていきましょう。
偶数段は黒と白のカードの和の差が、段が増えるごとに1ずつ増えていきます。表を書いていくと差の2倍が段の数にあたることがわかるので61×2=122で求めると簡単ですね。
奇数段は段が増えるごとに差が4.8.12.16と4の倍数ずつ増えてきます。数が小さいので書き出して正確に求めましょう。
5→旅人算
⑴ B
解答例のように三田さんと藤沢さんの上りと下りの速さの比に記号をつけて表しましょう。三田さんの上りと下りの速さそれぞれに6mを足すと藤沢さんの速さになることから解答例のように式を立てることができるので、そこからは消去算で①の値を出せばあとは簡単ですね。
⑵ B
⑴で①を出しているので同じように藤沢さんの上りの速さを分速36mと出すことが出来ますね。あとはただの出会い算です。計算ミスに注意して正確に求めましょう。
⑶ C
この問題では折り返してくるときに速さが変わることに注意して解き進めましょう。まずは三田さんがB地点についた時間(60分)と藤沢さんがA地点についた時間(90分)を求めてお互いの状況を確認しましょう。藤沢さんがA地点についた時、三田さんはBから分速30mで30分上っていることがわかります。以上のことから残りの2340mを分速30mと分速60mで向かい合って進むと出発してから116分かかることがわかるので36分を引くことを忘れないように注意して解答しましょう。
6→量の変化
⑴ A
容器全体の体積を一定量で割って時間を出すだけの基本的な問題ですね。必ず式を書き分数を使って計算し、ミスをしないようにしましょう。
⑵ A
いつも水量の問題は必ず正面から見た図を描きましょう!と伝えていますが、こちらは載せてくれているのでしっかり使わせて頂きましょう。まずは‘う‘の部分が入るまでの時間を求め、あとは高さの比を使って‘い‘→‘あ‘の時間を求めましょう。
⑶ C
こちらも傾けた時の正面から見た図が載っているのでしっかり作図をして考えていきましょう。傾けた角度が45°なので解答例のようにHIとFCに床と平行な線を引きます。斜線部分が残った水の量になるので12cmの直角二等辺三角形FBCと底辺6cm、高さが4cmの平行四辺形HJCIの面積を求めて奥行をかけて求めましょう。
総評
以上が問題と傾向の分析です。
今年度は捨て問もなく例年に比べて易しめな出題でしたので合格想定点は高めに設定しています。
基礎をしっかりと積み上げ、反復練習してきた子にとっては非常に解きやすかったのではないでしょうか。
ただ、珍しく単位換算の問題が出されていました。これは知識として正確に入っていないと正解できないので面積の単位、体積の単位は必ず覚えておきましょう。
例年のSFCの算数では「45分」という時間設定からも、第一に情報処理力を問われていることがわかります。
問題を素早く正確に読み取り、的確に処理していく必要があるので時間を短めに設定して演習問題をこなす訓練をしておくといいでしょう。
ただ捨て問レベルの出題もちらほら見かけるので、問題の取捨選択は非常に重要です。特に流水算とグラフ、量の変化とグラフ、規則性、平面図形等では難問出題頻度が高い傾向にあるので気を付けましょう。
中でも流水算は2年に1回くらいのペースで出題されているので、過去問演習に加えて比やダイヤグラムを使って解けるように練習しておくと、より安心でしょう。
なおSFCと併願する受験生も多い慶應中等部の算数の出題も基本的な小問集合が多く、8割ほどが合格ラインになっているので慶應系を目指しているなら併せて練習しておきましょう。
いかがでしたでしょうか。
入学難度は高いですが、出題傾向は毎年ほとんど変わりませんし、内容的にも対策が活きやすい学校なのでしっかりと準備をして臨みましょう!
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