この記事を書いたのは...
松田 浩志
自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。
個別指導・家庭教師の自律学習サカセル
サカセルコラム
【5年国語】四谷大塚 10月度組み分けテストはどう対策する? Column
大問1 漢字の読み書き 10問 10点分
大問2 知識問題 20〜30点分程度
大問3 初見の長文問題1 50〜60点程度
大問4 初見の長文問題2 50〜60点程度
※長文問題は論説文・小説文の出題となります。
※範囲は1〜5回です。
※2022年の平均点は約93点です。
最近の入試トレンドです。しっかり取り組みましょう!
また、毎回の繰り返しになりますが、意味を辞書的に覚えるのではなく「こういう文脈で使う言葉だ」と例文で覚えるようにしましょう。また、何度も暗唱をするよりは問題を多く解くほうが記憶の定着には効果的です。
どういう文脈で使う言葉かを押さえましょう。
こちらも前述と同様に、辞書的に意味を暗記せず「こういう場面で使用する言葉」という使い所を押さえるようにしましょう。
しっかり覚えましょう。
特に重要なものとしては「直喩・隠喩・擬人法・倒置法・体言止め・対句法・省略法・反復法・反語」が挙げられます。これらを最低限覚えておけば十分戦えます。
また、表現技法③で登場する「皮肉」は意味をしっかり覚えておきましょう。記述で登場することが増えてきます。
基本的な知識に関してはここでは解説しません。予習シリーズをご確認ください。
「置き換え」が重要!比喩表現を置き換える記述問題や選択肢問題が多く出題されます。「置き換え」の意識を今のうちに植え付けましょう。
例1. 人類は自らを箱の中に閉じ込めることで、繁栄することに成功した。
→ 隠喩! 「箱の中」=「家、住宅など」
例2. 弟のれいじの顔には大輪の花が咲いていた。
→ 隠喩! 「大輪の花」=「笑顔など」
上記のような置き換えが必要になる場面が多々あります。直喩や隠喩、擬人法などの言葉を覚えるのは当然で、さらにその先を意識して学習しましょう!
実は有名な昔話の冒頭に対句法が利用されています。
それは桃太郎です!
「おじいさんは山へ芝刈りに。おばあさんは川へ洗濯に。」
実はこの書き方は対句法です。「〇〇は□□へ△△に」という並びが同じですよね。このように文章でも対句法が登場すると知っておきましょう。
まず頭語と結語のペアを覚えましょう。
こんなに覚えられないという方は「拝啓・敬具」と「前略・草々」を最低限覚えましょう。昨年も一昨年もこのペアしか出題されていません。
次に手紙の順番も押さえておきましょう。
「頭語」→「時候の挨拶」→「安否の挨拶」→「用件」→「終わりの挨拶」→「結語」→「日付」→「差し出し人」→「受け取り人」の流れですね。
ざっくりと「頭語→挨拶→用件→挨拶→結語」というサンドイッチになっていると考えると覚えやすいかもしれません。
今までの記事の中で、組分けテストの文章題全体の特徴として「抜き出しが非常に多い」ということを挙げてきましたが、その傾向は徐々に弱まってきたようです。
記述の配点も大きくなってきているので、基本通りに「記述>選択肢>抜き出し」の優先順位で解いていけば問題ないでしょう。
ここからは各単元の重要な読解ポイントをお伝えしていきます。
お馴染みの図になりますが、こちらの心情変化の図に当てはめて考えていただければ良いかと思います。ポイントは主人公(もしくは登場人物)がどう「成長・変化」しているかに着目することです。
細かく話していくと、文章の主題(成長・愛・恋・弱者・金・二元論)ごとによくある変化のパターンがあり、このテンプレートパターンを押さえておくと点数UPに繋がります。例えば「愛」が主題のパターンでは以下のテンプレートパターンが存在します。
・前の状態…家族などに愛されていないと感じる(気がついていない)
・きっかけ…親の愛に気がつく出来事(親のありがたみに気がつく、親の本音を知るなど)
・後の状態…(自分が愛されていたと気がつき) 申し訳ない・情けないor感謝・幸せ
このようによくある心情変化のパターンはある程度決まっているので、5年生の学習を通してストックとして貯めておくようにすると良いと思います。
細部分析と言われると難しく感じるかもしれませんが、テーマとしては単純に「理由と結果」です。16回の意見と理由と同じ内容ですね。理由と結果を正しくたどる練習をしていきましょう。
具体的には基本問題の問1.4などを確認するのが良いです。
第一段階として設問で何が問われているのかを理解しているか確認しましょう。
問1 「人間が植物にとって厄介な生き物となった理由」
・理由
↓
・結果 人間が植物にとって厄介な生き物となった。
第二段階として上記の理由の部分が本文から見つけられるか確認しましょう。
避けたいこととしては、下記が挙げられます。
