2022年10月11日投稿
2023年9月29日更新
【試験の範囲】
540-20 地形図の読み取り
540-21 国のはじまり
540-22 律令国家へ
540-23 平城京・平安京
540-24 貴族の世の中
【平常授業のテキストで扱うべき問題と順番の一例<いつも通りなので再掲>】
SAPIXの各種テストは、一問一答形式で出題されることがまずありません。
リード文や設問から「関連する知識を引っ張り出す→設問の条件に当てはめて答える」形式がほとんどです。
つまり、出題範囲の知識事項については盤石にしておく必要があります。
平常テキストは
授業の確認問題 基礎
→授業の確認問題 発展
→授業の確認問題 実戦
と進めて、入試問題で出題されるレベルまでおさえてから、
→デイリーステップ パート1・2 で全体を改めて復習、とするのがおすすめです。
【試験範囲から考える注意点】
地理分野に一旦区切りをつけて、歴史分野に突入しました。
地理分野唯一の出題である「地形図」に関しては地図の見方、地図記号の情報などの知識が解く際に必要です。
特に見方を知らないと「詰んでしまう」状態になるので、早めに対策をしておくべきでしょう。
歴史分野に関しては「政治」を中心として進みます。
時代ごとに「○○時代は誰がこういうことをした時代」と大きく全体像をおさえた上で、細かな知識を押さえるのがおすすめです。
また、「年表トレーニング帳」は「全体の因果関係(流れ)を追いやすい」教材となっていると感じます。
こちらも併用しつつ進めるのが良いでしょう。
【各回のトピックス】
優先順位を
◎:基礎的な内容が中心で、確実に身につけたい内容
○:少々細かい内容も含まれるが、できるだけ押さえておきたい内容
△:頻出ではないので、復習の優先度が下がる内容
としています。
540-20 地形図の読み取り
テーマ1〜3は表面が説明ページではなく、問題演習のページとなっています。
裏面の「もっと知りたい」が説明ページですね。
基本的に優先順位は「もっと知りたい」のページを基準にしています。
●表紙の6つの写真を地図で表すと… ○
扇状地・三角州・三日月湖・干拓地・人工島・彫り込み港の地形図が出ています。
「こういう特徴が見えたら、干拓地」など自分なりに判別がつけられている状態が望ましいです。
扇状地は山などとセット、三角州・干拓地・人工島・掘り込み港は海付近で見られる、と大きく分けてとらえましょう。
●土地の様子を読み取る ◎
◎を5つ分ほどつけようか悩みました。。。
方位の決まり・主な地図記号・縮尺の決まり、等高線の決まり、全て頭の中に入れないと、きちんと問題を解くことができません。
流されがちなのが主曲線と計曲線の問題です。
「高さが書かれている2つの主曲線の間に、だいたい何本の主曲線が引かれているのか」で、縮尺を判定することになります。
「だいたい」と書いたのは、印刷不鮮明であったり、地図が小さかったりするとはっきりと数を数えるのが難しくなるからです。
主曲線一本でだいたい10mを差していたら、25000分の1の地図。
主曲線一本でだいたい20mを差していたら、50000分の1の地図を指します。
はっきり本数が数えられなくても、「5本分のスペースの主曲線を10本分と数え間違える」というのは考えにくい状況です。
印刷不鮮明でも、「だいたいこれくらいの本数かな」ときちんと方針を立てて解けるようにしておくことが大切だと思います。
●地形と地域の特色を読み取る △
江戸と東京の比較などが挙げられています。
こっそり「宿場町」や「五街道」について紹介されています。
「歴史」で改めて扱う内容となっています。
●地域の変化の様子を読み取る △
「表紙の6つの写真を地図で表すと…」の実践を表面で行います。
人口の変化については、「八王子市」が紹介されていますが、そんなに深く扱う必要はないでしょう。
540-21 国のはじまり
