2022年7月8日投稿
2024年7月4日更新
滑車・輪軸、浮力、熱と水蒸気、天気、溶解度…5単元、内容はかなり多めです。
数年前までの復習テストは問題の難度がマンスリーより低かったのですが、最近は同程度のレベルになっています。
各単元のポイントと、解くべき問題をまとめます。
直前には「図鑑」も見ておきましょう。
今回使用する指標
◎理科苦手、偏差値~45
〇偏差値45~、理科普通~得意
△上位生向け
630-15 滑車・輪軸
滑車は、ある程度までは出来るけれども、滑車の重さが入ると分からなくなったり、ひもを引く距離は出来ない…など、これが出てくると苦手!となりやすい単元です。ポイントをまとめたので参考にしてください。輪軸は簡単なので確実に得点したいところです。
◎動滑車・定滑車のひもにかかる力を求められるようにする(確認問題[1])
◎組み合わせ滑車のひもにかかる力を求められるようにする(確認問題[2][3])
組み合わせ滑車の場合、何本のひもで支えているのか分かりにくいパターンがあります。
この場合はおもりにつながっている滑車に注目し、その滑車にかかっているひもの数を数えるのがポイントです。
また、天井にかかる力も同様に、天井につながっている滑車に注目し、その滑車にかかっているひもを数えましょう。
天井にかかる力は別解もあり、こちらの方が分かりやすいという子も多いので紹介しておきます。
◎滑車のひもの動く距離を求められるようにする(確認問題[1]~[4][10][12][13])
仕事の原理(重さ×距離が等しくなる)でも、その変形バージョン(重さと距離は逆比になる/反比例する)でも構いませんので、しっかり解法を覚えておきましょう。
仕事の原理は滑車の重さを考えない値のときに成り立ちますので、注意が必要です。
支えているひもの数が2本だから距離も2倍、などと考えても解けますが、2倍にするのか1/2にするのか分からなくなるときがあると思います。そのときは仕事の原理の要素から「軽い方が距離は長くなる」と覚えておくのもアリです。
一人のときに悩まずに解ける方法を身に着けておきましょう。
〇重さを考える滑車のひもにかかる力を求められるようにする(確認問題[4][8][10][13])
滑車の重さの処理に悩んだときは、滑車にかかる力を矢印でかくとよいでしょう
〇滑車のひもにかかる力を比を使って求められるようにする(確認問題[6])
なるべく小さい値を①にするのがポイントです。
◎輪軸のひもにかかる力を求められるようにする(確認問題[5][7][8][9][12])
◎輪軸のひもを引く距離を求められるようにする(確認問題「[5][7][11][12]」
輪軸が回転すると外側ほど大きく動きます。相似を使って考えられるようにしましょう。
〇てこ・滑車・輪軸の混合問題に対応できるようにする(確認問題[8][9][13])
混合問題は、ひとつひとつの要素は簡単なことが多いです。
ポイントは「てこの部分」「滑車の部分」「輪軸の部分」に分けて考えることです。
〇台はかりにかかる力を求められるようにする(確認問題[6][11][13])
台はかりにかかる力も、矢印をかくと考えやすくなります。
確認問題[12][13]はマンスリー/復習テストの過去問です。
◎確認問題[1]~[6]
デイリーステップ[2][4][6]
630-16 デイリーチェック[1][2] デイリーステップ[1]
〇確認問題 [7]~[13]
△発展問題[1]
630-16浮力
苦手、という受験生も多い浮力です。矢印をかいて、何の値が分かっているのか把握できるようにしてから考えるのがポイントです。
◎ものの浮き/沈みは密度で決まることを理解する(確認問題[1])
〇体積と重さのグラフを理解する(確認問題[1])
密度の等しい物質は同じ直線上になること、密度の大きい物質ほど傾きが急になることを理解していると要領よく問題がとけます。
◎アルキメデスの原理を理解する
浮力=物体が押しのけた液体の体積分の重さ
=液体中の体積×液体の密度
◎物体にかかる上向きの力と下向きの力が等しいことを理解する
ここが問題を解く糸口になることが多いです。
◎液体中の体積⇔浮力⇔力のつりあいを組み合わせて、浮力の計算問題が解けるようにする(確認問題[2][4])
力の矢印をかいて解くのがよいでしょう。私の場合はそれに液体中の体積と液体の密度をかき入れる方法をとっています。
〇台はかりにかかる力を考えられるようにする(確認問題[6][7][12][13])
台はかりにかかる力は考え方に2つの流派があります。
台はかりにかかる力=ビーカーの重さ+水の重さ+浮力の反作用の力(水が物体を上向きに押した分、物体に下向きに押し返される)
