2022年12月22日投稿
2023年12月16日更新
寒くなってきました、冬ですね。今回のマンスリー範囲に天気があります。関東地方の冬は乾燥した晴天が多いですが、6年生に夏頃「冬ってどんな天気が多いと思う?」ときくと「寒い」「雪」「くもり」のような答えが返ってくることがほとんどです。寒いから曇っているだろう、と考えるのですね。小学生にとって半年前は大昔なうえ、この時期はこんな天気が多い…などと考えている子はあまりいませんが、それができると中学受験はかなり有利だったりします。冬らしく晴れた日に天気の話をしてみたりしてはいかがでしょうか?
重要単元が続いている5年後期、今回のマンスリー範囲も気の抜けないものばかりです。
何といっても重要なのはてこです!棒の重さも加わり、複雑になってきました。かなり詳しく書いたので、参考にしてください。
直前には図鑑も確認して、12月マンスリーも頑張りましょう!
各単元のポイント及び問題の重要度は以下です。
◎:絶対
〇:マンスリー対策としてここまで解いておくとよい
△:できれば取り組んでおきたい
無印:余裕があれば
530-30 てこ
中学受験の最重要単元のひとつ「てこ」の本格的な計算問題の回です。しっかりマスターしましょう!
・てこの原理を理解する
てこは、支点を中心とした回転のつりあいであることをしっかり理解しましょう。
◎真ん中に支点があるタイプのてこの計算をできるようにする(確認問題[1]図1他)
回転力(モーメント)=支点からの距離×重さ 「支点からの」距離であることに注意しましょう。
◎端に支点があるタイプのてこの計算をできるようにする(確認問題[1]図2[2]図2、3他)
必ず矢印をかいて、時計回りと反時計回りの回転のつりあいで考えられるようにしましょう。
〇なかまが遠くにいるタイプのてこの計算をできるようにする(確認問題[1]図3確認問題[7]図4)
◎支点を自分で決められるようにする(確認問題[1]図4、5[2]図4、5他)
支点が決められていない場合は自分で決めて支点マーク「△」を図にかき込みましょう。
支点はどこでもよいのですが、基本はばねはかりの下です。ばねはかりが2つあるときはどちらでもよいです。行き詰ったら支点を変えればOKです。
重要なのは支点をはっきりさせてから回転を考えることです。
◎上下の力のつりあいを考えられるようにする(確認問題[1](1)B,D,F,G(2)B他)
てこの回転ではなく、棒を上に引っ張っている/押している力と下に引っ張っている/押している力のつりあいです。回転とは無関係なので混同しないようにしましょう。
混同を防ぐために
力には「g」をつける
回転力(=モーメント、支点からの距離×力)には単位をつけない
または値を囲む
などの区別をするとよいでしょう。
・棒の重さの処理をできるようにする
棒の重さはおもりにして図にかき込むだけ→おもりをひとつ自分でかき込む問題です。あとは普通のてこと同じなので構える必要はありません。
棒の重さで混乱する子は自分オリジナルの解法で処理しようとしています。物体の重さは重心だけにかかっている=重心におもりを下げるだけ、をしっかり理解しましょう。
◎一様な棒の重さを図にかき込めるようにする(確認問題[1]図5[2][3](1)他)
一様な棒の重心は真ん中です。棒の真ん中におもりを下げましょう。そのときに距離もかき込んでおくと後々ラクです。
◎一様でない棒の重心を求められるようにする(確認問題[3](2)[4][5](5)(6)他)
一様でない棒の重心の求め方は3つあります
1. 教えてくれる(確認問題[3](2)[4](1)[8]図7)
はじめに図のように一点で支えられて、棒が水平になっていたらそこが重心です。
その後ばねはかりやひもの位置が変わっても重心は変わらないことに注意しましょう。
重心:その物体の重さが集まっている一点。絶対に動かない。おもりにしてかき込む。
支点:回転を考えるときの中心。自分で決めてよい。△をかき込む。
2. 比で求める(確認問題[4](2)[5]図7,8[6]図6[7]図7)
棒を支えている2点から比を使って求めるタイプ。
3. とりあえずおもりをかき込むタイプ(530-31デイリーチェック[1](4))
大体の位置におもりをかき込んでしまい、てこのつりあいから重心の位置が分かるタイプです。テストにはよく出ます。
てこの解き方をまとめます。
てこの解き方
-
棒の重さをおもりにして重心に下げる
※距離もかき込む
-
支点を決める
基本はばねはかりの下→いき詰ったら変える(端、おもりの下がっているところなど)
-
回転のつりあい
支点を中心として回転の矢印をかく
-
上下の力のつりあい
たいていは最後に考えますが、ここから問題を解く糸口が見つかることもあります。
マンスリーはかなり複雑な問題も登場します。ポイントは棒の重さや距離、支点などの情報を図にかき込むことです。見えるようにしてから解くようにしましょう!