旧石器時代〜弥生時代を扱います。
●古代の遺跡、大集合! ◎
旧石器〜弥生時代は基本的に「遺跡」と「見つかったもの」で時代を判別します。
時代の順に並べ替えてみます。
◇旧石器時代〜打製石器、黒曜石
・岩宿遺跡(群馬県) 相沢忠洋が関東ローム層から打製石器を発見
・野尻湖遺跡(長野県) ナウマンゾウ、オオツノジカの化石が見つかる
◇縄文時代〜磨製石器、縄文土器、定住生活、海へ繰り出すようになった
・三内丸山遺跡(青森県) 500以上の竪穴住居跡
・大森貝塚(東京都) 縄文時代のゴミ捨て場、アメリカ人エドワード・モースが発見
◇弥生時代〜弥生土器、鉄器・青銅器、稲作の広まり
・吉野ヶ里遺跡(佐賀県) 周りを「濠(ほり)」で囲んだ環濠集落、「むら」同士の争いの跡
・登呂遺跡(静岡県) 水田、高床倉庫、竪穴住居
となります。
各時代の特徴、遺跡名・場所・何が発見されたのかについては正確におさえておく必要があります。
●歴史を学習する前に 〜年代の表し方〜 ◎
紀元前、紀元後と世紀の考え方についてです。
特に間違えやすいのは「世紀」です。
1世紀は<1>〜<100>を示します。
「始まりの年」を基準にすると、メチャクチャな範囲を示すことになってしまうので、「終わりの年」を基準に、
1世紀=<100>で終わる
2世紀=<200>で終わる
3世紀=<300>で終わる
とすれば、
20世紀=<2000>で終わるし、
21世紀=<2100>
で終わります。
あとは各世紀の終わりの年に重ならないように、「始まりの年」を設定すれば良いですね。
1世紀を100円玉1枚、と考えて、何円から何円までのものが買えるかという考え方もあります。
どのやり方を採用するにせよ、正しく範囲が設定できれば問題ありません。
①石器の時代から土器の時代へ ○
◇旧石器時代〜打製石器、黒曜石
・岩宿遺跡(群馬県) 相沢忠洋が関東ローム層から打製石器を発見
・野尻湖遺跡(長野県) ナウマンゾウ、オオツノジカの化石が見つかる
◇縄文時代〜磨製石器、縄文土器、定住生活、海へ繰り出すようになった
・三内丸山遺跡(青森県) 500以上の竪穴住居跡
・大森貝塚(東京都) 縄文時代のゴミ捨て場、アメリカ人エドワード・モースが発見
を中心にして、知識の整理をしていきましょう。
ちなみに、縄文土器の特徴は「黒い・厚い・もろい・縄の目の模様」です。
「板付遺跡」に関しては時々聞かれます。縄文時代終わりに稲作が始まり、弥生時代に広がったという認識で十分でしょう。
②縄文時代から弥生時代へ 表面△ 裏面◎
◇弥生時代〜弥生土器、鉄器・青銅器、稲作の広まり
・吉野ヶ里遺跡(佐賀県) 周りを「濠(ほり)」で囲んだ環濠集落、「むら」同士の争いの跡
・登呂遺跡(静岡県) 水田、高床倉庫、竪穴住居
を中心にして、知識の整理をしていきましょう。
裏面の「もっと知りたい」で出てくる、稲作の道具名、「むら」関連、土偶、銅鐸についてはきちんと名前を押さえておきたいところです。
ちなみに埴輪は「古墳時代(SAPIXだと飛鳥時代に含まれる)」のものです。間違えないようにしたいところです。
③「くに」の誕生 ○
小さな「むら」の指導者が豪族となり、やがて「くに」を形成していく話です。
ちなみに豪族は「地方の有力者」、大王は「中央の有力者」とおさえておくと良いでしょう。
ここで「邪馬台国」と「卑弥呼」、「魏志倭人伝」について扱いがあります。
こっそり「後漢書東夷伝」についての表記が2行ほどありますが…ここでは深く扱わないようです。
540-22 律令国家へ
古墳時代〜飛鳥時代を扱います。
●朝鮮半島とのつながり ◎
白村江の戦いが起こるきっかけとなった内容が載っています。
朝鮮半島の国の位置だけ載っていますが、
当時の中国に協力的だった高句麗と新羅
当時の日本に協力的だった百済と伽耶
と見て、新羅が伽耶を乗っとり…としてストーリーをきちんと押さえた方が良いでしょう。