※物体がビーカーの底に沈んでいる場合はビーカーが物体を支える力も加わります。
台はかりにかかる力=(ビーカーの重さ+水の重さ+物体の重さ)-ばねはかりが上から引く力
問題によってどちらが考えやすいか変わってきます。上位生はどちらも知っておいた方がよいでしょう。
〇水以外の液体にも対応できるようにする(確認問題[3][6][7][8][9][11])
上記や下記の液体の密度をかき入れる方法を用いると比較的ラクに解けますので参考にしてみてください。
◎水に浮かんだ氷がとけても水面の高さは変わらないことを理解する(確認問題[5])
深く理解できるのがベストですが、難しい場合は結果を覚えても構いません。「北極の氷がとけても海水面は変化しない」につなげてよく出題されます。
△物体の密度を使った浮力計算が出来るようにする(確認問題[10]~[11])
上位向けです。マンスリー/復習テストにはほぼ出ていません。
確認問題[12][13]はマンスリー/復習テストの過去問です。
◎確認問題[1]~[7](4)まで
デイリーステップ[2][4][6]
630-17 デイリーチェック[1] デイリーステップ[1]
〇確認問題[8](3)以外[12][13]
630-17 デイリーチェック[2]
△確認問題[7](5)[8](3)[9]~[11][14][15]
630-17 熱と水蒸気
水の三態変化、湿度、熱(カロリー計算)の組み合わせ単元です。ひとつひとつはそれほど重くありませんが、3つ入っているのでかなりポイントが多くなります。
・水の三態変化(確認問題[1][2][3][6])
◎湯気、露、霜、霜柱、つららなどの状態変化をいえるようにする
・湿度
◎湿度とは何か理解する(確認問題[4])
・空気は温度によって含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が決まっている
・湿度=飽和水蒸気量に対して実際に含まれている水蒸気量の割合
以上を理解しましょう。
式を覚えてしまっても構いませんが、意味を理解出来ているとさらによいです。
◎湿度の計算を出来るようにする(確認問題[6])
〇フェーン現象の計算が出来るようにする(確認問題[10][11])
フェーン現象は湿度の計算と組み合わせていくと解けるようになっています。湿度の計算が出来るようになったら取り組みましょう。
◎乾湿球湿度計について理解する(確認問題[5])
乾球と湿球の示度から、表を使って湿度を求められるようにしましょう
湿球の示度が低くなる理由もいえるようにしましょう
上位生は乾湿球湿度計の原理も理解しておきましょう
(湿度が低い→水が蒸発しやすい→湿球の示度が下がる→差が大きい)
・カロリー計算(確認問題[9])
◎カロリーとは何か理解し、温度の異なる水を混ぜた計算を出来るようにする
カロリーは本来 水の重さ×温度変化ですが、混ぜるときは
0℃を基準に
水の重さ×温度=□カロリー持っている
と考えてかまいません。
例)20℃の水50gと80℃の水150gを混ぜると何℃になりますか
20℃の水は20×50=1000カロリー持っていて
80℃の水は80×150=12000カロリー持っているので
合計1000+12000=13000カロリー
これを50+150=200gの水が持っていることになるので
13000÷200=65℃
算数で登場する食塩水の濃度と同じ解法(てんびんや面積図)で解いた方がラクな問題もあります。
〇水と氷を混ぜた計算を出来るようにする
問題ではグラフから氷100gがとけるのに必要な熱を求めるようになっていますが、
氷1gがとけるのに必要な熱は80カロリー
と覚えてしまっても構いません。
例)0℃の氷50gと80℃の水150gを混ぜると何℃になりますか
80×150=12000カロリー持っています(氷は熱を持っていないと考えます)
50gの氷をとかすのに 80×50=4000カロリー使います。
残りは 12000-4000=8000カロリー
50+150=200gの水が8000カロリー持っているので
8000÷200=40℃
◎確認問題[1][3][4][5][9]
デイリーステップ[2][4][6]
630-18 デイリーチェック[1][2] デイリーステップ[1]
〇確認問題[5][10][11]
△確認問題[2][8]
630-18 天気の変化
今回の復習テストの中で唯一の知識単元です。しっかり覚えましょう。
◎日本を取り巻く4つの気団とその特徴を覚える(確認問題[1])
それぞれの気団が活躍する季節も覚えましょう。
◎季節ごとの天気の特徴を覚える(確認問題[1][3][4][9][10])
◎冬 西高東低の気圧配置、北西の季節風、太平洋側は晴れの日が多く、日本海側は雨や雪が多い