①正解していたが、前後を適当に見て同じ内容が書いてあったから選んだだけの場合
②理由を本文から見つけられていない場合
③そもそも理由がなんなのか分かっていない場合
5年生の2学期や6年生の前半あたりから成績が下降し始める生徒の特徴として①のパターンが挙げられます。論理性を持って解けているのか、たまたま解けたのかを一緒にしないようにしましょう。
②のパターンは探すように訓練するだけです。ただし、日本語が全然理解できていない場合は日本語を読む練習から取り組む必要があります。その場合、日本語を読む訓練をしないと成績が上がりません。そのような状態の場合はご連絡ください。
③のパターンもありえます。意外と「理由ってなに?」と問うと答えられない生徒が多いです。そういう場合は理由と結果についての導入から始めましょう。予習シリーズの上 16回などを復習するか、自律学習サカセルにご連絡いただければと思います。
物語文の読み方の重要なものとして、「登場人物の人物像を押さえる」というものが挙げられます。人物像とは何かというと「生い立ち、生活環境、心身の状態、などから形成された価値観」です。
例えば、「天才高校生作家としてもてはやされてきた大学生A」と「両親が離婚し、祖母の実家に引き取られたがそこでいじめられた小学生B」とでは物事の考え方や価値観が驚くほど違うと分かると思います。ちなみに今挙げた例は実際の入試問題で出題された登場人物です。
ではなぜ人物像が重要なのか?
それは「ある出来事が起きたとしても、人物像によって気持ちが大きく異なるから」です。
例えば、上記の例で考えてみます。仮に、出来事を「友人から悪口を言われた」とします。
大学生Aの場合、ショックを受けつつも、「友人から悪口を言われるとこんな気持ちになるのか。今後の作品の描写で使えそうだな」と考えるかもしれません。
小学生Bの場合、「いつものことだな」と思うかもしれませんし、「なんでこんなに僕は不幸なんだ」と絶望するかもしれません。
つまり、人によって同じ出来事が起きても捉え方が変わるわけです。
しかし、意外とこの理屈が小学生は分かっていないことが多いです。しっかり確認しましょう。
詩では増田先生が書かれたSAPIX記事が非常にまとまっているので、そちらの方をぜひご確認ください。
詩は短く、読む人間に想像の余地を与える作りになっています。
そこで重要になってくるのが、「作問者がどう読んだのか」を押さえることです。
作問者がどう読み取ったかをアピールする場は「設問」、主に選択肢問題にあります。
・設問の各種で答えとして選んだものが「1つの主題を下敷きにしたもの」になっているか
・傍線部の前後をきちんと読み取り、その周辺にきちんと書かれているものかどうか
など、通常の読解問題と同じように解けます。
「いつも通りの読解」をきちんと行い、選んだ答えは「作問者がどう読んだのか」を押さえるヒントになります。
よく言われる詩の読解として「頭で想像してみる」ということが挙げられます。しかし、それで万人が解けるほど詩の問題は簡単ではありません。
追加で、記事の前半で登場した「比喩」と、目に見えない何かを目に見える別の何かで表す「象徴」の考え方が求められます。
つまり、「頭の中で想像した内容」を「目に見えない言いたいこと」に変換し、作問者がその詩をどう読み取ったのかを探る作業が詩の読解です。
ここで例を挙げてみます。
問1 次の3つの共通点は何か?
①ポスト・トマト・消防車
これは簡単ですね。
実際にあるものを想像して、共通しているものを探れば良いです。
答えは【赤】です。
②壁・重荷・坂
少々難しくなります。
それぞれの内容に「人生の」とつけて
人生の壁・人生の重荷・人生の坂などとすると
考えやすくなるでしょうか。
答えは【困難】です。
問2 次の2つの色はどんな印象がある?
①赤色
②青色
どちらかの色から一つでも印象が思いつけば、
残りも変換がしやすくなるのではないかと思います。
①赤色 → 積極的・怒り・攻撃・血など
②青色 → 消極的・悲しみ・防御・涙・冷静など
こういったちょっとした問題を通して、「風景→言いたいこと」という変換に慣れ、読解演習をしていきましょう。
私は遠目から見たシルエットで判断するとわかりやすいです。
国語の解説は以上となります。少しでもお役に立てたらと思います。もう少し詳しく聞きたいという方はお気軽にご連絡くださいませ。
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松田 浩志
自律学習サカセルでは算数・国語、主要2科目を担当。
大手進学塾では、教務主任職として、校舎全体の運営を担当し、日曜日の志望校別コースの最上位クラスから自校舎の基本クラスまで、算数・国語の両科目で毎年幅広くクラスを担当してきた。
現在の趣味はファッション。
もともと古着が好きだったのですが、現在は「キレイめ」なファッションが好み。