ちなみに渡来人は「命からがら日本に逃げてきた」のです。
●日本の古墳 ◎
各種名前と形をおさえる必要があります。
注意なのは前方後円墳。
前が方墳で四角い形、後ろが円墳で丸い形のはずなのに、「鍵穴のような形」と紹介されることが多いです。
上方向を前、下方向を後と見るなら、正しくは「鍵穴と逆の形」となります。
①大和政権と古墳文化 ◎
争いが多く、「墓(古墳)」くらいしか残っていない時代です。
・大仙古墳(大阪府堺市) 日本最大の前方後円墳、仁徳天皇の陵墓と言われている
・稲荷山古墳(埼玉県行田市) ワカタケル大王の名前が入った鉄剣が見つかる
・江田船山古墳(熊本県) ワカタケル大王の名前が入った鉄刀が見つかる
については整理して知っておく必要があります。
②聖徳太子(厩戸皇子)の時代 ◎
<593>聖徳太子が推古天皇の摂政となる
〜推古天皇は聖徳太子のおば、つまり聖徳太子は推古天皇のおいであることも押さえましょう。
◎聖徳太子のやったこと
<603>冠位十二階〜家柄でなく実力で政治の要職に人をつける
<604>十七条の憲法〜役人の心構えを示す
<607>小野妹子を遣隋使として隋に送る
<607>法隆寺を建立〜奈良県の斑鳩、世界最古の木造建築、世界遺産
などとして、年表できちんと内容を押さえましょう。
「きちんと内容を押さえる」とは、まずは「出来事」と「結果」を押さえること。
「出来事」の起こった「原因」まで押さえるのが理想です。
③律令政治の始まり ◎
<645>大化の改新
内容 中大兄皇子 と 中臣鎌足 が 蘇我氏を暗殺して政治の改革を行った
(→天智天皇) (→藤原鎌足)
原則 公地公民〜土地と人民は天皇のもの
<663>白村江の戦い
内容 唐・新羅 vs 倭・百済
結果 唐・新羅が勝ち、倭と新羅の関係が悪化
北九州に水城を築く、防人を設置
<672>壬申の乱
内容 大海人皇子 vs 大友皇子
〜天智天皇の弟 〜天智天皇の子 による天智天皇の後継者争い
結果 大海人皇子が勝利し、天武天皇に
<694>藤原京
人物 持統天皇が中国の都を参考に設置
<701>大宝律令
内容 ①中央を二官八省、地方を大宰府、国司と郡司と里長に分けた
②税の設定 租・調・庸、兵役、雑傜
班田収授法で口分田を貸し与えた
結果 税がきつすぎて、逃亡する農民が増えた
540-23 平城京・平安京
奈良時代〜平安時代前半を扱います。
●1200年以上前の宝物がねむる「正倉院」 ○
ペルシア・唐などから宝物が…という聞き方で「シルクロード」という名前を問われることは多いです。
正倉院は聞かれることがありますが、宝物の具体的な名前まで聞かれることはないと思います。
●「校倉造」って何だろう? ○
正倉院に用いられた建築の方法です。
「校倉造」と聞いて、奈良時代と答えられるようにしておくようにしておくと、後々楽です。
①平城京と聖武天皇の政治 ◎
<710>平城京
人物 元明天皇
見本 唐の長安
内容 律令国家の都として設置
◎聖武天皇の政治〜仏教の力で国を治める
<741>国分寺・国分尼寺建立の詔
内容 国ごとに国分寺(国分尼寺)を設置
総本山 東大寺(平城京の東の大きい寺)
<752>東大寺大仏の開眼供養の儀式
人物 行基の力を借りて仏教を広めた
鑑真を唐から招いた(5回航海に失敗し、失明したが日本に来た)
唐招提寺は鑑真によって建てられた寺として有名ですが、漢字で書き間違えてしまうことも多いです。
また、裏面の遣唐使については、
<630>〜<894> 遣唐使の派遣
人物 犬上御田鍬(初代)
菅原道真の進言で廃止
阿倍仲麻呂〜唐から帰ってこれなかった 「天の原」から始まる和歌を残した
吉備真備 〜唐から帰ってきて重く用いられた
と、人物を中心に整理しておくのが良いでしょう。
②荘園の発生と律令政治のゆらぎ ◎
うまく因果関係を繋げて押さえるのが大切です。
◎大化の改新により公地公民という原則を作った