◎530-30 確認問題[1]~[5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-31 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-30 確認問題[6][8]
△530-30 確認問題[7]
530-31 滑車・輪軸
滑車と輪軸はセットで学習することが多いですが、その考え方はかなり異なります。
「滑車は滑車」「輪軸はてこ」です。滑車をてこと考えることもできますが、別モノと考えた方が考えやすいでしょう。
この単元の難しいところは「滑車のひもにかかる力はこう考える」「輪軸のひもにかかる力は~」「滑車のひもを引く距離は~」「輪軸のひもを引く距離は~」…とパターンが多いところです。小学生はひとつのことを深く考える能力は大人に引けを取らない/上回ることも多いですが、俯瞰視する力は未発達の子がほとんどです。しばらくして解き方をすっかり忘れることも多い単元です。
・滑車
〇動滑車・定滑車とは何か理解する(確認問題[1])
ひもを引くことにより滑車自体が動くのが動滑車、天井や床に固定されているのが定滑車です。見た目の形で判断しないようにしましょう。
◎滑車の両側のひもにかかる力は同じであることを理解する(確認問題[1][2][4]~[8])
つながっている一本のひもなので当たり前ですが、複雑になるとこれを変えてしまう子がいます。これが絶対の鉄則であることを知っておいてください。
◎おもりを何本のひもで支えているか考えられるようにする(確認問題[2][4]~[8])
おもりに直接つながっている滑車に注目し、それにかかっているひもの数を数えます。
できる限りひもにかかる力をかき込みながら解くようにしましょう。
◎滑車のひもを引く距離を考えられるようにする(確認問題[1][2][4]~[8])
いくつか考え方がありますが、仕事の原理から
「ひもを引く距離と重さは逆比(反比例)」は知っておいた方がよいでしょう。
ただし、これは滑車の重さを考えないときの値なので注意しましょう。
厳密に重さの比を出す必要もなく、4本のひもで支えているから距離は×4かな?÷4かな?と悩んだときに、重い方が距離は短いはず…と考えられればOKです。
ひもを引く距離を考えるときには、「ひもを20cm引いた」「おもりを20cm持ち上げたい」など、どこの値が出ているのか?をしっかり確認しましょう。
「反対を求めちゃった」が続出する単元です。思い込みで問題を解くことが多いタイプは特に注意が必要です。
〇滑車の重さがある場合の力を考えられるようにする(確認問題[5](3)(4)[6](6)[7](3)[8](4))
下から上にいくパターンはスムーズに考えられる子が多いのですが、
逆になるとぐっと正答率が下がります。
矢印をかくと考えやすいです。
・輪軸
◎輪軸のひもにかかる力を考えられるようにする(確認問題[3][5]~[8])
輪軸は円盤の中央が支点のてこです。
支点からの距離×重さのつりあいを考えればOKです。
◎輪軸のひもを引く距離を考えられるようにする(確認問題[3][5]~[8])
複数の円盤が一緒に回転します。このとき、外側の方が大きく動きます。相似で考えてもよいですし、「ひもを引く距離の比=半径の比」と考えてもよいです。滑車のときのように重さと逆比(反比例)は使わないので注意しましょう。おもりが2つまでなら使えなくはないのですが、図のようなパターンは比でないと求められません。
確認問題[7][8]はマンスリーの過去問です。
◎530-31 確認問題[2]~[5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-32 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-31 確認問題[1][6]
△530-31 確認問題[7][8]
