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受験者平均点 51.7点
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合格者平均点 63.4点
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算数の想定合格点 60点
世田谷学園中学校の学校の特徴や傾向分析、2018年の分析はこちら
世田谷学園中学校の2020年の算数の入試問題の分析はこちら
面倒見の良い男子進学校として知られる世田谷学園。
かつては著名な柔道家が集うスポーツ校としても知られていましたが、今は首都圏屈指の進学校として多くの受験生を集めています。
2019年から算数特選入試が実施され、さらに2021年からは理数コースを新設されたことからも、理系志望者の注目度はますます高まっていくことでしょう。
ここからは2021年の第1回入試において、どのように得点できれば合格を勝ち取ることが出来たのかを見ていきましょう。
今回使用する指標
〇:合格のためには必ず正解したい
△:差がつく問題なので、出来れば正解しておきたい
×:やや難度が高く、正解できなくても差はつかない
として小問ごとに見ていきます。
解答例はこちら
世田谷学園発表の問題ごとの正答率・講評はこちら
大問1
(1) 〇
基本的な計算問題です。
この問題に関しては小数で計算処理をした方が解きやすかったかもしれません。
まずは落ち着いて、確実に正解すべき問題です。
(2) 〇
割合の基本問題です。
原価×1.2×0.9で、容易に売値が原価の何倍なのかが求まります。
問われているものが利益であることに気を付け、こちらも確実に正解しましょう。
(3) 〇
4色から3色を選ぶ場合が4通り、その3色で塗分ける場合が、右上と右下が同じ色になることに気を付けて6通りになります。
このレベルの場合の数は世田谷学園中の合格を目指すならば正解しておきたいところです。
(4) 〇
相当算の基本問題です。
Bが全体の2/3の3/4倍よりも2個多くなる箇所の計算処理に気を付けましょう。
(5) 〇
3段つるかめに見えますが、オレンジとキウイの個数が同じことに注目すると処理量を減らすことが出来ます。
解答例では表で整理したあと規則性を利用して解きましたvが、オレンジとキウイの平均が90円になることを利用したつるかめ算で解いても良いでしょう。
(6) △
平面図形と相似の典型題です。
△CPQを含む相似をどう求めて活用するかがポイントでした。
小問集合の中では難度は高かったので、良い解法が思いつかなかったならば後回しにしても構いません。
大問2
(1) 〇
速さと比の基本問題です。
まずはAとBの速さの比を時間の比の逆比として求めて、同じようにAとCの速さの比を求めましょう。
あとは連比で求めるだけなので、確実に正解したいところです。
(2) 〇
(1)が正解できたなら易しいでしょう。
「Cが出発してから」という条件の見落としに気を付けましょう。
大問3
(1) △
与えられている図は角PABが60度には見えないので新たに描きなおして状況を把握しましょう。
「30度 60度 90度」の直角三角形を利用と、△EARと△QPRの三角形の相似を利用することで正解にたどり着くことが出来ます。
状況に応じてきちんと図を描きなおす習慣が身についていれば、決して難しい問題ではありません。
(2) ×
PがBにいるときの図と、PがCにいるときの図を見取り図に描き加えましょう。
解答例のようにRの変化を書き込むと、求める図形は三角形BQ1R1を底面とする断頭三角柱だと分かります。
もちろん三角柱+三角錐と考えても構いません。
やや状況を把握しにくく、また用いる解法も高度なので、後回しにしても良いでしょう。
大問4
(1) △
「作ることが出来ない数」という知識問題です。
大手塾では数回しか扱うことがない内容なので、思い出せなかったのならば深追いする必要はありません。
(2) 〇
基本的な「2つの不定方程式」です。
今回は使わない重りがあっても良いので、4gを40個の時から順に考えていきましょう。
(1)とは全く関係が無いので、もし(1)が分からなかったとしても目を通しておきたい問題でした。
大問5
(1) 〇
発想系の問題ですが、アの位置が指定されていることもあり易しいでしょう。
正方形の対称性を意識して、確実に正解したい問題です。
(2) △
解答例では「上底6cm、下底□cm、高さ8cmの台形」と考えて下底を求め、そこから相似を用いて考えました。
もちろんAから順に当てはめていっても正解することが可能です。
一見難しそうですが、世田谷学園中合格を目指すならば勝負したい問題です。
大問6
(1) △
はじめのAの水量を①+840、Bの水量を①と置いて丁寧にやり取りしましょう。
やや計算が面倒ですが、AとBの2つ容器間での交換なので和が変わらないことに注目すると正確さを高めることが出来そうです。
(2) △
(1)の結果を利用して、具体的な数値でやりとりの続きを行いましょう。
正答率は決して高くはないものの、発想自体は難しくないので、最後まで解き切るだけの作業力を身につけておきたいところです。
2021年度の第1回の出題も例年通り「大問6つ、大問5と大問6が求め方を記入する問題」という構成になりました。
難度は易しかった2020年の第1回の反動か、やや高めです。
ただ問題ごとの難度差は比較的明確なので合格への戦略は比較的立てやすかったと言えそうです。
今回は〇の箇所だけで53点分になり、これだけで平均点を上回ります。
実際には〇の箇所でも1問くらいは間違えそうなので、残りの大問1(6)、大問3(1)(2)、大問4(1)、大問5(2)、大問6(1)(2)から2問ほど正解できれば合格ラインには乗せられるでしょう。
世田谷学園の算数は「中学受験」の「算数」をよく研究した質の高い問題で構成されています。
過去問演習を重ねることは世田谷学園中の合格の可能性を高めることはもちろん、算数の学力の養成にもつながりますよ。
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