◎夏…太平洋高気圧(小笠原気団が発達するとこう呼ばれる)に覆われるので晴れの日が多い。南東の季節風、蒸し暑い
◎梅雨…小笠原気団とオホーツク海気団がぶつかったところに梅雨前線が出来(記号も覚えておきましょう)、雨の日が続く。夏に向けてだんだん小笠原気団が強くなるので、梅雨前線は北上する。
〇春・秋…長江気団がちぎれて移動性高気圧となり、偏西風に乗って日本にやってくる。移動性高気圧と低気圧が交互にやってくるので天気は周期的に変わる
◎各季節を天気図、衛星写真から選べるようにする([3][4][9][10])
天気図
冬…西高東低で等圧線が縦じまになっている
夏…等圧線の間隔が広く、太平洋に大きな高気圧がある
衛星写真
冬…北西から南東にすじ状の雲
夏…日本全体に雲がない
◎台風について覚える(確認問題[2][6][9][10])
熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17.2m/秒以上になったもの
太平洋高気圧が衰える8月終わりから10月ごろ日本にくる
右側(東側)の風が強い…理由もいえるようにしておきましょう。(台風の進行方向と台風に吹き込む風の向きが重なるため)
〇台風に吹き込む風の向きから、ひとつの地点の風向きの変化を考えられるようにする(確認問題[2][6])
やや難ですが、よく出ます。
◎アメダスとひまわりについて覚える(確認問題[1])
◎高気圧と低気圧の空気の流れを理解する(確認問題[5])
高気圧…下降気流、時計回りに風が吹き出す、晴れ
低気圧…上昇気流、反時計回りに風が吹きこむ、くもりや雨
〇温帯低気圧について覚える(確認問題[7])
温暖前線…暖気が寒気を押している、乱層雲が出来、穏やかな雨が長時間降る
寒冷前線…短期が暖気を押している、積乱雲が出来、激しい雨が短時間降る
記号も覚えておきましょう。
復習テストでは出てきていませんが、秋以降には覚えておくべき内容です。
確認問題[3][9][10]は復習テストの過去問です。
◎確認問題[1]~[3][5][9]
デイリーステップ[2][4][6]
630-19 デイリーチェック[1] デイリーステップ[1]
〇確認問題[4][6]~[8][10]
630-19 デイリーチェック[2]
630-19 溶解度
苦手な子が増えてきている単元です。言葉で情報が提示されることが多いため、普段よりさらに「問題文をよく読む」ことが重要になる単元です。
〇実験操作について理解し、覚える(確認問題[1][2][8][11])
ろ過や加熱のしかた、ガスバーナーやアルコールランプの使い方を覚えましょう。
確認問題[1][2]にありますが、[1]は記述が多く重いのでここで止まってしまう生徒が現れます。今回のメインは溶解度の計算なので、時間がかかりそうならば、とばしても構いません。
◎水に固体をはやく溶かす方法/たくさん溶かす方法をいえるようにする(確認問題[7])
2つを混同しないようにしましょう。
◎溶解度について理解する(確認問題[3]~[7][9][10][12])
溶解度は水の温度と水の量によって決まることをしっかり理解しましょう。
表やグラフには各温度の水100gに溶ける重さが載っています。
水の重さが2倍になると溶ける量は2倍になりますが、温度が2倍になっても溶ける量は2倍になりません(グラフを見て分かる通り、比例していない)温度が変わったら必ずグラフを見ましょう。
◎溶解度の基本計算を出来るようにする(確認問題[3][4])
整理して考えられるとよいです。
例)80℃の見る300gにホウ酸を40g溶かした後、水を100g蒸発させて40℃にしたところ結晶が□g出てきた。
60℃ 水300g ホウ酸 40gとかした
40℃ 水200g ホウ酸9×2=18gまでとける
40-18=20g
※このとき、80℃の水300gに15×3=45gまで溶けることを求める生徒がいますが、不要です。
「45gまで溶けるから、40gは余裕だな」と思うだけならよいのですが、45gも計算に入れようとして迷い込んでしまうのをよく見かけます。
出ている値が何なのか、しっかり把握できるようにしましょう。そのために数値の他に「までとける」などのかき込みをしています。
◎濃度を求められるようにする(確認問題[3]~[7][10][11])
理科の濃度は厄介です。割り切れないからです。
例)60℃の水100gにホウ酸を溶けるだけ溶かしました。このホウ酸水の濃度を求めなさい。割り切れないときは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
第1関門は水溶液の重さ=水+溶けている物質の重さであること!