530-32 熱
カロリー計算と湿度の計算が合わさった回です。カロリー計算は計算法をマスターすること、湿度は原理を理解することが重要です。
・カロリー計算
◎カロリーとは何か理解する(確認問題[1][2][4])
1カロリーは1gの水を1℃上げるのに必要な熱、ということ
カロリー=水の重さ(g)×温度変化(℃) であることを理解し、計算ができるようにしましょう。
◎時間と温度変化のグラフを読めるようにする(確認問題[1][4][5])
・水の量が少なくなると温度変化がはやくなる(傾きが急になる)ことを理解しましょう。
このグラフ選択の問題は、今後の組み分けテストなど範囲のないテストでもよく登場します。
・グラフから「1分で□カロリーの熱が加わった」を求められるようにしましょう。
・グラフで、0℃のときと100℃のときに温度が上がらない理由をそれぞれ答えられるようにしましょう。
◎温度の異なる水を混ぜたときの計算ができるようにする(確認問題[2])
湯(高温の方)が失った熱=水(低温の方)が得た水であることを理解し、カロリーを求められるようにしましょう。
混ぜた場合の温度や水の重さを求める計算の方法はおもに2つです。
1. 0℃を基準として□カロリー持っている、と考える
カロリーは本来は水の重さ×温度変化ですが、混ぜるときは
カロリー=水の重さ×温度としてOKです。
例)10℃の水100gと50℃の水150g
1000+7500=8500(カロリー)
100+150=250(g)
250gの水が8500カロリー持っているので
8500÷250=34(℃) になる
という考え方です。3つ以上を混ぜるとき、6年生になって氷が混ざってきたときに有効な考え方です。
2. 濃度の異なる食塩水を混ぜる問題のように考える。
20℃の水100g→20%の食塩水100gと同じように考えて、てんびんや面積図を使いましょう。
一方の水の温度や重さを求めるときに有効です。
・湿度(確認問題[3][6])
◎飽和水蒸気量/露点を理解し、覚える
飽和水蒸気量…空気1㎥に含むことのできる水蒸気量、気温によって決まる
露点…含みきれなくなった水蒸気が水滴になって出てくる温度
◎湿度とは何かを理解する
湿度とは…飽和水蒸気量に対する実際に含まれている実際に含まれている水蒸気量の割合
です。
公式で覚えてもよいですが、乗り物の乗車率のようなもの(50人乗りのバスに40人乗っている→80%)というイメージがついているとさらによいです。
◎湿度を求められるようにする
気温と含まれている水蒸気量から湿度を求められるようにしましょう。
◎気温と湿度から含まれている水蒸気量を求められるようにする
例)25℃で湿度70%
25℃の飽和水蒸気量は23.0g(表で見る)なので
23×0.7=16.1(g)
湿度の意味を理解している場合は上記の計算がサラッとできますが
多くの子が公式に当てはめて
□/23×100=70
□/23=70/100
□/23=7/10
ここでつまります。分数は割り算ですから
□/23=0.7 ※ ×100は省略して初めから0.7
□÷23=0.7
これなら解けます。
◎乾湿球湿度計(確認問題[7](3))
乾湿球湿度計の表を読みとれるようにしましょう。
乾球より湿球の方が示度が低い理由を答えられるようにしましょう。
△乾湿球湿度計の原理を理解する(確認問題[7])
湿度が低い
→蒸発しやすい
→どんどん蒸発して熱がうばわれて湿球の示度が下がる
⇒湿度が低いほど乾球と湿球の差が大きい
湿度100%
→空気が水蒸気でいっぱい(飽和している)なので蒸発できない
→湿球の示度は下がらない
⇒差が0
これができているとかなり強いです。
◎530-32 確認問題[2][3][4][5]
デイリーステップ[2][4][6]
530-33 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-32 確認問題[1][6](2)以外