→班田収授法で口分田を与えた
→大宝律令で農民の税を設定
→それまで税などなく、農民たちの生活は苦しいまま
→税負担の重さから逃亡する農民も
→荒れ地が増え、田畑が不足するように
→<723>三世一身の法で3代まで土地私有をOKにするも、効果上がらず
→<743>墾田永年私財法で新たに田畑を開いたものに土地の私有を認めた
→貴族・寺院・神社などが私有地を広げ、「荘園」と呼ばれるようになった
→公地公民は完全に崩れて、律令政治も崩れることに
という形で、スタートからゴールまでをきちんと押さえられると、細かな内容も入ってきやすくなるでしょう。
③桓武天皇による律令政治の立て直し ◎
ここから平安時代に本格的に入っていきます。
<794>平安京
人物 桓武天皇
内容 律令政治の立て直し〜国司の不正を取り締まる
裏面は最澄と空海の開いた仏教についての情報です。
「天才の真空とびひざげり」などとして、天台宗の最澄、真言宗の空海ときちんと結びつけて押さえていきましょう。
540-24 貴族の世の中
平安時代前半〜平安時代終わりを扱います。
●平安時代の貴族の暮らしを見てみよう!
束帯の出題は多くないですが、十二単は漢字で書けるようにすると良いでしょう。
貴族の屋敷名は寝殿造。
名前から「平安時代」と判別するときの重要なヒントになります。
●歴史人物・クローズアップ
「源氏物語」紫式部
「枕草子」清少納言 の2人が紹介されています。
ちなみに、「作品名」と作者名を並べると、ちょうど漢字七文字ずつになります。
①藤原氏の栄華 ◎
摂関政治は、「天皇が幼い時には摂政、成人したら関白となって権力を握る政治」と意味を覚えておきましょう。
また、天皇が女性のとき、摂政が置かれることがあります。
藤原道長・頼通のときに藤原氏は全盛期を迎えます。
おなじみですが、頼「通」であって頼「道」ではありません。
裏面の末法思想については、海城や立教池袋で出題がありますが、
出題するたび平均点はひどいことになっている内容となっています。
覚えておいてもよいですが、覚えなくても影響はないとみてよいと思います。
②国風文化の発達
十二単、かな文字
「源氏物語」「枕草子」「土佐日記」「古今和歌集」は作者名などと結び付けて押さえておきましょう。
③地方政治の乱れと武士の誕生
桓武天皇のところでも扱っていますが、国司が不正をしている…というところからの続きの内容です。
→知事と警察の仕事を兼ねていた国司自身が不正をしていたため、農民たちは自分で自分の身を守ることに
→武士が発生するきっかけに
→(平将門の乱、藤原純友の乱、清和源氏・桓武平氏の発生に繋がる)
坂上田村麻呂を征夷大将軍にして、蝦夷の征服を進めた
→朝廷の命令を聞き入れないため、蝦夷(東北地方)の征服を進めた
→形だけ朝廷による支配を受け入れ、それまでの指導者が東北地方を治めた
→(後々の前九年合戦、後三年合戦に繋がる)
院政は、「天皇が退位した後、上皇となって、院で行う政治」です。
白河上皇という人物名とともに押さえておくのが良いでしょう。
SAPIX5年10月マンスリーテストについては以下もご覧ください。
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!算数編
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!国語編
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!理科編
SAPIX5年10月マンスリーで押さえるべきポイント!社会編
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塾選びから合格(または転塾)までSAPIX完全解説
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