算数の場合は食塩水(水溶液)の重さが出ていますが、理科では水の重さと溶けている物質の重さが別に表されています。
水溶液の重さ=100+15=115g
これで濃度を求めると 15÷115=0.13…
ここで第2関門!小数第2位とは%にしたときの小数第2位のことです。割り算は小数第4位まで求めなければいけません!
15÷115=0.1304…13.04%→13.0% です。
はじめに100倍しておいて小数第2位を分かりやすくしてもよいでしょう。
また、温度が同じ飽和水溶液の場合、水の量が変わっても濃度は同じと知っておくと少し楽になります。
例えば60℃の水220gにホウ酸を溶けるだけ溶かしたときの濃度は?
と問われたときに、60℃の水220gに溶けるホウ酸の量を求める必要はありません。
先ほど求めた 13.0%です。水100gのときの値で求めるのが楽でしょう。
〇飽和水溶液の重さが出ているパターンに対応できるようにする(確認問題[3](4)[7](4))
典型的な応用パターンです。テキストにも何回も登場し、テストにもよく出ますが正答率は大抵12~14%くらいになっている、難しめの解法です。
解き方を知った段階で「いけそう/無理そう」の判断をしてしまってもよいと思います。
例)60℃のホウ酸飽和水溶液100gを40℃に冷やすとホウ酸の結晶は何g出てきますか
60℃ 水□g ホウ酸 △g 飽和水溶液100g(□+△)
水の重さが出ていないのが厄介です。
いったん水100gとして結晶を求め、飽和水溶液の重さを比較して求めます。
60℃ 水100g ホウ酸 15g 飽和水溶液115g
40℃ 水100g ホウ酸 9g
15-9=6 ←これは60℃の飽和水溶液115gのときの結晶
6×100/115=5.217…5.2g
はじめの段階で水やホウ酸の重さを出しても溶けますが数値が複雑なため、まとめて解くという解法知識です。
〇飽和水溶液の水を蒸発させるパターン(確認問題[3](5)[4](3)[7](3))
これは知っておくとラクに解ける解法知識です!
例)80℃のホウ酸飽和水溶液200gを80℃に保ったまま水を50g蒸発させました。溶けきれずに出てくる結晶は何gですか。
50gの水が蒸発すると、その50gの水が(担当して)溶かしていたホウ酸が溶けきれずに出てきます。
80℃の水100gには24gとけるので、12g!
これが使えるのは飽和水溶液で、かつ温度が変わらないときだけです。(いったん沸騰させて、同じ温度に戻した場合もOK)
◎確認問題[2]~[7](1)、[8]
デイリーステップ[2][4][6]
630-20 デイリーチェック[1] デイリーステップ[1]
〇確認問題[1][7][8]
△確認問題[9][10][12]
630-20 デイリーチェック[2]
SAPIX6年7月復習テストについては以下もご覧ください。(順次追加されます。)
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―算数編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―国語編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―理科編
SAPIX6年7月復習テストで押さえるべきポイント―社会編
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塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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