△530-32 確認問題[8]
530-33 天気
今回のマンスリーで唯一の計算を含まない単元です。ただ、単純な暗記単元ではなく、画像や図の選び方が難しいので油断はできません。
◎4つの気団の名前と特徴を覚える(確認問題[1])
大陸にあれば乾燥、海上にあれば湿っている
南にあるものは温かく、北にあるものは冷たい
さらに、4つとも高気圧であることを覚えておきましょう。
◎季節の特徴と活躍する気団を覚える(確認問題[1][2][6][7])
冬:シベリア気団
西高東低の気圧配置、北西の季節風
日本海側は雨や雪、太平洋側は晴れ
夏:小笠原気団(太平洋高気圧)
南東の季節風
晴れが多い、蒸し暑い
梅雨:オホーツク海気団と小笠原気団
雨が続く
梅雨前線は北上する
春・秋:長江気団からちぎれた移動性高気圧と低気圧が偏西風に乗って交互にくる
天気は2,3日おきに変わる
◎雲画像から季節を判断できるようにする(確認問題[1][3][5][6][7])
冬:すじ状の雲、北西から南東に向けてサササーっと刷毛ではいたような雲が見えます。
日本海側でもやもや、太平洋側でくっきりしているのも特徴です。
夏:太平洋高気圧に覆われるので、日本にまとまった雲がなく、全体が晴れているのが特徴です。
梅雨:梅雨前線による横長の雲があります。
台風:見つけられるでしょう。
〇天気図から季節を判断できるようにする(確認問題[6][7])
冬:西高東低の気圧配置、東の低気圧はかなり北にあることが多い
等圧線が日本付近でたてになっている
日本海側に雨や雪の天気記号、太平洋側に晴れや快晴の天気記号
梅雨:梅雨前線がある
台風:台風がある
◎低気圧と高気圧について理解し、覚える(確認問題[2])
低気圧:上昇気流、雲ができる、風が反時計回りに吹き込む
高気圧:下降気流、晴れ、風が時計回りに吹き出す
◎台風について覚える(確認問題[4])
熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17.2m/秒以上になったもの
進行方向の右側の風が強い
◎天気記号を覚える(確認問題[2])
雲量と天気記号(快晴、晴れ、くもり、雨、雪)を覚えましょう。
◎アメダスとひまわりを覚える(確認問題[2])
アメダス:地域気象観測システム
ひまわり:気象衛星。赤道上空をまわっている。
◎「風向き=吹いてくる向き」を理解する(確認問題[4][5])
例えば南東から北西に向かって吹く風は南東の風です。
間違えている小学生はとても多いので注意してください。
〇雲画像の並べ替えをできるようにする(確認問題[5][6])
偏西風に乗って、日本上空の雲は西→東に移動します。よく出るのですが正答率は低めで、差がつきやすい問題です。
確認問題[6][7]はマンスリーの過去問です。
◎530-33 確認問題[1][2][3][4](2)
デイリーステップ[2][4][6]
530-34 デイリーチェック
デイリーステップ[1]
〇530-33 確認問題[4](1)[5][7]
△530-33 確認問題[6]
SAPIX5年12月マンスリーについては以下もご覧ください。(随時追加されます。)
SAPIX5年12月マンスリーで押さえるべきポイント!算数編
SAPIX5年12月マンスリーで押さえるべきポイント!国語編
SAPIX5年12月マンスリーで押さえるべきポイント!理科編
SAPIX5年12月マンスリーで押さえるべきポイント!社会編
SAPIXに関して、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!
塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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